タグ:記憶法
快眠して仕事をすすめる - 白川 修一郎著『ビジネスパーソンのための快眠読本』-
類似性をつかって理解し記憶し発想する - 特別展「古代ギリシャ - 時空を越えた旅 -」(5)-
哲学者アリストテレスの業績がわかります。すでにもっている情報に類似な情報をむすびつけたときに理解や記憶が生じます。物事や情報の類似性から類推し発想します。
続きを読む
展示室をめぐって時代をつかむ - 特別展「古代ギリシャ - 時空を越えた旅 -」(2)-
記憶力を高めるハイパフォーマンス睡眠法 - 茂木健一郎著『脳が冴える快眠法』(2)-
情報を物にむすびつけて記憶する - 特別展「世界の文字の物語」(3)-
博物館などにいって、情報を物にむすびつけてファイルしていく(記憶していく)と学習効果が飛躍的にあがります。
続きを読む
情報処理能力を高め、空白領域にチャレンジする - 特別展「生命大躍進」(まとめ&リンク)-
段階的に発展する - 特別展「生命大躍進」(6)-
情報処理とファイルの方法 - 湯村幸次郎著『図でわかる中学理科』(3)-
各単元を心のなかにファイルする - 湯村幸次郎著『図でわかる中学理科』(2)-
要約図を想起して書きだす - 湯村幸次郎著『図でわかる中学理科』(1)-
睡眠をとって記憶を強化する - ペネロペ=ルイス著『眠っているとき、脳では凄いことが起きている』-
よい感情とともに意識の内面にインプットされた記憶は睡眠中に強化されます。また睡眠により感情の再調整がおこなわれます。情報処理では感情が大きな役割をはたします。
続きを読む
地図上の場所にむすびつけて記憶する(5) - 文化的景観 2 -
地図上の特定の場所に情報をむすびつけて理解し記憶すると、さまざまな情報が活用できるようになります。
今回は、代表的な「文化的景観」(文化的景観をもつ世界遺産)その2を理解し記憶してみたいとおもいます。
興味のある場所についてはグーグルマップを「拡大表示」させ、「グーグルアース」にきりかえ、「ヘリコプター・ビュー」をしてみたり、画面下部に表示される写真を見たり、「ストリートビュー」や「360度パノラマ写真」をたのしんでみるとよいでしょう。
何かを理解したり記憶するときにはイメージをベースにするとよいです。言葉は、イメージを見るためのきっかけ(インデックス)としてつかったり、イメージを見た後の確認の道具として役立てるようにします。
視覚体験(イメージ)をあくまでも基本にした方が情報処理がすすむことはあきらかです。
1. ロワール渓谷
- ロワール川流域に貴族たちがきそって建てた城館群(フランス共和国)-
- フランス中部のロワール渓谷にはおよそ130者城館が点在しています。
- フランソワ1世が建てたシャンボール城はフランス・ルネサンスの最高傑作と評されています。レオナルド=ダ=ビンチも設計に関与したといわれます。
2. バリの文化的景観:パリ・ヒンドゥー哲学 トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」
- 人間と自然環境の調和がみられる灌漑システム(インドネシア共和国)-
- 「トリ・ヒタ・カラナ」は、神と人、自然の調和をもたらす宇宙観を反映した概念です。
- 「スバック」とは、寺院にあつめられた水を分けあう水利システムです。
3. パパハナモクアケア
- 多様な生き物がくらす世界最大級の海洋保護区(アメリカ合衆国)-
- 北西ハワイ諸島の島々と環礁の集合体です。
- ニホアとマクマナマという2つの島には、考古学的に重要な西欧化以前の定住跡がのこっています。
4. 首長ロイ・マタの旧所領
- 平和統一をなしとげた首長ゆかりの地(バヌアツ共和国)-
- 17世紀初頭の伝説的な首長ロイ=マタの住居跡、臨終の地とつ垂らすフェルス洞窟、埋葬地などの遺跡が世界遺産に登録されています。
5. シングヴェトリル国立公園
- 国民統合の象徴(アイスランド共和国)-
- 930年、アイスランドの入植者はこの地にあつまり、世界最古とされる民主的議会(全島集会)「アルシング」を開催して法律や規則をさだめました。
- アルシングの遺構が自然環境とともに見られ、アイスランドの国家的な聖地になっています。
6. オルホン渓谷の文化的景観
- 遊牧民の生活を今につたえる(モンゴル国)-
- 2000年にわたり自然と調和してくらした遊牧民の伝統や社会をつたえます。
- 文字資料として貴重な「オルホン碑文」が発見されました。
*
世界遺産は多数ありますが、まずは、人間・文化・自然環境の全体にひろがりのある文化的景観に着目するのがよいでしょう。その他の世界遺産にも興味がつらなっていきます。
▼ 関連記事
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
「文化的景観」に注目する - 世界遺産 -
登録基準に注目して世界遺産を理解する
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
「文化的景観」に注目する - 世界遺産 -
登録基準に注目して世界遺産を理解する
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
地図上の場所にむすびつけて記憶する(3) - 負の遺産(未来への教訓 2)-
