発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:情報収集

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ワインの色をたのしむ


国立科学博物館で開催されている「ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -」は、味覚・臭覚・視覚・色覚などが複合されてワインのゆたかな味わいが生みだされることをおしえてくれます。

「ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -」はワインをテーマにした国内初の大規模展覧会です。うつしい色と香りでわたしたちを魅了するワインは一体どのような過程をへてできあがっているのでしょうか。ひとしずくにかくされたストーリーを、多彩な資料と映像で科学的かつ歴史的にときあかしています。

 
■ ワインを味わう
赤ワインは、軽やかで飲みやすいタイプから重厚なタイプまであり、渋みもワインによってさまざまです。白ワインは、辛口から甘口まであり、すっきりしたタイプあるいはしっかりしたタイプ。ロゼは、辛口のものは色がきれいで食べ物にも幅広くあいます。


■ 色をたのしむ
ワインカラーというだけで何か高級な感じをかもしだします。ワインの魅力は味だけにとまりません。

ワインは、発酵・熟成の過程で色・香り・味が決まってきます。熟成がながければ高級になるというわけではなく、ワインによって適切な熟成期間があります。

赤ワインの場合、わかいワインでは青や紫色がつよく、熟成がすすんだワインは黄色み(レンガ色やオレンジ色)がつよくなります。白ワインでは、緑色がつよいほどわかく、黄色み(金色や琥珀色など)がつよいほど熟成がすすんできます。


■ 香りをたのしむ
香りも、花や柑橘やベリーなど、実に奥深い世界がひろがっています。

ワインの香りはたくさんの香気成分からできた複合的な香りです。ワインの香りの要素はアロマホイールに系統ごとにまとめられています。

会場の体験コーナーでは、これらの中のいくつかを実際にかいでみることができます。3割の人は感じないスミレの香りもあります。

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 香りの体験コーナー


■ 視覚効果
ワインボトルにもさまざまなものがあります。グラスにそそぐ際に澱(おり)をとめるという実用性もありますが、ボトルはビジュアル要素でもあります。下の写真は交差法ですべて立体視ができます。


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さまざまなワインボトル


デカンタは、ワインを供出する際に使用するガラス製の容器です。ボトルからデカンタにワインをうつしいれることをデカンタージュ(デカンティング)とよびます。デカンタにはワインの香りを引き出したり、ワインの澱(おり)を分離するという効果もありますが、デザインや造形による視覚的演出もあります。
 

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さまざまなデカンタ


グラスによっても味わいの感じ方がかなり大きく変わります。


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さまざまなワイングラス



味覚・色覚・臭覚にくわえ、ボトルやデカンタやグラスの視覚効果も作用してワインのゆたかな味わいが生じます。

わたしたちは、味覚・臭覚・視覚・色覚など感覚器官をつかってさまざまな情報を日々とりいれています。それぞれの感覚を単独でつかうよりも、たくさんの感覚をつかって複合的に情報をインプットしたほうが味わいや印象がふかまり、また記憶にものこりやすくなります(下図)。

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図 複合的にインンプットする 


「ワイン展」は 2016年2月21日までです。


▼ ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -



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東京・上野の国立科学博物館で開催されている「ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -」にいってきました。

ワインの味はワインそのものの味だけでなく、ワインの色や香りそしてグラスまでもがかかわって複合的に決まることや、ワインがつくられ多くの人々に飲もれるようになったことは古代都市の形成や古代文明のはじまりと関連していることなど、興味ぶかい展示がありました。くわしくは後日レポートします。

博物館にいながらワイナリーを散策しているような雰囲気をたのしめます。ワイン好きの方におすすめします。


▼ ワイン展 - ブドウから生まれた奇跡 -(2016年02月21日まで)
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情報をインプットするときには総合的に丸ごとインプットした方がプロセシンがすすみます。

『Newton』2016年1月号(注1)では「臭覚と味覚のしくみ」について解説しています。ここでは、臭覚と味覚のそれぞれの仕組みについて分析的に説明していますが、一方で臭覚・味覚・触覚・視覚・記憶などの情報が総合的にくみあわされておいしさや風味を脳が判断しているとものべています。

大脳の前頭野では、臭覚・味覚・触覚・温度感覚が統合されて「風味」を認識する。

大脳の二次味覚野では、臭覚・味覚・触覚の情報が組み合わされてたとえば私たちが経験する「焼肉の味」が形成される。

私たちが普段料理を味わうとき、実は臭覚の影響も大きく受けているのだ。試しに、鼻をつまんでお茶やジュースを飲んでみると、かなり単純な味に感じられるはずである。

あざやかな色のキノコを“毒々しい”と感じることがあるように、見た目の印象もおいしさにかかわっている。どんな大好物の料理でも、もし水色だったら食べたくなくなってしまうだろう。

