発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:心象法

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ポンペイの壁画展・撮影スポット
(平行法で立体視ができます)
 
想像力をはたらかせて壁画と建物から立体空間をイメージすれば、約2000年前の古代ローマ都市ポンペイにタイムスリップしたような気分になれます。
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東京都薬用植物園の温室
ステレオ写真をつかって立体視が成立したら、今度は目を閉じてその立体映像をイメージしてみます。自分の内的空間も立体的になるように訓練します。
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海外旅行にでかけてびっくりすることがあったら、その背後にある世界を想像してみると旅のたのしみが倍増します。
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事実をみて何かを想像できるようになるためには、イメージを自由にうごかす能力をきたえておくとよいです。イメージ訓練「増殖法」では、たくさんの対象を自由にゆたかにうごかします。
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日本科学未来館(平行法で立体視ができます)

日本科学未来館では、理想の未来を想像してから、今どうするかをかんがえる「未来逆算思考」をすることができます。
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情報処理能力(プロセシング能力)を高めるためにはイメージ訓練を日頃からおこなっておくとよいです。

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ティラノサウルス(交差法で立体視ができます)

国立科学博物館で開催中の「恐竜博 2016」にいくと、恐竜の進化に関する展示・解説をみながら、想像や推理がどのようにすすめられているかを知ることができます。

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160411 仮説形成
図1 想像の3段階

明確な想像をするためには、事実を見たら、課題をめぐる前提をふまえてイメージをえがくようにするとよいです。

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写真1 滑空するイーの生態復元図

「恐竜博 2016」の展示・解説をみると、恐竜から鳥への進化を想像することができます。

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写真1 発掘された化石の断片(注1)

歴史を知ろうとおもったら断片的な情報をあつめて当時の様子を想像するようにします。想像することは仮説をたてることでもあります。

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テキスト(言語)をつかって記述している本を見るときにもイメージ訓練ができます。


情報処理能力とくにプロセシング能力を高めるためにはイメージ訓練が有効です。イメージ訓練をするためには写真集がとても役立ちます。

しかしテキスト(言語)をつかって記述している書籍でもイメージ訓練ができます。本のページを "写真" とみなして、風景写真を見るときとおなじようにページを見ていけばよいのです。

本の見開き2ページを見るときに、デジタルカメラでうつしとるようにイメージ(画像)として意識(心)のなかにページをインプットし記銘するようにします。

フレームに注目したり、見出しやキーワードの空間的な位置や色をしっかり見るとよいでしょう。


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例1


例1のページでは、左側に大きなフレームがあり、右側の上下に小さなフレームがあります。見出しは3ヶ所に配置されています。キーワードは赤色と黒色があります。

キーワード・地図・写真などの位置をおぼえるようにします。この本はカラーですのでこうしたことがやりやすいです。イメージ訓練がやりやすい本をさがすことも重要です。




そして今度は、いったん目を閉じてそのページをイメージとしておもいだします。見出しやキーワードもそれらの位置や色とともにイメージとしておもいだすようにします。

つぎにイメージをおもいうかべて(本は見ないで)キーワードを書き出してみます。書きだす(アウトプットする)ときには言葉にします。

インプットとプロセシングではイメージをつかい、アウトプットでは言語をつかうというのが基本的なやり方です。

このような訓練をした上で、自分にとって重要な本についてはじっくり読んでいけばよいでしょう。


▼ 引用文献
 


世界遺産の鳥瞰写真をつかってイメージ訓練をすると情報処理がすすむようになります。


『感動の絶景! 空から見た世界遺産』(コスミック出版)は、都市・歴史地区の文化遺産を中心に自然遺産・複合遺産を含めた58の世界遺産を空からのうつしい写真 約 100点で紹介しています。巻末には、日本からのアクセス手段や現地での観光ツアーも掲載していて参考になります。


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本書は、次よのうなイメージ訓練のために最適です。

  1. あまり時間をかけないで本書の鳥瞰写真を最後まで一気に見ます。
  2. いったん目を閉じていま見た写真をおもいだおもいだしてみます。どこまでおもいだせるでしょうか。
  3. おもいだせた写真については気がついたことを言葉にして書きだしてみます。