地図上の場所にむすびつけて記憶する(4) - 文化的景観 1 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(5) - 文化的景観 2 -
モノを通して世界史をとらえる - 大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史(8)-
地図上の場所にむすびつけて記憶する(4) - 文化的景観 1 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(5) - 文化的景観 2 -
モノを通して世界史をとらえる - 大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史(8)-
地図上の場所にむすびつけて記憶する(4) - 文化的景観 -
地図上の特定の場所に情報をむすびつけて理解し記憶すると、さまざまな情報が活用できるようになります。
今回は、代表的な「文化的景観」(文化的景観をもつ世界遺産)を理解し記憶してみたいとおもいます。
ユネスコの世界遺産には「文化的景観」という概念があります。これは、人間が自然とともにつくりあげた景観をさします。この概念が適用された世界遺産は文化遺産に分類されるものの、文化遺産と自然遺産との境界に位置する遺産とされます。
1. 紅河ハニ族棚田群の文化的景観
- 独自の灌漑技術によりたもたれた棚田群 -
2. コルディリェーラ山脈の棚田
- 標高1000〜2000mの斜面にひろがる棚田 -
3. コロンビアのコーヒー農園の文化的景観
- 100年をこえて受けつがれてきたコーヒー栽培の営み -
4. リュウゼツランの景観とテキーラ村の古式産業施設群
- 先住民テウチトラン文化とテキーラ施設が混在した景観 -
5. ラヴォー地域のブドウ畑
- ブドウ畑と人間の営みが織りなす景観 -
6. アルト・ドウロのワイン生産地域
- ポート・ワインの源 -
7. トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
- 世界3大貴腐ワインのひとつ「アスーワイン」-
8. ビニャーレス渓谷
- 先住民の暮らしを伝える葉タバコの産地 -
9. 聖山スレイマン・トー
- 民間信仰とイスラム教信仰が混在する -
10. リヒタースフェルドの文化的および植物学的景観
- マナ族が、2000年以上にわたって自然環境を有効活用 -
11. トンガリロ国立公園
- 世界で最初に文化的景観がみとめられた -
12. 杭州にある西湖の文化的景観
- 日本や韓国にも影響をあたえた庭園設計 -
13. リオ・デ・ジャネイロ:山と海に囲まれたカリオカの景観
- 金の積出港としてさかえたリオの文化的景観 -
14. レドニツェ・ヴァルチツェの文化的景観
- リヒテンシュタイン公爵家の領地として発展した -
文化的景観を概念としてだけでなく、具体的な事例を通して理解し記憶することは重要なことです。文化的景観は、地球環境問題を解決し、人間と自然環境とが共生していくための重要な鍵となるでしょう。
日本でしたら、里山に文化的景観が見られるとおもいます。
▼ 参考文献
1. 紅河ハニ族棚田群の文化的景観
- 独自の灌漑技術によりたもたれた棚田群 -
2. コルディリェーラ山脈の棚田
- 標高1000〜2000mの斜面にひろがる棚田 -
3. コロンビアのコーヒー農園の文化的景観
- 100年をこえて受けつがれてきたコーヒー栽培の営み -
4. リュウゼツランの景観とテキーラ村の古式産業施設群
- 先住民テウチトラン文化とテキーラ施設が混在した景観 -
5. ラヴォー地域のブドウ畑
- ブドウ畑と人間の営みが織りなす景観 -
6. アルト・ドウロのワイン生産地域
- ポート・ワインの源 -
7. トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
- 世界3大貴腐ワインのひとつ「アスーワイン」-
8. ビニャーレス渓谷
- 先住民の暮らしを伝える葉タバコの産地 -
9. 聖山スレイマン・トー
- 民間信仰とイスラム教信仰が混在する -
10. リヒタースフェルドの文化的および植物学的景観
- マナ族が、2000年以上にわたって自然環境を有効活用 -
11. トンガリロ国立公園
- 世界で最初に文化的景観がみとめられた -
12. 杭州にある西湖の文化的景観
- 日本や韓国にも影響をあたえた庭園設計 -
13. リオ・デ・ジャネイロ:山と海に囲まれたカリオカの景観
- 金の積出港としてさかえたリオの文化的景観 -
14. レドニツェ・ヴァルチツェの文化的景観
- リヒテンシュタイン公爵家の領地として発展した -
*
文化的景観を概念としてだけでなく、具体的な事例を通して理解し記憶することは重要なことです。文化的景観は、地球環境問題を解決し、人間と自然環境とが共生していくための重要な鍵となるでしょう。
日本でしたら、里山に文化的景観が見られるとおもいます。
▼ 関連記事
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
「文化的景観」に注目する - 世界遺産 -
登録基準に注目して世界遺産を理解する
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
