発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:ファイル法

ファイル名をつけるときには、情報を圧縮・統合することをつよく意識するとよいです。

わたしたち人間は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在です。

現代では、プロセシングの結果をアウトプットするときにパソコンなどのデバイスをつかいます。デバイスをつかってアウトプットすると1つのファイルができあがり、そのファイルはストレージ(記憶装置)に保存されます。ファイルとはデータや情報のひとまとまりのことであり、情報のもっとも基本的な単位としてきわめて重要なものです。(図1)

160112 アウトプットしたファイル
 図1 プロセシングの結果をアウトプットしてファイルをつくる


パソコンその他のデバイスでつくったファイルは、情報の本体とそれにつけたファイル名とから構成されます。ファイルをモデル化すると図2のようになります。

160112 ファイルの構造
図2 ファイルは、情報の本体とファイル名とから構成される


情報のひとまとまりであるファイル全体を球にモデル化すると、ファイル名は、ファイルの上部構造あるいは表層構造ととらえることができます。パソコンその他のデバイスでは、ファイルをストレージに保存するためにはファイル名をかならずつけなければなりません。そしてファイル名をダブルクリックあるいはタップすると情報の本体が閲覧できる仕組みになっています。




情報のアウトプットという観点からは、情報の本体をいかに生みだすかということも大事ですが、ファイル名のつけ方もとても重要です。今回はこの点を強調したいとおもいます。

ファイル名は、情報の本体を適切に圧縮・統合した見出しになっていなくてはなりません。また他のファイルと区別ができ混乱がおこらないような名称になっている必要があります。そのためにはキャッチフレーズ的な言葉がしばしば役立ちます。

適切なファイル名をつけておけば、あとでファイル名を見ただけで情報の本体がイメージでき、ダブルクリックをしてファイルの中身をいちいち見る回数を減らすことができます。ファイル名を適切につけておけば、その後の情報処理の効率を上げ、そしていくつものファイルを編成してもっと大きなファイルを効果的につくることもできます。アウトプットによりファイルが増えれば増えるほどファイル名は重要になってきます。

このようなことは、ブログの記事にタイトル(見出し)をつけるときにも意識しなければなりません。また新聞記事の見出しにも同様な原理がはたらいています。




簡単なことのようですが、ファイル名をつけるときにはこのようなことを意識することが大切でしょう。
 
そもそも情報のアウトプットの本質は情報の統合にあります。通常は、プロセシングの結果をすべてアウトプットすることは不可能であり、またそのようなことをしても意味がありません。情報は、統合してアウトプットしてこそメッセージが相手につたわります(図3)。

160112 アウトプット
図3 情報を統合してアウトプットする

 
ファイル名をつける作業には情報を統合する作用がおのずとはたらくわけです。したがってファイル名を意識してつけることをくりかえすことは情報を統合する訓練になり、ひいては、情報のアウトプット能力を高めることにつながってくるでしょう。



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観察したり聞き取ったり体験したことはその時その場でかならずメモをとるようにします。

その時その場でとった記録の新鮮さこそデータの生命です。あとでおもいだして書くと鮮度ががたおちになります。取材期間がながいほどこのことが重要になってきます。

その時その場の記録の基本は「点メモ」とします。点メモとはごく簡単なメモであり、たった一字でも単語でも点々たる書き連ねでもよいです。記号化しても略号をつかってもよいです。

何かを見たり聞いたり体験したら、そのひとまとまり(ひとかたまり)をボール(玉)のようにイメージし、その要点をメモするようにします。情報や体験をうまく区切ってひとまとまりの単位をつくるのがポイントです。

150722b 球
図1 情報のひとまとまり(1個玉)に対して
1点の点メモをつける(玉を上からみた図)


点メモとは情報の本体ではなく、情報の本体(体験の玉)にはりつけられた見出しあるいはラベルであることに注目してください(図2)。

150722 点メモとの玉
図2 点メモは、情報の本体(体験の玉)の見出し
あるいはラベル(表面構造)である(玉を横からみた断面図)