臭覚と味覚に加えて記憶にもたよって、安全で栄養が多いかどうかを脳は判断している。


このように臭覚・味覚・触覚・温度感覚・視覚などによりインプットされた情報は単独でつかわれるのではなく記憶もあわさって総合されて認識にいたるのです。(下図)。

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図 各感覚器官からの情報は総合されて認識にいたる


同様なことは聴覚についてもいえるでしょう。

わたしは、クラシック音楽がすきでコンサートホールによくいきます。ホールできくライブ演奏は本当に感動的で印象にのこります。

ライブが感動的で印象にのこりやすいのは音楽が耳できこえるだけでなく、楽器が発する空気振動もつたわってくるからです。また床からも振動がつたわってきます。コンサートホールでは、耳で音波を感じながら空気振動や床振動を皮膚で体で感じることができます。つまり、聴覚・皮膚感覚・体性感覚などが総合されて音楽を味わうことができるのです(注2)。

こうして音波・空気振動・床振動などのすべての波動がホールの空間全体で共鳴して圧倒的な効果が生じるのです。ここにはイヤホンで音楽をきくのとはまったくちがう世界がひろがっています。


このように、情報のインプットとプロセシングについては、その仕組みを知るために各感覚器官をとりあげて分析的に理解することも重要ですが、インプットとプロセシングが実際の生活のなかでは分析的にではなく総合的におこっていることを知ることも大切です。

したがって情報をインプットするときには、わたしたちがもっているすべての感覚を大きくひらいた方がよく、その方がプロセシングもすすみやすいといえるでしょう。


▼ 注1:引用文献
『Newton』(2016年1月号)、ニュートンプレス、2016年1月7日
Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

▼ 注2
指揮者や演奏者の体のうごきをが見えるという視覚効果もくわわって印象がよりつよくなります。

▼ 関連記事
感覚器をつかって情報をインプットする 〜 岩堀修明著『図解・感覚器の進化』〜
臭覚系の情報処理の仕組みを知る - Newton 2016年1月号 -
おいしさが大脳で認識される仕組みを知る -『Newton』2016年1月号 -
総合的に丸ごと情報をインプットする


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料理を食べておいしいと感じることは、食べ物を舌がうける場面と脳が味を認識する場面の2つの場面があるということから理解できます。

『Newton』2016年1月号(注1)では「臭覚と味覚のしくみ」について解説しています。今回は味覚についてみてみましょう。

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わたしたちは焼肉を食べたとき本当においしいと感じます。一方で変な物が口に入ってきたときは嫌な味を感じすぐにはきだします。あるいは料理をつくっていて味見をして「いつもの味になった」とわかります。このような味覚はどのようにして生じるのでしょうか?

口のなかに食べ物が入ってくると舌などにある「味細胞」(注2)で食べ物の分子が感知されます

味細胞が味物質をうけると、その情報が味細胞の内部で電気信号に変換されます。

その電気信号は、味覚神経によって脳の下部にある「延髄」の「弧束核」という部分につたわり、ここで中継されて電気信号は大脳におくられます

たとえば大脳皮質の二次味覚野につたわると匂いや食感の情報と統合されて味が認識されます。あるいは扁桃体では、味の好き嫌いの判断がなされます。海馬では、記憶をもとに何の味かが認識されます。

基本的には、栄養になるものはおいしいと認識し、有害なものはまずいと認識し、消化できずに栄養にならないものは味は感じません。

ただし大脳には「学習」という機能があります。苦味や酸味は「嫌な味」で本来はあって、それは「毒」や「腐敗物」のサインですが、グレープフルーツの酸味や苦味やコーヒーの苦味が好きだという人は多いです。これらの味を「おいしい」と感じるのはそれらが安全な食べ物であり、体によい作用をする物だと大脳が「学習」した結果なのです。


このように味覚系には、舌のはたらきと脳のはたらきという2つの機能があり、食べ物をうけとる場面と味を認識する場面、インプットの場面とプロセシングの場面という2つの場面があることがわかります。(下図)。食べ物の分子が舌にとどいているのであって、味情報そのものが舌で認識されているのではないことに気がつくことが大事でしょう。

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図 味覚系の情報処理の仕組み


したがってもし、味覚を強化しようとおもったら舌や口をきれいにするだけでなく認識能力も強化しなければならないということになります。インプット能力だけでなくプロセシング能力も訓練しなければならないということでしょう。



▼ 注1:引用文献
『Newton』(2016年1月号)、ニュートンプレス、2016年1月7日
Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

▼ 注2
「味細胞」は、数十個あつまって「味蕾」(みらい)という構造をつくっています。味蕾は、舌の表面のほか、上あごの奥の「軟口蓋」という部分や喉の部分にも分布しています。

▼ 関連記事
情報処理をすすめるて世界を認知する -『感覚 - 驚異のしくみ』(ニュートン別冊)まとめ -
感覚器をつかって情報をインプットする 〜 岩堀修明著『図解・感覚器の進化』〜
臭覚系の情報処理の仕組みを知る - Newton 2016年1月号 -
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総合的に丸ごと情報をインプットする


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匂いも重要な情報の一種です。臭覚系の情報処理の仕組みを知ると匂いは脳が認識していることがわかります。

本ブログでは、情報処理をする存在として人間をとらえなおし、インプット・プロセシング・アウトプットのそれぞれについて考察をすすめています。インプットではとりわけ視覚を重視していますが、わたしたちは、視覚以外にも臭覚や味覚や聴覚や皮膚感覚などもあり、さまざまな感覚器から情報をとりいれて生きています(注1)。

『Newton』2016年1月号(注2)では「臭覚と味覚のしくみ」について解説しています。まず臭覚についてみてみましょう。


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わたしたちは縁日に行っていい匂いをかいだだけで「焼きそばだ」とわかります。これはどうしてでしょうか?

