今回は、栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』から「線形法」の 61 から 100 までの「数字・イメージ・ファイル」(87ページ)を語呂合わせで記憶してみます。

以下に、61〜100までの「数字・イメージ・ファイル」を引用します。語呂合わせで数字とイメージをむすびつけて順番に記憶していきます。

61 ─ ロビン(駒鳥)
62 ─ ロープ(2はヒフミのフ)
63 ─ ムーミン
64 ─ ムシ(虫)
65 ─ ムコ(婿)
66 ─ ムームー
67 ─ ムチ(鞭、7は中国語でチー)
68 ─ ロバ
69 ─ ロック
70 ─ ナワ(0は ワ(輪)とも読める)
71 ─ チイ(地衣(コケ))
72 ─ ナツミカン(夏蜜柑)
73 ─ ナミ(波)
74 ─ ナシ(梨)
75 ─ ナンコウ(軟膏)
76 ─ ナイロン
77 ─ チチ(父)
78 ─ ナヤ(納屋)
79 ─ チキュウ(地球) 
80 ─ ヤマ(山)
81 ─ ハイ(灰)
82 ─ ヤニ(脂)
83 ─ ヤミ(闇)
84 ─ ヤシ(椰子)
85 ─ ヤゴ
86 ─ ハム
87 ─ ハナ(花)
88 ─ ハハ(母)
89 ─ ハク(箔)
90 ─ クマ(熊)
91 ─ クイ(杭)
92 ─ クツ(靴)
93 ─ クサ(草)
94 ─ クシ(串)
95 ─ クコ(枸杞)
96 ─ クロ(黒)
97 ─ クチ(口)
98 ─ クッパ
99 ─ キュウキュウシャ(救急車)
100 ─ ヒマワリ


1.  情報のひとまとまりはファイルである

イメージがよくうかばないものについてはインターネットで画像を見て確認します。

何かを記憶するときは、情報のひとまとまりを心のなかにファイルするようにします情報のひとまとまりは情報処理の観点から「ファイル」とよぶことができます。上記の「数字イメージ」はそれぞれが「ファイル」であるわけです。

たとえばコンピューターでも、情報(データ)のまとまりのことを「ファイル」とよび、それには上部構造として「アイコン+ファイル名」があり、下部構造として情報の本体があります。アイコンあるいはファイル名(上部構造)をダブルクリックすることにより、情報の本体(下部構造)をよびだせる仕組みにみなっています。

これと同様に、「数字・イメージ・ファイル」では、数字がファイル名(上部構造)、イメージが情報の本体(下部構造)であり、数字は情報のラベル(標識)として機能し、イメージは数字に圧縮される一方、数字を見ることによりイメージが想起できるという仕組みになっています(図1)。

140912 数字とイメージ
図1 数字とイメージによりファイルをつくる



ファイルの上部構造はラベル(標識)、ファイルの下部構造は情報の本体という構造になっています(図2)。
 
 140912 ラベルと情報の本体
図2 ファイルは、ラベルと情報の本体とからできている



たとえば、ファイル64はつぎのようにつくりました。
140912 64 ムシ
図3 ファイル 64



ファイル79はつぎのようにつくりました。
140612 79 地球
図4 ファイル 79


ファイル100はつぎのようにつくりました。
140912 100 ヒマワリ
図5 ファイル 100


「数字・イメージ・ファイル」を記憶することはファイル作成のなかではもっとも初歩的・基本的な作業です。ファイルを意識してつくることが大事です。



2. 数字を記憶してみる(例)

■ 東海道新幹線の東京駅〜新大阪駅の距離515kmをおぼえる
0515kmととらえて、つぎをイメージし記憶しました。

孫(マゴ:05)が東京駅から新幹線にのりました。新大阪駅についたときにイチゴ(15)を食べました。
「数字イメージ」を記憶する(その1)参照 >


■ 札幌から那覇までの最短距離2244kmをおぼえる
札幌から那覇までにとても大きな虹(ニジ:22)がかかっています。その下を獅子(シシ:44)がはしっています。
「数字イメージ」を記憶する(その2)参照 >


■ 富士山の標高3776mをおぼえる
富士山のふもとから道(ミチ:37)が山頂までつづいています。そこをのぼっていって、ナイロン(76)の大きな布を山頂にかけました。


■ 琉球王国の成立年1429年をおぼえる
琉球の首里城に医師(イシ:14)が入り、肉(ニク:29)を食べて琉球王国成立をいわいました。


「数字・イメージ・ファイル」は、自分の専門分野で必要な定量的データを記憶するときに特に役立ちます。数字を見てすぐにイメージをおもいうかべるようにし、一方で、イメージをおもいだせば数字がすぐにおもいうかぶようにしておきます。



3.『○○○の100』をおぼえる

あるテーマに関して『○○○の100』といった書籍・教材をときどきみかけます。このような資料にはよくできた100のファイルがすでに整理されています。これを利用しない手はありません。

これを学習し記憶するときに「数字・イメージ・ファイル」はとても役立ちます。「数字・イメージ・ファイル」をあらかじめ記憶しておけば、これに、あたらしい情報をむすびつけることにより100の事柄が簡単におぼえられます

こうして、課題に関するあらたな情報をどんどん結合していけばよいのです。ここに記憶法の極意があります。



4. ファイルの作成、結合から、ファイル編成へ発展させる

そして、そのようなファイルの結合は、つぎに、ファイルの編成、ファイルの再構築、ファイルの体系化といった作業に発展させていくことができます。これが発想法や問題解決につながっていきます。

このように、ファイルの作成はあらゆるファイルの操作の基礎であり、情報処理の基本になっています。



▼ 文献
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』(知的生きかた文庫) 三笠書房、200年5月1日
記憶力がいままでの10倍よくなる法 (知的生きかた文庫)