このような技術をもちいると、あとで、点メモを見ただけでその時の体験(情報の本体)を瞬時におもいおこすことができます。

点メモの利点はつぎのとおりです。

  • ハッと印象づけられたその時その場でパッと書ける。
  • あるきながらでも電車の中でも机のないところでもかける。
  • 記録をしつつも対象から目をはなさないでいられる。
  • 対象にいっそう注意がむけられる。
  • 観察眼がするどくなる。
  • 相手のいわんとする意味に耳をかたむけられる。
  • 相手の話の腰をおることがない。
  • 突然うかんだアイデアもメモできる。

点メモはつぎの順で練習するとよいです。ハッと気がついたときにすぐ点メモする。これが修業の根本です。

  1. 自分のおもったことを点メモしてみる。
  2. テレビや DVD を見ながら点メモする。
  3. 会議などで他人の発言を点メモする。
  4. 見知らぬ人をたずねて面接をしながら点メモする。
  5. 多忙な応接や活動のなかで点メモする。

点メモをつけたら、あとで時間をとって清書をし、まとめの記録(恒久的な記録)をつくります。記録は、その時その場の記録と恒久的な記録の二段階でおこなうことになります(注)。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

▼ 注
点メモにしろ恒久的な記録にしろ、情報処理の観点からはいずれもアプトプットであることに留意してください。それに対して、情報のひとかたまり(体験の玉)をイメージするのはプロセシングにあたります。

150729 点メモ
図3 体験の玉をイメージするのはプロセシング、
点メモをつけるのはアウトプット


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体験(あるいは情報)のひとまとまりを玉(ボール)のようにイメージして、その要約や要点をツイート(アウトプット)すると情報処理がすすみます。

最近は、情報を投稿したり発信するための手軽な手段として Twitter(ツイッター)を利用している人も多いとおもいます。

Twitter(ツイッター)とは、ツイート(tweet)とよばれる140文字以内の短文を投稿できるウェブサイト上の情報サービスであり、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社をおく Twitter 社が運営しています。

人がおこなう情報処理の観点からこの Twitter をとらえなおすと、ツイートをするということは情報のアウトプットをするということです

わたしたちの心のなかには、見たり聞いたり味わったりすることによってさまざまな情報がたえずインプットされています。感覚器官を通してはいってきたこのような情報は体験の倉庫(記憶の倉庫)に一旦たくわえられます。そしてプロセシングをへて、ツイート(言語)がアウトプットされるわけです。

* 

このような過程において、おもいついたことをやみくもにツイートするのではなく、つぎのような「体験の玉」をイメージしてからツイートすると情報処理がすすみます。

見たり聞いたり味わったりした体験のひとまとまり(情報のひとまとまり)を圧縮してボールのように玉として瞬時にイメージします。体験や情報をどこかでうまく区切ってひとまとまり(ユニット)をつくりだします。ひとつの体験がひとつのイメージの玉となります。そしてその玉のイメージの要約や要点を言語にしてツイートするようにします。これは、手軽にできる<プロセシング→アウトプット>のやり方のひとつです(図1)。

150712 体験の玉をツイートする
 図1 見たり聞いたりしたことのひとまとまりを「体験の玉」
としてイメージし、その要約や要点をツイートする



それぞれのツイートは、体験あるいは情報のひとまとまりの見だしあるいはラベルとしても機能するようになります。つまり各ツイートをあとでみれば、それを書いたときにつくった体験の玉(イメージ)がおもいだせるのです。体験の玉(情報の玉)の構造は図2のようになります。

150712 体験の玉の構造
図2 ツイート後の体験の玉の構造

体験の玉は、情報の本体とツイートからなります。ツイートは玉の表面構造です。体験あるいは情報の本体は自分の記憶倉庫にイメージとして保存されています。ツイート(言語)は、体験あるいは情報のひとまとまりの見だしあるいはラベルであって、体験そのものあるいは情報の本体ではないことに注意してください。
 