匂いは、鼻からすいこんだ空気とともにはいってきます(注3)。匂いの正体は、空気中をただよっている目には見えない微小な分子です。その匂い物質をとらえるのは、鼻の奥の「嗅上皮」(きゅうじょうひ)とよばれる部位の細胞(臭細胞)の表面にある「受容体」というタンパク質です。

その受容体が匂い物質をとらえると臭細胞の内部で電気信号が生じます。

その電気信号は脳のさまざまな場所につたわり識別・解釈されます。たとえば記憶をつかさどる海馬につたわると、「学生時代によく通ったカレー屋の匂いだ!」などと記憶とつきあわせて解釈されます。情動をつかさどる扁桃体につたわると「いい匂い」「いやな匂い」などの評価がくだされます。


このように、わたしたちの鼻には微小な分子がインプットされて、それが電気信号に変換されて脳におくられて解釈や評価つまり認識がなされるということです。認識はプロセシングの結果であるとかんがえてよいでしょう。つまり匂いは鼻で認識しているのではなく鼻はセンサーであり、認識は脳がおこなっているということです(下図)。

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図 臭覚系の情報処理の仕組み


匂いも重要な情報の一種です。臭覚系の情報処理についても理解をふかめることはとても意義のあることだとおもいます。


▼ 注1
岩堀修明著『図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ』(ブルーバックス)講談社、2011年1月20日
図解 感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ (ブルーバックス) 

▼ 注2
『Newton』(2016年1月号)、ニュートンプレス、2016年1月7日
Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

▼ 注3
食べている物の匂いは喉からもはいってきます。

▼ 関連記事
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博物館のガイドブックで予習をしてから博物館を見学し、帰宅してからガイドブックで復習すると体験的に認識が一気にふかまります。

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産業技術総合研究所・地質標本館


産業技術総合研究所の地質標本館(注)は地球科学に特化しためずらしい博物館です。規模はそれほど大きくはありませんが、地球と固体地球科学の成果について展示を通して比較的短時間で理解をふかめることができます。自然科学的な調査・研究の成果をふまえているために情報が正確で学術的に信頼できるのがよいです。

1階の第1展示室では「地球の歴史」を解説しています。日本列島の地質模型や生物の化石が注目されます。

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 写真1 デスモスチルスの化石(平行法で立体視ができます)

デスモスチルスとは、新生代新第三紀(2303万年前から258万年前の時代)に太平洋沿岸地域に生息していた哺乳類です。

 *

2階へ行くと第2展示室があり「生活と鉱物資源」を解説しています。太平洋の海底地形がおもしろいです。

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写真2 日本付近の地形模型(平行法で立体視ができます)

青色の部分は海溝です。海溝はプレートとプレートの境界であり、ユーラシアプレートの下に太平洋プレートとフィリピン海プレートがしずみこんでいます。

第3展示室では「生活と地質現象」と題して地震や火山活動について解説しています。


1階へおりると第4展示室があり、ここでは岩石・鉱物・化石を分類して展示しています。

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写真3 アンモナイト(平行法で立体視ができます)


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写真4 礫岩(堆積岩の一種)(平行法で立体視ができます)


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写真5 片麻岩(変成岩の一種)(平行法で立体視ができます)


地質標本館は、とてもすぐれたガイドブック(図説)の発行もしています。

地球を概観する -『地球 図説アースサイエンス』- >>

地質標本館にいく前にこのガイドブックで予習をし、そしてここに行って展示物を見学し、帰宅してからガイドブックで復習すると理解は一気にふかまります。第2の段階において、行動しながら体験がふかまるというところがポイントです。 単なる知識のつめこみになりません。

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このようなことはあたりまえのことですが、実際には、よくできたガイドブックとすぐれた展示の両者がそろってこそ効果があがります。いいかげんなガイドブックを読んでいても意味がありませんし、また展示を見ても解説が簡略すぎたり、そもそも解説がほとんどなかったりして、せっかく見に行ったけどもよくわからなかったということはよくあります。

おなじ時間と労力をかけるのなら、よくできたガイドブックとすぐれた展示をさがしだしてそれらを利用した方がよいのです。このようなガイドブックと実見とをくみあわせる、あるいは読書と行動とをくみあわせる方法は問題解決の基本ですし、旅行法にも通じます。

地質標本館のガイドブックは非常によくできていて、これほど真面目で立派なガイドブックをだしている博物館はほかにはほとんどありません。編集者の意気込みが感じられます。すぐれたガイドブックを発行すると博物館は利用価値がたかまります。ほかの博物館も見習うべきでしょう。