「文化的景観」に注目する - 世界遺産 -
登録基準に注目して世界遺産を理解する
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
▼ 参考文献
地図上の場所にむすびつけて記憶する(3) - 負の遺産(未来への教訓 2)-
地図上の特定の場所に情報をむすびつけて理解し記憶すると、さまざまな情報が活用できるようになります。
今回は、代表的な「負の遺産」(負の世界遺産 その2)を理解し記憶してみたいとおもいます。
ユネスコの世界遺産では、人類がおかした人種差別や虐待・ 虐殺、戦争などの過ちを「負」の記憶としてのこし、二度とおなじことをくりかえさないための教訓として「負の遺産」(負の世界遺産)を登録しています。未来への教訓として「負の遺産」を理解し記憶することはとても重要なことです。
5. ビキニ環礁 - 核実験場となった海
- 67回の核実験がおこなわれた美しい海 -
- 1946年から1958年にかけてアメリカは、マーシャル諸島共和国・ビキニ環礁で67回の核実験を実行しました。
- 核実験の破壊力の累積は広島に投下された原爆の7000倍におよびます。
- ビキニ環礁の自然環境や生態系、住民に甚大なダメージをあたえました。
- ビキニ環礁の底には、水爆「ブラボー」による直径2km の「ブラボー・クレーター」がのこります。
- 日本のマグロ漁船・第五福竜丸も水爆実験で被爆しました。
6. バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群
- 破壊されたガンダーラ美術の傑作 -
- アフガニスタン北東部のバーミヤン渓谷には、1〜13世紀ごろにきずかれたおよそ1000者石窟遺跡が点在しています。
- 初期のガンダーラ美術の変遷の様子がうかがえます。
- 2001年、タリバン政権によって摩崖仏が破壊され、石窟内の壁画も8割が消失しました。
- 2003年、世界遺産に緊急登録され、同時に危機遺産リストにも記載されました。
7. ガーナのベナン湾沿いの城塞群
- ヨーロッパ諸国が支配権をあらそった黄金海岸 -
- ガーナのベナン湾沿いには、15〜18世紀にヨーロッパ人がきずいた城塞群がおよそ500kmにわたって点在しています。
- ガーナは、世界有数の金産地であったため、この海岸は「黄金海岸」(ゴールドコースト)とよばれました。
- 城塞内には、奴隷交易所や監獄のほか、象牙や真鍮(しんちゅう)や香辛料の交易所ものこります。
- 最盛期には60カ所あった建造物のうち3分の1が残存、博物館や学校として現在も利用されています。
8. クンタ・キンテ島と関連遺跡群
- ガンビア川の河口にある奴隷貿易の拠点 -
- クンタ・キンテ島は奴隷貿易の重要拠点であり、一帯は奴隷の供給地でした。
- 作家のアレックス=ヘイリーは、この地で奴隷になった先祖クンタ・キンテを主人公に『ルーツ』を著しました。
- クンタ・キンテはこの島から出航させられました。
- もともとはジェームズ島とよばれていましたが、2011年、クンタ・キンテ島と改名されました。
- バレン要塞、サン・ドミンゴ(交易のための建物群)、礼拝所の跡などがのこっています。
*
世界遺産には、特定の場所と具体的な物が登録されています。したがって世界遺産をつかえば、抽象的な概念であっても特定の場所と具体的な物にむすびつけて理解し記憶することができます。
たとえば歴史的な出来事、思想、宗教、文化、自然の仕組みなどの抽象的な概念を場所と物にむすびつけて理解し記憶します。するとその場所とその物(のイメージ)を見ることによってその抽象的な概念がおもいだせます。場所と物は、情報のインデックスの役割をはたします。あるいは情報のシンボルとして機能します。
こうして世界各地の世界遺産を利用すると、言語だけで理解し記憶するよりもはるかに容易に世界について認識していくことができます。
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
地図上の場所にむすびつけて記憶する(2) - 負の遺産(未来への教訓 1)-
地図上の特定の場所に情報をむすびつけて理解し記憶すると、さまざまな情報が活用できるようになります。
今回は、代表的な「負の遺産」(負の世界遺産)を理解し記憶してみたいとおもいます。
ユネスコの世界遺産では、人類がおかした人種差別や虐待・ 虐殺、戦争などの過ちを「負」の記憶としてのこし、二度とおなじことをくりかえさないための教訓として「負の遺産」(負の世界遺産)を登録しています。未来への教訓として「負の遺産」を理解し記憶することはとても重要なことです。
1. 広島平和記念碑(原爆ドーム)
- 原爆の悲劇を語り継ぐ平和のシンボル -
2. オーストラリアの囚人収容所遺跡群
- 大英帝国が築いた囚人収容施設 -
ユネスコのサイト(地図)
3. モスタル旧市街の石橋と周辺
- 内戦の傷跡と民族和解を伝える橋 -
4. アウシュヴィッツ・ビルケナウ - ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
- ホロコーストの悲劇を記憶する -
上記のように、グーグルマップが今日ではあるので、地図上の特定の場所にさまざまな情報をむすびつけて理解し記憶することが容易になりました。
