発想法 - 情報処理と問題解決 -

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カテゴリ: 情報処理全般

梅棹忠夫著『知的生産の技術』第4章「きりぬきと規格化」では、新聞のきりぬきや各種資料の整理とそれらのいかしかたについて説明しています。

ながい中断ののち、一九五〇年ころから、わたしはやや体系的に新聞記事のきりぬきをはじめるようになった。こんどかんがえた方式は、スクラップ・ブックをやめて、ばらの台紙にはる、というやりかたである。

そして、記事の大小にかかわりなく、台紙一枚に記事ひとつという原則をかたくまもることにした。

わたしも以前はこの方式にしたがって新聞のきりぬきをしていました。しかし、デジタルカメラが発明されてからは、記事の写真をとって保存する方式に変えました。現在ではきりぬきはせず、有用な記事をみつけては iPhone で写真をとってMac の iPhoto に保存しています。

* 

台紙にはる、という操作がひとつの規格化であるとともに、オープン・ファイルのフォルダーにいれるという操作もまた、ひとつの規格化である。これによって、台紙にはった紙きれ以外のもの、さまざまなパンフレットやリーフレットのたぐいも、みんなこれにいれればおなじ形になる。

わたしも以前はこの方式をつかっていて、オープン・ファイルのフォルダーが本棚の大部分を占有していました。

しかし、変化がおきたのは、富士通のドキュメントスキャナー ScanSnap が発売されてからです。これにより、書類・パンフレット・写真・名刺などを高速でスキャンして保存できるようになりました。

ドキュメントスキャナーは、従来のフラットベッドスキャナとはちがい、膨大な資料のスキャン、デジタル化が手軽にできます。書類や資料の山にうずもれてこまっていた人にとっては救世主になりました。これで、書類や資料、映像や音声などの形式にとらわれずに一つのフォルダに統合・保存し、活用できるようになりました。こんな素晴らしいことはありません。

また、もとの資料のほとんどはのこしておく必要はなくすててしまうので、資料の保管スペースを心配しなくてすむようになりました。

こうして、台紙もオープン・ファイルのフォルダーもなくなりました。そして、パソコンのフォルダーをつかうようになりました。

ドキュメントスキャナーは他社からも発売されていますが、性能やコストパフォーマンスにすぐれる 富士通 ScanSnap を絶対におすすめします。




梅棹さんは写真の整理のむずかしさについてものべています。

しかし現在では、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真は、Mac でしたら iPhoto というすぐれた写真アプリがあるので整理はむずかしくありません。整理・保存の心配をしないで大量に写真をとることができるようになりました。

デジタルカメラ以前のフィルム写真については、わたしは、保存していたすべての写真を ScanSnap でスキャンしてしまいました。デジタルデータになりましたので Mac であっという間に整理がつきました。元の写真はおいておくと場所をとるので、重要なもの以外はすててしまいました。

iPhone でとった写真は、iPhone の「設定」→「写真とカメラ」で「自分のフォトストリーム」を ON にしておけば、Mac に同期され、iPhoto で整理することができます。新聞記事などの撮影した資料もこうして活用できます。 新サービスとして「iCloud フォトライブリー」がはじまりましたが、わたしはまだつかっていません。これがつかえるようになればもっと便利になるでしょう。


また梅棹さんは、資料や情報の単位化についてのべています。

スクラップ・ブックにはったり、そういうことをしないで、いっさい台紙にはりつけるというのは、どういう意味か。それは、ひとことでいえば、規格化ということなのだ。

それによって、おおきい記事もちいさい記事も、みんな、おなじ型式をあたえられて、単位化されるのである。そして、その規格化・単位化が、その後のいっさいのとりあつかいの基礎になっている。分類も、整理も、保存も、すべてそのうえでのことである。

じつは、カードの使用そのものが、一種の規格化であった。カードに記入することによって、いっさいの思想・知識・情報が、型式上の規格をあたえられ、単位化されるのである。

資料や情報はまず単位化しなければなりません。情報を単位化するということは、情報処理の観点からいうとファイルをつくるということですファイルとは、情報あるいはデータのひとまとまりであり、ひとつの単位です。この単位から創造的作業がはじまるのです。ファイルの概念を理解し、ファイルを操作・活用することがこれからの情報産業社会では特に重要になってくるでしょう。

『知的生産の技術』はふるい本であるにもかかわらず今でも読みつがれているのは、知的生産の原理が書かれているからです。また、梅棹さんご自身がどのように進歩してきたか、その過程が、最初の一歩から書かれていることもこの本をおもしろくしている要因です。つまり、ストーリーをたどりながら原理がまなべるのです。


▼ 文献
梅棹忠夫著『知的生産の技術』(岩波新書)岩波書店、1969年7月21日
知的生産の技術 (岩波新書)


『知的生産の技術』の第2章「ノートからカードへ」で梅棹忠夫さんはカードの原理についてのべていて、この原理は今日でもとても役にたちます。カードは「知的生産の技術」の中核的な原理といえるでしょう。

まず、梅棹さんはノートの話からはじめています。 

追加さしこみ自由自在の、いわゆるルース・リーフ式のノートほうが(大学ノートよりも)便利だ、ということになる。かいた内容を分類・整理するためにも、ページの追加や順序の変更ができたらよいのに、とおもうことがしばしばある。
ルース・リーフ式のよい点だけをいかしたのが、ちかごろ売りだされているラセンとじのフィラー・ノート式のものであろう。きりとり線と、つづりこみ用の穴とがついている。一冊のノートになんでもかきこみ、あとできりとり線からきりとって、分類してルース・リーフ式にとじる。片面だけを利用し、内容ごとに — 学生なら学科ごとに — ページをあらためることにしておけば、追加、組みかえ、自由自在である。

わたしも、中学生のころは大学ノートをつかっていましたが、高校生になってからはルース・リーフ式のノートに切りかえ、大学生のときにもそれをつかいつづけました。

そのご大学院生のころよりフィラー・ノートをつかいはじめ、「知的生産の技術」にしたがって片面(表面)だけに記入し裏面は空白にしておき、ノートが一冊おわるごとにページを切りとり、二穴ファイルにファイルするといことをくりかえしていました。このフィラー・ファイルは蓄積されて、そのトータルの厚さは約2メートルぐらいにまでなりました。

結局、今世紀に入って iPhone をつかいはじめるまでは、フィラー・ノートはいつでもどこへでも持ちあるいて つかっていました。今でも、ヒマラヤのフィールドワークに行くときには予備ノートとしてフィラー・ノートを持っていきます。


つぎに、梅棹さんはカードについてかたります。

ノートのことを、くどくどしくのべたのは、じつはカードのことをいいたいからであった。

見方をかえれば、ルース・リーフ式やフィラー・ノート式ののーとは、じつは一種のカードなのである。すでにのべたように、それは、ページのとりはずし、追加、組みかえが自由になっている。そして、そのつかいかたにおいても、項目ごとにページをあらためる、あるいは片面だけを使用する、ということになると、それは要するに、みんなカードの特徴にほかならないではないか。
 
ノートの欠点は、ページが固定されていて、かいた内容の順序が変更できない、ということである。ページを組みかえて、おなじ種類の記事をひとところにあつめることができないのだ。

「知的生産の技術」の基本は、あたえられた前後関係をこわして、あらたな組みあわせを発見するところにあるといえるでしょう。固定した観念にとらわれずに発想せよということだとおもいます。 

そして、有名になったあの「京大型カード」ができあがったときの様子がのべられていす。

自分で設計したものを、図書館用品の専門店に注文してつくらせた。それが、いまつかっているわたしのカードの原型である。

このカードは、たいへん評判がよくて、希望者がたくさんあったので、まとめて大量につくって、あちこちに分譲した。

ついにわたしは、文房具店の店先で、わたしのカードが製品として売られているのを発見した。その商品には、「京大型カード」という名がつけてあった。わたしは、いさぎよくパテントを京大にゆずることに決心した。

わたしも、『知的生産の技術』を読んで「京大型カード」を買った一人です。東京・日本橋の丸善まで買いにいきました。こうして、フィラー・ノートをカード式につかう方法とカードそのものをつかう方法を併用する期間がながくつづきました。


一方で、カードの苦労についてものべています。

いずれにせよ、野帳からカードに資料をうつしかえるという操作をふくんでいた。口でいえばかんたんだが、じっさいにはこれは、容易ならない作業である。野帳の分量がおおいと、野外調査からかえってからカードができるまでに数ヶ月を要したりした。


この問題は、わたしの場合は iPhone と Mac をつかうことにより解消されました。

iPhone で記録したデータは iCloue により Mac に同期されます。現場のデータはそのまま Mac で処理することができるので、転記の手間はかかりません。

カードという形にこだわるのであれば iPhone と Mac に付属しているアプリ Keynote をつかえばよいです。1枚1枚のスライドはカードとしてつかえます。これにはボイスメモ(ボイスレコーダ)機能もついていますし、写真などをペーストすることもできます。Keynote に現場でデータをどんどん記録していけよいです。あとで、カード(スライド)を入れかえたり、あたらしいカード(スライド)を挿入したりできます。

