発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:図解法

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iPhone 6S の全面広告(注)

何かを習得したり記録・記憶したり表現したりするときには図式(図解)をまずはつかった方がよいです。

先日、あたらしい iPhone 6S の全面広告が新聞にでていました。今回は広告の内容はともかくとし、このような図式に注目してみました。

たとえば何かのつかい方をおぼえようとするときに場所にむすびつけておぼえるとよいです。具体的な場所(物の特定の部分)にむすびつけて視覚的・空間的にやり方をおぼえ、理屈でおぼえないようにするとつかえるようになります。

また何かを記録するときにも場所にむすびつけて空間的に図式に記録するとよいです。その方がわかりやすいですし記憶にものこりやすくなります。

あるいはメッセージやつかい方を他人につたえたいときにも図式(図解)でつたえるとよいです。言葉で理屈をこねるのは後まわしにします。

このようなことをするときに今回の広告の図式のやり方は参考になります。いくつものヒントが広告からもよみとれました。広告もバカにできません。

したがって何かの習得や記録・記憶、表現などのためには図式(図解)をつかった方がよく、そのあとで細部を言語で書きしるすという順序をとるとよいでしょう。


▼ 注(出典)
2015年9月25日付 朝日新聞
 



情報処理をして文章を書く技術である「ラベル法」「編成法」「図解法」「作文法」は、単独でもつかえますが、くみあわせてつかうとより効果的です。各技術を整理し一覧するとつぎのようになります。


181112 アイデア発想法



▼「ラベル法」

▼「作文法」
たとえばつぎのような組みあわせがあります。

 「ラベル法」→「編成法」
 「ラベル法」→「図解法」
 「ラベル法」→「作文法」
 「ラベル法」→「編成法」→「図解法」
 「ラベル法」→「編成法」→「作文法」
 「ラベル法」→「図解法」→「作文法」
 「ラベル法」→「編成法」→「図解法」→「作文法」

「ラベル法」はすべての方法の基礎です。

みたりきいたりしてインプットされて情報は、 内面で処理され(プロセシング)、文章としてアウトプットされます。この過程でうまれたアイデアや仮説も文章にしてあらわします。

情報(ファイル)の類似性に基づいて情報処理をすすめる方法として「編成法」があります。

編成法をつかってファイルを編成する >

上記の例では、20枚のラベルが7つのグループ(ラベルの束)に編成されました。 

この「編成法」は「図解法」につなげて図解をつくることができます。


上記の例では、7つのグループに基づいて1枚の図解をつくりました。

「編成法」に基づいて「図解法」をすすめる場合は、ラベルのグループ(ラベルの束)の中身(元ラベル)を細部図解として展開し、図解化する方法があります。グループ(束)それぞれについて細部図解をつくります。

以下にその手順を具体例をつかって説明します。


■ 図解法でつぎの図解をつくくりました。
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■ それぞれのラベル(要約ラベル/表札)に「アイウ・・・」と符号をつけます。これを「インデックス」図解とします。それぞれの符号ごとに1枚ずつ細部図解をつくっていきます。
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■ 最初に、「ア」について細部図解をつくります。あたらしい用紙を用意して、その上部にテーマを下記のように書きます。つぎに、「ア」のラベルの束をもってきて用紙の上におきます。
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■ この緑色の表札(要約ラベル)のすぐ下のラベルを展開し配置します。
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■ さらに、これらの赤色の表札と青色の表札の下にあるラベルを展開し配置します。赤色の表札の下からは元ラベル(黒色ラベル)が出てきました。青色の表札の下からは赤色の表札と元ラベルがでてきました。ここでは、黒色は元ラベル、赤色は1段目の表札(要約ラベル)、青色は2段目の表札、緑色は3段目(最上位)の表札であることに注意してください。
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■  右の赤色の表札をさらに展開します。
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■ これで、すべてのラベルが展開・配置されました。ここまでが空間配置です。つぎに、各グループごとに島どりを記入していきます。まず、赤の段(1段目)の島どりをします。
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■ もうひとつの赤の段の島どりをします。
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■ 青の段(下から2段目)の島どりをします。やや太い線で島どりをします。
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■ 緑の段(最上段)の島どりをします。太い線で島どりをします。これで、細部図解「ア」が完成です。
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■ つぎに、「イ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。


