発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

カテゴリ: インプット

中村元著『ブッダ入門』は釈迦の生涯についてわかりやすく紹介しています。一方、中村元著『古代インド』はインドの古代史について概説しています。どちらもいわゆる宗教書ではなく学者の研究結果を記述した学術書であり、このような学術書がすぐれているのは事実と仮説とをわけて書いている点にあります。情報処理と問題解決の観点からは事実を知ることが何よりも重要です。

今回、これらの伝記と歴史書とをあわせて読んでみて理解が一層ふかまりました。歴史書だけを読んでいるとつかみどころがなくて何だかボヤーッとした感じがすることがありますが、あわせて伝記も読むことにより焦点がさだまり、より鮮明に時代が見えてきます。ピントがあうといった感じです。またその人が生きた時代の前後の時代もとらえられるので視野が大きくひろがります。

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ある人の生涯は、その人が生きた時代の歴史的背景あるいはその時代の潮流と無縁では決してなく、むしろ、背景と共鳴したり時代の潮流のなかで生かされていたとかんがえた方がよさそうです。伝記と歴史書とをあわせて読んで全体像をつかみ、その人とその時代の本質をとらえることが大切だとおもいます。

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本書にかぎらず、あらたに何かを理解しようとおもったら、その中心人物の伝記とともに、その時代を記述した歴史書をあわせて読んでみることをおすすめします。この方法は、比較的短時間でその分野について認識をふかめることにもつながるとおもいます。



▼ 引用文献
中村元著『ブッダ入門』春秋社、1991年9月10日
ブッダ入門 
中村元著『古代インド』(講談社学術文庫)、講談社、2004年9月10日
古代インド (講談社学術文庫) 


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ブッダの生涯と時代的背景を理解する - 中村元著『ブッダ入門』-
都市国家の時代の末期を検証する - 中村元著『古代インド』-
伝記と歴史書をあわせて読む - 釈迦の生涯と生きた時代 -


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写真1 月から見た 地球の出

東京・水道橋駅前、東京ドームシティにある 宇宙ミュージアム TeNQ(注1, 2)に行ってきました。宇宙を疑似体験し宇宙を身近に感じることができました。

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図1 フロアーマップ


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写真2 入り口

「シアター宙(そら)」では超高解像度の巨大な動画が足下にひろがり、月着陸船にのって月面を離陸していく疑似体験をすることができました。(残念ながら写真撮影は禁止でした(注3)。)


サイエンスの部屋では太陽系に関する展示・解説がとくに充実していました(写真3,4,5)。小惑星探査機「 はやぶさ」による小惑星「イトカワ」探査の成果も展示してありました。東京大学総合研究博物館の分室がおかれていて「太陽系博物学」の研究最前線を知ることができました。

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写真3 サイエンスの部屋

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写真4 火星の地表にたったような気分になれる

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写真5 火星の隕石


イマジネーションの部屋では、巨大スクリーンにうつしだされた「地球の出」(動画)が印象的でした(写真1)。


企画展示室では、火星ほどの大きさの天体ティアが原始地球に衝突して月ができる様子を動画で見ることができました。これは「ジャイアントインパクト説」(衝突起源説)といい、地球の衛星である月がどのように形成されたかを説明するもっとも有力な仮説です。

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写真6 ジャイアントインパクト


以上のように、この宇宙ミュージアムは気軽に宇宙をたのしめる博物館でした。宇宙から地球を見る、宇宙の視点で地球をとらえなおすことには非常に大きな意義があります。わたしたち人類は現代になって地球を大観できるようになったのです。大観とは、部分(局所)を集積して全体に到達することでもなければ、対象を要約して理解することでもありません。地球全体をまるごと一気に見る(まるごと情報をインプットする)ことです。

このような宇宙からの視点を人類がもったことは人類史上にのこる非常に大きな転換点であったといえます。一般の人々が宇宙に行けるようになるのはもうしばらく先になるそうですので、この宇宙ミュージアムをまずは利用してみるのがよいでしょう。


▼ 注1
宇宙ミュージアム TeNQ
入場は日時指定制です。休日などは混雑しますのでインターネットでチケットを事前に購入してでかけた方がよいです。

▼ 注2:TeNQ とは
TeN とは「天」「展」「点」をあらわし、Q は、「Quest(探究・冒険の旅)」「Question(問い)」「心がキューッ」「キュリオシティ(Curiosity/好奇心)」「究める」「球」をあらわしています。