Mac 上で情報を処理するときには、Keynote の「表示」から「ライトテーブル」を選択すれば、画面上にカードを縦横にならべて、入れかえ・組みかえ・追加・挿入・削除などを自由にたのしむことができます。プレゼンテーション用のスライドや資料もできてしまいます。

しかし、形にこだわらないのであればワープロソフト(Pages など)をつかえばよです。コンピューターが発明されて、データ(ファイル)の入れかえ、挿入、組みかえなどは、カット&ペーストで自在にできるようになりました。どのようなアウトプットの形式を選択するかによってアプリをつかいわければよいでしょう。

先にもふれましたが、「知的生産の技術」の基本は、あたえられた前後関係をこわしてしまって、あらたな組みあわせを発見するところにあり、固定観念にはとらわれずに発想することであると言ってよいでしょう。形にとらわれるよりもその原理・本質に気がつき、それを利用することの方が重要だとおもいます


iPhone と Mac を iCloud で同期させるときの現時点での注意点は、OS のバーションです。

iPhone の iOS を最新の iOS 8 にアップグレードした場合は、Mac OS も最新の Yosemite にアップグレードしないと、最新の iCloud Drive がつかえず、Keynote と Pages の同期はできません(注)。これは重大な問題です。

つまり、iCloude を使う場合はつぎの組みあわせでつかわなければなりません。

 iOS 7:Mavericks
 iOS 8:Yosemite

Mac OS X を Yosemite に当面アップグレードする予定のない人は、iOS を iOS 7 のままにしておいた方がよいです。

新 iPhone の場合など、iOS 8 になっている場合、iOS 8 にした場合は、Mac OS X を Yosemite にアップグレードせざるを得ません。Mac OS X のアップグレードにあたっては、アプリの対応のおくれなどの不備もありえますので慎重さが必要です。


▼ 文献
梅棹忠夫著『知的生産の技術』(岩波新書)岩波書店、1969年7月21日 
知的生産の技術 (岩波新書)

▼ 注:iCloud Drive をつかうときの現時点での注意点
iCloud Drive を利用するためには、サービスのアップグレードが必要です。

その場合、Mac では、OS を最新の Yosemite にアップグレードしないとつかえません。アプリの対応の問題がありますので、 Yosemite へのアップグレードには慎重さが必要です。

Mac の OS が10.9 Mavericks 以前の場合、Yosemite、iCloud Drive にアップグレードしてしまうと、それまでの Documents in the Cloud が利用できなくなってしまうので注意が必要です。

Mavericks あるいはその他の OS の場合でも、HTML5 が使えるブラウザで、iCloud.com にアクセスすれば、iCloud Drive のなかを確認できます。Yosemite にアップグレードしていない Mac や、iCloud コントロールパネルをインストールしていない Windows の場合です。

梅棹忠夫著『知的生産の技術』はふるい本ですが、実に45年間にわたって読みつがれている名著です。本書のかんがえ方や原理は今でもそのままつかえます。というよりも、むしろ本書は現代の情報化を先取りした内容になっていて、今日の高度情報化社会でこそ大きな意味を生みだしています。時代が本書においついたと言ってもよいでしょう。

たとえば、第1章「発見の手帳」ではつぎのようにのべています。

「発見」というものは、たいていまったく突然にやってくるものである。毎日みなれていた平凡な事物が、そのときには、ふいにあたらしい意味をもって、わたしたちのまえにあらわれてくるのである。たとえば宇宙線のような、天体のどこかからふりそそいでくる目にみえない粒子のひとつが、わたしにあたって、脳を貫通すると、そのときひとつの「発見」がうまれるのだ、というふうに、わたしは感じている。
「発見」には、一種特別の発見感覚がともなっているものである。いままでひらいていた電気回路が急にとじて、一瞬、電流が通じた! というような、いわばそういう感覚である。そういう感覚があったときに、わたしはすばやく「発見の手帳」をとりだして、道をあるきながらでも、いそいでその「発見」をかきしるすのである。「発見」は、できることなら即刻その場で文章にしてしまう。もし、できない場合には、その文章の「見出し」だけでも、その場でかく。あとで時間をみつけて、その内容を肉づけして、文章を完成する。
「発見」には、いつでも多少とも感動がともなっているものだ。その感動がさめやらぬうちに、文章にしてしまわなければ、永久にかけなくなってしまうものでる。

「発見」についてとても興味ぶかいことを言っています。「発見」とは、外から何かがやってくる瞬間的な出来事であり、それをとらえる人がいてはじめて「発見」になります。そして「発見」には感動がともないます。つまり、外部(環境)とその人(主体)の両者がそろってこそ「発見」はなりたつのであり、そこには環境と主体との共鳴ともいえる現象がおこっているのです。

わたしも学生のころより本書を愛読し、フィールドノート(発見の手帳)やカード、ラベルなどをさかんにつかってきました。

しかし、いま現在は、このような紙でできた道具はほとんどつかわなくなりました。

今つかっているのは、iPhone  と タッチペン(スタイラスペン)と MacBook Pro です。

梅棹さんの「知的生産の技術」を“現代の道具”をつかって実践しているのです。むしろ、情報機器が発明されたために「知的生産の技術」は現実的に日々実践できるようになりました。前世紀の梅棹さんのころには情報機器がなかったために、紙の道具をつかって苦労しながら情報処理をしていたと言えるでしょう。

現代の「発見の手帳」としては iPhone がつかえます。iPhone は、iPhone 6 Plus がでてきてディスプレイが大きくなり一段とつかいやすくなりました

iPhone や Mac には「メモ」というアプリがついているので、これに「発見」を書きこんでいけばよいです。1行目は見出しにして、2行目以降に本文を書きます。どんどん書いていけばファイルが蓄積され、1行目の見出しだけの一覧(リスト)が自動的にできます。キーワード検索も簡単にできます。

iPhone にはボイスメモというすぐれた機能もついているので、何かを発見したりおもいつたときには iPhone にむかってしゃべれば「メモ」に文字として記録されます。ボイスメモはおどろくほど進歩していて、その文字変換精度の高さは驚異的です。

また、博物館や図書館などのなかにいたりして声がだせないときには、手書きメモソフト、たとえば「最速メモ」などをつかって、タッチペン(スタイラスペン)でメモをとります。「最速メモ」などは App Store から無料でダウンロードできます。タッチペンをつかわないで指で書いてもよいです。余裕があるときにはキーボードをつかってももちろんかまいません。

さらに便利なのは、iCloud 同期が自動的に瞬時に機能して、iPhone に書いたことはそのまま Mac で読むことができ、そのデータを Mac 上で自由に活用できます。「最速メモ」は Mac の iPhoto で見ることができます(iPhone「設定」で「写真」アクセスを許可にしておきます)。iPhone でとらえた情報はすぐに Mac で編集・処理ができるのです。

こうして、 iPhone は「発見の手帳」になりました。

iPhone のようなスマートフォンには、カメラ、ビデオ、地図、コンパス、時計、天気予報などもついてい、これ一台をもちあるいていれば大抵のことはできるので、実際には「発見の手帳」以上の取材の読具として機能しています。


▼ 文献
梅棹忠夫著『知的生産の技術』(岩波新書)岩波書店、1969年7月21日 
知的生産の技術 (岩波新書)


▼ 関連ブログ
イメージ能力と言語能力とを統合して情報を処理する 〜 梅棹忠夫著『ひらめきをのがさない! 梅棹忠夫、世界のあるきかた』〜
情報の本質はポテンシャルである 〜梅棹忠夫著『情報論ノート』〜
情報の検索システムをつくる 〜梅棹忠夫著『メディアとしての博物館』〜
 

『増補改訂版 刑事コロンボ完全捜査記録』はミステリー・テレビ映画『刑事コロンボ』の解説書です。全69エピソードを徹底解析しており『刑事コロンボ』鑑賞ガイドとしておすすめします。

コロンボが、どのようにして犯人を特定し事件を解決していくか、特に、仮説を形成していくやり方が情報処理と問題解決の方法を理解するうえで参考になります。仮説を立てることは、情報処理と問題解決をすすめるなかでのキーポイントになります

わたしがおすすめする傑作は旧シリーズではつぎのとおりです。
 01『殺人処方箋』
 19『別れのワイン』
 25『権力の墓穴』
 34『仮面の男』
 36『魔術師の幻想』
 45『策謀の結末』

新シリーズではつぎのとおりです。
 51『だまされたコロンボ』
 55『マリブビーチ殺人事件』
 67『復讐を抱いて眠れ』

『刑事コロンボ』はくりかえして見る価値のあるするれた作品です。

わたしは『刑事コロンボ』を長年研究していて下記サイトも運営しています。ただいま増補改訂作業をすすめているところです。興味のある方はご覧ください。
推理と対決 -『刑事コロンボ』研究 - >
 

▼ 文献
町田暁雄&えのころ工房著『増補改訂版 刑事コロンボ完全捜査記録』(宝島社文庫)2014年3月6日 
増補改訂版 刑事コロンボ完全捜査記録 (宝島社文庫)

NHK歴史秘話ヒストリア(2014.10.15)で「飛鳥は石の都だった」と解説していました。

日本にもあった?謎の巨石文明 ~目覚める 飛鳥“石の女帝”~ >

清明天皇の陵墓(牽牛子塚古墳(けんごしづかこふん))は八角形のピラミッドでした。80トンの巨石の内部をくりぬいて石室をつくりました。

益田岩船(ますだのいわふね)などは、失敗作あるいは未完成の石室であるという仮説がたてられました。

石の都としての飛鳥は、朝鮮半島の百済と友好関係にあったことが大きく影響しています。

わたしがここでおもいだしたことは、川喜田二郎の「騎馬民族倭人連合南方渡来説」です。

どうして、飛鳥と百済とは友好関係にあり、白村江の戦いでは連合軍をつくって共に唐と戦争をしたのでしょうか?