このように、イメージをえがいてツイートをすることにより、ひとつの情報の玉が強固に確立し完成します。


このようなことをちょっと意識するだけでツイートを日々することが効果的な情報処理の訓練になります。このような訓練は現実をとらえる感覚を強化し、情報処理につかえる材料を記憶倉庫のなかににふやすことになります。



▼ 参考文献
栗田昌裕著『絶対忘れない!記憶力 超速アップ術』日本文芸社、2010年5月28日
絶対忘れない! 記憶力超速アップ術 (日文新書)

栗田昌裕著『心と体に効く驚異のイメージ訓練法 — 体力・活力・気力・記憶力が一気に全開! 』廣済堂出版、1993年8月1日
心と体に効く驚異のイメージ訓練法―体力・活力・気力・記憶力が一気に全開! (広済堂ブックス)

▼ 関連記事
ラベル法をつかってファイルをつくる
ラベル法により心の中を整理する


「ラベル法」をつかってファイルをつくっていくと文章化もやりやすくなります。たとえば、日記や旅行記などを書きだすときにはつぎのようにします。


1.「ラベル法」をつかって要点を書きだす

「ラベル法」をつかって要点(ラベル)をノートなどに書きだします。

「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。

 取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)


「要点を書く」ときには情報の本体をしっかり想起しイメージするようにします。原則としては要点は単文でつづるようにします。ここでの情報の本体は、見たり聞いたり感じたり行動したりした体験のすべてです(図1)。体験のひとまとまりを意識することが重要です。
 
141012 要点と体験

図1 体験のひとまとまりをファイルにする


体験のひとまとまり(ファイルの単位)をどのように決めるかは、そのときの課題の重要度と時間のかけかたによります。とても重要な課題で十分な時間をかけて情報処理にとりくむ場合はファイルの単位はこまかくなり、詳細なファイルをたくさんつくることになります。他方、かるい課題であまり時間をかけられない場合は大ざっぱなファイルをいくつかつくることになります。

こうして、要点(ラベル)を順次かきだしながら(アウトプットしながら)ファイルを順次つくっていきます。



2.ファイルは連結している

つぎに、書きだされたラベルを見ながら、いくつものファイルが時系列で連結しているということをイメージします(図2)。
 

140926 ファイルをつなぐ

図2 ファイルは時系列で連結している 



3.体験を想起しながら文章化をすすめる

アウトプットされた単文(ラベル)を順番に見なおし、情報の本体である体験を想起、イメージしながら文章化(言語化)をすすめます。想起を補助するために、 必要に応じて写真や資料などを参照してもよいです。
 
日記や旅行記や行動記録を書きだすことはより大きなアウトプットの行為になっており、ラベルを見て体験を想起することは記憶法や心象法の実践にもなっています。

以上は、ファイルの結合のもっとも簡単なやり方であり、いくつものファイルを統合してアウトプットしいくための基本的な方法です。



4.基本訓練を発展させる
 
このようなことは誰でもよくやっていることですが、経験的にただ漠然とおこなうのではなく、情報処理を意識しながらアウトプットを出していくことが大切です。情報処理の観点からは、ファイルの作成とファイルの結合の仕組みを理解することがとても重要であり、日記や旅行記や行動記録などを書きだすことはそのための基本的な訓練になります。

ファイルの仕組みを理解しておくと、日記や旅行記や行動記録の実践は、 たとえばフィールドワークとか調査・研究、発想などといった、 もっと奥行きのある情報処理に発展させていくことが可能になります。



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ラベル法をつかってファイルをつくる

「ラベル法」は、情報処理のなかではもっとも初歩的・基本的な方法であり、この方法の本質はファイルをつくることにあります。ここで、「ラベル法」についてあらためて整理してみます。


■「ラベル法」の手順

「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。

取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)


取材する」とは、ある課題にそって情報を収集することであり、見たり聞いたり感じたりして情報を心のなかにとりいれることです。取材の初期段階では、ウェブサイトや書籍でしらべたり、あるいは、写真・メモ・日記・資料などを見なおしたりします。