▼ 注3
サイエンス・イマジネーション・企画展示室・つながる場所の各部屋はフラッシュをつかわなければ写真撮影ができます。

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地球儀を発想の出発点としてつかう

▼ 追記
大観という方法は、人がおこなう情報処理でいうインプットの重要な方法であり、また問題解決の第一段階目の方法でもあります。



『楽しい自然ウォッチング』は、自然観察(自然ウォッチング)のためのガイドブック(入門書)です。写真が豊富で見ているだけでもたのしめます。身近な自然の見方から、次第にふかく自然に接する方向へすすむ構成になっています。

目次
第1章 街あるきで自然発見
第2章 命あふれる里山へ行こう
第3章 森の木を探検しよう
第4章 海遊び 川遊びを楽しもう
第5章 鳥たちに会いに行こう
第6章 畑で野菜をつくろう
第7章 気象と季節の歳時記


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街のなかにある自然からはじまり、周辺にある里山、もっととおくの森、さらに海や川、動物たちの観察、気象や季節の観察というようにすすんでいきます。巻末には自然観察ができる全国の森のリストがでています。

街のなかでは「マイツリー」を決めて定点観察をすることを提案しています。季節のうつりかわりがつかめます。また里山は、自然体験のためにとくにおすすめです。休日にでかけてみるとよいでしょう。

本書のすべてにとりくむ必要はありませんので、自分の興味がある分野をピックアップして、まずは自然に接して、自然に対する感性をみがくようにするとよいです。


情報処理の観点からみると自然観察とは目をつかって自然から情報をとりいれること、自分の意識のなかに自然の情報をインプットすることです(図1)。感性をみがくとはインプット能力を高めることです。これには理屈ではなく実践的なとりくみが必要です。身近なところから自然観察を是非はじめてみてください。

150417 自然観察
図1 自然観察とは自然から情報をインプットすること



▼ 引用文献 
松本徳子企画・構成『楽しい自然ウォッチング』JTBパブリッシング、2012年4月1日
楽しい自然ウォッチング (るるぶDO)

▼ 関連記事
里山のモデルをつかって大阪の自然誌をとらえる - 大阪市立自然史博物館 -
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学研教育出版が、『学研まんが世界の歴史』の電子書籍版の配信をはじめました。第1巻〜第3巻までは、通常価格は 500 円(紙の単行本842円)のところが、セールス価格 200 円(税込み)で大変お買い得になっています。セールス期間は4月15日までです。

このシリーズは、人類がきずいてきた世界の歴史を15の時代にわけ、それぞれの時代を生きぬいた代表的な人物を中心にして物語をえがいています。とてもわかりやすくまとめられており、大人が見てもたのしめる内容になっています。

第1巻『古代文明のおこりとピラミッドにねむる王たち』はつぎの5章から構成されています。

1 人類が出現する前
2 人類の登場
3 メソポタミア文明
4 エジプト文明
5 ユダヤ教の成立

今回は、漫画が、速読法や記憶法の教材としてつかえることを強調したいとおもいます。

たとえば、ある敷地(土地)にまとまった5棟の建物群がたっているとイメージします。それぞれの建物には上の5つの章の看板がついています。電子書籍の各ページを見ながら、それぞれのページは階(フロアー)であり、漫画のひとコマひとコマは部屋であるとイメージします。そしてページをめくりながら1階、2階、3階と建物をのぼっていくイメージをします。

章は「建物」、ページは「階」、コマは「部屋」と空間的構造的なイメージをえがくことがポイントです。そして、各コマあるいは各ページをなるべく高速で見ていきます。読むというよりも見た方がよいです。視覚で情報をキャッチするのです。

このようにするとインプットがすばやくでき、インプットされた内容が記憶にのこりやすくなります。人がおこなう情報処理において、見たり読んだりすることはインプットに相当し、記憶はプロセシングととらえます。

こうすると何かをアウトプットするときに「あ!そういえば」といろいろなことが思い出しやすくなり、必要な情報がうかびやすくなります。

日本では、大抵の分野の漫画が出版されていますので、とくに何かあたらしい分野を学習したいとおもったときに漫画が役にたちます。


▼ 引用文献
『学研まんが世界の歴史』(電子版)学研教育出版、2015年3月


本多勝一著『極限の民族』は、イニュイ民族(カナダ=エスキモー)ニューギニア高地人アラビア遊牧民と生活をともにして書かれたルポルタージュであり、当時はほとんど知られていなかった「極限の民族」のくらしぶりを生き生きとえがきだしています。近代化がすすんで今ではもう見られなくなった「極限の民族」の姿の貴重な記録でもあります(注)。
 