▼ 平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。



アップルの iCloud ストレージプラン(ストレージ料金)がいままでよりも安価になり、つかいやすくなりました。お得なのは 50GB と1TB です。たとえば 1TB の料金は、月額 2,400円 から 月額 1,300円 になりました。

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▼ アップル iCloud


130円で 50GB は魅力的なサービスなので利用を検討してみる価値があるとおもいます。

クラウドサービズは Google などもおこなっていて競争が激化してきました。価格がやすくなればクラウド・ユーザーがふえるのはあきらかです。

あらゆるデバイスとデータを統合していくクラウドはこらからの時代になくてはならないサービスです。今後とも注目していきたいとおもいます。


▼ 関連記事
クラウド時代にそなえる - アップル「写真」アプリ(5)-





情報収集(取材)をしてブログなどに記事を蓄積していくとその後の情報処理のためのポテンシャル(潜在能力)が自然に高まります。

これはたとえばダム湖に水をたくわえるようなことです。ダム湖に水が日々集積していって水量がふえて水位が高くなればポテンシャルも高まり、将来的な放水量が確保されます。いますぐに水をつかわなくても必要なときに必要なだけつかうことができるようになります。水力発電所であれば必要な発電量が確保できます。放水とは、情報処理でいうと将来的なアウトプットにあたります。

したがって湖に水をためるようにブログなどに情報(ファイル)を地道に蓄積していくことが大切です。情報を蓄積していくことはポテンシャルを高めることになり、蓄積量が多い人ほど情報処理のポテンシャルは高くなるといえます。

またこのときの注意点は、ポテンシャルを決めるのは量であって質ではないということです。ダム湖がもつポテンシャルを決めるのは水量であって水質ではありません。情報はまず量をもとめ、そのあとで質をたかめるようにしなければなりません。この量から質への原則をまもることが大事です。

この原則に反して「まずは、質のたかい情報を厳選して」などとかんがえていると先にすすめません。



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情報の本質はポテンシャルである 〜梅棹忠夫著『情報論ノート』〜
ポテンシャルを高め、眼力をきたえる - 博物館と研究者 -
「記憶の慣性の法則」をつかって希望の方向にすすんでいく
取材法をつかって現場をとらえる - 取材法のまとめ -


本書は、東京都美術館で開催されている「大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史」(注1)の公式カタログです(注2)。展覧会場に展示されている100の作品のそれぞれについて、写真・文・地図をつかって簡潔に解説していてとてもわかりやすいです。年表もでています。

本書をみれば、こらから展覧会にいく人にとっては予習になり、すでにみた人にとっては復習になります。


第1章 創造の芽生え
約250万年前、アフリカの初期の人類が最初の道具をつくったとかんがえられています。 そのご人類はアフリカから世界中に拡散していきました。人類の黎明期、アフリカからの旅立ちをしめす数々の道具が紹介されています。

第2章 都市の誕生
約5000年前になると肥沃な大河流域で農耕定住生活をする人々があらわれました。数百人をこえる集団も出現しました。こうして都市が誕生し、そのいくつかは都市国家になりました。そして都市に人口が集中してきたためにあらたな管理運営方法が必要になり、文字が発明されました。

第3章 古代帝国の出現
都市国家はしだいに膨張し、軍事力にものをいわせて強大な勢力へと拡大する国家があらわれました。帝国の時代の到来です。帝国の支配者は権力を掌握し維持するために戦略をねり、戦争をくりかえすようになりました。このような時代的背景のもので数々の思想家や宗教者が生まれました。

第4章 儀式と信仰
西暦300年頃、世界の宗教地図がかわりはじめました。仏教・ヒンドゥー教・キリスト教などのあたらしい宗教がひろまりはじめました。中東では、何百もの神々を崇拝する土着信仰がすたれ、ゾロアスター教・ユダヤ教・キリスト教・イスラームなどの一神教が到来しました。

第5章 広がる世界
800年頃、中国の唐王朝とイラクのアッバース朝イスラーム帝国という2つの超大国がシルク−ロードでむすばれ、東西の交易がすすみました。一方、インド洋を中心にした海路も発達しました。移動したのは人や物資にとどまらず、宗教や思想も広大な距離を旅しました。

第6章 技術と芸術の革新
900年〜1550年のいわゆる中世とよばれる時代には芸術と科学技術が飛躍的に発展しました。世界各地で、経済から天文学まであらゆる分野が発達しました。一方でうつくしく精巧なモノが数多くつくられました。

第7章 大航海時代と新たな出会い
16世紀になると、ヨーロッパの探検家たちが世界一周に成功しました。これによって、それまでには接触したことのなかった文化同士が出会うことになりました。これらのあらたな遭遇は、よい結果をもたらすこともありましたが、あらたな紛争や戦争に発展することもありました。