この一連の流れが、イメージをつかった情報処理の訓練になっています。世界遺産の鳥瞰写真はイメージ訓練のために最適です。

鳥瞰写真を見ることは情報をインプットすることです。おもいだすことはプロセシング、言葉にして書きだすことはアウトプットです。インプットとプロセシングはイメージをつかってすすめ、アウトプットは言葉をつかうというのが基本に推奨できます。イメージをおもいうかべて言葉を書きだすというところがポイントです。そのためにはインプットがそもそもよくできていなければなりません。

世界遺産関連書には、たとえば『世界遺産検定公式テキスト』のような言語をつかった解説書もあります。しかし言語よりも前にイメージをつかった訓練をやった方がよいです。まずイメージでとらえて、その上に言語的解説をのせていく、あるいはイメージに言語をむすびつけて理解し記憶する方が情報処理はすすみます。世界遺産検定を受検するような人は特にこの点に留意しなければなりません。




ここでひとつのアナロジーをだしましょう。たとえばデジタルカメラで写真を撮影して、ストレージにデータをファイルします。デバイスをつかえばいつでもそれらの写真(イメージ)を見ることができます。

ここで問題になるのは、イメージファイルは非常に大きなメモリーを必要とし、そのためデバイスの性能も高くなければならないということです。大きな容量と高性能なCPUが必要だというわけです。

イメージではなくテキスト(言語)だけをとりあつかうのであればそのような必要はありません。




このことと似ていて、人間がおこなう情報処理でもイメージをつかう場合は、大きな意識(心)と高性能な情報処理能力が必要です。イメージは言語にくらべて情報量が圧倒的に多いのです。ここに、イメージ訓練(心象法)やイメージをつかった記憶法にとりくむ大きな意義があります。イメージ・トレーニングを軽視することはできません。

イメージをつかった訓練をくりかえしおこない、イメージをつかった情報処理が自在にできるようになると情報処理は一気にすすみます。大容量のストレージと高性能なCPUを手にいれたようなものです。

以上のことをふまえ、世界遺産の鳥瞰写真をつかったイメージ訓練はとても有効だとかんがえられます。


▼ 引用文献
『感動の絶景! 空から見た世界遺産』コスミック出版、2015年12月10日
感動の絶景! 空から見た世界遺産 (COSMIC MOOK)


ステレオ写真を立体視することにより、視覚的・空間的な情報処理能力をたかめることができます。


ステレオ写真をつかって立体視をしたら、一旦 目を閉じて、今みた立体画像をイメージしてみます。上下左右のひろがりだけでなく、奥行きもしっかりイメージするようにします。イメージ訓練は、視覚的・空間的に対象をインプットし処理する訓練になります。

下の写真はいずれも交差法で立体視ができます。東京・池袋にあるサンシャイン水族館(注)で撮影しました。

立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>



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大きい魚はエイ(上)とトラフザメ(下)



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クラゲ



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シノノメサカタザメ
( 「-ザメ」とつくことからサメの仲間と間違われやすですがエイの一種です)



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アオリイカ



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コウイカ


サンシャイン水族館1階「大海の旅」ではめずらしい海の生き物の数々に出会うことができます。この水族館は、「ココロ動かす、発見がある。知性を刺激され、心を癒やされる場」をコンセプトにしています。水族館に行って非日常の場にひたるのもたまはいいものです。


▼ 注:サンシャイン水族館
公式サイト

サンシャイン水族館は、サンシャインシティのワールドインポートマートビルの屋上にあります。
サンシャインシティへのアクセス
サンシャインシティ 館内の案内




▼ 関連記事
構造的情報と点的情報の両方をみる - サンシャイン水族館(まとめ)-


ビルディングの階層構造をイメージしてファイリング・システムをとらえなおすとファイルの整理がすすみます。


情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在として人間をとらえた場合、現代においては、アウトプット(文章の書きだしなど)はパソコンなどのデバイスをつかっておこないます。デバイスをつかってアウトプットをしているとファイルが形成され、ストレージの中にそれらが次々に蓄積されてきます。

このようなファイリング・システムを構築するためには当然のことながらフォルダをつかいます。大項目のフォルダの中には中項目のフォルダがあり、それらの中には小項目のフォルダがあり、それらの中に個々のファイルが入っているというファイリングの仕組みがここにはあります。つまり階層構造が基本になっています