本書は文化人類学の専門書ではなく、朝日新聞に連載されたルポをまとめたものであり、一般の読者が読んで十分にたのしめる内容になっています。初版は、1967年に、本多勝一著『極限の民族』(朝日新聞社)として刊行されました。
 
目次
第一部 イニュイ民族(カナダ=エスキモー)
 「ウスアクジュ」への道
 極北を生きぬく知恵
 アザラシ狩り
 犬を甘やかしてはならぬ
 カリブー狩り
 雪の家
 太陽の沈まぬ国
 セイウチ狩り
 エスキモーの心
 極北の動物たち
 遊猟の民
 
第二部 ニューギニア高地人
 意外なジャングル
 モニ族の簡素で家庭的な生活
 石器時代も案外不便なものではない
 アヤニ族とナッソウ山脈横断の旅へ
 ニューギニア高地人に襲われた日本軍
 ダニ族の団体生活と奇妙な男たち
 ホモ=ルーデンス
 
第三部 アラビア遊牧民
 アラビア半島内陸の砂漠へ
 親切で慎み深いベドヰンたち
 ラクダに人間が飼育されるような生活
 砂漠の夜の主人公は野生動物である
 「虚無の世界」としての大砂丘地帯
 羊飼いも重労働でなかなか大変だ
 親切で慎み深いベドヰンの実態
 ベドヰンの方が普遍的で、日本人こそ特殊なのだ
 『月の沙漠』の夢と現実
 
朝日文庫版へのあとがき・補記
 
 
第一部「イニュイ民族(カナダ=エスキモー)」では、イニュイ民族が極寒の環境下で生きていけるのは、彼らが普通の人とはちがう特別な体質をもっていたからではなく、極寒の世界に適した衣服や住居や狩猟法を開発、環境に適応した生活様式を生みだしたからだということが読みとれます。
 
第二部「ニューギニア高地人」では、一転して、赤道下のジャングルが舞台になり、そこには基本的に裸でくらす人々がいました。自然環境と一体になったくらしぶりが一層顕著です。
 
ペニス=ケースや指切りなどの変わった風習もありますが彼らは人食い人種ではなく、石の包丁やナイフや斧をつくりだし、また火をおこし石むし料理をつくるなど、自然環境をたくみに利用しながらくらしています。彼らの生活様式は人類の進化をかんがえるうえでもとても参考になります。

非常に原始的な生活をしているようですが、生肉を食べているイニュイ(カナダ=エスキモー)よりも多様性がありゆたかな生活様式をもっているような感じがします。ゆたかな自然環境の恩恵を享受しているということなのでしょう。
 
第三部「アラビア遊牧民」では、これもまた一転して、アラビアの広大な乾燥地帯が舞台となり、極北とも、ジャングルともちが砂漠の異空間が展開していきます。
 
本多勝一さんの言葉を引用しておきます。 
 
これほど大量に飲み、汗を出しても、決して「滝のような汗」ということにはならない。あまりにも乾燥しているから、汗は出る片端から蒸発してしまう。
 
エスキモーと共に生活したとき、私たちは「人間は、未開・文明を問わず、民族を問わず、結局おじものなんだ」という実感を強く覚えた。本当に、心の底から「世界は同胞だ」と思ってもいいような、感傷的気分にさえなって、私たちは北極圏から帰った。この実感は、ニューギニアのモニ族・ダニ族と生活したときも、強められこそすれ弱まりはしなかった。だが、ベドヰンはどうか。ここではエスキモーとは正反対に、「人間は、なんて違うものなんだろう」という実感を強く覚える。民族が違い、歴史が違うと、かくも相互理解が困難なのか。これこそ、本当に「異民族」なのだ。
 
 
以上のように、本書は、イニュイ民族(カナダ=エスキモー)、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民のそれぞれを比較することによって、それぞれの民族の特徴が一層鮮明にうかびあがる効果をもっています

本書の中身は朝日文庫の3冊に分冊されて販売もされていますが、それらを別々にゆっくり読むよりも、本書を一気に読んで全体を一望したほうが3の民族のちがいがよくわかり理解がすすみます。わたしたち日本人が知らない「極限の民族」についてすこしでも認識をふかめておくことは世界や地球の多様性を知るためにとても役立ちます。