■ つぎに、「ウ」のグループ(束)を図解化します。「ウ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
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■ 束の中身を展開し配置します。
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■ 元ラベルが出てきましたので、これで空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「ウ」を完成させます。
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■ つぎに、「エ」のグループ(束)の図解化をします。「エ」のラベル束をあたらしい用紙の上におきます。
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■ 束の中身を展開し配置します。
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■ 元ラベルが出てきましたので空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「エ」を完成させます。
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■ つぎに、「オ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。


■ つぎに、細部図解「カ」をつくります。「カ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
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■ 中身を展開し配置します。
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■ 赤色の束の中身を展開し配置します。
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■ 島どりをして細部図解を完成させます。
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■ 細部図解「キ」をつくります。
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これで、細部図解がすべて完成しました。

インデックス図解の符号(アウエカキ)に対応して細部図解が存在します。インデックス図解の符号を見れば、それぞれの細部図解上でさらにくわしい情報を見ることができます。つまり情報検索ができます。これは、グラフィックな検索 システムです。

インデックス図解の下に細部図解が存在する3次元の立体構造をイメージしてください。

ラベルは、ファイル(情報のひとまとまり)の上部構造であり標識です。実際には、ファイルが立体的に構造化されています。3次元の構造になったファイルをイメージしてください

このような空間的なイメージは、記憶法・作文法・発想法などのさらなる情報処理のために活用できます。作業の途中でおもいついたアイデアや仮説はかならずメモをしておくようにします


▼ 注
ラベルは、市販のラベル(シール)あるいはポストイットをつかうとよいでしょう。また、OmniGraffle というアプリケーションソフトをつかえば Mac ですべての作業ができます。上記の図解はこのアプリをつかっています。OmniGraffle のつかいかたは後日あらためて解説します。
 

▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日
※ 本ブログでは、現代の情報処理の観点から本書をとらえなおし、すぐにつかえる技術を解説しています。 

「ラベル法」あるいは「編成法」によって、何枚かのラベルあるいは表札(要約ラベル)がアウトプットされた場合、それらをさらに処理して図解にする方法があります。

ある情報群が、図解をつくることによってイメージとしてグラフィックにとらえられるようになり、アイデアや仮説が出やすくなり、情報処理を一層すすめることができます。


「図解法」の手順はつぎのとおりです。これも情報処理の過程になっています。

141008 図解法の手順

図1 図解法の手順




たとえば、つぎの7枚のラベルあるいは表札(要約ラベル)が用意された例について説明します。テーマは「時代の潮流を洞察する」です。
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図2 用意されたラベルの例



アウトプットとしてはこれらを箇条書きにするだけでもよいですが、図解としてアウトプットするとさらにわかりやすくなり、アイデアが出やすくなります。図解は、発想の手段としてつかえます。

図解をつくるためのラベル(あるいは要約ラベル)の総数は7±2枚とします。7は、人間が一度に知覚できる情報の最大数といわれています(マジカルナンバー)。図解では、パッと見てわかりやすいことを最優先にしますので、ラベルの数をしぼりこみます。ラベルの数が10枚以上の場合は「編成法」をつかって枚数を減らしておきます。




1.ラベルを見る

これら(図2)のラベルすべてをしっかり見て、心(意識)のなかにインプットします。

次に、それぞれのラベルに見出しをつけていきます。見出しは、ラベルに記されたメッセージの本質を要約した言葉であり、キャッチフレーズのように人の心をとらえやすい印象的な語句がのぞましいです。新聞の見出しのつけ方が大いに参考になります。


あたらしいラベルを用意し、見出しであることがわかるように赤色で記入し、元のラベルの上にのせていきます。
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図3 見出しをつけた例(1)



 
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図4 見出しをつけた例(2)