しかしこのようなファイリング・システムがあっても、ファイルの数が膨大になってくるとわけがわからなくなってきます。

そこで今回は、ビルディングをイメージして多数のファイルをとらえなおす方法を実践してみたいとおもいます。

  1. まず、ビルディングをイメージします。このビルディングの中にすべてのファイルが入っています。
  2. 大項目フォルダーは、ビルディングのフロアーなっています。大項目の数だけフロアが存在します。
  3. 各フロアには、中項目フォルダーの部屋がいくつもあります。
  4. それらの部屋の中には、小項目フォルダーのキャビネット(戸棚)がたくさんおいてあります。
  5. それらのキャビネットのなかに個々のファイルが保存さています。
  6. このようなビルディング(階層構造)をしっかりイメージします(心の中に構造物をつくりあげます)。
  7.  個々のファイルにアクセスするときには目的のフロアーにまず行き、そして部屋に入って行ってキャビネットをあけて、必要なファイルをとりだす自分をイメージします(想像します)。
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わたしのビルは10階建てになりました。このようなイメージ訓練をすると、これまで自分がアウトプットしてきた膨大なファイルを比較的短時間でとらえなおすことができます。自分のファイリングの問題点もあきらかになってきます。言語をつかって大局をとらえ整理しようとするのではなくて、イメージをつかって大局と構造をとらえるというのがポイントです。

ビルディングがイメージできると、どのあたりにどのファイルがしまってあったかが空間的にわかるようになり、イメージによるファイル検索も可能になります。キーワード検索とあわせてイメージ検索も実践してみるとおもしろいでしょう。


▼ 関連記事
情報を圧縮・統合してファイル名をつける

建物の階層構造との類比により世界史をとらえなおす - 大英博物館展 ─ 100のモノが語る世界の歴史(4)-
ニュース情報の構造物として新聞紙をとらえる
情報の構造物として紙の書籍をとらえる
書店の中で記憶する -空間記憶法-


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東京国立博物館 平成館 考古展示室入口(交差法で立体視ができます)


縄文土器を見ると、縄文人の当時の暮らしぶりを想像することができます。

東京国立博物館・平成館の考古展示室がリニューアルされました。展示も一新され、また展示ケースのガラスの反射・写り込みがほとんどなくなり展示品がとても見やすくなりました。下の写真は展示品の一部です。交差法(注1)で立体視ができます。
 


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片口付深鉢形土器(埼玉県ふじみ野市 上福岡貝塚遺跡出土、重要文化財)
縄文時代(前期)・前4000〜前3000年



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鉢形土器(神奈川県横浜市港北区下田町出土)
縄文時代(前期)・前4000〜前3000年



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壺形土器(秋田県鹿角市 大湯環状列石出土)
縄文時代(後期)・前2000〜前1000年



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異形片口土器(青森県七戸町長久保出土)
縄文時代(後期)・前2000〜前1000年



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鉢形土器(茨城県稲敷市 福田貝塚出土)
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年



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注口土器(茨城県利根町 立木貝塚出土)
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年



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香炉形土器(千葉県銚子市余山町 余山貝塚出土)
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年



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異形台付土器(千葉県印西市天神台出土)
縄文時代(晩期)・前1000〜前400年



今回は、ギャラリートーク「縄文土器の見方 大きさ・形・文様」に参加しました。講師は特別展室主任研究員の品川欣也さんでした。

次のような話をしてくれました。

大学で以前おしえていたときに、自宅にある鍋や釜・食器などを学生にすべてスケッチしてもらい、それらを見せあうという実習をしていました。するとその学生がどのような生活をしているのか想像できます。一人暮らしなのか、実家で暮らしているのか、自炊しているのか・・・。


これとおなじで、わたしたちも土器を見て縄文人の生活をまずは想像するところからはじめた方がおもしろいです。最初から知識をえようとしたり理屈でとらえるのではなくみずからまずは想像してみるのです。

たとえば深鉢には水を入れていた。浅鉢で煮炊きをしていた。浅鉢に料理をもっていた。土器についたススの跡から調理をかなりやっていた。台付き鉢はお供え用? お酒も飲んでいた?・・・

「自分の方にひきよせて想像してみる」というアドバイスもありました。それぞれの土器を見ながら、自分だったら何につかうかを自由に想像してみるのです。これは、博物館のたのしい利用法のひとつでもあります。

たとえばこの土器では石焼ビビンバがつくれる。うどんをゆでる。ステーキを焼いてみる。野菜をもりつけたらおいしそうだ・・・




ウエブサイトなどでしらべると縄文人の暮らしぶりのイメージなどがすぐに検索できますが、そのような既存のイメージを見る前に自分自身でいろいろ想像してみることはおもしろいですし、その方が想像力をつよめる訓練になります。