グールルマップがもしなかったら、地図帳をひっくりかえしながらその場所が見つかったり見つからなかったり、作業に時間がかかってしまいます。
またグールルマップをつかえば、その場所を拡大したり縮小したりする「ヘリコプター・ビュー」が自在にできます。リアルな衛星写真にきりかえることもできます。「ストリートビュー」や現地の写真も見られ「仮想旅行」をすることもできます。
便利な時代になりました。あとはいかにつかいこなすかです。世界遺産を利用するのはひとつの方法だとおもっています。
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
今回は、代表的な「負の遺産」(負の世界遺産)を理解し記憶してみたいとおもいます。
ユネスコの世界遺産では、人類がおかした人種差別や虐待・ 虐殺、戦争などの過ちを「負」の記憶としてのこし、二度とおなじことをくりかえさないための教訓として「負の遺産」(負の世界遺産)を登録しています。未来への教訓として「負の遺産」を理解し記憶することはとても重要なことです。
1. 広島平和記念碑(原爆ドーム)
- 原爆の悲劇を語り継ぐ平和のシンボル -
- 1945年8月6日午前8時15分、アメリカの爆撃機エノラ・ゲイが投下した原子爆弾「リトル・ボーイ」は、産業奨励館の南東約160m、高度約580mで炸裂しました。
- 廃墟となった産業奨励館は「原爆ドーム」とよばれるようになりました。
- 1994年、文化庁は国の史跡に指定しました。
- 1996年、第20回世界遺産委員会で世界遺産への登録が審議されると、アメリカは登録に強硬に反対、中国は審議を棄権しましたが登録が実現しました。
- 核兵器廃絶と世界恒久平和という「ヒロシマの願い」を発信する世界的なモニュメントとなりました。
2. オーストラリアの囚人収容所遺跡群
- 大英帝国が築いた囚人収容施設 -
ユネスコのサイト(地図)
- 大英帝国が18〜19世紀につくった1000以上の囚人遺跡の一部(合計11の施設)が登録されています。
- 1787年から1868年の間に、女性や子どもをふくむ約16万6000人が流刑となりました。
- 懲罰としての収監と、植民地開拓のために労働を通しての更生という2種類の観点から固有の役割りをあたえられていました。
3. モスタル旧市街の石橋と周辺
- 内戦の傷跡と民族和解を伝える橋 -
- ボスニア・ヘルツェゴビナ南部にあるモスタルは、オスマン帝国時代の15世紀につくられた街です。
- ネレトヴァ川の東岸にはムスリム(イスラム教徒)地区があります。
- 西岸にはクロアチア人(カトリック信者)地区があります。
- 両岸をつなぐ「スターリ・モスト」(古い橋)は民族紛争により1993年に崩落しました。
- 1995年に紛争が終了、2004年に橋は再建され、民族和解の象徴となりました。
4. アウシュヴィッツ・ビルケナウ - ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
- ホロコーストの悲劇を記憶する -
- 1940年にアウシュビッツ強制収容所が建設されました。
- 1942年には隣のビルケナウに第2収容所が建設されました。
- ナチス・ドイツによる未曾有のホロコースト(大量殺戮)がおこなわれました。
- その多くはユダヤ人でした。
*
上記のように、グーグルマップが今日ではあるので、地図上の特定の場所にさまざまな情報をむすびつけて理解し記憶することが容易になりました。
グールルマップがもしなかったら、地図帳をひっくりかえしながらその場所が見つかったり見つからなかったり、作業に時間がかかってしまいます。
またグールルマップをつかえば、その場所を拡大したり縮小したりする「ヘリコプター・ビュー」が自在にできます。リアルな衛星写真にきりかえることもできます。「ストリートビュー」や現地の写真も見られ「仮想旅行」をすることもできます。
便利な時代になりました。あとはいかにつかいこなすかです。世界遺産を利用するのはひとつの方法だとおもっています。
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図上の場所にむすびつけて記憶する(1) - 絶滅危惧種 -
地図とイメージをつかって、特定の場所に情報をむすびつけると様々な情報が記憶・活用できるようになります。
今回は、代表的な絶滅危惧種を世界遺産を通して理解し記憶してみたいとおもいます。
世界的な自然保護NGOであり、野生生物に関する国際的な知見をたばねるIUCN(国際自然保護連合)は、絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を作成しており、このリストには現在、約2万種の野生生物が掲載されています。絶滅危惧種について知ることは地球の現状を理解するために重要なことです。
1. ヴィルンガ国立公園
- マウンテンゴリラやカバの貴重な生息地 -
2. コモド国立公園
- 世界最大のトカゲが生息する島 -
3. 四川省のジャイアントパンダ保護区群
- 世界のジャイアントパンダの30%が生息 -
4. ソコトラ諸島
- インド洋に浮かぶ固有種の宝庫 -
5. リオ・プラタノ生物圏保護地域
- 約380種の鳥類が生息する熱帯雨林帯 -