▼ 引用文献
本多勝一著『極限の民族』(本多勝一集 第9巻)1994年2月5日
極限の民族 (本多勝一集)  

▼ 関連図書


▼ 注:取材時期について
イニュイ民族(カナダ=エスキモー)、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民のそれぞれの取材時期は、1963年5月~6月、1964年1月~2月、1965年5月~7月でした。 

▼ 関連記事
民族と生活様式と自然環境をみる - 本多勝一著『極限の民族』(2)-
極端を知って全体をとらえる - 本多勝一著『極限の民族』(3)-

国立科学博物館の特別展「大アマゾン展」ではアマゾン川流域地域の多様性を見ることができます。アマゾンの多様性は、アマゾン川の豊富な水、赤道直下の高温多湿などの環境とそこでくらすさまざまな生物とによって形成されました。アマゾン川流域には、約6万種の植物、100万種以上の昆虫、約1800種の鳥類、約3000種の魚類、約420種の哺乳類が棲息しています。せっかくの機会ですのでアマゾンの多様性について展示室ごとにいくつかメモをしておきます。

第2室 哺乳類
アマゾンで多様化した哺乳類としては霊長類(サル類)と齧歯目(げっしもく/ネズミ類)がいます。
 
霊長類:ゴールデンライオンタマリン、エンペラータマリン、ヨザル、フサオマキザル、シロガオサキ、マンクサキ、ダスキーティティ、クロホエザル、フンボルトウーリーモンキー、ケナガクモザル。

齧歯目:デグー、チンチラ、ビスカーチャ、パカラナ、ローランドパカ、アグーチ、パンパステンジクネズミ、マーラ、カピバラ。

その他の哺乳類:アリクイ、ナマケモノ、アルマジロ、ジャガー、ピューマ、オオカミ、クマ、スカンク、イタチなど。


第3室 鳥類
アマゾンのインコ類はとくに多様化がいちじるしく、30属150種にもなります。そのなかで体がもっとも大きく尾のながいものがコンゴウインコとよばれます。アマゾン川流域が発祥の地とされ、アマゾンを象徴する鳥です。

南米の鳥たちは収斂進化の実例の宝庫になっています。収斂進化とは、祖先はちがっても、生態系のなかでおなじような生活をする生物が似た形態を進化させることです。


第4室 爬虫類・両生類
アマゾンの爬虫類はヘビ・トカゲ・ワニ・カメです。オオアナコンダは、南米パラグアイより北部に分布する超大型のヘビです。

アマゾンの両生類のカエルは小型のものが多いです。ヤドクガエル類は、非常に色彩がゆたかなカエルであり、樹上性あるいは地上性です。皮膚に猛毒をもっているため素手でさわってはいけません。現地人は、矢じりにつける毒をこのカエルからえています。


第5室 昆虫
モルフォチョウは、中南米に特有の華麗なチョウとしてふるくから注目されています。ヘラクレスオオカブトムシは、世界最大の甲虫として有名であり、アマゾン地域にはエクアトリアヌスという亜種が分布しています。タイタンオオウスバカミキリは世界最大のカミキリムシで、体長は16cmに達することもあります。


第7室 アマゾンカワイルカ
イルカは普通は海に棲息しますが、大河に棲息するものもいて「カワイルカ」とよばれます。全身は白色ないしあかるい灰色、ほそくてながいクチバシがあり、相対的に大きくて可動域の大きい胸びれなどの特徴をもっています。


第8室 魚類
ピラクルーは世界最大の淡水魚といわれ、最大4mに達します。1億年前から姿がかわっていないことから「生きた化石」とよばれます。デンキウナギは電気ショックをあたえるおもしろいウナギです。ピラニアとカンディルという危険な魚もいます。ピラニアは肉食性で人間に危害をくわえるものもいます。カンディルには、大きな魚類や哺乳類に穴をあけてその肉をたべる種類と血をすう種類がいます。


第9室 菌類
きのこは生態系における分解者として知られています。スッポンタケ科の一種は世界最小のスッポンタケ類です。ハエをおびきよせるための悪臭をはなちます。


第10室 水草
アマゾンの水草の多くは、アマゾンの特異な水質に適応して生育しています。エイクホルニア・アズレアは、水上にでる葉と水中の葉の形が大きくことなります。水上では空気中から二酸化炭素をとりこみますが、水中では水から直接とりこみます。


第11室 先住民の装飾品
アマゾン流域には多数の先住民が今なおくらしています。文明社会と見接触の民族が今なお67存在するといわれています。彼らは自然とともに生き、自然の恵みを享受しながら自然を利用してきました。