第8章 工業化と大量生産が変えた世界
19世紀にはヨーロッパとアメリカで産業革命がおこり、工業と大量生産の時代が到来しました。そしてあたらしい経済・政治大国が登場しました。20世紀には、政治的対立やイデオロギーの衝突も頻発し、紛争と変動の時代になりました。二度の世界大戦も経験しました。人類は、こうした不安を時にモノをつくって表現し、時にモノをつかって対処しようとしています。


100個のモノをならべて、ここまで明快な人類史の物語をあみあげたのは見事です。本展企画者の情報処理能力の高さがうかがわれます。

本書をガイドにして、人類の壮大な歴史の旅を是非たのしんでみてください。


▼ 注1
東京都美術館「大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史」
特設サイト 
東京都美術館の会期は2015年6月28日まで。その後、九州国立博物館(2015年7月14日〜9月6日)、神戸市立博物館(2015年9月20日〜2016年1月11日)に巡回します。

▼ 注2:引用文献
『大英博物館展 - 100のモノが語る世界の歴史』筑摩書房、2015年3月25日
大英博物館展: 100のモノが語る世界の歴史 (単行本)
本書は展覧会場でも買えますが、一般書店でも販売しています。

▼ 関連記事
数字イメージにむすびつけて100のモノをおぼえる - 大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史(1)-
作品の解説を音声できいて物語を想像する - 大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史(2)-
人類史を概観する - 大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史(3)-
建物の階層構造との類比により世界史をとらえなおす - 大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史(4)-
文明のはじまりをみる -『100のモノが語る世界の歴史〈第1巻〉文明の誕生』/ 大英博物館展(5)-
前近代文明の発達をみる -『100のモノが語る世界の歴史〈第2巻〉帝国の興亡』/ 大英博物館展(6)-
近代化への道のりをみる -『100のモノが語る世界の歴史〈第3巻〉近代への道』/ 大英博物館展(7)-
モノを通して世界史をとらえる - 大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史(8)-
世界史を概観 → 特定の時期に注目 → 考察  - 大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史(9)-
文明と高等宗教について知る  - 大英博物館展 ―100のモノが語る世界の歴史(10)-


日本経済新聞によりますと、ブルーレイディスクを不織布ケースにいれて保存しているとディスクの寿命がみじかくなるそうです(注1)。ブルーレイディスクは記録層のカバー層がとてもうすいために不織布の凹凸が転写する危険があり、凹凸や模様がつくとディスクにとって致命傷となるようです。

不織布とは「繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもの」で、不織布ケースとはこんなケースです。量販店で普通に売っています。
 
 

ディスクの収納スペースを小さくするために不織布ケースをつかっている方は多いのではないでしょうか。わたしもつかってしまっていました。

不織布ケースはつかえないとするとどうするかというと、プラスチックケースあるいはスピンドルケースをつかいます。できればプラスチックケースがよいそうです。

プラスチックケース

スピンドルケース

大切なデータが気がついてみたら再生できなくなっていたなんてことにならないように、重要なディスクはプラスチックケースかスピンドルケースにすぐにうつしたほうがよいでしょう。

DVD や CD も不織布ケースでの保管はさけ、プラスチックケースをつかったほうがよいとのことです。

DVD・CD 用プラスチックケース 

▼ 注1
(日本経済新聞社のサイトをみるためには会員登録(無料)をする必要がある場合があります)

▼ 注2
いずれのディスクも、高温多湿や直射日光がディスクの寿命をちぢめるので、なるべくすずしいところで保管するのがよいです。

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青柳健二著(写真・文)『行ってみたい日本人の知恵の風景74選』(Kindle版)の 各解説ページについている Google マップのアイコンをクリックすると Google マップにすぐにとぶことができます。そしてスケールをかえて日本列島全体を上図のように表示させることもできます。

この Googleマップはインデックス・マップとしてつまり情報検索用のマップとしてつかえます

前回のブログ記事で、<地名・題・解説とイメージと場所>の情報をひとまとまりにして「位置情報」にしてしまうことをのべました。これを具体的に実践する道具として Googleマップは有用です。

ページをめくりながら風景写真を順番に見るのもよいですが、それとはちがいこの日本列島インデクス・マップから空間的に興味のある風景に入っていくのもおもしろいです。

このやりかたは視覚的空間的な情報検索です。キーワード検索(言語による検索)とはちがう検索方法もあることに注目してください。Google というのは大変おもしろくて、キーワード検索とともにこのような空間的な検索機能も開発しているのです。

視覚的空間的に情報をとらえることは情報処理能力をたかめることにつながります。たとえば記憶法でも、言語でおぼえるよりも視覚的に場所でおぼえたほうがおぼえやすいことがひろく知られています。

このような方法を発展させれば、さまばまな情報のファイリングと検索の道具として日本列島を活用する道がひらけるとおもいます。この方法には大きな可能性があり、Googleマップはそれを実用へとみちびくとおもっています。

 








▼ 関連記事
日本の原風景をみる - 青柳健二『行ってみたい日本人の知恵の風景74選』-

電子書籍が急速に普及しています。一方で、ドキュメントスキャナーの普及もすすんで紙の書籍のデジタル化(データ化)も簡単にできるようになりました。書籍のデジタル化は時代の潮流になっています。