「騎馬民族倭人連合南方渡来説」によれば、飛鳥の人々と百済の人々は民族学的におなじ起源をもち、南方から黒潮にのって北上してきた人々であり、その一方は九州から西日本に入り飛鳥にたどりつき、他方は朝鮮半島南西部(百済)にたどりついたのです。元々はおなじ人種ですから仲がよいのはあたりまえであるというわけです。白村江の敗戦で百済が滅亡したときには百済の人々が多数 日本にのがれてきました。現在の大阪や近江に居住したようです。

今回の番組ではここまでつっこんだ説明はしていませんでしたが、石室にかかわる仮説などはとても説得力があり興味ぶかかったです。

このように、仮説をたてて歴史をとらえなおすと、今まで見えていなかったことが想像できてとてもおもしろいです。仮説は、情報を処理し考察をすすめ問題を解決するのためのポイントになります。


▼ 関連ブログ
現場のデータにもとづいて仮説をたてる 〜川喜田二郎著『ヒマラヤ・チベット・日本』〜
仮説を検証し、体系化する 〜 川喜田二郎著『素朴と文明』〜

人が情報処理をおこなうとき、自分の意識(心)のなかに環境から情報をインプットすると、意識のなかでプロセシングがおこり、そしてその結果は環境にアウトプットされます(図)。

141105 自分と環境

図 自分と環境との「協働作業」により情報処理ができる。

ここでいう環境とは自分をとりまく周囲の空間であり、自分の体の外側の領域です。

〔インプット→プロセシング→アウトプット〕からなる情報処理は自分単独ではできず、環境がかならず必要です。環境があってこそ情報処理は可能です。ここでは、自分と環境との「協働作業」とも言うべきことがおこっています。

したがって、情報処理をおこなうときには自分だけを意識するのではなく、自分と環境の全体を意識した方がよく、自分と環境の全体が情報処理の場であり意識の場であるとかんがえた方がよいでしょう。

このような情報処理の観点から見ると、意識あるいは意識の場をもつ自分という存在は、環境にむかって大きくひろがっているとイメージした方がよさそうです。

 

今シーズンもMETライブビューイングがはじまりました。METとは、アメリカ・ニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場のことです。

METライブビューイングは世界中の映画館で上映され、現代におけるオペラのスタンダードをつくりあげつつあります。多くのオペラファンは、まずライブビューイングを視聴して、そして気に入った作品があれば実際の劇場に足をはこぶというパターンを確立しつつあります。

こうした背景のひとつにはオペラの鑑賞料の問題があります。実際の劇場で上演されるオペラはチケット代がとても高額です。オペラは言わずもがなもっとも巨大な総合芸術であり、歌手以外にもかかわるスタッフが多数であり、装置も大がかりな物が多く、したがってお金がとてもかかり、それがチケット代に反映してしまいます。

しかし、ライブビューイングのチケットは1回あたり3600円と、普通の映画にくらべれば高いですが、オペラにしては手頃な価格です。

こうしてオペラファンはまずライブビューイングを見て、ときどき劇場に行ってライブを鑑賞するようになります。この過程では、ライブビューイングを基準にして、どの作品をライブで鑑賞するか、判断し選択するということがおこります。こうして、非常に多数の人々が見るライブビューイングがオペラのスタンダードとして確立されていきます。判断基準・評価基準が人々の意識のなかでできていくのです

これはかつて、ヘルベルト=フォン=カラヤンとベルリンフィルハーモニー管弦楽団が、LPやCDでクラシック音楽のひとつのスタンダードをつくりあげたことと似ています。

いずれも、メディアや情報化などの技術革新の時流にのって実現したことです

カラヤンのときは音声だけでしたが、今度のMETには映像も入っています。情報量は圧倒的に増えました。いいかえれば、今世紀になってから巨大な情報量をあつかえるようになり、ライブビューイングの配信は実現できたのです。

METライブビューイングのおもしろいところは、毎回 幕間に、歌手へのインタビューがあり、また舞台裏の様子をありありとうつしだしていることです。劇場では絶対に聞けない話を聞くことができ、劇場に行っても見られない所が見られるという特典つきです。これは今までになかった演出であり、あらたなチャレンジです。

今後、METライブビューイングは世界のオペラ水準を上げることに貢献するでしょうか、それとも、METの一人勝ちになるのでしょうか。

今シーズンのMETライブビューイングは名作が目白押しです。臨場感が味わえる中央の席で鑑賞するのがよいでしょう。また東京都内の場合、音質は、新宿・ピカデリーの方が銀座・東劇よりも圧倒的によいです。東劇は音が悪く、ヴァイオリンの音が金属音的に聞こえます。これはおもにスピーカーの善し悪しに起因します。オペラは長時間上演になりますので音質のよい映画館に行った方がよいでしょう。


METライブビューイング

「失速する iTunesミュージック 焦るアップルの過剰マーケティングにU2のボノもあきれる」という記事を見つけました(Yahoo!ニュース/ダイヤモンド・オンライン、10月29日)。

アップルの音楽ダウンロードサービスの「iTunes music」が、2014年初頭から13%も売上を落としたことが話題になっているそうです。
iTunes music のようなダウンロード型サービスにかわって台頭してきているのはストリーミングサービスです。ストリーミングは、自分のストレージに楽曲を保存・所有せずにインターネットを介して聞けるサービスであり、最近のユーザーはもっと軽快な方法で音楽をたのしみたいとおもうようになってきています。

このあたりの事情はクラウドについて理解するとわかってくるとおもいます。クラウドとはグーグルがおこなっているようなサービスであり、データはストレージにではなくクラウドにおいておき、ネットでいつでもアクセスできる仕組みになっています。最近、クラウドがいよいよ本格化しはじめたということが言えるでしょう。

この意味では、iPhone も iPod、iPad、Mac もまだクラウドストレージにはなりきっていません。最近発売され話題沸騰中の iPhone 6 においてでもそうです。ストレージ方式をまだひきずっているのです。

いずれ、デバイスはすべてクラウドデバイスになる時がやってきます。そのとき、情報革命はさらに一段 先にすすむことになるでしょう。

アップルは、ヘッドフォンとストリーミングサービスの会社であるビーツを30億ドルで買収、アップルの iTunes も来年には、ストリーミングサービスを iTunes に統合するとのことです。

情報処理をして文章を書く技術である「ラベル法」「編成法」「図解法」「作文法」は、単独でもつかえますが、くみあわせてつかうとより効果的です。各技術を整理し一覧するとつぎのようになります。


181112 アイデア発想法



▼「ラベル法」

▼「作文法」
たとえばつぎのような組みあわせがあります。

 「ラベル法」→「編成法」
 「ラベル法」→「図解法」
 「ラベル法」→「作文法」
 「ラベル法」→「編成法」→「図解法」
 「ラベル法」→「編成法」→「作文法」
 「ラベル法」→「図解法」→「作文法」
 「ラベル法」→「編成法」→「図解法」→「作文法」

「ラベル法」はすべての方法の基礎です。

みたりきいたりしてインプットされて情報は、 内面で処理され(プロセシング)、文章としてアウトプットされます。この過程でうまれたアイデアや仮説も文章にしてあらわします。

おくればせながら、Mac OS X Mavericks にアップデートしました。

App Store から指示にしたがってダウンロード、インストールしました。以前のように、クリアインストールをしなくても問題なく作動しています。

メモリーが小さくなり、空き容量がやや増えました。消費電力もおさえられバッテリーが以前よりも長持ちするそうです。

Finderタブにより、Finder 内のファイルをこれまで以上に簡単に操作・管理できるようになりました。タブを使えば、すべての Finderウインドウを一つにまとめることができます。

カレンダーは、月表示や週表示で次々にスクロールできるようになりました。月ごと週ごとにページが切りかわるのではなく、すべてが連続的に表示されるので、ある月の下旬と翌月の上旬、週末から翌週など、どの期間でもまとめて見ることができ、スケジュールの一覧管理が容易になりました。

