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タグ:人類

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港川人(復元された沖縄旧石器人)
(平行法で立体視ができます)
沖縄の旧石器時代の調査・研究が急速にすすんでいます。およそ 3 万 7000 年前に海をわたって南方から人々が移住してきました。日本人の起源をしるための重要なルートです。
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わたしたち人間は生物学的にはホモ・サピエンスとよばれます。わたしたちがわたしたち自身について知ろうとおもったら、ホモ・サピエンスの頭脳や進化についての認識をふかめなければなりません。


『ホモ・サピエンス』(ニュートンプレス)はホモ・サピエンスについてイラストをつかってわかりやすく解説しています。


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ホモ・サピエンスとは、わたしたち人間を生物学的に分類したときの学名です。地球上には、実に多様な民族がくらしていて肌の色が様々だったりしますが、すべての人間は、ホモ・サピエンスというただ一種の動物として分類されます。まずはこの点をしっかり認識しなければなりません。

ホモ(Homo)はラテン語で「人」、サピエンス(sapiens)は「かしこい」という意味であり、ホモ・サピエンスとは「かしこい人」という意味です。

ホモ・サピエンスがはじめて地上にあらわれたのは約20万年前とかんがえられ、起源地はアフリカとする説が有力です。

ホモ・サピエンスは今や世界中に分布をひろげ、宇宙空間にまで居住しようとしています。これほどひろく分布した動物はホモ・サピエンス以外にはありません。


 

この驚異的な発展とひろがりが可能になったのは、ほかの動物とはちがう圧倒的な頭脳をもっていたからです。とくに発達が目立つのは大脳であり、大脳が発達したためにホモ・サピエンスは会話読み書きができ、かんがえることもできるようになりました。

また記憶もできます。本とは何か? 花瓶とは何か? 豚とは? といった記憶を「意味記憶」とよびます。類人猿にも意味記憶はあります。しかしホモ・サピエンスはそれだけではなく、特定の「エピソード」を記憶することができます。たとえば高校の卒業記念パーティー、はじめてバラをおくった女の子、車の運転をおしえてくれた人といった具体的なエピソードを記憶できるのです。さらに過去の記憶を時系列でなべたり、未来を想像したりすることもできます。このような能力は類人猿にはありません。

一方でホモ・サピエンスは模倣もできます。模倣によって、遺伝子にもとづいた自然淘汰から解放されて進化することができました。チンパンジーも行動を模倣することができますが、ホモ・サピエンスの場合はわずか1〜2回見ただけで模倣することができます。ほとんどの動物は進化するのに何百世代もかかりますが、ホモ・サピエンスの場合はわずか1〜2世代であたらしい行動をまなび、進化がひろがっていきます。これが、いわゆる文化や文明の基盤になりました。




それではホモ・サピエンスの脳はどのようにして進化したのでしょうか? 本書では、「脳は、徐々にではなく、突如、爆発的に進化した」という仮説を提示しています。

神経細胞1個1個の構造や性質自体に変化が起きなくても、細胞の数がふえれば、それらをむすぶ「配線」の数が爆発的に増加します。すると脳内のネットワークの状態や性質がガラリと劇的にかわります。

たとえるならば、氷の温度を上げると水になり水蒸気になるとき、H2O(水)の分子の構造や性質自体は変化しなくても、全体の性質はガラリと一変します。こうしたことが脳でもおきたのではないか。こうしてホモ・サピエンスだけが高度な文明社会をきずくことができたのではないか。

ホモ・サピエンスに関する探究は今後ともつづきます。



▼ 引用文献
『ホモ・サピエンス』ニュートンプレス、2015年11月16日
Newton ホモ・サピエンス: 圧倒的なヒトの頭脳。そのしくみは?

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直立二足歩行と言語の発生に注目すると進化論的に人類をとらえなおすことができます。

F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(NHK出版)の第 II 章では、人類が、自然あるいは動物からどのように分かれて変わってきたのかという問題を論じています。

最初に直立二足歩行ありきで、それにくらべると言語はひじょうにおそくならんと出てこないんです。(今西錦司)

人類の祖先と類人猿の祖先とを区別する決め手は直立二足歩行があるかどうかです。直立二足歩行が根源的にあって、これにより大脳が発達し手も器用になりました。

そして言語が発生しました。直立二足歩行が人類のなかの一個人から発生してひろがったのではないのとおなじように、言語も、どこに住んでいる人類にも人類進化のある時期に自然発生したのです。これは言語学者などがとなえる、一カ所で言語は発生して、それが伝播によって世界中にひろがったという単源説あるいは単系説とはちがいます。

言語だけはほかの動物には絶対にみとめられない現象です。逆にいうと言語をえてからはじめて人間が人間らしいもののかんがえ方をするようになったのであって、言語がない時代には合理的なもののかんがえ方はできませんでした。

言語が発生する以前はその場の状況を直観で判断していました。しかし言語の発生によってロジックをはじめてコントロールするようになりました。そして文明が生じてきました。


進化の一番の証拠になるのは化石です。これ以外に進化を直接証明するものはありません。化石を年代順に並べてみると順繰りにある方向にむかって変わっていることがわかります。

およそ30万年から70万年くらい前にピテカントロプス・エレクタスとよばれるものが生きていました。これは、ホモ・エレクタスと今ではよばれるようになっていて、我々ホモ・サピエンスの直系の先祖であることが人類学者のあいだでみとめられています。エレクタスは絶滅しないでサピエンスになったのです。

化石を証拠にしているかぎりは、猿人から今日のホモ・サピエンスまである方向にむかって順次かわっています。自然淘汰ではなくて変わるべくして変わってきています。西洋人は進化を因果的に説明しようとしますが、進化というものにはある程度まで種自身の自己運動があらわれているのです。


このように人類を理解するためには直立二足歩行と言語に注目することが重要です。進化論的にみるとつぎのような順序・段階がみとめられます。
  1. 四足歩行で生きていた。(直観で判断していた。)
  2. 直立二足歩行をはじめた。(直観で判断していた。)
  3. 言語が発生した。(論理をつかいはじめた。)
  4. 文明が発生した。
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