情報を選択する」は、ある課題にとりくむにあたって重要な情報を選択することです。情報のひとまとまりを意識することが大切です。

要点を書く」では、選択した情報のひとまとまりの要点のみを原則として単文(言葉)にします。インプットした情報のすべてを書きだすことは不可能ですし、そのようなことをしても意味はありません。この要点(言葉)が、情報のひとまとまりのラベル(標識、見出し)になります。



■ ファイルの構造

情報のひとまとまりは、上部構造であるラベルと、下部構造である情報の本体とから構成されます。情報の本体は記憶として心のなかに保持されます。そして、この情報のひとまとまりはファイルとよぶことができます

140912 ラベルと情報の本体

図 ファイルは、ラベルと情報の本体とから構成される



■ コンピューター・ファイルとの類似

ここで、コンピューター・ファイルとの類似を指摘してみたいとおもいます。コンピューターでも情報(データ)のまとまり(あつまり)はファイルとよびます。それぞれのファイルには「アイコン+ファイル名」がつけられ、「アイコン+ファイル名」をダブルクリックすることにより情報の本体がひらける仕組みになっています。ファイルは、記憶装置に情報を書きこむときの単位になり、 情報の本体は記憶装置に保存されています。

ここで、「アイコン+ファイル名」はラベルに相当します

これと似たことを人間もやっているのです。コンピューターで記憶装置に書きこむ作業は、人間でいえば記憶するということです。ファイルを検索したり ひらくことは、人間では想起に相当します



■ アウトプットと同時にファイルができる

このように、情報のひとまとまりにラベルをつけることはファイルをつくる作業になっており、ラベルをつけることにより1個のファイルができたことになります。

「ラベル法」でラベルをつくることは、アウトプットをすることであると同時にファイルをつくる作業にもなっているのです

ファイルをつくることにより、ラベルを見て想起したり、イメージしたり、編成・編集したりすることができるようになります。つまり情報はつかえるようになります。「ラベル法」は心象法・記憶法・編成法などにも通じています。

以上ように、情報処理の観点からは、ラベルと情報の本体がつくるファイルの構造を理解することがとても重要であり、ファイルをいかにつくり、ファイルをいかに操作し活用していくかが情報処理の基本的な作業になっています



■ ラベルは、熟語・単語・数字・絵・図でもよい

なお、上記のファイルの仕組みが理解できれば、ラベルは、かならずしも単文でなくてもよいことがわかります。たとえば、熟語・単語・数字・絵・図などであってもかまいません。

「数字イメージファイル」 や「絶景写真100」では数字がラベルになっています。「100語でスタート!英会話」では英単語(キーワード)がラベルになっています。


▼ 関連ブログ
 数字イメージファイル >
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今回は、「編成法」をつかって20件の情報(ファイル)をから要約を書いてみます。


■ ラベルをつくる

まず、「ラベル法」をつかって情報のラベルをつくります。

取材する → 情報を選択する → 単文につづる


今回は、下の20枚のラベルをつくりました。これらは、「時代の潮流を洞察する」というテーマで、わたしがかつて開催した講習会で受講者から取材した情報(データ)のラベルです。
キャンバス 1
図1 「ラベル法」でつくった20枚のラベル



■「編成法」で情報を処理する

つぎに、「編成法」をつかってこれら20件の情報を処理していきます。「編成法」の手順は次のとおりです。

ラベルをよむ → ラベルをあつめる → 要約する 



1.ラベルを読む

上の20枚のラベルを3回よみ、大局をつかみます。



2.似ているラベルをあつめる

つぎに、似ているラベルをあつめてセットをつくります。分類するのではなく、相対的にみて似ているラベルをあつめるのがポイントです。あつめるラベルの枚数は2〜3枚を目安とします。一度にたくさんの枚数はあつめません。すべてをセットにするのではなく、セットにならないラベルがのこっていてかまいません。
キャンバス 2

図2 似ているラベルをあつめセットをつくる
 
 


3.ラベルを要約する

あたらしいラベルを用意し、セットになったラベルの上にかさねます。
キャンバス 3

図3 ラベルのセットの上にあたらしいラベルをかさねる


 
それぞれのセットについて、あつまったラベルの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだします(アウトプットします)。あたらしいラベルを「表札」とよび、「表札」であることがわかるようにするために赤色で記載します。「表札」とは、一番上の表にある札(ラベル)ということです。
キャンバス 4