このような一覧表示は、以前、「超整理手帳」という紙のスケジュール手帳で実現していて便利につかっていたことがありました。週末から翌週、月末から翌月というように、境界にとらわれずに連続的に一覧できるのはとても便利でした。

iBooks が搭載され、電子書籍が Mac でも読めるようになりました。オフィスワークが多い人にとっては便利です。

もっとも今週には、新 OS X の Yosemite がリリースされますね。

Mavericks に今日までアップデートできなかったのは、HP のプリンター・ドライバーが対応していなかったためです。HP は、Mac OS 対応がとてもおそことがわかりました。この点、キャノンは対応がはやいですから、プリンターを今後かう人はキャノンを選択した方がよいでしょう。


追記:Mac OS X Mavericks は、iCloud Drive をサポートしていないので注意が必要です。

『NHK 100語でスタート!英会話』(DVD+BOOK)の第2弾、オーストラリア編です。

本書で紹介している「100語」は、英会話でもっともよくでてくる重要な100のキーワードを、「コーパス」の結果をふまえて厳選したものです。「コーパス」とは、英語の使用データをコンピューターに大量にたくわえた言語資料のことであり、この100のキーワードを記憶することによって、英会話の約70%をしめる語彙が身につき、英会話の土台をしっかり構築できます。本書をつかって「あらたな100語の旅路へ」出発してみましょう。

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100のキーワードは以下のとおりです。〔〕内は、各場面(スキット)を想起するためのヒントです。

01 have (1) 〔マイクがホテルに到着する。〕
02 say 〔電話を切ったエドに、妻のサラが話しかける。〕
03 get (1) 〔マイクとエドは散歩しながら話している。〕
04 make (1) 〔エドがツアーガイドになる。〕
05 do (1) 〔ワインを飲みながら話している。〕
06 do (2) 〔トラムに乗ろうとしている。〕
07 will 〔マーケットに行く。〕
08 would 〔エドの家で食事をとる。〕
09 go (1) 〔食事が終わってくつろぐ。〕
10 go (1) 〔レストランでメニューをながめる。〕
11 come (1) 〔ビールを飲みながら話している。〕
12 come (1) 〔メルボルン博物館にやってくる。〕
13 be (1) 〔アボリジニの作品を見る。〕
14 be (1) 〔上司に見つかったらヤバイぞ!〕
15 what 〔かくれているエドのところにマイクとサラがやってくる。〕
16 which 〔ジュースを飲みながらあるいている。〕
17 see (1) 〔教会のなかを見学する。〕
18 see (2) 〔ショップでサラは帽子をえらぶ。〕
19 look (1) 〔トリムカーレストランでメニューを見る。〕
20 look (2) 〔料理がはこばれる。〕
21 know 〔ヤラヴァレーをおとずれる。〕
22 think 〔ワインテイスティングをする。〕
23 seem 〔ジラリンガにやってくる。〕
24 feel 〔コアラにミルクをやる。〕
25 want (1) 〔エドの家にて明日の出発について話している。〕
26 want (2) 〔サラにおねがいをしている。〕

27 like (1) 〔タスマニアのホバートに到着する。〕
28 like (2) 〔ガイドブックを手にしている。〕
29 can 〔ショッピングをしている。〕
30 could 〔ぬいぐるみを買う。〕
31 who 〔釣りをしている。〕
32 when (1) 〔エドは帰りたがっている。〕
33 take (1) 〔羊毛刈りをする。〕
34 take (2) 〔ユーカリの木を見る。〕
35 give 〔草原をあるきながら話している。〕
36 bring 〔バーベキューが焼ける。〕
37 tell (1) 〔野生動物公園にやってくる。〕
38 tell (2) 〔タスマニアデビルを見ている。〕
39 ask (1) 〔カンガルーに話しかける。〕
40 ask (2) 〔ウォンバットを抱いている。〕
41 talk 〔写真を撮っている。〕
42 speak 〔自転車に乗る。〕
43 hear 〔ホバートにもどってくる。〕
44 listen 〔音楽テープをわたす。〕

45 should 〔マイクは、日本の伊豆にやってきた。〕
46 must 〔マイクはケンジと出会う。〕
47 may 〔食堂にやってくる。〕
48 might 〔旅館に到着する。〕
49 find (1) 〔露天風呂に入る。〕
50 find (2) 〔日本食を食べる。〕
51 mean 〔金山に来る。〕
52 put (1) 〔神社に来る。〕
53 use 〔散歩中に飲物を買う。〕
54 work 〔仕事について話している。〕
55 have (2) 〔ケンジのアパートにやってくる。〕
56 get (2) 〔ベッドについて心配する。〕
57 leave (1) 〔ケンジの部屋で明日の予定について話している。〕
58 leave (2) 〔書き置きを読む。〕
59 keep (1) 〔マイクはカバンをぬすまれたと勘違いする。〕
60 keep (2) 〔マイクはエイミーを追いかける。〕
61 need 〔マイクはエイミーに電話をかける。〕
62 try 〔ランチの約束をする。〕
63 call 〔マイクとケンジはバーで話している。〕
64 turn 〔レストランでエイミーと再会する。〕
65 believe 〔再会をよろこぶ。〕
66 become 〔レストランのテーブルで話している。〕
67 run 〔誤解が解ける。〕
68 help 〔ケンジはマイクに感謝する。〕
69 and/so/but 〔メアリーがエドに電話をかける。〕
70 if 〔マイクが日本に行ったことをメアリーは知らなかった。〕
71 hold 〔エドがマイクに電話をする。〕
72 hope 〔マイクは、オーストラリアへむけて出発する。〕

73 when (2) 〔オーストラリアでマイクはエドと再会する。〕
74 as 〔メアリーが泊まっているホテルにマイクとエドはやってくる。〕
75 pay 〔マイクはお金を持っていない。〕
76 buy 〔マイクとエドはメアリーの話をしている。〕
77 that 〔メアリーはダイアンに電話をする。〕
78 that/which 〔メアリーとダイアンは再開する。〕
79 move 〔スイミング・ラグーンに来る。〕
80 follow 〔マイクは落ち込んでいる。〕
81 begin 〔乗馬をする。〕
82 start 〔ブーメランを投げる。〕
83 stop 〔サーフィンをする。〕
84 happen 〔メアリーの写真を見せる。〕

85 make (2) 〔モートン島にやってくる。〕
86 let 〔砂すべりに挑戦する。〕
87 suppose 〔イルカの餌付けに挑戦する。〕
88 wonder 〔メアリーとダイアンが話をしている。〕
89 remember 〔マイクとエドはケアンズに車でむかっている。〕
90 forget 〔昼食をわすれる。〕
91 show 〔メアリーとダイアンは熱帯雨林にやってくる。〕
92 watch 〔マイクとエドも熱帯雨林にやってくる。〕
93 write 〔マイクがメアリーに手紙を書いている。〕
94 meet 〔メアリーとマイクが再会して抱き合う。〕
95 break 〔写真を見せている。〕
96 set 〔レストランに行く。〕
97 change 〔ホテルのプールサイドでくつろぐ。〕
98 put (2) 〔旅行について話をしている。〕
99 pick 〔グリーン島の浜辺ですごす。〕
100 mind 〔マイクが船に乗りおくれる。〕



■ DVDをくりかえし視聴する

DVDをくりかえし視聴しながら、視聴覚体験を心のなかにしっかりインプットします。

聞きとれないところ、意味のわからないところについてはテキストをじっくりみ見て確認し、記憶します。



■ マイクがおとずれた場所を地図で確認する

マイクは、オーストラリアの、メルボルン(Melbourne)、ヤラヴァレー(Yarra valley)、ジラリンガ(Jirrahlinga)、タスマニア(Tasmania)、ゴールドコースト(Gold Coast)、ケアンズ(Cairns)、モートン島(Moreton Island)、グリーン島(Green Island)、また日本の伊豆、東京をおとずれました。

これらの位置を地図上で確認し記憶しておきます。地図は、記憶を定着させるためのもっとも基礎的な基盤です。

マイクがおとずれた場所を地図上でつないで大局をとらえると、 ストーリーがつくりだす空間(範囲)がとらえられ、全体が小さく見えてきて情報がとりあつかいやすくなります。

また、世界地図や地球儀でオーストラリアを見るたびに本書をおもいだし、その内容をつかうことができるようになります。情報が、オーストラリアの大地につながれているといった感じです。



■ 100の場面(スキット)を想起する

上記の 01〜100までのキーワードと想起のためのヒントを順番にみて、各場面(スキット)をイメージ(動画)として想起します。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

それぞれの場面(スキット)は、キーワードが上部構造、スキットの動画が下部構造であるととらえることができます。

141013 キーワードと動画

図1 各場面(スキット)は、上部構造であるキーワード、下部構造である動画からなる


イメージがよくおもいだせない場面(スキット)についてはDVDを再度みて確認し記憶しなおします。

イメージがしっかり想起できるようになったら、話されていた英会話も記憶し、想起してみます。スキットの会話すべてを記憶する時間がないようでしたら、キーワードがふくまれている一文(例文)を記憶し想起できるようにします。

ポイントは、イメージを、言語の記憶のベースとしてつかうことです。イメージは記憶の基盤になります。



■ 100個のファイルを完成させる

図1において、上部構造のキーワードはラベル(標識)、下部構造は視聴覚体験あるいは情報の本体であり、これは1個のファイル(情報のひとまとまり)ととらえなおすことができます。