電子版書籍にきりかえれば、たくさんの本を一度にあつめて保存して利用することが簡単にできます。

たとえば何かの課題が生じた場合、その課題に関する本を5〜10冊あつめます。電子書籍版があれば電子書籍できで購入し、紙の本は ScanSnap でスキャニングしてデジタル化(PDF化)してストレージに入れておきます。

そして1冊1冊をゆっくり読むのではなく、5〜10冊をまずは一気に読んでしまい、その課題に関する情報の全体像をつかんでしまいます。ゆっくり読むよりも一気に読んだほうが全体や構造がよくわかります。

あとは、必要に応じて必要な書籍をとりだして読みなおすようにします。

電子版書籍の利点は、一度よんだ本をいつでもどこでもとりだして読みなおすことができることです

あ! そういえばあの本にこんなことが書いてあった」というように、ふっと記憶がわきあがってくることは誰にでもよくあることです。その瞬間がとても重要です。その瞬間にその思いをとらえ、すぐにその書籍をとりだして確認する。書籍がデジタル化(データ化)してあればそれが簡単にできるのです。

一気に読む。あとは必要なときに読みなおす。電子版書籍は、一気読み読みなおしを容易にします。こうして読書スタイルやワークスタイルは変わっていきます。

このようなことが簡単にできるようになってくると、課題の決め方がとても重要であることがあらためてわかってきます。電子書籍はやみくもにたくさんあつめればよいというものではありません。情報があふれている時代だからこそ、心の底から本当にとりくみたい課題は何なのか、自分自身の課題をしっかり見さだめて情報収集をしたほうがよいでしょう。


▼ 関連記事
電子書籍で多読する - 和田稔著『本好きのための Amazon Kindle 読書術』-
紙の資料や書籍をデジタル化して活用する

『ScanSnap アイデアノート』は、ドキュメントスキャナー ScanSnap の活用法に関するアイデア集です。全部で77のアイデアが掲載されていますので、自分にとって役立ちそうなやり方をこのなからいくつか選択して実行してみるとよいでしょう。

ドキュメントスキャナーは、1枚1枚 紙をセットしてスキャニングする従来のスキャナーとはちがい、大量の紙を一気に高速でスキャニングすることができるのが特色です。いくつかのメーカーから発売されていますが、実績があり評価が非常にたかい ScanSnap をこれから買う方は選択するのが一番よいでしょう。 

目次
第1章 ビジネスのアイデア
第2章 家庭のアイデア
第3章 自炊のアイデア
第4章 効率化のアイデア


わたしも、大量にあった書籍や資料のほとんどを ScanSnap をつかってデジタル化(PDF化)してしまいました。スキャニングした書籍や資料はすてしまいましたので部屋がとてもひろくなり、書類の山がなくなり仕事や生活の空間が快適になりました

本書で紹介されているように ScanSnap にはいくつかの種類があり、わたしは iX500 をもっています。SV600 はもっていませんので、裁断することできない書類や本などは iPhone で写真をとってデジタル化し保存するようにしています。



書籍や資料をデジタル化(データ化)することの利点は、必要な書籍や書類にすぐにアクセスできるようになることです。いつでもどこでも必要なときに必要な情報をとりだすことができ、情報の活用が以前よりも簡単になります。これによって読書スタイルやワークスタイルはあきらかに変わってきます。

とくに書籍の場合は、一度よんだ本をどこにいてもあとで読みなおせるというのは大きな利点です。情報処理の観点からいうと本を読むということはインプット(自分の意識に情報をとりいれること)にあたります。書籍がデジタル化(データ化)されていると、いつでもどこでもインプットが手軽にできるようになるため、プロセシングとアウトプットに以前よりも労力をそそぐことができるようになります

大型本や写真集などの特殊なものはのぞいて、書籍や資料はデジタル化(データ化)してしまったほうがよいでしょう。


▼ 文献
ScanSnapアンバサダー&デジタイズ研究会著『ScanSnapアイデアノート』(Kindle版)秀和システム 、2015年2月9日
ScanSnapアイデアノート

 


連日、「ISIS」(イラク・シリアのイスラム国)関連の報道がつづいています。本書『池上彰が読む「イスラム」世界』をよめば、事件や出来事の背景を概観することができ、ニュースをよりふかく理解することができます。多数の図解をつかって解説していてとてもわかりやすいです。

おいそぎの方は、第4章「現代イスラムが抱える問題 01 フセイン政権が倒れて果たして平和は訪れたのか?」の最後に掲載されている図解をご覧ください。


まず、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教について説明しています。

イスラム教の聖典である『コーラン』には、キリスト教の「イエス」も、『旧約聖書』の「モーセ」も出てきます。それぞれアラビア語で書かれているので、イエスは「イーサー」、モーセは「ムーサー」として登場しています。(中略)キリスト教の元はユダヤ教。イスラム教の元はユダヤ教とキリスト教。同じ唯一神を信じ、非常に近い伝承を持ちながら、微妙に違いを見せています。