アマゾン川流域は多様性の宝庫であることは間違いありません。是非 保全していきたいものです。


▼ 参考文献
『大アマゾン展』(公式ガイドブック)、発行:TBSテレビ、2015年3月13日

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アマゾンの多様性を大観する - 国立科学博物館「大アマゾン展」(1) -
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アマゾンのサルの多様性をみる - 国立科学博物館「大アマゾン展」(4) -
生態系の階層構造をとらえる -「大アマゾン展」(5) -
人類の本来の生き方を知る - 伊沢紘生著『アマゾン探検記』-
アマゾンの生態系に共存原理をみる - 伊沢紘生著『アマゾン動物記』-
さまざまな種がすみわけて生態系をつくっている - 伊沢紘生著『新世界ザル アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う』-
自然環境と共生して生きている人々がいる - アマゾン展 -


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国立科学博物館「大アマゾン展」

東京・上野の国立科学博物館で開催されている特別展「大アマゾン展」を見ました(会期:2015.6.14まで、注1)。アマゾン川流域の多様性を見ることができました

アマゾン川流域の総面積は約700万k㎡ あるいはそれ以上といわれ、これは日本が約20個もはいるひろさであり、オーストラリアに匹敵する面積です。そのうち60%はブラジル領です。ここに成立している熱帯雨林は世界の熱帯雨林の約半分に相当します。

展示室はつぎの12室にわかれていました(図1)。化石や剥製、骨格標本、生体、映像資料など約400点で紹介していました。

第1室 翼竜・魚類・植物・昆虫の化石
第2室 哺乳類
第3室 鳥類
第4室 爬虫類・両生類
第5室 昆虫
第6室 森林のジオラマ
第7室 アマゾンカワイルカ
第8室 魚類
第9室 菌類
第10室 水草
第11室 先住民の装飾品
第12室 アマゾン体感! 4Kシアター


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図1 会場のフロアーマップ


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カピバラ


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インコ


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爬虫類


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魚類(ピラニアなど)



記憶法や情報処理の観点からは、特別展の会場全体を「多様性の家」、各展示室を家のなかの「部屋」と見なし、空間的構造的に展示をとらえることが重要です。「家」は「部屋」によって構成され、「部屋」は、「家」のなかのそれぞれの部分に位置づけられ、場所をあたえられています。


アマゾンの特色は何といってもその多様性です。アマゾンは多様性にみちあふれています。これだけ大きな多様性に短時間でコンパクトにふれられる機会はめったにありません。今回の特別展は多様性を知るための「入門コース」といってよいでしょう。

そして多様性は大観してこそ理解できます。大観とは分析とはことなる方法であり、局所にとらわれていると多様性は理解できません。全体を一気に一望することによって多様性は見えてきます。そして、それぞれの生物種が、多様な世界のなかで固有のすみかをもっていることを知り、生きるための場所をそれぞれにあたえられていることが認識できればなおよいとおもいます。

多様性を知ることは、地球環境問題に関する問題意識をふかめるためにも必要なことです。


▼ 注1
国立科学博物館・特別展「大アマゾン展」

▼ 関連記事
アマゾンの多様性を大観する - 国立科学博物館「大アマゾン展」(1) -
アマゾンを歴史的時間的にとらえる - 国立科学博物館「大アマゾン展」(2) -
アマゾンの多様性をメモする - 国立科学博物館「大アマゾン展」(3) -
アマゾンのサルの多様性をみる - 国立科学博物館「大アマゾン展」(4) -
生態系の階層構造をとらえる -「大アマゾン展」(5) -
人類の本来の生き方を知る - 伊沢紘生著『アマゾン探検記』-
アマゾンの生態系に共存原理をみる - 伊沢紘生著『アマゾン動物記』-
さまざまな種がすみわけて生態系をつくっている - 伊沢紘生著『新世界ザル アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う』-
自然環境と共生して生きている人々がいる - アマゾン展 -


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写真1 明治時代の3D写真(ステレオ写真/ステレオグラム)
(平行法で立体視ができます)

東京・上野の国立科学博物館で開催中のミニ企画展「はい、チーズ! 写真の歩み」(注1)では「明治時代からあった3D写真」の展示もありました(写真1、2)。

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写真2 明治時代の3D写真(ステレオ写真/ステレオグラム)
(平行法で立体視ができます)