140927 ラベルと情報の本体380px

図2 ファイルの構造


キーワードはその場面を圧縮したラベル(標識)である一方、場面を想起するための引き金(手段)です。

キーワードと例文を想起しつかえるようになるためには、見通しのよいファイルをつくることが必要です。

そのためには、各場面を的確にインプットして、下部構造をしっかり構築するようにします。

また、出来事がおこっているひとつの空間を意識し、スキットをひとまとまりとしてとらえるセンスをみがきます。場面のひとまとまりとは、視聴覚体験のひとまとまりであり情報のひとまとまりです。ひとまとまりをはっきりさせるためには、前の場面から次の場面に転換するときの境界をしっかり確認するようにします。境界を明確にとらえることが肝要です。

また、DVDをたのしみながら見て、よい感情とともに記憶し想起すると学習効果は格段に高くなります。その意味では、最初の教材えらびも大事です。オーストラリアに興味があって是非いってみたい、あるいは行ったことがあるというのでしたら効果は非常に高くなるにちがいありません。DVD教材はほかの国のものもありますので自分にあった教材を検討するとよいでしょう。

こうして、視聴覚体験をファイルとして完成させ、見通しがよいファイルができると、ある場面がひとまとまりとして瞬時におもいだせるようになります。想起ができるということはキーワードがつかえるようになるということです。



■ つらなったファイルをイメージする

DVDで見られるストーリーは、このような100個のファイルがつらなってできたものです。ファイルがつらなっていることをイメージしてください。すると心のなかで体験が整理され、ファイルの見通しはさらによくなり、記憶が保持されるようになります。


141013 つらなったファイル

図3 ファイルがつながっているイメージ



■ ファイルを成長させる

このようにして100個のファィルをつくり、これらをストーリーにそってつなげておけば、ファイルが核になって英会話力をさらにのばしていくことができます。100個のファイルとこれらのつらなりはひとつの体系であり、もやや断片のよせあつめではありません。

そして、キーワードをくりかえしつかえばつかうほどファイルは強固なものになります。このようなファイルの体系は生き物のようにはたらいて成長していきます。



■ 海外旅行でファイル作成を実践する

上記の方法は海外旅行にそのまま応用できます。

旅行をしながら、それぞれの場面を意識し、場面のひとまとまりごとに一個のキーワードあるいはキャッチフレーズをあたえてノートに書きだしていきます。キーワードやキャッチフレーズはラベルであり、ラベルを書く作業はアウトプットですから、1回かきだすごとに情報処理を1回することになります。

そして、ひとつの情報処理をすると同時に1個のファイルが形成されることになります。

1回の旅行で、できれば100個のファイルをつくるとよいですが、100という個数にこだわる必要はありません。数がすくなくてもしっかりとしたファイルをつくることが大切です。

こうして、体験のひとまとまりを意識して、体験をファイルにし、体験ファイルを集積していけば、それは自分独自のつかえるデータバンクになります



▼ 引用文献
投野由紀夫著『NHK 100語でスタート!英会話 オーストラリア編』(DVD+BOOK)日本放送出版協会、2005年10月25日
NHK100語でスタート!英会話 (オーストラリア編) (NHK出版DVD+BOOK)


▼ 参考文献
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2002年5月 


▼ 関連ブログ
視聴覚体験とキーワードで情報の玉をつくる 〜 DVD『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』〜

新国立劇場の新制作、リヒャルト=ワーグナー作曲『パルジファル』を鑑賞してきました。

指揮:飯守泰次郞
演出:ハリー=クプファー
アムフォルタス:エギルス=シリンス
ティトゥレル:長谷川顯
グルネマンツ:ジョン=トムリンソン
パルジファル:クリスティアン=フランツ
グリングゾル:ロバート=ボーク
クンドリー:エヴェリン=ヘルリツィウス
合唱:新国立劇場合唱団・二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

今回のハリー=クプファーの演出のテーマは「歪められた教えからの解放をねがい、彼らは「道」を歩んでいく」でした。クプファーはつぎのようにのべています。

私が考えるこの「救済」とは、ドグマからの解放、キリスト教の教えの歪曲・悪用からの解放だと思っています。イエスの言葉、新約聖書の内容が歪められるなど、長い歴史の中でキリスト教の思想の上に降り積もってしまったたくさんの「瓦礫」、それを全部取り除くことがここでの「救済」だと私は捉えています。それが『パルジファル』の作品全体の精神的な構造から私が導き出した結論です。

視覚的には、「光の道」がジグザグではあるけれどもはるかかなたまでつづいていきます。この「道」をあるいていくことが今回の『パルジファル』の基軸になっていて、それは時間をあらわしながらも、飯守泰次郞と東フィルが奏するうつくしい音響空間につつみこまれ、溶けこんで大きな空間に変容していく、そんな様子をイメージすることができました。

また、クプファーはクンドリーについてつぎのようにのべています。

彼女は、十字架にかけられたキリストを嘲笑したために呪われ、何度も生まれ変わって大変苦しい人生を歩まなければならない運命にある女性です。「生まれ変わる」というのは、むしろ仏教の輪廻転生の思想です。

この輪廻転生が、また、時間が空間になることをイメージさせます。

そして、このようにして時間が空間化していく過程で、ドグマから、あるいはキリスト教の教えの歪曲・悪用から解放されていくのです。これが「救済者には救済を!」ということです。ワーグナーとクプファーはこのようなメッセージをわたしたちにつたえたかったのではないでしょうか。

視覚と音楽のシンクロナイズ。演奏も演出もとてもすばらしかったです。このようなすぐれた総合芸術を堪能できる機会はめったにありません。是非とも再演をしていただきたいと新国立劇場におねがいします。

そのおりには、第1幕の「ここでは時間が空間となる」と、全曲の幕切れの「救済者には救済を!」についてしっかり検証してみたいとおもいます。

なお、わたしの今回の席は最上階の一番うしろ(4階の最後列中央)でした。新国立劇場オペラパレスは言うまでもなくオペラの専用劇場であり、もっともうしろの席からでも舞台全体が見え、音楽もよくひびくように設計されています。NHKホールのような巨大な多目的ホールとはちがい、うしろの席でも十分たのしむことができました。

「ラベル法」あるいは「編成法」によって、何枚かのラベルあるいは表札(要約ラベル)がアウトプットされた場合、それらをさらに処理して図解にする方法があります。

ある情報群が、図解をつくることによってイメージとしてグラフィックにとらえられるようになり、アイデアや仮説が出やすくなり、情報処理を一層すすめることができます。


「図解法」の手順はつぎのとおりです。これも情報処理の過程になっています。

141008 図解法の手順

図1 図解法の手順




たとえば、つぎの7枚のラベルあるいは表札(要約ラベル)が用意された例について説明します。テーマは「時代の潮流を洞察する」です。
キャンバス 1
図2 用意されたラベルの例



アウトプットとしてはこれらを箇条書きにするだけでもよいですが、図解としてアウトプットするとさらにわかりやすくなり、アイデアが出やすくなります。図解は、発想の手段としてつかえます。

図解をつくるためのラベル(あるいは要約ラベル)の総数は7±2枚とします。7は、人間が一度に知覚できる情報の最大数といわれています(マジカルナンバー)。図解では、パッと見てわかりやすいことを最優先にしますので、ラベルの数をしぼりこみます。ラベルの数が10枚以上の場合は「編成法」をつかって枚数を減らしておきます。




1.ラベルを見る

これら(図2)のラベルすべてをしっかり見て、心(意識)のなかにインプットします。

次に、それぞれのラベルに見出しをつけていきます。見出しは、ラベルに記されたメッセージの本質を要約した言葉であり、キャッチフレーズのように人の心をとらえやすい印象的な語句がのぞましいです。新聞の見出しのつけ方が大いに参考になります。


あたらしいラベルを用意し、見出しであることがわかるように赤色で記入し、元のラベルの上にのせていきます。
キャンバス 2
図3 見出しをつけた例(1)



 
キャンバス 3
図4 見出しをつけた例(2)

 


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図5 見出しをつけた例(3)

 
 

キャンバス 5
図6 見出しをつけた例(4)

 


キャンバス 6
図7 すべてのラベルに見出しをつける



このようにして、すべてのラベルに見出しをつけます。




2.空間配置する

つぎに、見出しのラベルを空間配置します。ラベルを、さまざまにうごかしながらもっともわかりやすい配置をさがします。つぎの点に留意します。

 (1)もっともすわりのよい配置
 (2)もっとも多くの関係が表示できる配置
 (3)叙述化がしやすい配置
キャンパス 7
図8 空間配置の例



一般的に人間は、左上から右下に図面を見る傾向にありますから、そのことも考慮して配置するとよいです。

叙述化をしてみた一例はつぎのとおりです。

現代は、解体の時代であり民族紛争の時代です。このようなきびしい時代にもとめられるのは情報処理能力の開発であり、また、それを踏まえた社会格差の是正、女性の社会参画です。そして、ひとりひとりが全人的な生き方を追求し、一方で人類は自然との共生を模索します。