(中略)ユダヤ教を「親」に持ち、キリスト教を「兄」に持つのがイスラム教と考えるとわかりやすいかもしれません。

しかし、紛争がつづいています。

同じ「唯一神」を信じながら、ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒は決して〝仲がいい〟とはいえません。宗教間の争いといえば、最初は「十字軍」でしょう。事の発端は11世紀ごろ、急成長を遂げるイスラム教の勢力にイエスの墓があるエルサレムが占領されたことにあります。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地です。現在、この3つの宗教の信者がそれぞれ、自分たちがエルサレムを管理したいと主張し対立しています。


中東問題(パレスチナ問題)についてはつぎのとおりです。

国際政治情勢でしばしば大きな問題となる「中東問題」。中東問題は別名「パレスチナ問題」ともいわれます。  

パレスチナには2000年前まで、ユダヤ人(ユダヤ教徒)の王国がありました。ダビデ王、ソロモン王は有名ですね。ユダヤ人の聖典『律法の書』によれば、パレスチナはかつて「カナンの地」と呼ばれ、神がユダヤ人の祖先に対して「この地をあなたたちの子孫にあたえる」とした〝約束の地〟です。  

しかし、やがてローマ帝国によって王国が滅ぼされ、ユダヤ人たちはこの地を追い出され世界各地に離散していきます。これをディアスポラといいます。  

ユダヤ人たちがいなくなったこの地に住むようになったのが、イスラム教徒のアラブ人たちです。

一方、ディアスポラでヨーロッパへ渡ったユダヤ人たちは、キリスト教社会で差別を受けました。中世のヨーロッパでは、ユダヤ人は「ユダヤ人がイエス・キリストを十字架にかけた」と言われ迫害されたのです。


そもそも中東問題の種を蒔いたのはイギリスだったそうです。

そもそも中東問題の種を蒔いたのはイギリスです。  

かつてはユダヤ教徒もイスラム教徒も、比較的平和に暮らしていました。激しく対立するようになったのは第1次世界大戦後のことです。  

近世の歴史を振り返ると、19世紀は帝国主義・植民地主義の時代でした。ヨーロッパが大不況に陥り、失業者が増加。人口も多すぎました。そこでアジア、アフリカに進出して植民地支配をし、新しい市場、領土を獲得してこれらの問題を解決しようとしたのです。

エルサレムあたりのパレスチナは当時、オスマン帝国が支配していました。イギリスは第1次世界大戦でそのオスマン帝国と戦います。自分が持っている植民地と自国を結ぶ位置にあるパレスチナがどうしても欲しかったのです。  

オスマン帝国を倒すには、オスマン帝国と戦う勢力を増やしたほうがいいと、イギリスは二枚舌ならぬ〝三枚舌〟を使います。

まずは、オスマン帝国内のアラブ人たちに呼びかけます。「もし反乱を起こしてくれたらオスマン帝国が倒れた後、ここに自分たちの独立国家をつくっていいよ」。じゃあ協力しようかなと、アラブ人がオスマン帝国に対して反乱を起こします。このとき、アラブ軍を率いたのが「アラビアのロレンス」です。


つぎに、9・11とイラク戦争です。

9・11アメリカ同時多発テロ事件がイラクの仕業だと決めつけ、イラクが大量破壊兵器を持っていると世界に言って、強引にイラク戦争を始めたブッシュ政権。「イラクがアルカイダを含む国際テロリストのネットワークを支援している」などというのは言いがかりで、イラク戦争はアメリカの石油利権やブッシュ家の私怨を晴らすための戦争ともいわれている。


また、シリア情勢が悪化しました。

シリア情勢は悪化の一途をたどり、アサド政権と反政府勢力の泥沼の内戦により死者は2014年4月までに15万人を超えました。騒乱を避けて、多くの難民が隣国のトルコやヨルダン、レバノンに逃れています。


そして、ISIS(イスラム国)がでてきました。

この組織は、イスラム教スンニ派の過激派で、中東地域にイスラム原理主義国家を建設することを目的にしています。イラクには、スンニ派とシーア派の住民がいますが、マリキ政権がシーア派優遇の政治をしていることにスンニ派住民が反発し、同じスンニ派のISISを支持しているのです。もともとはイラク国内の「イラクのイスラム国」という少数派でしたが、隣国シリアで内戦が始まると、組織名を「イラク・シリアのイスラム国」と変えて、シリアに潜入。反政府勢力が統治する地域に攻め込んで武器と資金を奪い、イラクに戻ってきました。

ISIS(イスラム国)については、第4章「現代イスラムが抱える問題 01フセイン政権が倒れて果たして平和は訪れたのか?」の最後に掲載されている図解がシンボリックでわかりやすいです。