3D写真(ステレオ写真)は、左右の2枚の写真をカメラで撮影し、2枚の写真を専用のビュアーで同時にみることにより、左右の目から見えるわずかなちがい(視差)を利用して立体的な像を再現するものです。下のようなレンズが2つあるカメラをつかっていたそうです(写真3)。

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写真3 ステレオ写真用カメラ


3D写真は、2D写真よりも情報量がはるかに多くなり、しかもおもしろいために当時から活用されていたようです。

当時は、立体視をするために専用ビュアーをつかっていたようですが、ビュアーをつかわなくても訓練をすれば誰でも立体視ができるようになります(注2)。立体視ができるようになると写真の世界が一気にひろがりますし、眼力を強化することにもなるので、是非トライしてみてください。

また被写体が静止していれば、ステレオ写真用カメラあるいはカメラ2台をつかわなくても、普通のカメラ1台で3D写真をとることができます。被写体を、自分の左目の位置から1枚とり、つぎに右目の位置から1枚とります。それらの写真を左右にならべて平行法をつかえば立体視ができます。3D写真は両目の視差を利用しているわけです。

このようなことをくりかえしていると、3D写真を撮影したり見たりする以前の問題として、わたしたちが自分の目で外界を普通に見て、立体的に(3Dとして)見えているというのはどういうことなのかについて問題意識がふかまってきます。


▼ 注1
アウトプットの手段として写真を意識する - ミニ企画展「はい、チーズ! 写真の歩み」-

▼ 注2
自然の写真を立体視して眼力を高める - 栗田昌裕著『眼力を高めるパワード・アイ』-
立体視訓練で眼力を高める -『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』-
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜

▼ 参考文献
 

▼ 関連記事
脳の情報処理の仕組みを理解する 〜DVD『錯覚の不思議』〜

わたしたちは、目・耳・舌・鼻・皮膚などの感覚器をつかって環境(外界)からたえず情報をとりいれています(インプットしています)。

たとえば料理を食べるときには舌をつかって味を感じとります。

しかしいつも感じることとして、料理の見た目や香りも味に大きく影響しているということがあります。料理を見ておいしそうだと感じたり、香りをかいで気分がかわったりします。スパイスの効果などは特に重要です。

つまり味覚は視覚や臭覚の影響も大きく、舌だけでなく目や鼻からはいってくる情報も総合してわたしたちは料理を味わっているわけです。

音楽を聞くときもそうです。たとえばコンサートホールで生演奏を聞くときには聴覚で音を感じるだけでなく、演奏者や楽器が発する空気振動を皮膚感覚でうけとめたり、演奏者の躍動的な動きを視覚的にとらえて感情をゆさぶられたりしながら総合的に音楽を感じとります。

このように現場に行った方が感覚器が総動員されるので味わいや感動が大きくなることが多いです。現場に足をはこぶことは大事なことです。

したがって情報のインプットは、自分の感覚器を最大限につかって総合的におこなったほうがよいといえます。対象に意識をもっていくときにはもっている感覚をフルにつかったほうがよく、その後の情報の増幅や処理もそうしたほうがすすみやすいとおもわれます(図1)。

150324 総合的にインプット
図1 インプットは総合的におこなう
 

▼ 関連記事
感覚器をつかって情報をインプットする 〜 岩堀修明著『図解・感覚器の進化』〜

▼ 参考文献


iPhone などのスマートフォンで音楽をたのしんでいる方は多いとおもいます。最近のスマートフォンは音質が非常によくなってきており、とくに iPhone 6 および 6 Plus は音質がとてもよいです。アップルは音づくりにも力をいれています。

その性能を生かすためにはよくできたイヤホンをあらたに購入したほうがよいです。付属のイヤホンでは性能が生かしきれません。

今回わたしは、東京・秋葉原にある eイヤホン(注1)という実店舗で、内外で定評のあるオーディオテクニカ(audio-technica)のイヤホンの試聴をしてきました。

おすすめのイヤホンはつぎの2点です。 

1. audio-technica IM Series ATH-IM50(アマゾンで 4,680円)
圧倒的なコストパフォーマンス、音質と音のバランスがよく聞きづかれしません。
 

このひとつ上位モデルあるである IM Series ATH-IM70 (アマゾンで 9,200円)は、解像度は ATH-IM50 よりも若干よくなるかもしれませんが音のバランスがわるいのでおすすめしません。