図4 セットの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだす




4.「編成法」をくりかえす

■ 2段目

「1匹オオカミ」としてのこったラベルについては、それがわかるように右下に赤点をうっておきます。ふたたびラベルをならべ、「ラベルを読む」の第2段目をおこないます。
キャンバス 5
図5 ふたたび「ラベルをよむ」をおこなう



「ラベルをあつめる」の第2段目をおこないます。
キャンバス 6
図6 「ラベルをあつめる」第2段目をおこなう




「要約する」の第2段目をおこないます。
キャンパス 7a
図7 セットのうえにあたらしいラベルをかさねる

 


2段目の 「表札」は青色で書きます。
キャンバス 7b
図8 「要約する」の2段目(青色で記載する)




■ 3段目

3段目の「ラベルをよむ」をおこないます。
キャンバス 8
図9 3段目の「ラベルをよむ」をおこなう




3段目の「ラベルをあつめる」をおこないます。
キャンバス 9
図10 3段目の「ラベルをあつめる」




3段目の「要約する」をおこないます。
キャンバス 10
図11 セットの上にあたらしいラベルをかさねる




3段目の 「表札」は緑色で書きます。
キャンバス 11
図12 3段目の「要約する」





5.最終的なアウトプット

以上から、下記のように、7つの項目として最終的なアウトプットができました。

 
(1) 東西両陣営の冷戦がおわったら、民族間摩擦がたくさん噴出してきた。

(2) 人間らしさの喪失、家庭崩壊、粗さがし、自我の拡大などにより、これまでの社会が解体していくきびしい時代になった。

(3) 自然とそれを生かした伝統文化を劣等視し、自然を支配しようとする欧米文化への迎合が環境問題をひきおこし、自然と共生する文化に転向することがせまられるようになった。

(4) 生活力が旺盛でかせぎまくれる人々のみを厚遇し、弱者を冷遇する日本社会の福祉のあり方を是正しなければならない。

(5) 女性の意欲やエネルギーを社会でどういかすかが問われている。

(6) 二次情報にふりまわされないで、本当に必要なものを見ぬく情報処理能力が必要な時代になった。

(7) 個性を無視した知識ツメコミ教育や、物・金偏重の社会に人々は満足できず、心豊かで全人的バランスのある道をもとめだした。




上記の「編成法」をつかって20個のファイルを編成・編集し、その結果をアウトプットしました。

「編成法」では、要約のなかにあたらしいアイデア・仮説がでてくることがあります。また、まったくあたらしいアイデアをおもいつくこともあり、その場合は、そのアイデアは別にメモをしておき、あとで活用するようにします。

「編成法」は、考察を書いたりするときにもつかえます。一方で、日記や旅行記・行動記録などを書く場合は、情報(ファイル)は時間軸にそって時系列に書きだせばよいのですから「編成法」はつかいません。

なお、上記の方法は、「発想をうながすKJ法」(注)の一部として元来は開発されましたが、上にしめしたように単独で実践することができます。


▼ 注:参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年6月26日

今回は、栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』から「線形法」の 61 から 100 までの「数字・イメージ・ファイル」(87ページ)を語呂合わせで記憶してみます。