絶滅危惧種について理解するときには、世界遺産などを通して、地球上の具体的な場所に情報をむすびつけて理解し記憶するとよいです。これは情報を、特定の場所にむすびつけて「ファイル」するといった方法であり、「空間記憶法」の一種です。
たとえば「マウンテンゴリラ」といえば 、「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所を見たら「マウンテンゴリラ」がすぐにイメージできるようにしておきます。
あるいは「コモドドラゴン」といえば、「インドネシア南東部」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「インドネシア南東部」の場所を見たら「コモドドラゴン」がすぐにイメージできるようにしておきます。
あるいは「ジャイアントパンダ」といえば、「中国四川省」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「中国四川省」の場所を見たら「ジャイアントパンダ」がすぐにイメージできるようにしておきます。
以下同様です。
いずれも地図(グーグルマップあるいは地球儀)とイメージをつかうのがポイントです。地図とイメージがおぼえられたら、それらに言葉をむすびつけて記憶量をふやしていけばよいでしょう。そうしないで言葉だけでおぼえようとしているとうまくいきません。このような「場所記憶」あるいは「空間記憶法」は受験勉強でもつかえます。
▼ 参考文献
今回は、代表的な絶滅危惧種を世界遺産を通して理解し記憶してみたいとおもいます。
世界的な自然保護NGOであり、野生生物に関する国際的な知見をたばねるIUCN(国際自然保護連合)は、絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を作成しており、このリストには現在、約2万種の野生生物が掲載されています。絶滅危惧種について知ることは地球の現状を理解するために重要なことです。
1. ヴィルンガ国立公園
- マウンテンゴリラやカバの貴重な生息地 -
- ヴィルンガ国立公園 はコンゴ共和国最古の国立公園であり、マウンテンゴリラの保護を目的として1925年に設立されました。
- 総面積 7900k㎡、エドワード湖と、ヴィルンガ火山群があります。
- マウンテンゴリラや東ローランドゴリラなどの22種の霊長類にとっての貴重な生息域になっています。
- 「ジョンバ・サンクチュアリ」はゴリラの聖域として公開されています。
- エドワード湖畔には、およそ2万頭のカバが生息しています。
- 隣国のルワンダ内戦で発生した大量の難民が流入し環境が悪化したことにくわえ、密猟があとをたたず生態系が危機に瀕しています。
- 1994年に危機遺産に登録されました。
2. コモド国立公園
- 世界最大のトカゲが生息する島 -
- インドネシア共和国の南東部、コモド島やフロレス島といった小スンダ島の島々からなります。
- コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)の生息地です。
- コモドオオトカゲは、皮を目的に乱獲されたことで生息数が激減し、危急種に指定されています。
3. 四川省のジャイアントパンダ保護区群
- 世界のジャイアントパンダの30%が生息 -
- 中国四川省の7つの自然保護区と9つの風景保存区がジャイアントパンダ保護区群として自然遺産に登録されています。
- ジャイアントパンダは、森林伐採や密漁で激減し、絶滅危惧種になっています。
- 現在、約500頭(全頭数の約30%)が生息しています。
- そのほかにも、レッサーパンダ、ユキヒョウ、ウンピョウなどの絶滅危惧種も生息しています。
4. ソコトラ諸島
- インド洋に浮かぶ固有種の宝庫 -
- ソコトラ諸島は、インド洋の北西部、アラビア半島と「アフリカの角」の中間にうかぶ4つの島と二つの岩の小島からなります。
- 大陸移動の際にゴンドワナ大陸から分離し隔絶されたために固有種の割合が高いです。
- リュウケツジュ(竜血樹)は樹脂が赤いのが特徴で、薬品や染料として古来から重宝されてきました。
- 近年は、島の乾燥化がすすみ、固有種の半数が絶滅の危機にあります。
5. リオ・プラタノ生物圏保護地域
- 約380種の鳥類が生息する熱帯雨林帯 -
- ホンジュラスのプラタノ川流域に密林地帯にあります。
- コンゴウインコやベアードバクなどの絶滅危惧種のほか、約380種もの鳥類が生息しています。
- 沿岸地帯には、マングローブやココヤシが繁茂しています。
- 河口付近には、危急種になっているアメリカマナティが生息しています。
- 危機遺産リストに掲載されています。
*
絶滅危惧種について理解するときには、世界遺産などを通して、地球上の具体的な場所に情報をむすびつけて理解し記憶するとよいです。これは情報を、特定の場所にむすびつけて「ファイル」するといった方法であり、「空間記憶法」の一種です。
たとえば「マウンテンゴリラ」といえば 、「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「コンゴ・ヴィルンガ国立公園」の場所を見たら「マウンテンゴリラ」がすぐにイメージできるようにしておきます。