2. audio-technica IM Series ATH-IM01(アマゾンで12,500円)
もうすこし予算がある方にはこちらをおすすめします。音質・バランスにくわえて解像度も高いです。わたしは普段はこれをつかっています。



オーディオテクニカの IM シリーズは概して性能がよく、現段階では、オーディオテクニカのほかのシリーズよりもこのシリーズがおすすめできます。モニターイヤホンとされていますが、モニタリングでプロがつかうだけでなく一般の消費者がつかってもまったく問題はありません(注2)。

息づかいまで、再現する。 IM(イヤーモニター)シリーズ  >>

ただし、このシリーズにかぎりませんが価格と性能とは比例しません。これはほかの家電製品についてもいえることです。高性能でありながら量産されているために価格が低くおさえられているケースは非常に多いです。

IM シリーズで最上位モデルの ATH-IM04(アマゾンで 42,500円)は音質・解像度ともにたしかによいですが、価格が ATH-IM01 の3.4倍であるのに対して、性能は1.5倍もいかないのではないでしょうか。1.3倍程度。これだけお金をかけるならオーバーヘッドのヘッドホン(いわゆるヘッドホン)を買ったほうがよいとおもいます。

音楽をたのしむという観点からは ATH-IM50 あるいは ATH-IM01 をおすすめします。


まとめ
・オーディオテクニカのイヤホン ATH-IM50 あるいは ATH-IM01 がおすすめ。
・オーディオテクニカの IM シリーズは概して性能がよい。
・価格と性能とは比例しない。


▼ 注1
eイヤホン >>
このお店は、どこかの量販店とはちがって店内に大きな音楽がながれていないのでじっくり試聴することができます。

▼ 注2
オーディオテクニカでは、いわゆるイヤホンのことを「インナーイヤーヘッドホン」とよび、いわゆるヘッドホン(頭にかけてつかうレシーバー)を「オーバーヘッドヘッドホン」とよんでいます。本記事では、「インナーイヤーヘッドホン」を一般的なイヤホンと記述しました。

▼ 関連記事
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屋外で音楽をたのしむ - オーディオテクニカのイヤホン“ATH-IM01” - 
両極端を知ってから評価する - イヤホンの試聴 -

電子書籍が急速に普及しています。一方で、ドキュメントスキャナーの普及もすすんで紙の書籍のデジタル化(データ化)も簡単にできるようになりました。書籍のデジタル化は時代の潮流になっています。

電子版書籍にきりかえれば、たくさんの本を一度にあつめて保存して利用することが簡単にできます。

たとえば何かの課題が生じた場合、その課題に関する本を5〜10冊あつめます。電子書籍版があれば電子書籍できで購入し、紙の本は ScanSnap でスキャニングしてデジタル化(PDF化)してストレージに入れておきます。

そして1冊1冊をゆっくり読むのではなく、5〜10冊をまずは一気に読んでしまい、その課題に関する情報の全体像をつかんでしまいます。ゆっくり読むよりも一気に読んだほうが全体や構造がよくわかります。

あとは、必要に応じて必要な書籍をとりだして読みなおすようにします。

電子版書籍の利点は、一度よんだ本をいつでもどこでもとりだして読みなおすことができることです

あ! そういえばあの本にこんなことが書いてあった」というように、ふっと記憶がわきあがってくることは誰にでもよくあることです。その瞬間がとても重要です。その瞬間にその思いをとらえ、すぐにその書籍をとりだして確認する。書籍がデジタル化(データ化)してあればそれが簡単にできるのです。

一気に読む。あとは必要なときに読みなおす。電子版書籍は、一気読み読みなおしを容易にします。こうして読書スタイルやワークスタイルは変わっていきます。

このようなことが簡単にできるようになってくると、課題の決め方がとても重要であることがあらためてわかってきます。電子書籍はやみくもにたくさんあつめればよいというものではありません。情報があふれている時代だからこそ、心の底から本当にとりくみたい課題は何なのか、自分自身の課題をしっかり見さだめて情報収集をしたほうがよいでしょう。


▼ 関連記事
電子書籍で多読する - 和田稔著『本好きのための Amazon Kindle 読書術』-
紙の資料や書籍をデジタル化して活用する

チャイコフスキー作曲『イタリア奇想曲』をききました(小林研一郎指揮、日本フィハーモニー交響楽団、サントリーホール、2015.3.7)。チャイコフスキーはイタリア旅行をしたときにこの曲の着想をえたそうです。