以下に、61〜100までの「数字・イメージ・ファイル」を引用します。語呂合わせで数字とイメージをむすびつけて順番に記憶していきます。

61 ─ ロビン(駒鳥)
62 ─ ロープ(2はヒフミのフ)
63 ─ ムーミン
64 ─ ムシ(虫)
65 ─ ムコ(婿)
66 ─ ムームー
67 ─ ムチ(鞭、7は中国語でチー)
68 ─ ロバ
69 ─ ロック
70 ─ ナワ(0は ワ(輪)とも読める)
71 ─ チイ(地衣(コケ))
72 ─ ナツミカン(夏蜜柑)
73 ─ ナミ(波)
74 ─ ナシ(梨)
75 ─ ナンコウ(軟膏)
76 ─ ナイロン
77 ─ チチ(父)
78 ─ ナヤ(納屋)
79 ─ チキュウ(地球) 
80 ─ ヤマ(山)
81 ─ ハイ(灰)
82 ─ ヤニ(脂)
83 ─ ヤミ(闇)
84 ─ ヤシ(椰子)
85 ─ ヤゴ
86 ─ ハム
87 ─ ハナ(花)
88 ─ ハハ(母)
89 ─ ハク(箔)
90 ─ クマ(熊)
91 ─ クイ(杭)
92 ─ クツ(靴)
93 ─ クサ(草)
94 ─ クシ(串)
95 ─ クコ(枸杞)
96 ─ クロ(黒)
97 ─ クチ(口)
98 ─ クッパ
99 ─ キュウキュウシャ(救急車)
100 ─ ヒマワリ


1.  情報のひとまとまりはファイルである

イメージがよくうかばないものについてはインターネットで画像を見て確認します。

何かを記憶するときは、情報のひとまとまりを心のなかにファイルするようにします情報のひとまとまりは情報処理の観点から「ファイル」とよぶことができます。上記の「数字イメージ」はそれぞれが「ファイル」であるわけです。

たとえばコンピューターでも、情報(データ)のまとまりのことを「ファイル」とよび、それには上部構造として「アイコン+ファイル名」があり、下部構造として情報の本体があります。アイコンあるいはファイル名(上部構造)をダブルクリックすることにより、情報の本体(下部構造)をよびだせる仕組みにみなっています。

これと同様に、「数字・イメージ・ファイル」では、数字がファイル名(上部構造)、イメージが情報の本体(下部構造)であり、数字は情報のラベル(標識)として機能し、イメージは数字に圧縮される一方、数字を見ることによりイメージが想起できるという仕組みになっています(図1)。

140912 数字とイメージ
図1 数字とイメージによりファイルをつくる



ファイルの上部構造はラベル(標識)、ファイルの下部構造は情報の本体という構造になっています(図2)。
 
 140912 ラベルと情報の本体
図2 ファイルは、ラベルと情報の本体とからできている



たとえば、ファイル64はつぎのようにつくりました。
140912 64 ムシ
図3 ファイル 64



ファイル79はつぎのようにつくりました。
140612 79 地球
図4 ファイル 79


ファイル100はつぎのようにつくりました。
140912 100 ヒマワリ
図5 ファイル 100


「数字・イメージ・ファイル」を記憶することはファイル作成のなかではもっとも初歩的・基本的な作業です。ファイルを意識してつくることが大事です。



2. 数字を記憶してみる(例)

■ 東海道新幹線の東京駅〜新大阪駅の距離515kmをおぼえる
0515kmととらえて、つぎをイメージし記憶しました。

孫(マゴ:05)が東京駅から新幹線にのりました。新大阪駅についたときにイチゴ(15)を食べました。
「数字イメージ」を記憶する(その1)参照 >


■ 札幌から那覇までの最短距離2244kmをおぼえる
札幌から那覇までにとても大きな虹(ニジ:22)がかかっています。その下を獅子(シシ:44)がはしっています。
「数字イメージ」を記憶する(その2)参照 >


■ 富士山の標高3776mをおぼえる
富士山のふもとから道(ミチ:37)が山頂までつづいています。そこをのぼっていって、ナイロン(76)の大きな布を山頂にかけました。


■ 琉球王国の成立年1429年をおぼえる
琉球の首里城に医師(イシ:14)が入り、肉(ニク:29)を食べて琉球王国成立をいわいました。


「数字・イメージ・ファイル」は、自分の専門分野で必要な定量的データを記憶するときに特に役立ちます。数字を見てすぐにイメージをおもいうかべるようにし、一方で、イメージをおもいだせば数字がすぐにおもいうかぶようにしておきます。



3.『○○○の100』をおぼえる

あるテーマに関して『○○○の100』といった書籍・教材をときどきみかけます。このような資料にはよくできた100のファイルがすでに整理されています。これを利用しない手はありません。