 


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図5 見出しをつけた例(3)

 
 

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図6 見出しをつけた例(4)

 


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図7 すべてのラベルに見出しをつける



このようにして、すべてのラベルに見出しをつけます。




2.空間配置する

つぎに、見出しのラベルを空間配置します。ラベルを、さまざまにうごかしながらもっともわかりやすい配置をさがします。つぎの点に留意します。

 (1)もっともすわりのよい配置
 (2)もっとも多くの関係が表示できる配置
 (3)叙述化がしやすい配置
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図8 空間配置の例



一般的に人間は、左上から右下に図面を見る傾向にありますから、そのことも考慮して配置するとよいです。

叙述化をしてみた一例はつぎのとおりです。

現代は、解体の時代であり民族紛争の時代です。このようなきびしい時代にもとめられるのは情報処理能力の開発であり、また、それを踏まえた社会格差の是正、女性の社会参画です。そして、ひとりひとりが全人的な生き方を追求し、一方で人類は自然との共生を模索します。




3.図解をつくる

テーマを上部に記入します。関係がつよい見出しラベルの間に関係記号を記入します。関係記号は線あるいは矢印などが一般的です。必要に応じて背景などを記入します。

図解の一例はつぎのとおりです。

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図9 図解の例




見出しをつくった元のラベルを表示させてもよいです。

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図10 図解の例(元ラベルを表示させたタイプ)







以上のように、「図解法」では図解がアウトプットされます。

たとえば、報告書などを書くときには本文とともに図解ものせるとわかりやすくなることがあります。プレゼンテーション(口頭発表)をするときには、パワーポイントやキーノートなどで図解のみをしめし、図解をさしながら口頭で(言語で)説明をするようにします。

あらたにおもいついたアイデアや仮説は図解上にメモしておきます。



▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日


特別展「医は仁術」(会場:国立科学博物館) (注) を先日みました。

本展では、江戸時代の希少な解剖図などの史料、医療道具などを通して、中国からきた漢方と西洋からきた蘭方が、日本で独自に発展して人々をいかにすくってきたかを展示・解説していました。

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図 会場案内図


わたしの印象にのこったのは「飲食養生鑑」(いんしょくようじょうかがみ)です。

これは、江戸時代後期の浮世絵であり、体内の構造と働きを見せた戯画です。見ておもしろいため庶民の間でとても評判になり、養生の知識を庶民にひろめるために役立ったそうです。 

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写真1 飲食養生鑑


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写真2 拡大図


人の絵とともに、医学的知識が言語で解説されている図であり、絵(イメージ)の中に言語がうめこまれていて、イメージと言語がむすびついているところに大きな特色があります。

イメージの中に言語をうめこみ、イメージと言語とが統合された世界を表現することは、情報処理の観点からみても意義のあることであり、「図解法」を実践するうえで特に参考になります


注: 特別展「医は仁術」
会期:2014年3月15日(土)~6月15日(日)
主催:国立科学博物館、TBS、朝日新聞

「発想をうながすKJ法」から図解法(図解化)について再度解説します。

図解とは、情報を形(イメージ)にしてアウトプットしたものです。図解法は次のとおりです。

図解法:〔表札をよむ〕→〔空間配置する〕→〔図解をつくる〕


図解法の前段階として「ラベル法」(ラベルづくり)→「編成法」(グループ編成)があります。

ラベル法:〔取材する〕→〔情報を選択する〕→〔単文につづる〕
編成法:〔ラベルをよむ〕→〔ラベルをあつめる〕→〔表札をつける〕


図解法では、まず、「大表札」(最終表札)をA3用紙上に空間配置し、 検索図解(全体図解)をつくります。

次に、細部図解用のA3用紙を用意します。たとえば「大表札」が7枚ある場合は、7枚の用紙を準備します。そして、それぞれの用紙に、各「大表札」の中身を展開して配置し、「島どり」をします。これが細部図解になります。