3.図解をつくる

テーマを上部に記入します。関係がつよい見出しラベルの間に関係記号を記入します。関係記号は線あるいは矢印などが一般的です。必要に応じて背景などを記入します。

図解の一例はつぎのとおりです。

キャンバス 8
図9 図解の例




見出しをつくった元のラベルを表示させてもよいです。

キャンバス 9

図10 図解の例(元ラベルを表示させたタイプ)







以上のように、「図解法」では図解がアウトプットされます。

たとえば、報告書などを書くときには本文とともに図解ものせるとわかりやすくなることがあります。プレゼンテーション(口頭発表)をするときには、パワーポイントやキーノートなどで図解のみをしめし、図解をさしながら口頭で(言語で)説明をするようにします。

あらたにおもいついたアイデアや仮説は図解上にメモしておきます。



▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日


辻原康夫著『図説 国旗の世界史』は、世界の国旗について色彩・形・象徴の観点から説明し、国旗を通して、それぞれの国や地域の歴史を解説しています。

目次はつぎのとおりです。

第1章 色彩による分類
第2章 形による分類
第3章 象徴による分類



■ 国旗から、その国の情報を読みとる

国旗とは、それぞれの国の地理や歴史・伝統・民族・理念などを旗のデザインのなかにおりこんだ標識あるいはシンボルです。したがって、国旗に使用されたデザインの意味を読みとれば、その国の地理や歴史・伝統・民族・理念などの要点が理解できます

たとえば、星条旗(スターズ・アンド・ストライプス)の愛称でしたしまれている米国旗には、米国の独立と、州の連邦加盟の歴史がきざまれています。

1775年、紅白13本の横縞模様の旗としてスタートしました。翌年1月にはカントン部(旗の左上隅)にユニオンジャック(英国旗)がくみこまれました。

1977年には、13の独立植民地に基づいて、紅白13本の条とカントン部に13個の星をおいたデザインに変更しました。

1795年には、バーモントとケンタッキーの連邦加盟で15星15条に変更しました。その後さらに州の数は増えつづけ、20州まで拡大した1818年についに待ったがかかりました。

条の数を際限なく増やすのはデザイン面でも限界があり、条の数は最初の13にもどして星だけを増やしていくことになりました。

こうして第1回の制定以来27回にわたって星条旗は模様替えをしてきました。現在の旗は、ハワイの州昇格にともなう1960年の意匠(50個の星)です。

IMG_1413

写真 米国旗(星条旗)の変遷



■ 国旗はアイコン、国名はファイル名である

国旗と国名は、地理・歴史・民族・文化などのその国のさまざまな情報を圧縮・統合した標識あるいはシンボルです(図1)。

141006 国旗&国名ファイル
図1 国旗と国名は、情報を圧縮・統合した標識(シンボル)である



これらは、情報処理の観点からとらえなおすと、国旗はアイコン、国名はファイル名となります(図2)。

141006 アイコンファイル
図2 国旗はアイコン、国名はファイル名である



たとえば、コンピューター・ファイルにおいても、1個のファイルにはアイコンとファイル名がファイルの上部構造として存在し、ファイルの下部構造として情報(データ)の本体が記憶装置(ストレージ)に保存されています。ファイルとは、そのような情報(あるいはデータ)のひとまとまりのことです。そして、アイコンあるいはファイル名をダブルクリックすると情報の本体がよびだせる仕組みになっています。「アイコン&ファイル名」は簡略に「ラベル」とよぶことができます。

140927 ラベルと情報の本体380px
図3 ファイルの構造



このようなファイルの観点から見ると、国旗(アイコン)と国名(ファイル名)は、地理・歴史・民族・文化などその国の情報を圧縮・統合した標識(シンボル)です。しかし他方で、国旗と国名は、その国のさまざまな情報を想起する(検索する)ための手段としてもつかえます。



■ アイコンとして国旗をおぼえる

具体的には、ある国に関する情報を見聞きしたら(インプットしたら)、国旗と国名をしっかり記憶するようにします。そして、国旗と国名を見ることにより、その国に関するさまざまな情報おもいだせるようにしておきます。アイコンを引き金にして情報を想起できるようにするのです

現在、地球上には約200ヵ国が存在します。すると地球上には、約200個のファイル(アイコン&ファイル名&情報の本体)があることになります。自分にとって重要な国々に関して、それらのファイルを記憶しておけば、必要なときに、それらのファイルを編集したり編成したりするなどのファイル操作が可能にになります。

このように情報処理の観点から、地球上に存在する国々をファイルとしてとらえなおすことにより、地球に関する理解をすすめることができます。


▼ 文献
辻原康夫著『図説 国旗の世界史』(ふくろうの本)河出書房、2003年12月20日
図説 国旗の世界史 (ふくろうの本)

1.地勢タイプと行政タイプ

『LOVE地球儀』は、地球儀について知り、また、地球儀を購入する際のカタログとして参考になります。

地球儀には大きくわけて地勢タイプ行政タイプの2種類があります。

地勢タイプの地球儀は、山脈や海底の高低差をふくめ地形をわかりやすく表示しています。平野や森林地帯は緑系、高地や山脈などは茶系、海は青系などと、色のちがいや濃度によって地勢をあらわしているのが特徴です。

一方の行政タイプの地球儀は、各国を色分けし、国の位置や国境、国の大きさをわかりやすく表示した地球儀です。

地勢タイプの地球儀は、天体(惑星)として地球をとらえた理科系的な地球儀ですが、もう一つの行政タイプの地球儀は、人間の活動の場として地球をとらえた文科系的な見方の地球儀です。このように地球儀は「理科系地球儀」と「文科系地球儀」に二大別されます。

 ・地勢タイプの地球儀:理科系
 ・行政タイプの地球儀:文科系



2.理科系と文科系を統合する

わたしはもともと地球科学を専攻したので地勢タイプの地球儀(理科系地球儀)はすでにもっていますが、海外で環境問題にとりくむようになり、行政タイプの地球儀(文科系地球儀)も必要になってきました。

そこで、行政タイプの地球儀も買おうとおもって東京・銀座の伊東屋(K.ITOYA)に地球儀を見に行きました。6階に地球儀の専門フロアーがあり、たくさんの地球儀が展示・販売されていました。また、ウェブサイトでもいろいろさがしてみました。

たとえば、渡辺教具製作所の地球儀「ジェミニ」は、行政タイプの地球儀をベースにしていますが、人工衛星データに基づいた山岳の凹凸や海底の深浅、おもな海流なども表示され、行政と地勢の両方の情報がひとつの球体にもりこんであります。


また、リプルーグル・グローブス・ジャパンの地球儀「リビングストン型」は、ライトを点灯していない時は、森林・草原・砂漠・ツンドラなどの10種類の気候風土にそった地勢タイプの地球儀ですが、 ライトを点灯すると陸地が国別に色分けされた行政タイプの地球儀に変化するおもしろい地球儀です。


1台の地球儀に2種類のタイプの地球を統合しようとする努力が読みとれます。地球儀の世界でも理科系と文科系とを統合しようとこころみた人たちがいました。



3.情報場として地球をとらえなおす

このように、地球には、理科系と文科系という2つの側面があり、両者を統合することは人類の課題になっています。

今日、地球上にインターネットがはりめぐらされ、 地球の情報化がいちじるしくすすみ、 クラウドの運動もとらえられるようになってきました。つまり、地球全体が情報処理の場、情報場になりました。

141003 人間と地球
図 地球は、人間が主体になった情報処理の場である


地球を情報場としてとらえることにより、理科系と文科系の2つの側面をより高次元で統合することが可能であるとかんがえられます。情報処理の場として地球をとらえる、さらに、情報処理の場の中で地球をとらえなおすことがこれからは重要です。

このような仮説をたてるならば、今後は、地勢と行政のうえにクラウドの運動も表示できるような「総合地球儀」の開発がもとめられます(注)



4.地球儀を発想の出発点としてつかう

このように、地球儀を見て、地球儀を発想の出発点(起点)としてつかうことによりおもしろい仮説がでてきます。地球儀は、発想のための道具として役立ちます。

なお、発想のための地球儀としては、南北方向にも東西方向にも自由に回転できる全方向回転式の地球儀がおすすめです。地軸が固定されている常識的な地球儀(北半球がつねに上に位置する地球儀)では視点が固定されてしまいます。

日本列島を真上にしたり真下にしたりでき、視点を自由に変えられる地球儀であれば、固定観念にとらわれずにさまざまな観点から地球をとらえなおすことができます。



▼ 文献
『LOVE 地球儀』スタジオ タック クリエイティブ、2012年1月30日
【バーゲンブック】 LOVE地球儀。


▼ 関連ブログ
パソコンの時代がおわり、クラウドの時代になる 〜小池良次著『クラウドの未来』〜
一度にたくさんインプットした方が理解がすすむ


▼ 注
日本科学未来館のジオコスモス(Geo-Cosmos)がこのような取り組みをおこなっており注目されます。意識(心)のなかに立体をインプットし、内面世界に立体空間を確立することが大切です。

『LOVE地球儀』は、地球儀について知り、また、地球儀を購入する際のカタログとして参考になります。世界の情報がくわしくわかる学習用地球儀からオシャレなインテリア用まで300種類以上の地球儀を紹介しています。

