「ラベル法」をつかってファイルをつくっていくと文章化もやりやすくなります。たとえば、日記や旅行記などを書きだすときにはつぎのようにします。
1.「ラベル法」をつかって要点を書きだす
「ラベル法」をつかって要点(ラベル)をノートなどに書きだします。
「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。
取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)
「要点を書く」ときには情報の本体をしっかり想起しイメージするようにします。原則としては要点は単文でつづるようにします。ここでの情報の本体は、見たり聞いたり感じたり行動したりした体験のすべてです(図1)。体験のひとまとまりを意識することが重要です。
図1 体験のひとまとまりをファイルにする
体験のひとまとまり(ファイルの単位)をどのように決めるかは、そのときの課題の重要度と時間のかけかたによります。とても重要な課題で十分な時間をかけて情報処理にとりくむ場合はファイルの単位はこまかくなり、詳細なファイルをたくさんつくることになります。他方、かるい課題であまり時間をかけられない場合は大ざっぱなファイルをいくつかつくることになります。
こうして、要点(ラベル)を順次かきだしながら(アウトプットしながら)ファイルを順次つくっていきます。
2.ファイルは連結している
つぎに、書きだされたラベルを見ながら、いくつものファイルが時系列で連結しているということをイメージします(図2)。
図2 ファイルは時系列で連結している
3.体験を想起しながら文章化をすすめる
アウトプットされた単文(ラベル)を順番に見なおし、情報の本体である体験を想起、イメージしながら文章化(言語化)をすすめます。想起を補助するために、 必要に応じて写真や資料などを参照してもよいです。
日記や旅行記や行動記録を書きだすことはより大きなアウトプットの行為になっており、ラベルを見て体験を想起することは記憶法や心象法の実践にもなっています。
以上は、ファイルの結合のもっとも簡単なやり方であり、いくつものファイルを統合してアウトプットしいくための基本的な方法です。
4.基本訓練を発展させる
このようなことは誰でもよくやっていることですが、経験的にただ漠然とおこなうのではなく、情報処理を意識しながらアウトプットを出していくことが大切です。情報処理の観点からは、ファイルの作成とファイルの結合の仕組みを理解することがとても重要であり、日記や旅行記や行動記録などを書きだすことはそのための基本的な訓練になります。
ファイルの仕組みを理解しておくと、日記や旅行記や行動記録の実践は、 たとえばフィールドワークとか調査・研究、発想などといった、 もっと奥行きのある情報処理に発展させていくことが可能になります。
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