このように図解法では、検索図解(全体図解)と細部図解の2種類の図解をつくっるところに決定的なポイントがあります。検索図解は上部構造、細部図解は下部構造をつくり、全体として3次元の体系になっていることをイメージしてください。

つまり、3次元空間(立体空間)をつかってアウトプットをすすめます。情報処理は、1次元よりも2次元、2次元よりも3次元の方が効率がよく、加速されます。次元を高めると、今までできなかったことができるようにもなります。

なお、「図解法」の前段階の「編成法」を省略して、

〔ラベル法〕→〔図解法〕

とする方法もあります。

この場合は、検索図解(全体図解)と細部図解の区別はなく、2次元(平面上)の図解となります(注)。


▼「発想をうながすKJ法」に関する解説はこちらです

▼「編成法」(グループ編成)と「図解法」(図解化)に関する基本的な解説はこちらです
グループ編成→図解化(イメージ化)の方法 -「発想をうながすKJ法」の解説(その2)- 

▼ 次元についてはこちらです
情報処理の次元を高める 〜『次元とは何か 0次元の世界から高次元宇宙まで』(Newton別冊)〜


文献:川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日

注:KJ法関係者が、「探検ネット」とか「花火」とよんでいるのはこの2次元図解です。

181112 KJ法マトリックス



今回は、『発想法』(中公新書)のなかの中核部分である第 III 章「発想をうながすKJ法」(65〜114ページ)についてまとめをしたいとおもいます。わたしは、「発想をうながすKJ法」をつぎの3つの場面にわけました。
 

第1場面:ラベルづくり(ラベル法)
 (1-1)取材をする
 (1-2)情報を選択する
 (1-3)単文につづる

・紙きれや紙片や付箋などを総称して「ラベル」とよびます。
・インプット&プロセシングとして、内部探検(ブレーンストーミング)をおこなってもよいです。内部探検ではすでに(過去に)インプットされた情報をつかいます。

第2場面
(その1):グループ編成(編成法)
 (2-1-1)ラベルをよむ
 (2-1-2)ラベルをあつめる
 (2-1-3)表札をつくる

(その2):図解化(図解法)
 (2-2-1)表札をよむ
 (2-2-2)空間配置をする
 (2-2-3)図解をつくる

第3場面:文章化(作文法)
 (3-1)図解をみる
 (3-2)構想をねる
 (3-3)文章をかく


これは、文章を書くための過程・方法になっています。

基本的に人間は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在であり、仕事をするということは情報処理をするということです。「発想をうながすKJ法」をつかうとつかわないとにかかわらず、情報処理は誰もがごく普通におこなっていることです。「KJ法」にかぎらず、速読法も記憶法も心象法も作文法もすべて情報処理をしていることにほかなりません。

情報処理を意識しておこない、よくできたアウトプットをだす(文章を書く)ように日々こころがけているとあらたな発想も生まれやすくなります。そのために「KJ法」も有用であるというわけです。

情報処理は、 インプットだけでは意味がなく、 アウトプット(文章化)をしてこそ意味があります。アウトプットまでかならずやらなければなりません。現代では、ツイッターやフェイスブックやブログといった便利なツールがありますので、これらを積極的につかっていくのもよいでしょう。

ツイッターに要点を「単文につづる」ことは、「発想をうながすKJ法」でいう第1場面「ラベルづくり」の実践にほかなりません。どんどん書きだしていくのがよいでしょう。
 

▼ 関連ブログ
・ラベル法
 文章化の方法 -「発想をうながすKJ法」の解説(その3)-

・累積法
 情報処理の1サイクルを累積する -「発想をうながすKJ法」の解説(その4)-


文献:川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年

今回は、『発想法』(中公新書)第 III 章「発想をうながすKJ法」から、第2場面:「グループ編成」と「KJ法A型図解法」(73-94ページ)をとりあげて解説します。