あるいは「コモドドラゴン」といえば、「インドネシア南東部」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「インドネシア南東部」の場所を見たら「コモドドラゴン」がすぐにイメージできるようにしておきます。
あるいは「ジャイアントパンダ」といえば、「中国四川省」の場所が世界地図上(あるいは地球儀上)ですぐにおもいうかべられるようにし、一方で地図上で「中国四川省」の場所を見たら「ジャイアントパンダ」がすぐにイメージできるようにしておきます。
以下同様です。
いずれも地図(グーグルマップあるいは地球儀)とイメージをつかうのがポイントです。地図とイメージがおぼえられたら、それらに言葉をむすびつけて記憶量をふやしていけばよいでしょう。そうしないで言葉だけでおぼえようとしているとうまくいきません。このような「場所記憶」あるいは「空間記憶法」は受験勉強でもつかえます。
▼ 参考文献
数字イメージをつかって記憶する - 世界遺産の登録基準 -
「数字イメージ」をつかうと番号がふられた情報を容易に記憶することができます。
今回は、「数字イメージ」をつかって「世界遺産の登録基準」のキーワードを記臆してみたいとおもいます。「数字イメージ」とは、語呂合わせをつかって数字をイメージにしたものです。01から10までの数字はつぎのようにイメージします。
「数字イメージ」を記憶する(その1) >>
世界遺産の登録基準とキーワードはつぎのようになています。
たとえばつぎのようにイメージしながら記臆していきます。
(ⅰ)= 01:「甥」っ子がつくった人間の彫刻、「傑作」である。
(ⅱ)= 02:2つの国の「王子」らが「文化交流」にかかわる交渉をしている。
(ⅲ)= 03:城内にある「王座」は「時代の証拠」である。
(ⅳ)= 04:「鷲」が、「建築・科学技術」の粋をあつめてつくった塔の上にとまった。
(ⅴ)= 05:「孫」が村に滞在しながら「環境と交流」している。
(ⅵ)= 06:「オウム」の絵画が、「歴史・伝統」のある美術史美術館に展示されている。
(ⅶ)= 07:「女の人」が、美しい風景(「自然美」)の中をあるいている。
(ⅷ)= 08:「親」が、「地球史」年表をめくっている。
(ⅸ)= 09:「進化と生態系」をしめす巨大な熱帯雨林のなかで「お灸」をすえた。
(ⅹ)= 10:大きな「岩」の上に、「生物多様性」をしめす動物図鑑がおいてある。
たとえば(ⅰ)の登録基準についておもいだすときには、(ⅰ)= 01 ととらえて「甥」をイメージし、「甥が彫刻をつくった」ことをおもいだし、「傑作」というキーワードをひきだします。
(ⅱ)については 02 ととらえて「王子」をイメージし、2人の王子が「文化交流」の交渉をしていたことをおもいだします。
(ⅲ)については 03 ととらえて「王座」をイメージし、「時代の証拠」というキーワードをひきだします。
以下、同様です。
記憶法のポイントはイメージをつかうところにあります。
記憶法とは、人がおこなう情報処理でいうとプロセシングの方法のひとつであり、「記銘→保持→想起」という過程からなります。
記銘をするときからイメージをつかい、イメージに言葉をむすびつけておくようにします。想起するときには、イメージをまずおもいおこし、イメージから言葉をひきだすようにします。そしてそれをアウトプットにつなげていくようにします。
イメージをつかう記憶法の具体的な実践例として「数字イメージ」はとてもわかりやすいです。
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
今回は、「数字イメージ」をつかって「世界遺産の登録基準」のキーワードを記臆してみたいとおもいます。「数字イメージ」とは、語呂合わせをつかって数字をイメージにしたものです。01から10までの数字はつぎのようにイメージします。
01:オイ(甥、0は英語のオーとも読める)02:オウジ(王子、2は二郎の二)03:オウザ(王座)04:ワシ(鷲、0はワ(輪)とも読める)05:マゴ(孫、0はマ(丸)とも読める)06:オウム07:オンナ(女)の人08:オヤ(親)09:オキュウ(お灸)10:イワ(岩)
「数字イメージ」を記憶する(その1) >>
世界遺産の登録基準とキーワードはつぎのようになています。
文化遺産(ⅰ)人類の創造的資質を示す傑作(KW:傑作)(ⅱ)文化交流を証明する(KW:文化交流)(ⅲ)文明や時代の証拠を示す(KW:時代の証拠)(ⅳ)建築技術や科学技術の発展を証明する(KW:建築・科学技術)(ⅴ)独自の伝統集落や、人類と環境の交流を示す(KW:環境との交流)(ⅵ)歴史上の出来事や伝統・宗教・芸術と関連する(KW:歴史・伝統)自然遺産(ⅶ)自然美や景観美、独特な自然現象を示す(KW:自然美)(ⅷ)地球の歴史の主要段階を証明する(KW:地球史)(ⅸ)動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す(KW:進化と生態系)(ⅹ)絶滅危惧種の生息域で、生物多様性を示す(KW:生物多様性)※ KW:キーワード
たとえばつぎのようにイメージしながら記臆していきます。
(ⅰ)= 01:「甥」っ子がつくった人間の彫刻、「傑作」である。
(ⅱ)= 02:2つの国の「王子」らが「文化交流」にかかわる交渉をしている。
(ⅲ)= 03:城内にある「王座」は「時代の証拠」である。