想像することは情報処理でいうとプロセシングをすすめることであり、プロセシンのなかでもこれはかなり重要な過程です(下図)。みずからまず想像してみて、それから専門家がえがいたイメージを参照してみるという順序をとるとよいでしょう。

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図 想像することはプロセシングの重要な過程
 

▼ 東京国立博物館
平成館




いのちがもえる - 特別展「縄文 ― 1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(1)-
時代のピークと土器のモデル - 特別展「縄文 ― 1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(2)-
国宝土偶と精神文化 - 特別展「縄文 ― 1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(3)-
作品とともに展示空間もみる - 特別展「縄文 ― 1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(4)-
土器をみくらべる - 特別展「縄文 ― 1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(5)-
特別展「縄文―1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(まとめ)

東京国立博物館 − 歴史をフィールドワークする − (記事リンク集)


▼ 注1:交差法(クロス法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。


▼ 追記
わたしがそもそも縄文時代に注目したひとつの理由は、縄文人は、自然環境と調和した生活をしていたため環境保全のためのヒントがそこからえられるにちがいないとかんがえたからです。



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東京都美術館

モネの作品を遠くからみて、近くでみて、離れてみると、色彩のうつくしさや視覚のマジックが堪能できます。

東京・上野の東京都美術館でマルモッタン・モネ美術館所蔵「モネ展」が開催されています(注)。

今回の「モネ展」は、パリのマルモッタン・モネ美術館のモネ・コレクションを中心にして約90点を紹介するものでした。印象派の巨匠モネが生涯にわたり手放さなかった作品と、モネが購入したり おくられたりして収集したほかの芸術家の作品、いわばモネのプライベート・コレクションを紹介しているのが特色でした。

いつものようにわたしはすべての作品を一通り見て、ふたたび入り口にもどり、今度は、とくに印象にのこった作品だけをじっくり見るようにしました。

《オランダのチューリップ畑》(1886年)、《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》(1877年)、《睡蓮》(1903)年・・・

それぞれの作品を遠くからまずながめ、近づいていってそばて見て、そしてふたたび離れて見ると色彩のうつくしさ、透明感、奥行きがくっきりと感じられて本当に不思議です。視覚のマジック、光の情報処理を心からたのしむことができます。

また全体を一通り見おわったうえで印象的な作品に「再会」すると、会場のコレクション全体がつくりだす空間が背景になって、印象的な作品がそのなかに鮮明にうかびあがるような独特の感覚体験がえられます。

* 

わたしは朝9時すぎに東京都美術館に到着、約100人の方々がすでに行列をつくっていました。9時30分に開門、比較的余裕をもって見ることができました。遠くからみて、近くでみて、離れてみるためにはある程度 会場がすいていなければなりません。

しかし会場をあとにしようとした約2時間後にはものすごい混雑になっていました。美術展は、午前中のはやい時間か金曜日の夜などがおすすめです。


▼ 注
巡回展(福岡、京都、新潟)

▼ 関連記事
旅をしながら内面世界をゆたかにする 〜『モネと画家たちの旅 -フランス風景画紀行-』〜
美術館でイメージトレーニングをする 〜「モネ、風景をみる眼」展 〜
イメージ訓練「拡大縮小法」にとりくむ - オルセー美術館展 -
色がまざって見える - 特別展「新印象派 光と色のドラマ」-
遠くからみて、近くでみて、離れてみる - 「モネ展」-
見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-


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東京国立博物館・平成館


東京・上野の東京国立博物館で特別展「始皇帝と大兵馬俑」が開催されています(注1)。中国で帝国の時代がはじまった当時の様子を展示品を通して想像することができます。

わたしは今から14年前に中国旅行をしたときに兵馬俑にもいきました。今回は、兵馬俑との再会となり当時の旅行をなつかしくおもいだすことができました。今回の特別展は豪快で迫力があり、中国で帝国の時代がはじまった当時の力強さを感じることができました。

* 

今から約2200年前に「最初の皇帝」を名乗り、中国大陸に統一王朝を最初にうちたてたのが秦の「始皇帝」です。その陵墓のほどちかくにうめられた「兵馬俑」は、20世紀の考古学における最大の発見のひとつとうたわれ、出土以来、あたしい知見とおどろきをもたらしつづけています。会場では、始皇帝と兵馬俑にまつわる貴重な文物を一堂に紹介し、始皇帝が空前の規模できずきあげた「永遠の世界」の実像にせまっています。