これを学習し記憶するときに「数字・イメージ・ファイル」はとても役立ちます。「数字・イメージ・ファイル」をあらかじめ記憶しておけば、これに、あたらしい情報をむすびつけることにより100の事柄が簡単におぼえられます

こうして、課題に関するあらたな情報をどんどん結合していけばよいのです。ここに記憶法の極意があります。



4. ファイルの作成、結合から、ファイル編成へ発展させる

そして、そのようなファイルの結合は、つぎに、ファイルの編成、ファイルの再構築、ファイルの体系化といった作業に発展させていくことができます。これが発想法や問題解決につながっていきます。

このように、ファイルの作成はあらゆるファイルの操作の基礎であり、情報処理の基本になっています。



▼ 文献
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』(知的生きかた文庫) 三笠書房、200年5月1日
記憶力がいままでの10倍よくなる法 (知的生きかた文庫)

『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』(DVD+BOOK)は、2003年にNHKで放映された「100語でスタート!英会話」をDVDとテキストにしたものです。

「100語でスタート!英会話」は、英語コーパス分析の最新の研究成果を利用し、英会話に必要な最重要英単語100を徹底的に攻略する番組で、100のキーワードとそれらと一緒にもちいる単語を使用頻度順にランキングで紹介し、よくつかうボキャブラリーから効率よく学習するという方法を英会話学習にもたらしました。この100語をマスターすれば、日常会話の約70%がカバーでき、もっとも基礎的な英語の骨組みがしっかり身につく仕組みになっています

IMG_1331

写真 100のキーワード一覧


このDVDでは、1つのスキットにつき1つの英単語が明確にわりあてられて1つのユニットを形成しています(図1)。そのユニットが100個あります。

140901 視聴覚体験とキーワード1

図1 1スキットと1英単語がユニットになっている


DVDを視聴することによって、各スキットについての視聴覚体験がえられます。各スキットにわりあてられた英単語は、それぞれの視聴覚体験のキーワードになります(図2)。 キーワードは視聴覚体験を形にしたものです。

140901 視聴覚体験とキーワード2

図2 英単語は視聴覚体験のキーワードである


これを、情報処理の観点から一般化すると、各スキットは情報の本体であり、キーワードはそのラベル(標識)となります(図3)。ラベル(標識)は、情報を統合する役割をもつと同時に、情報を検索するためのインデックスとしても機能します。

140901 視聴覚体験とキーワード3

図3 情報の本体とラベル


このような体験あるいは情報のひとまとまりを「栗田式記憶法」では「玉」(たま)とよびます(注)。これは、情報がひとまとまりになったファイルをあらわすものです

「玉」は、上図にみられるように、上部構造と下部構造とからなる二重構造になっています。「玉」の下部構造が情報の本体であることに注意してください。


『NHK 100語でスタート!英会話』は、上図のような情報の「玉」を構築するためにむいたすぐれた教材としておすすめできます。100個の情報の「玉」を心のなかにしっかりつくりだすことにより英会話の基礎をつくることができます。

学習のポイントは、各スキットの視聴覚体験と わりあてられたキーワードをしっかりむすびつけ、それぞれのキーワードのイメージ(DVD映像)を明確に記憶することです。「玉」の下部構造である視聴覚体験を強固にすることが重要です


上記の方法(ラベル法)は、英語学習をこえてあらゆる情報処理に対して応用が可能です。記憶法・学習法にとどまらず、旅行法や発想法にも発展させることができます。



▼ DVD+BOOK
投野由紀夫著『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』日本放送出版協会、2004年9月20日


▼ 注
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2002年5月
特に、「思い出は「玉」としてイメージせよ」 (136ページ)、「玉を転がすようにする。記憶の内容自体を玉と考えるのです」(143ページ)を参照してください。