(ⅳ)= 04:「鷲」が、「建築・科学技術」の粋をあつめてつくった塔の上にとまった。
(ⅴ)= 05:「孫」が村に滞在しながら「環境と交流」している。
(ⅵ)= 06:「オウム」の絵画が、「歴史・伝統」のある美術史美術館に展示されている。
(ⅶ)= 07:「女の人」が、美しい風景(「自然美」)の中をあるいている。
(ⅷ)= 08:「親」が、「地球史」年表をめくっている。
(ⅸ)= 09:「進化と生態系」をしめす巨大な熱帯雨林のなかで「お灸」をすえた。
(ⅹ)= 10:大きな「岩」の上に、「生物多様性」をしめす動物図鑑がおいてある。
たとえば(ⅰ)の登録基準についておもいだすときには、(ⅰ)= 01 ととらえて「甥」をイメージし、「甥が彫刻をつくった」ことをおもいだし、「傑作」というキーワードをひきだします。
(ⅱ)については 02 ととらえて「王子」をイメージし、2人の王子が「文化交流」の交渉をしていたことをおもいだします。
(ⅲ)については 03 ととらえて「王座」をイメージし、「時代の証拠」というキーワードをひきだします。
以下、同様です。
*
記憶法のポイントはイメージをつかうところにあります。
記憶法とは、人がおこなう情報処理でいうとプロセシングの方法のひとつであり、「記銘→保持→想起」という過程からなります。
図 記臆法のモデル
記銘をするときからイメージをつかい、イメージに言葉をむすびつけておくようにします。想起するときには、イメージをまずおもいおこし、イメージから言葉をひきだすようにします。そしてそれをアウトプットにつなげていくようにします。
イメージをつかう記憶法の具体的な実践例として「数字イメージ」はとてもわかりやすいです。
▼ 関連記事
登録基準に注目して世界遺産を理解する
「人間-文化-自然環境」系として世界をとらえなおす
記憶情報をアップデートする
情報処理を適切にすすめ、よくできたアウトプットをだすために、記憶情報をアップデートする習慣を身につけるとよいです。
わたしたち人間は、感覚器官をつかって外界の情報を心の内面に日々インプットしています。インプットした情報の中で重要なものは記憶されます。
プロセシングとアウトプットのためには、あらたにインプットした情報だけでなく、過去に記憶した情報もおもいだしてつかうのが普通です。
過去にインプットした情報を想起してつかうときに注意しなければならないことは、その情報(データ)がふるくなっていないかどうかということです。たとえば10年前にインプットした情報がふるくて今ではつかえなくなっているということはよくあります。あるいはその分野の研究が進展して、従来の知識が変更されているということもよくあります。
たとえば最新の日本史研究によると、鎌倉幕府の成立は1192年ではなくて1185年だそうです(注)。
ふるくてつかえないデータをつかってプロセシングをすすめてアウトプットをしても結果はまちがったものになることはあきらかです。あるいはほかの人との議論がかみあわなかったりします。若い人とご年配の方とが話がかみあわないのは、かんがえ方のちがいよりも、つかっている情報(データ)がそもそもちがうことによる場合が多いのです。
人間は、年をかさねるにつれて経験と知識でものをかたるようになってきます。これは、過去にインプットした情報(記憶)のみをつかっている状態であり、あらたなインプットをしなくなった姿をあらわしています(下図)。
そこでどうすればよいか。
過去にインプットした情報(データ)を定期的に "アップデート" すればよいのです。何かのアウトプットをするときには、その前に、記憶情報をアップデートするようにします。
そのためにはたとえば月刊誌がつかえます。興味のある分野の月刊誌には定期的に毎月 目をとおすようにするとよいでしょう(下図)。
アップデートをしないと、ふるい "バージョン" の人間になってしまいます。いわゆる「昔の人」です。記憶情報をアップデートする習慣をもつことは重要なことだとおもいます。
▼ 注
『いざ、鎌倉 鎌倉時代』(角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』5)KADOKAWA、2015年6月30日
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 (5) いざ、鎌倉 鎌倉時代
▼ 関連記事
想起して書き出す - 記憶法とアウトプット -
わたしたち人間は、感覚器官をつかって外界の情報を心の内面に日々インプットしています。インプットした情報の中で重要なものは記憶されます。
プロセシングとアウトプットのためには、あらたにインプットした情報だけでなく、過去に記憶した情報もおもいだしてつかうのが普通です。
過去にインプットした情報を想起してつかうときに注意しなければならないことは、その情報(データ)がふるくなっていないかどうかということです。たとえば10年前にインプットした情報がふるくて今ではつかえなくなっているということはよくあります。あるいはその分野の研究が進展して、従来の知識が変更されているということもよくあります。
たとえば最新の日本史研究によると、鎌倉幕府の成立は1192年ではなくて1185年だそうです(注)。