アメリカがはじめたイラク戦争と、イスラム教のスンニ派とシーア派の対立がからみあって、スンニ派の過激組織ISIS(イスラム国)が台頭してきたということです。


以上のように、本書をよめば、連日報道されているニュースがよりふかく理解できるようになります。

事件や出来事そのものだけではなく、それをとりまく背景を知ることは必要なことです。そうでないと、せまい視野でニュースを見てしまい、認識をあやまることになりかねません。

150126 ニュースと背景
図 背景とともにニュースをとらえる


本書は、今回の事件の約半年前の2014年7月31日の発行であり、ISISと日本とのかかわりについては記述されていませんが、中東情勢の大きな背景と流れのなかで今回の事件もおきていることがわかります。対象を、背景と流れの中でとらえることはとても重要なことです。


▼ 文献
池上彰著『池上彰が読む「イスラム」世界』(知らないと恥をかく世界の大問題 学べる図解版 第4弾)KADOKAWA / 角川マガジンズ、2014年7月31日
知らないと恥をかく世界の大問題 学べる図解版 第4弾 池上彰が読む「イスラム」世界 (―)


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アップルストア表参道

アップルストア表参道に行ってきました。国内のアップルストアでは最大サイズのガラスパネルを使用した全面ガラスばり構造の建物で、表参道との一体感をかもしだしていました。展示スペースは、アップルストア銀座や渋谷よりもはるかに大きく、広々としていました。

注目は、Mac の最新 OS􏰀􏰀 X「Yosemite」と iPhone/iPad との連携機能「Continuity」を実体験できるスペースが用意されていたことです。MacBook Pro と iPhone 6 と iPad Air 2 が1セットになって多数展示されていました。

ここでは、「Handoff」、「Instant Hotspot」、Mac で電話 などのあたらしい機能を実際にためすことができます。

「Handoff」とは、Mac と iPhone/iPad の間で、一方のデバイスでおこなっている作業をもう一方のデバイスにひきつげる機能です。

「Instant Hotspot」とは、Wi-Fi 環境がなくても iPhone があれば、Mac がインターネットにつながるとても便利な機能です。ただし、キャリア側で、テザリングのオプションに加入していないとつかえませんので注意してください。ソフトバンクモバイルの場合は 500円/月(加入から2年間は無料)がかかります。



これらの連携機能は、どこのアップルストアでも体験できますので、まずは、店に行ってためしてみるのがよいでしょう。使用方法がわからないときは、ちかくのスタッフがおしえてくれます。

また、あわせて、最新のクラウド(iCloud)も実際にためしてみるとよいとおもいます。

ある分野の最先端の技術を知ることは、その分野の全体像(大局)をつかむためにも役立ちます。

これからの時代は、個々のハードウェアよりも、このようなシステムや仕組みの方が重要になり、Mac や iPhone や iPad などは、システムのなかの端末としてすべてあつかわれるようになります。今後は、端末にとらわれるのではなく、システム全体を道具としてつかいこなしながら、みずからが主体になった情報処理をすすめていくことが重要でしょう。 


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下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の67ページから引用したものです。大きな円と小さな点のならび方はどうでしょうか。

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大きな円も小さな点も、どちらもうねっているように見えないでしょうか。

実は、5つの点は、直線上にあります。これは、錯視の一種です。大きな円にひきずられて、点の位置をあやまって知覚したのであり、この錯視を「重力レンズ」というのだそうです。わたしは、「重力レンズ」を本書を見てはじめて知りました。おもしろいですね。

わたしたちは、知らず知らずのうちに、大きな情報にひっぱられて、個々の情報を位置づけてしまっているのかもしれません。

この錯視を修正するための方法としては、座標系をつかうことがかんがえられます。X軸、Y軸を設定し、それぞれの値を特定すれば、本当の配列をつかむことができます。これは、数学やサイエンスに通じていく話であり、空間を正確に把握するやり方です。

たとえば、情報処理のために地図を利用するということは、このような方法にあたります。

対象をパッと見るだけではなく、その空間配置を正確にとらえ確認することはとても大切なことです。


▼ 文献

下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の29ページから引用したものです。上のバナナと下のバナナとで、どちらが大きいでしょうか。

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下の写真③の2本のバナナは、上の写真②の2本のバナナの上下を入れかえておいたものです。バナナの先っぽにある黒い筋に注目してください。

どちらの写真でも、下のバナナの方が大きく見えるのではないでしょうか。これは、 錯視の一種です。

わたしたちは普段は気がつきませんが、このような錯視あるいは錯覚を、意外にもしているのではないでしょうか。事実を、ありのままに観察することはむずかしい場合があります。

しかし、これを目視だけにたよらずに、それぞれのバナナの長さを計測したり、体積を計算したり、あるいは、重量をはかってみれば、このような錯覚を修正することができます。長さや体積や重量に関する情報を取得することは、より一歩ふみこんだ情報収集になります。これは、いわゆるサイエンス(科学)の方法に通じます。サイエンスには基本的に定量性を重視する姿勢があります。

目で見て観察したのちに、必要に応じて、定量的データを得るということはしばしば有用です。このことは、食料品などを買うときに役立つことは言うまでもありません。


▼ 文献
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