IMG_1409



目次はつぎのとおりです。

地球儀を知ろう
 地球儀の特徴
 地球儀の各部名称
 地球儀の種類
 縮尺について
 地球に関する基礎知識
 地球儀の使い方
 地球儀の歴史

地球儀カタログ

もっと地球がわかる施設!
 日本科学未来館
 土浦市立博物館
 地図と測量の科学館
 国立科学博物館


■ 地球儀をつかえば最短距離が簡単にわかる

地球儀は、面積・方位・距離・形状という4点を正確に表示できます。一方、よくもちいられているメルカトル図法の地図ではこれらが正確に表示できません。

たとえば、地球儀をつかえば、国と国(2地点間)の最短距離を簡単に知ることができます。地図上での最短距離(直線距離)は地球儀上では最短距離にはなりません。

2地点間の最短距離を知るためには紐を一本用意し、紐が一番ピンと張るように地球儀上で2地点をおさええると、そこが最短距離になります。それは、飛行機の最短航路であり大圏航路ともいいます。

たとえば、東京とパリの最短距離はロシアの北と北欧をとおるルートです。わたしたちが通常みている地図(メルカトル図法)ですと、東京とパリをむすぶ直線は中国から中央アジアを横切るルートになり、実際には、これは最短距離よりもかなり長い距離になります。

あるいは、東京とサンパウロの最短距離は、 メルカトル図法の地図上では太平洋を横断するように見えますが、実際には、 アラスカやカナダ、ニューヨークをとおります。

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■ 情報処理の場の次元を高める

このように、2地点間の最短ルートはおもいもよらない国々をとおることがわかり、常識がくつがえされます

地図も地球儀も共に世界をあらわすものですが、決定的なちがいは、地図は二次元(平面)ですが、地球儀は三次元(立体)であることです。つまり、地球儀の方が次元が高いのです。

地図上(二次元)で計算によって大圏航路(最短距離)をもとめるのはむずかしいですが、地球儀上では簡単にわかります。これは、次元を高めることによって、できなかったことが簡単にできるようになる一例です。

たとえば登山でも、山麓から山頂までの最短ルートあるいは登るのが容易なルートは、地図上で見ていると間違うことがありますが、三次元で見ればすぐに見つかります。

何かをかんがえたり情報を処理するときには、一次元(時系列)よりも二次元の場のなかで、二次元よりも三次元の場のなかでおこなった方がうまくいきます。次元を高めることにより、一次元ではできなかった情報の並列処理が可能になります

一次元で、ウンウンとうなってかんがえていても出てこなかった問題の解決策が、二次元、三次元と次元を高めることによって見つかることがあります。三次元の場に身をおくことによって問題解決までの「最短距離」が見つかることがあるかもしれません。情報処理や問題解決も「最短距離」でおこなった方がよいにきまっています。

次元を高めるだけで、努力や苦労をしなくても意外にも簡単に解決策がみつかってしまうことはよくあることです。一次元で努力しているよりも、三次元(立体空間)をうまくつかった方がよいでしょう



▼ 文献
『LOVE 地球儀』スタジオ タック クリエイティブ、2012年1月30日
▼ 関連ブログ
3次元空間をイメージしながら新聞をよむ



『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』(講談社)は、映画『男はつらいよ』(全作品)のロケ地、43都道府県の446スポット(+ウィーン)を写真と地図で紹介しているガイドブックです。『男はつらいよ』のロケ地を旅行する際のガイドとして、あるいは、各作品を場所ごとにとらえなおす資料として利用できます。

『男はつらいよ』シリーズは、渥美清主演、山田洋次原作・監督の映画であり、テキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎がひきおこす大騒動と恋愛模様を、日本各地のうつくしい風景を背景にしてえがいた人情喜劇でした。



■ 場所ごとに情報を整理する

本書は、「男はつらいよ 寅さん DVD マガジン」(全50巻)のスタッフが、シリーズ全48作のほぼすべてのロケ地を全国津々浦々徹底的に取材して編集したものです。

「男はつらいよ」ファンで、このシリーズをすでにかなりみていて、各ストーリーを知っている人にとっては、寅さんの旅を、地理的・空間的にとらえなおすことができ、とてもおもしろいです。

作品(ストーリー)別ガイドは何冊もありますが、本書は、場所(土地)ごとに情報を整理しているのが特色です。「各エリアへのアクセス情報」も 巻末にでていて、寅さんファンにとっては貴重な一冊になっています。



■ 作品リストをみてストーリーを想起する

本書の12〜14ページには全48作のリストがでています。すでに見たことのある作品があれば、場所やイメージ、ストーリーを、このリストを見ながら想起してみるとおもしろいです。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

マドンナが、それぞれの作品の印象的な目印になっていますので、 マドンナが誰であるかを見ればかなり想起できるとおもいます。



■ 寅さんの旅ファイル

これら48作品は、情報処理の観点からはそれぞれがファイルであるととらえることができます。ファイルとは情報のひとまとまりのことです。『男はつらいよ』シリーズは48個のよくできたファイルから構成されているのであり、それらは「寅さんの旅ファイル」とよぶことができます。それぞれの作品番号と題名とマドンナは各ファイルのラベル(標識、目印)であり、ストーリーは情報の本体です。

140926 寅さんの旅ファイル
図 「寅さんの旅ファイル」の構造
各作品はファイルである。作品番号・題名・マドンナはラベル、
ストーリーは情報の本体である。作品番号・題名・マドンナは、
各ストーリーを統合するシンボルであり、他方で、ストーリー
を想起するための引き金あるいはキーになっている。 



■ ファイルを空間的に強化する

すでに知っている作品については、本書を見ることにより、地図上で場所をおさえることができるので、ファイルを空間ファイルとして強固なものにすることができます。つまり、ファイルの下部構造を強化しゆたかにすることができます。

ストーリーのような時間的に流れていく出来事を、地理的・空間的に場所ごとにあらたな観点からとらえなおすことには大きな意味があります。

ストーリーとともに空間的なイメージもできるように訓練するとよいでしょう。

このような空間的なとらえ方は記憶法に通じ、あらたな見方は発想法に通じます。



■ ファイルのライブラリーをつくる

もし「寅さん」ファンでしたら、まだ見ていない作品があれば はやめに見てしまい、シリーズを構成する全48個のファイルをライブラリーとして心のなかにとりこみ保持することをおすすめします。

ファイルのライブラリーは増えれば増えるほど内面世界はゆたかになり、発想もひろがります。

たとえば何か別のことをイメージするときにも、心のなかにとりこんだ空間的なファイルを背景としてつかうことができます。おりにふれてファイルをおもいだして、そのなかでおもいをめぐらせて発想することもできます。

48本の作品は山田洋次監督らがつくったものではありますが、これらを、自分の心のなかにとりこんで、自分のファイル、自分のライブラリーを構築することがポイントです。これは情報活用のひとつの方法です。



▼ 関連記事
寅さんの世界に入りこむ - 葛飾・柴又 -


▼ 参考サイト
男はつらいよ ロケーション(松竹)


参考文献
「男はつらいよ 寅さんDVDマガジン」編集グループ編『男はつらいよ 寅さんロケ地ガイド』講談社、2013年7月18日
本書は、「男はつらいよ」シリーズをすでにかなり見ていて、各ストーリーを知っている人むきのガイドです。


関連書
それぞれの作品について作品ごとにくわしく知りたい人は、たとえば下記の作品別(ストーリー別)ガイドをご覧ください。
 
山田洋次監修 『男はつらいよ 寅さんの歩いた日本』1997年1月1日

『男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます』 (教養・文化シリーズ) NHK出版、2005年7月30日


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METライブビューイングで、プッチーニ作曲『トゥーランドット』を視聴しました。

指揮:アンドリス=ネルソンス 
演出:フランコ=ゼフィレッリ
出演:マリア=グレギーナ(トゥーランドット)、マリーナ=ポプラフスカヤ(リュー)、マルチェッロ=ジョルダーニ(カラフ)、サミュエル=レイミー(ティムール)

絶世の美女トゥーランドットを取り巻く真実の愛の音楽が壮麗な舞台のうえで展開しました。

今回のプロダクションはすでに四半世紀にもおよぶ長命な人気プロダクションであり、MET(ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場)ならではの手間とお金のかかった絢爛豪華な上演でした。

『トゥーランドット』はプッチーニ最後のオペラであり、プッチーニが死去したため、召使いのリューが自刃した箇所以降が未完となって23ページにわたるスケッチだけがのこされ、フランコ=アルファーノが補作し完成させました。

ヴェルディ作曲『アイーダ』とともに、オペラ入門としておすすめしたい作品です。

「ラベル法」は、情報処理のなかではもっとも初歩的・基本的な方法であり、この方法の本質はファイルをつくることにあります。ここで、「ラベル法」についてあらためて整理してみます。


■「ラベル法」の手順

「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。

取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)