ふるくてつかえないデータをつかってプロセシングをすすめてアウトプットをしても結果はまちがったものになることはあきらかです。あるいはほかの人との議論がかみあわなかったりします。若い人とご年配の方とが話がかみあわないのは、かんがえ方のちがいよりも、つかっている情報(データ)がそもそもちがうことによる場合が多いのです。
人間は、年をかさねるにつれて経験と知識でものをかたるようになってきます。これは、過去にインプットした情報(記憶)のみをつかっている状態であり、あらたなインプットをしなくなった姿をあらわしています(下図)。
図 あらたなインプットをせず、記憶からのみアウトプットする
そこでどうすればよいか。
過去にインプットした情報(データ)を定期的に "アップデート" すればよいのです。何かのアウトプットをするときには、その前に、記憶情報をアップデートするようにします。
そのためにはたとえば月刊誌がつかえます。興味のある分野の月刊誌には定期的に毎月 目をとおすようにするとよいでしょう(下図)。
図 月刊誌をみて記憶情報をアップデートする
アップデートをしないと、ふるい "バージョン" の人間になってしまいます。いわゆる「昔の人」です。記憶情報をアップデートする習慣をもつことは重要なことだとおもいます。
▼ 注
『いざ、鎌倉 鎌倉時代』(角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』5)KADOKAWA、2015年6月30日
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 (5) いざ、鎌倉 鎌倉時代
▼ 関連記事
想起して書き出す - 記憶法とアウトプット -
想起して書き出す - 記憶法とアウトプット -
情報処理の一環として記憶法を実践し、情報を想起しながら書き出す(アプトプットする)ようにするとよいです。
記憶法とは具体的には〈記銘→保持→想起〉のことです。
記銘とは、経験したことをおぼえこみ定着させることです。保持とは、記銘された情報が心のなかで残存し維持される過程です。想起とは、保持された情報(経験)をおもいだすこと、おもいうかべることです。
現代の情報化社会においては、これらを、人間がおこなう情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の一環として実践するのがよいです。つまり、記憶法だけを単独でおこなおうのではなく、情報処理のプロセシングのひとつの技術として記憶法にとりくむのです(下図)。
図 記憶法はプロセシングのひとつの技術
*
たとえば日記を書くときはどうでしょうか。
日中、わたしたち人間は、見たり聞いたり味わったりというように感覚器官をつかって膨大な情報を意識の内面にインプットしています。
インプットされたそれらの情報のなかで重要なことについては記銘するようにします。記銘された情報は心の中で保持されます。
そして夜になって自室にもどったら、その日の体験(保持された情報)を想起しながら日記を書き出していきます。つまりアウトプットします。想起して書き出すというところがポイントです。具体的には、日中の出来事をイメージとしておもいうかべながら、それらを言語にして表現していきます。
インプットされたそれらの情報のなかで重要なことについては記銘するようにします。記銘された情報は心の中で保持されます。
そして夜になって自室にもどったら、その日の体験(保持された情報)を想起しながら日記を書き出していきます。つまりアウトプットします。想起して書き出すというところがポイントです。具体的には、日中の出来事をイメージとしておもいうかべながら、それらを言語にして表現していきます。
*
このような記憶法を実践していると、記憶力をつよめるだけでなく情報処理能力が高まってきます。書く力、アウトプット能力が向上します。
そうだとすれば、アウトプットすることを念頭において記憶法を実践することにはとても大きな意義があるということになります。あるいは記憶法とアウトプットを念頭においてインプットをおこなうのです。よくできたインプットと記憶法はよくできたアウトプットをもたらします。
そしてそのためには、そもそも自分は本当は何に興味があるのか、どの分野にチャレンジしたいのかといった課題設定を明確にしておいたほうがよいです。
課題設定→〔インプット→プロセシング(記銘→保持→想起)→アウトプット〕
課題が明確に決まっていれば、インプットされた大量な情報のなかで何を記銘すればよいかも明確になります。何を記銘し保持すればよいかという自分なりの情報の評価ができます。課題設定は情報処理の全過程にひびいてきます。課題は重要です。
*
現代では、インターネットが発達したために、たいていのことは検索すればでてきますし、クラウドのデータにもすぐにアクセスできます。移動中でもモバイルがつかえます。時代は本当に変わりました。したがって何でもかんでもすべてを記憶しておく必要はなくなりました。
それでは記憶法はもはや必要なくなったのでしょうか?
そうではありません。記憶法は、情報化社会においてあらたな意義をもつようになりました。従来のような丸暗記をするのでななく、〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムを意識して生活し、情報処理の体系のなかにくみこんで記憶法にとりくんでいくことが重要です。そして自分らしいアウトプットをつねに出していくのです。
スポンサーリンク