『世界の旅行記101』は、古今東西の代表的な旅行記101を9章にわけて概説しています。人類がどのように地球を旅行し探検し、地球を認識してきたかをたどることができます。

古今東西、旅行記はとてもたくさんあるので、まず本書を見て、興味を感じる本があったら原書にあたるという方法をとるとよいとおもいます。

以下の旅行記の概要が掲載されています。

I ギリシア・ローマ旅行記
 1 歴史
 2 アナバシス
 3 ガリア戦記
 4 エリュトゥラー海周航記
 5 ギリシア案内記

II 東洋旅行記
 6 インドの不思議
 7 旅路での出来事に関する情報の覚書
 8 モンゴル旅行記
 9 東方見聞録
 10 イブン・バットゥータ旅行記
 11 コンスタンチノープル征服記
 12 東方案内記
 13 東洋遍歴記
 14 朝鮮幽因記
 15 熱河日記
 16 中国訪問使節日記
 17 朝鮮・琉球航海記
 18 ペルシャ放浪記
 19 紫禁城の黄昏

III 大航海時代
 20 ギネ―発見征服誌
 21 航海日誌
 22 ヴァスコ・ダ・ガマのインド航海記
 23 新世界
 24 最初の世界一周航海記
 25 ペルーおよびクスコ地方征服に関する真実の報告
 26 パナマ地峡遠征記
 27 新大陸自然文化史

IV 宗教と旅
 28 仏国記(法顕伝)
 29 大唐西域記
 30 南海寄帰内法伝
 31 入唐求法巡礼日記
 32 行歴抄
 33 日本巡察記
 34 天正遣欧使節記
 35 日本史
 36 東方伝道史

V 探検の時代
 37 世界周航記
 38 太平洋探検
 39 世界周航記
 40 ビーグル号航海記
 41 暗黒大陸
 42 ユア号航海記
 43 世界最悪の旅
 44 西太平洋の遠洋航海者
 45 中央アジア踏査記
 46 さまよえる湖
 47 コン・ティキ号探検記
 48 悲しき熱帯

VI 紀行文学
 49 旅日記
 50 モーツァルトの手紙
 51 フランス紀行
 52 イタリア紀行
 53 ある旅行者の手記
 54 ライン河
 55 赤毛布外遊記
 56 オランダ・ベルギー絵画紀行
 57 アンコール詣で
 58 サハリン島
 59 ジャック・ロンドン放浪記
 60 デルスー・ウザーラ
 61 私のアメリカ発見
 62 アフリカの緑の丘
 63 ソヴィエト旅行記

VII 外国人と日本人
 64 海東諸国記
 65 セーリス日本航海記
 66 海游録
 67 江戸参府旅行日記
 68 江戸参府随行記
 69 ベニョフスキー航海記
 70 江戸参府紀行
 71 ペルリ提督日本遠征記
 72 江戸と北京
 73 日本奥地紀行
 74 日本旅行日記

VIII 日本人の旅行記 - 江戸時代まで
 75 伊勢物語
 76 土佐日記
 77 十六夜日記
 78 韃靼漂流記
 79 東海道名所記
 80 おくのほそ道
 81 東遊雑記
 82 江戸旅日記
 83 北槎聞略
 84 東西遊記
 85 江漢西遊日記
 86 東韃地方紀行
 87 管江真澄遊覧記
 88 秋山紀行
 89 島根のすさみ
 90 蕃談
 91 西游草

IX 日本の旅行記2 - 近代以降
 92 特命全権大使・米欧回覧実記
 93 南嶋探検
 94 赤松則良半生談
 95 チベット旅行記
 96 あめりか物語
 97 満韓ところどころ
 98 三千里
 99 日本アルプス
 100 支那游記
 101 海南小記


人類の旅行史・探検史の全体像を知るうえで貴重な一冊です。特に、その地域に最初の一歩をしるし、あたらしい世界を記述した旅行記はパイオニアワークとして大きな価値があります。

人類は、既知の領域から未知の領域へと旅をする存在であるととらえることもできます。人類は旅行や探検をし、またそれを記述することでみずからの空間をひろげてきました。このような、空間をひろげる歴史を知ることはとても大事なことです


文献:樺山紘一編『世界の旅行記101』新書館、1999年10月5日
世界の旅行記101 (ハンドブック・シリーズ)