本書から要点をピックアップします。
 
1.. グループ編成
1-1. 紙片を読む
 紙片をすべて拡げ、読む。
1-2. 紙片を集める
 親近感を覚える紙片を一カ所に集め、小チームをつくる。
1-3. 表札をつける
 あたらしい紙片に、各小チームの内容を圧縮して表現、記入し、それを小チームの上にのせる。
1-4. チーム編成を繰り返す
 小チーム編成から中チーム、大チーム編成へとチーム編成を繰り返す。どのチームにも入らない「離れザル」を無理にどれかのグループにくっつけない。
 
2. KJ法A型図解法
2-1. 紙きれの束を拡げて、納得がゆくように配置する。
2-2. 大チームから小チームに展開し、図解化する。

上記の「グループ編成」を情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点からとらえなおすと次のようになります。なお、紙片や付箋などを総称して「ラベル」とよぶことにします。

「紙片(ラベル)を読む」ことは、情報を心のなかにインプットする作業です。「紙片(ラベル)を集める」はプロセシングに相当します。「表札をつける」は、情報を圧縮して表現することでありアウトプットに相当します。そして「チーム編成を繰り返す」は、これらの情報処理をくりかえしておこなうことです。

つまり、「グループ編成」は次のように整理できます。

 インプット:ラベルを読む
 プロセシング:ラベルをあつめる
 アウトプット:表札をつける

 この情報処理をくりかえす:チーム編成をくりかえす


次に、「KJ法A型図解法」を同様に整理すると次のようになります。

 インプット:表札を読む
 プロセシング:表札とラベルを空間配置する
 アウトプット:図解化


これらについて以下に詳説します。

1. グループ編成 
*インプット:ラベルをよむ
  • 「探検(取材)→情報選択→記録」によってえられた約50枚のラベルを、たがいにかさならないようにゆとりをもたせて目の前に四角くならべます。
  • それらのラベルをあわてないで端から読んでいきます。読むというよりもながめていけばよいです。
  • 3回ぐらいくりかえしてながめます。
  • 目の前の情報をしっかり心のなかにインプットします。

*プロセシング:ラベルをあつめる
  • 「このラベルとあのラベルの内容は非常に近いな」と、内容のうえでおたがいに親近感をおぼえるラベルが目にとまったら、それらをどちらかの一カ所にあつめます。
  • あつめる枚数は2〜3枚を目安とし、多くても5枚とします。
  • このようにしていくと、ラベルの小チームがあちこちにできてきます。
  • 一方で、どのチームにも入らない「離れザル」が若干でてきます。その「離れザル」をどれかのチームに無理にくっつけてはいけません
  • 最初の段階では「離れザル」は全体の1/3ぐらいあってもかまいません。

*アウトプット:表札をつける(圧縮表現)
 
  •  たとえば5枚あつまったら、 あつまったラベルをよく読み、「この5枚の内容を、一行見出しに圧縮して表現するとすれば、どういうことになるか」と自分に問うてみます。
  • 5枚の内容をつつみつつ圧縮化して表現できる一文を、あたらしいラベル1枚に書いて、その5枚一組のチームのラベルの上にのせます。
  • 一組のチームは1個のクリップでとめます。
  • 一番うえのラベルは一組のラベルの「表札」とよばれます。チームの一番うえの表の札(ラベル)ということです。
  • 小チームのすべてに「表札」をつけます。
  • 本書『発想法』には「一行見出し」と記載されていますが、これは一文につづるという意味であり、ラベルのなかで厳密に1行にしなければならないということではありません。通常は2〜3行になります。重要なことは述語までしっかり記述し一文につづるということです。
  • 小チームの「表札」の色は赤色とします。本書『発想法』には青色と記述されていますが、青色は中チームの表札、緑色は大チームの表札とするのが今では一般的になっています。
  • 「表札」は、元のラベルよりも1段高いところに位置づけられ、このような圧縮表現により、情報処理の次元が2次元から3次元に高まり、情報処理の効率が一気によくなります。元ラベルがならんでいた平面に縦軸が生じるような感じです。
  • 小チーム編成の段階でどこにも入らなかった「離れザル」については、目印として付箋の右下隅に赤点をつけておきます