梅棹忠夫著『メディアとしての博物館』は、あたらしい博物館のあり方について情報の観点からのべています。


目 次

博物館は未来をめざす
現代の蔵としての博物館

現代における博物館の役わり
百科事典と博物館
子どもと博物館
博物館とファッション

『全国博物館総覧』をすいせんする
企業博物館のありかた
ジャパン・ミュージアム構想
人間博物館リトルワールド
地域社会と博物館のありかた

博物館の言語ポリシー
博物館の展示ポリシー
情報産業としての博物館
博物学から博物館へ


博物館の情報化、物をつかった情報処理についてかたられます。

博物館は、情報機関であります。それぞれの分野に応じて、ひろく情報を収集し、蓄積し、変換し、創造し、伝達する。

資料の数の膨大さをほこるだけでは、博物館としては能がありません。必要な資料をたちどころにとりだせるような検索システムが必要であります。

大量の情報を蓄積し、処理し、提供する情報機関としての博物館こそは、情報化の時代にもっとも適合した存在であるといえるでしょう。逆にいえば、いままでは情報技術が未発達であったために、博物館の発展をいちじるしく制約されていたのだ、ということもできます。

「物」そのものが情報に転化するとともに、「物」を各種の形態に転化させることもできる。あるいは、「物」を各種の情報に転化させることによって、いっそうコンパクトに、いっそう秩序整然と収蔵することができる。

ただ、ものをならべておいてもすこしもおもしろくない。知的にずっとストーリーを追ってゆくことによって、理解がふかまる。ものを通じて知的理解をふかめてゆくという装置が博物館である。


国立民族学博物館では物も情報化しています。そして、資料や情報を徹底的に集積し、それらすべてが検索できるシステムをつくっています。国立民族学博物館のこのやり方は情報処理のモデルとして活用することができます。

物や資料その他の情報がはいってきたら、そのそれぞれに検索用の見出し(ラベル)をつけて保管(保持)します。見出しを検索すれば、物・資料をふくむあらゆる情報をすぐにとりだして利用することがでるという仕組みです。

人がおこなう情報処理もこれをモデルにしておこなえばよいです。 


■ 検索システムのつくりかた
1.情報のインプット
見たり聞いたりする感覚や行動したりする体験により情報が心にインプットされます。

2,プロセシング
重要な情報を選択したり、情報の概要や要点をつかんだりします。

3.見出し(ラベル)をつける
情報のひとまとまりのそれぞれに見出し(ラベル)をつけます。見出しは、一般的には言葉をつかいますが記号や絵などでもよいです。見出しは、いつでもすぐに閲覧できるように整理しておきます。ツイッターやフェイスズックやブログなどをつかえば効果的です。

見出しは、情報の本体を適切に要約したものであることがのぞましいです。これは、分類項目をつける作業とはちがうことに注意してください。

4.情報をとりだして利用する
見出し(ラベル)を見て、あるいは見出しを通して情報の本体を想起(検索)し、利用します。


■ あらゆる体験の検索システムをつくる
検索システムをつくる対象は何でもかまいません。書籍、音楽、絵画、風景、感覚、体験など。むしろ、さまざまな総合的な体験にこそ検索システムを適用することが大切です。

たとえば旅行にいったときの総合体験を情報の本体としてあつかい、体験のひとまとまり(ユニット)の一つずつに、一つずつの見出しをつけていきます。そして、その見出しを、たとえばブログやツイッターやフェイスズックにアウトプットして整理しておきます。

こうしておけば、見出しを見れば旅行体験をいつでも想起できます。すなわち情報の本体を検索できるわけです。

このような検索システムをつくるのは情報処理の基本であり、あまり時間をかけずに簡単にやることができます。まずは、情報の見出しづくりをやっておけばよいのです。

たとえば旅行記を書くとかいった本格的な情報処理作業はあとの別の課題です。もしあとで旅行記を書くにしても、情報の見出しをつくり、検索システムづくりをあらかじめすませておけば作業はやりやすくなるでしょう。
 



上記の方法は「ラベル法」でもあります。



▼ 文献
梅棹忠夫著『メディアとしての博物館』平凡社、1987年11月

▼ 関連書
梅棹忠夫著『情報と文明』(梅棹忠夫著作集 第14巻))中央公論社、1991年8月
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