わたしは、世界史を極度に単純化してつぎのような模式図(モデル)でかんがえています(下図)。


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中国では、紀元前770年から多くの国々がおたがいにあらそう戦乱の時代にはいりました。いわゆる春秋戦国時代です。上のモデルでは「戦国時代」と記してあります。

そして戦争を勝ちぬき、前221年に天下を統一した国が秦であり、そのときの君主が始皇帝でした。このときから中国は本格的な領土国家の時代、帝国の時代にはいりました。


世界史を大局的にみると、人間は初期は自然のなかでくらしていました。それは「自然社会」の時代です。そのご農耕がはじまり都市が形成され、都市は成長してやがて都市国家となっていきました。「都市国家」の時代です。そして都市国家が大きくなってくると都市国家同士が戦争をはじめました。「戦国時代」です。そして最終的に勝利した国は広大な「領土国家」つまり「帝国」になったわけです。

今回の特別展では、<都市国家→戦国時代→領土国家(帝国)>という歴史のながれを想像することができます。言葉や理屈で理解するのではなく、展示品をみながら想像できるというのが展覧会のもっともたのしいところです(下図)。

151129 想像
図 展示品をみながら想像する
 

「始皇帝と兵馬俑」は中国史の大きな転換点をしめしていて、それはいわゆる前近代文明あるいは本格文明としての中国文明のはじまりも意味するのだとおもいます。



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軍団のレプリカ
(平行法で立体視ができます、注2)

約70体の精巧な複製で再現した兵馬俑坑が第2会場の最後にはあり、ここだけは写真撮影ができます。展覧会の思い出にこのような記念撮影コーナーがあるととてもよいです。ほかの展覧会でも撮影コーナーを是非用意してほしいものです。


▼ 関連記事
東京国立博物館 − 歴史をフィールドワークする − (記事リンク集)

▼  注1:特別展「始皇帝と大兵馬俑」
東京国立博物館のサイト
特設公式サイト

▼ 巡回予定
九州国立博物館 2016年3月15日(火)~6月12日(日)
大阪・国立国際美術館 2016年7月5日(火)~10月2日(日)

▼ 注2:平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。


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東京国立博物館・平成館1階の考古展示がリニューアルされました。展示品が一新されただけでなく、展示ケースのガラスのうつりこみがなくなり大変みやすくなりました。考古ファンの方は必見でしょう。

ギャラリートーク「縄文土器の見方」に参加しました。

土器をみて縄文人の当時の生活を想像することはとてもたのしいことです。

また文様の割り付けがよくできている土器とそうでない土器があるそうです。仙台湾周辺の縄文土器はいつの時代でもよくできているそうです。よくできた文様は、つくりはじめる前に割り付けをよくかんがえていたということです。

縄文人は自然環境と共生してくらしていたので環境保全という観点からも興味がわいてきます。


▼ 東京国立博物館
平成館




▼ 関連記事
全体像をイメージしてから作業を実施する - 東京国立博物館・考古展示(3)-

東京国立博物館 − 歴史をフィールドワークする − (記事リンク集)



目を閉じてイメージし、イメージしながら英単語を言う訓練をくりかえすと英語が見えてきます。

大西泰斗・ポール=クリス=マクベイ著『英単語イメージハンドブック』(青灯社)はイメージをしながら英単語と英文法を学習する教材です。いままでに出版された類書にちらばっていた重要なイメージを一冊にまとめたダイジェスト版です。

目 次
1 名詞関連のイメージ
2 動詞関連のイメージ
3 助動詞関連のイメージ
4 前置詞関連のイメージ
5 接続詞関連のイメージ
6 ときのイメージ
7 重要なその他の表現

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イメージ訓練はつぎのようにおこなうとよいです。

 (1)各単語(あるいは項目)の画像をしっかり見る。
 (2)目を閉じて、いま見た画像をおもいおこす(イメージする)。
 (3)目を閉じたままでその画像をイメージしながら、対応するその単語を声にだして言う。

目を閉じてイメージするというところがポイントです。

この〔(1)(2)(3)〕をすべての単語・項目についておこないます。解説文は、「基本イメージ」の部分だけをまずは読み、「Check Point」の部分はあとまわしにします。イメージ訓練を優先させます。

最後のページまでおわったら最初のページにもどっておなじことをまたくりかえします。3〜5回ぐらい循環的にくりかえしたら、「Check Point」の解説も読みます。