*上記の情報処理をくりかえして、中チームを編成する
  • 赤色「表札」がついた小チームと「離れザル」(右下隅赤点)を目の前にひろげ、すべてをよく読みます。
  • 前の段階と同様にして、小チーム同士のなかでおたがいに親近感があるチームを編成して、いくつもの中チームをつくります。
  • このとき、小チームと「離れザル」があわさって中チームをつくることもあります。
  • 場合によっては、「離れザル」と「離れザル」とがあわさって中チームをつくることもあります。
  • それぞれの中チームには、チームの次元が識別するために青色の「表札」をつけます
  • この段階でも「離れザル」がまだのこっていてもかまいません。それらの「離れザル」目印のために付箋の右下隅に青点をつけます
  • この段階で、赤色「表札」が「離れザル」になる場合もあります。その赤色「表札」の右下隅にも青点をつけます。

*大チームを編成する
  • 同様にして、中チーム(青色「表札」)と右下隅青点の「離れザル」をひろげ、大チームをつくっていきます。
  • 大チームには緑色の「表札」をつけます
  • この段階でも「離れザル」がのこってもかまいません。それには右下隅に緑点をつけます
  • 大チームの個数(「離れザル」がある場合は、大チームに「離れザル」をくわえた個数)は、5〜10になります。
  • 10をこえる場合は、もう一段チーム編成をくりかえします。


2. 図解法 

その1:検索図解をつくる
*インプット:表札をよむ

  • 検索図解のための準備として、あたらしいラベルを用意し、最終の「表札」(大チームの「表札」)をすべて転記します。
  • それら最終の「表札」を再度よくよみ味わいます。

*プロセシング:表札を空間配置する
  • A3用紙を用意し、テーマを左上にやや大きく記入します。
  • 転記した最終「表札」すべてをそのA3用紙上におきます。
  • 論理的にもっとも納得がいく位置、おちつきのよい位置に最終「表札」すべてを空間的に配置します

*アウトプット:図解化

  • その空間配置が意味する内容をつぶやいてみて、その空間配置が適切であるかどうかたしかめます。内容がつながってすらすらと説明できればよいです。
  • A3用紙に「表札」を固定します。
  • 「表札」と「表札」とのあいだに関係記号を記入します。関係記号の例は次です。
  •  A ー B:AとBとは関係がつよい
  •  A >-< B:AとBとは対立する
  •  A → B:AからBへながれる、あるいはAが原因でBが結果
  •  A ⇄ B:AとBとは相互関係がつよい


その2:細部図解をつくる

*インプット:ラベルをよむ
  • 大チームの束どれか1つをとりだし、再度よく読みます。

*プロセシング:ラベルを空間配置する

  • あたらしいA3用紙を用意します。
  • 1枚のA3用紙に、1つの大チームの束をおき、中身を展開し、空間配置します。
  • 「表札」を奥におき、中身を手前におきます。
  • 中チーム→小チームへと中身を順次展開していきます。

*アウトプット:図解化
  • すべてを展開しおわったら、大チーム、中チーム、小チームのそれぞれを「島どり」(輪)でかこみます。
  • あらたにA3用紙を用意し、別の大チームも同様に展開します。
  • すべてての大チームを展開し、各チームごとに「島どり」をします。


このようにして図解ができあがると、最初にあった約50件の情報がグラフィックに整理され、全体像は「検索図解」に、こまかいところ(元データ)は「細部図解」を見ればわかるようになります

この段階では、 矛盾をあらわす「AとBとは対立する」といった内容があってもかまいません。心の内面に矛盾があるとそれが図解にもあらわれてきます。矛盾は、ことなる価値観をかかえこむことで生じることが多いです。

KJ法図解をつくると矛盾も図式化でき、矛盾を客観的に見ることができます。 矛盾が可視化できると心の整理ができ、矛盾が目に見えてくると克服のためのアイデアがでやすくなり、それを解決するチャンスが生まれてきます。 


文献:川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日


▼関連ブログ
内部探検→記録の方法 - 解説「発想をうながすKJ法」(その1)- 
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