取材する」とは、ある課題にそって情報を収集することであり、見たり聞いたり感じたりして情報を心のなかにとりいれることです。取材の初期段階では、ウェブサイトや書籍でしらべたり、あるいは、写真・メモ・日記・資料などを見なおしたりします。

情報を選択する」は、ある課題にとりくむにあたって重要な情報を選択することです。情報のひとまとまりを意識することが大切です。

要点を書く」では、選択した情報のひとまとまりの要点のみを原則として単文(言葉)にします。インプットした情報のすべてを書きだすことは不可能ですし、そのようなことをしても意味はありません。この要点(言葉)が、情報のひとまとまりのラベル(標識、見出し)になります。



■ ファイルの構造

情報のひとまとまりは、上部構造であるラベルと、下部構造である情報の本体とから構成されます。情報の本体は記憶として心のなかに保持されます。そして、この情報のひとまとまりはファイルとよぶことができます

140912 ラベルと情報の本体

図 ファイルは、ラベルと情報の本体とから構成される



■ コンピューター・ファイルとの類似

ここで、コンピューター・ファイルとの類似を指摘してみたいとおもいます。コンピューターでも情報(データ)のまとまり(あつまり)はファイルとよびます。それぞれのファイルには「アイコン+ファイル名」がつけられ、「アイコン+ファイル名」をダブルクリックすることにより情報の本体がひらける仕組みになっています。ファイルは、記憶装置に情報を書きこむときの単位になり、 情報の本体は記憶装置に保存されています。

ここで、「アイコン+ファイル名」はラベルに相当します

これと似たことを人間もやっているのです。コンピューターで記憶装置に書きこむ作業は、人間でいえば記憶するということです。ファイルを検索したり ひらくことは、人間では想起に相当します



■ アウトプットと同時にファイルができる

このように、情報のひとまとまりにラベルをつけることはファイルをつくる作業になっており、ラベルをつけることにより1個のファイルができたことになります。

「ラベル法」でラベルをつくることは、アウトプットをすることであると同時にファイルをつくる作業にもなっているのです

ファイルをつくることにより、ラベルを見て想起したり、イメージしたり、編成・編集したりすることができるようになります。つまり情報はつかえるようになります。「ラベル法」は心象法・記憶法・編成法などにも通じています。

以上ように、情報処理の観点からは、ラベルと情報の本体がつくるファイルの構造を理解することがとても重要であり、ファイルをいかにつくり、ファイルをいかに操作し活用していくかが情報処理の基本的な作業になっています



■ ラベルは、熟語・単語・数字・絵・図でもよい

なお、上記のファイルの仕組みが理解できれば、ラベルは、かならずしも単文でなくてもよいことがわかります。たとえば、熟語・単語・数字・絵・図などであってもかまいません。

「数字イメージファイル」 や「絶景写真100」では数字がラベルになっています。「100語でスタート!英会話」では英単語(キーワード)がラベルになっています。


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『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』(行かずには死ねない! あなたの人生を変える場所100)は、10万円あれば行けちゃう世界の絶景ポイント100を紹介しています。非常にうつくしい絶景写真とともに、旅の費用、アクセス、ベストシーズンなどが記載されています。

人生を変えるために「絶景の旅」はとても効果的です。

本書で紹介している絶景は以下の100ヵ所です。

第1章 思い立ったらすぐ行ける隣の国の絶景
 01 阿里山(ありさん)
 02 日月潭(にちげつたん)
 03 陽明山、野柳(ようめいさん、やりゅう)
 04 東西横貫公路、太魯閣峡谷(とうざいおうかんこうろ、たろこきょうこく)
 05 蘇花公路(そかこうろ)
 06 望安島、七美島(わんあんとう、ちーめいとう)
 07 墾丁(けんてぃん)
 08 雪岳山(そらくさん)
 09 済州島(ちぇじゅとう)
 10 紅島、珍島(ほんど、ちんど)
 11 釜山(ぷさん)
 12 内蔵山(ねじゃんさん)
 13 オルホン渓谷
 14 バイカル湖
 15 サハリン
 16 ウラジオストク

第2章 中国の絶景
 17 金山嶺長城、司馬台長城
 18 長春
 19 旅順
 20 長白山
 21 青島
 22 西湖
 23 黄山
 24 長江三峡
 25 武陵源
 26 九寨溝
 27 桂林
 28 張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)
 29 元陽棚田
 30 大理
 31 玉龍雪山、虎跳峡(ぎょくりゅうせつざん、こちょうきょう)
 32 海南島(はいなんとう)

第3章 東南・南アジアの絶景
 33 タール湖、マヨン山
 34 ハロン湾
 35 アンコールワット
 36 スコータイ遺跡、アユタヤ遺跡
 37 パガン遺跡、インレー湖
 38 キャメロンハイランド
 39 キナバル山
 40 バリ島
 41 ボロブドゥール
 42 ブロモ山
 43 トバ湖
 44 タージマハル
 45 ポカラ
 46 モルディブ
 47 シギリア

第4章 中東・アフリカの絶景
 48 イスタンブール
 49 カッパドキア
 50 イマーム広場
 51 ドバイ
 52 キプロス島
 53 ペトラ
 54 ラモンクレーター、マサダ砦
 55 ギザのピラミッド
 56 サハラ砂漠、チェニス旧市街
 57 シャウエン、フェズ
 58 ナイロビ国立公園

第5章 ヨーロッパの絶景
 59 モンサンミッシェル、パリ
 60 コートダジュール
 61 ポンペイ、カプリ島
 62 ヴェネチア
 63 フィレンツェ
 64 マルタ
 65 アテネ、サントニーニ島
 66 モンセラット、バルセロナ
 67 トレド
 68 アルハンブラ宮殿
 69 シントラ、ロカ岬
 70 コッツウォルズ
 71 ダム、ブリュージュ
 72 アムステルダム
 73 ロマンチック街道
 74 グリンデルワルト、ピラトゥス山
 75 モンブラン
 76 ウィーン
 77 ブダペスト
 78 プラハ
 79 ドゥブロブニク
 80 サンクトペテルブルク

第6章 北アメリカの絶景
 81 ナイアガラの滝
 82 ビクトリア
 83 レーニア山
 84 モントレー、カーメル、タホ湖
 85 ヨセミテ国立公園
 86 グランドキャニオン
 87 マンハッタン
 88 フロリダキーズ
 89 ラニカイビーチ
 90 コッパーキャニオン

第7章 オセアニアの絶景
 91 グレートバリアリーフ
 92 ブルーマウンテンズ
 93 グレートオーシャンロード、フィリップ島
 94 ピナクルズ
 95 ニューカレドニア
 96 ワイタケレ、ロトルア
 97 タヒチ
 98 ママヌザ諸島など
 99 サイパン
 100 ロックアイランド

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玉龍雪山、虎跳峡(ぎょくりゅうせつざん、こちょうきょう)



1. 旅のスタイルを決める - 個人旅行かツアーか -

個人旅行の場合は、航空券とホテルを別々に予約・購入した方が安くなることがあります。2人以上の旅行なら、航空券とホテルがセットになったフリーツアーがねらい目です。

ツアーは原則2人以上の設定なので、個人旅行の場合は往復航空券を個人手配で購入した方が安上がりになります。2人以上の場合は格安ツアーがたくさんあります。

個人旅行の場合は、どの程度のホテルに泊まるかによって予算は大きく変動します。


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張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)



2. マンネリ化した日常を異空間が打破する

本書で紹介されているような絶景とは、今まで知らなかったおどろきの風景であり、それは日常とはちがう異空間です。

そのような異空間を体験することは、物事の見方を変え、マンネリ化した日常を打破することになり、あらたな味わいを人生にかもしだします



3. 意識の場が拡大する

絶景の異空間は、自分が普段くらしている環境の外にある世界であり、そのような外の世界を知ることによって意識の場はおのずと拡大します

人は普通は、既存の枠組みや身につけた常識のなかで物事をとらえ理解しています。意識の場を拡大することによって、既存の枠組みや常識にとらわれないあらたな発想が可能になります。



4. 外の目で自分を客観的にとらえなおす

絶景旅行によって外の世界に行くことにより、これまで自分が生活してきた日常の空間を外からながめることができます。あらたな視点で客観的に自分をとらえなおすことができるのです。

自分を相対化でき、相対的な存在である自分、変化する自分を見なおすことができ、自分とは何だったのかかんがえることができます。

このような絶景旅行のインパクトにより、心がひらき、人生のあらたな曲面が展開します。何らかの問題を解決するための活路や発想がえられることもあります。旅行先で出会う絶景が絶景であるほど、努力しなくても潜在意識にインパクトがあたえられます。ただの観光旅行ではインパクトは小さいでしょうからおどろきの絶景に接するのがよいです。

わたしは、本書のファイルNo.45で紹介されているポカラに滞在し大きなインパクトをうけました。

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ポカラ


日本国内でじっとしていてさまざまな考察をしているよりも、本書を参考にして外に出て、体をうごかしながら異空間でかんがえた方が実りが大きくなるでしょう。



▼ 文献
小林克己著『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』 (PHPビジュアル実用BOOKS)PHP研究所、2014年7月4日
10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100 (PHPビジュアル実用BOOKS)


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