そして〔(1)(2)(3)〕をまたくりかえします。画像がしっかりおもいうかぶようになるとよいです。本書の画像は、アイコンのように非常によく洗練されていて単純明快なのでおぼえやすいです。


この〔(1)(2)(3)〕は、人がおこなう情報処理の観点からとらえなおすとつぎのようになります(図)。これは情報処理の訓練でもあります。

 (1)インプット
 (2)プロセシング
 (3)アウトプット
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図 本書をつかった訓練は情報処理の訓練になっている


目を閉じてイメージするところがポイントであり、これは、インプットを遮断しプロセシングに集中するということです。

「おぼえよう、おぼえよう」として画像をじって見つめているだけだとなかなかおぼえられません。いったん目を閉じて、心をおちつかせて画像をおもいだす(想起する)訓練を徹底しておこなったほうがよいでしょう。するとアウトプットにもスムーズにつながります。

本書でのべられいるように、それぞれの単語がもっている中心的な感触やイメージをつかむことが大事です。核となるイメージさえおさえてしまえばすべての用法・用例は自然にながれでてきて、単語と文法をつかいこなすことができるようになります。

英会話の練習をとおして、イメージをいかしイメージをつかうことによって情報処理能力をたかめることができます。

英会話の練習も情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)になっています。

DVDやCDで見たり聞いたりすることはインプットです。それぞれの場面や会話を理解したり記憶したり想起したり想像したりすることはプロセシングです。英語を声に出して言うことはアウトプットです。(図)

150901 英会話の練習
図 英会話の練習も情報処理になっている
 

このような過程では、イメージ(心象)をいかしイメージをつかうことが重要なポイントになります。

このような観点からはDVD教材をやはりつかった方がよいです。CD教材をつかう場合は、音声をきいて自分なりに自由に場面を想像するようにします。DVD教材でも、目を閉じて音声だけを聞くことにより想像あるいは想起の訓練ができます。あるいはDVDの場合は、映像(イメージ)だけを見て、音声を消して、音声を想起して言ってみるという訓練もできます。


このような練習をくりかえしていれば、似たような場面に旅行先で遭遇したときに必要な表現がうかんでくるようになります。相手につたえたいメッセージをそれぞれの場面でどのように表現すればよいのかがおのずとわかります。

旅行先は情報処理の本番です。日本で練習したことをそのまま海外でいかせばよいです。緊張もありますがたのしく充実した時がすごせます。

こうして情報処理の訓練の一環として英会話も練習すれば英会話も上達するし情報処理能力も高まります。この方法はほかの言語の習得やほかの分野へ応用もできます。英語の学習がそのまま情報処理の訓練にもなり、身につけた方法はさまざまな課題へ応用できるようになるのです。



▼ 追記
それにしても、いいDVD教材がたくさん出版されるようになりました。わたしが子供や学生だったころはこのような教材がなかったために受験英語とリーディングを英語教師からおそわっただけで、そのご苦労しました。今ではそのようなこともなく、たのしく英語をおぼえ、そして海外旅行に行って実際にためしてみることが容易になりました。

▼ 関連記事
DVD をつかって英会話を理解し、おぼえる -『おとなの基礎英語 シンガポール・香港・タイ』(1)-
イメージをつかってキーフレーズをおぼえ、言えるようにする -『おとなの基礎英語 シンガポール・香港・タイ』(2)-
イメージをつかってキーフレーズをおぼえ、言えるようにする -『おとなの基礎英語 シンガポール・香港・タイ』(3)-
イメージをつかってキーフレーズをおぼえ、言えるようにする -『おとなの基礎英語 シンガポール・香港・タイ』(4)-

DVDをつかって、イメージとともに英語をおぼえる 〜 DVD『トラベラーズ・イングリッシュ 4 オーストラリア編』〜
英会話の学習から海外旅行体験へ 〜DVD『トラベラーズ・イングリッシュ3 -アメリカ西海岸編-』〜
ニュージーランドを記憶の場にする 〜 DVD『トラベラーズ イングリッシュ5 ニュージーランド南島編』〜
視聴覚体験とキーワードで情報の玉をつくる 〜 DVD『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』〜
旅行の場面をファイルにする 〜『NHK 100語でスタート!英会話』(オーストラリア編)〜
外国人に英語で日本を紹介する - 松本美江著『改訂版 英語で日本紹介ハンドブック』-
Key Phrase と Situation をひとつの「ファイル」にする - NHK『おとなの基礎英語』-


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