奇想曲(カプリチョ)とはイタリア語で「気まぐれ」を意味し、『イタリア奇想曲』にはイタリアの愉快な旋律が自由にちりばめられています。イタリアの開放的な雰囲気を反映して、チャイコフスキーのほかの作品とくらべると非常にあかるい雰囲気が印象的でした。

チャイコフスキーは、1979年の暮れから1880年の4月にかけてイタリアに滞在、イタリアの風土・文化・芸術に魅了されて大きな感銘をうけ、その感銘がさめないうちにローマで作曲の構想をねりはじめました。

私は数日前から、民謡の旋律を基にして『イタリア奇想曲』のスケッチを書き始めました。この曲は輝かしい未来を持つであろうと思います。これらの旋律の一部は出版されている民謡集から拾い出したものであり、一部は街を歩いている時に私自身の耳で聴いたものです。(チャイコフスキー、1880年1月4日付けの手紙より)

仕事などで何かの構想をねるときには現地にいるあいだに構想をねるとよいとおもいます。リアルタイムで情報を感じとれますから。帰宅してしまうとあっというまに情報の鮮度がおちてしまいます。

構想をねるということは<インプット→プロセシング>に相当します。情報処理の絶好のチャンスとして旅行や出張を活用したいものです。
 



和田稔著『本好きのための Amazon Kindle 読書術』は電子書籍 Amazon Kindle の入門書です。

最近、電子書籍による出版が増えてきています。なかでも Amazon Kindle はその代表格といえるでしょう。

わたしも、電子書籍で本をよむ割合が徐々に増してきました。書店(実店舗)で立ち読みした本を Amazon Kindle で買ってしまうというケースもでてきました。

本書は、クラウドサービスのつかいかた、蔵書管理、ハイライト機能、その他のウェブサービスなどについての基本的な使用法を説明しています。

目次はつぎのとおりです。

第1章 Kindleと電子書籍の基礎知識 
第2章 KindleはAmazonのクラウドサービスだ! 
第3章 ソーシャルメディア時代のアウトプット読書術 
おわりに 〜読書でしか出会えない情報がある

Amazon Kindle で電子書籍を読むためには手持ちのタブレットスマートフォンにアプリを入れれば読むことができます。あるいは PC・Mac でも読むことができます(注)。あるいは Kindle 端末を買います。わたしは、Kindle Paperwhite という端末を最初に買って、その後 iPad Air を買いました。

電子書籍の大きな利点は、いつでもどこでも本が読め、結果として多読ができることや、一度よんだ本をいつでもどこでも必要なときに読みなおすことができること、また本を保管しておく場所がいらないことなどがあります。こうして手軽に読書ができるようになります。

電子書籍の場合は立ち読みはできませんが、最初の数ページだけを無料サンプルとして読むことができます。おもしろそうな本があったら無料サンプルをまずは読んでみるのがよいでしょう。

電子書籍が読書スタイルを今後おおきく変えていくことは間違いありません。


▼ 文献
和田稔著『本好きのための Amazon Kindle 読書術』(Kindle版)金風舎、2014年6月16日
本好きのためのAmazon Kindle 読書術: 電子書籍の特性を活かして可処分時間を増やそう! AmazonKindle術シリーズ


▼ Amazon Kindle 電子書籍リーダー

注:Kindle サポート(無料アプリ) >>

驚異のネイチャー3D 写真集です。風景や動物などの自然写真を(3D眼鏡をつかわないで)立体視することで眼力を高めることができます。目の前に空間がひろがる体験を是非たのしんでください。

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つぎのように解説されています。

眼力が高まれば、目がどんどんよくなるだけでなく、「ものを見る」判断力が高まり、脳の力も高まります。

さらに、眼精疲労が減ったり、癒し効果も生まれます。視力や知力を含めた総合的な「ものを見る」力である眼力を向上させ、人生を何倍も面白く生きることができます。


立体視のやり方については本書は説明が若干簡単なようですので、下記の本の説明もあわせて見て練習するるとよいでしょう。


また『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』は図や絵の図版集ですが、『眼力を高めるパワード・アイ』は実際の野外の写真をつかっていますので、立体視の訓練になるだけでなく自然の見方をするどくすることができます。わたしも両書を併用してみたところ効果が倍増しました。自然の立体視ができるようになると自分の内面の世界がひろがって、風景のうつくしさをあらためて実感することができます。


▼ 文献
栗田昌裕著『 眼力を高めるパワード・アイ』健学社、2003年11月25日
眼力を高めるパワード・アイ


▼ 関連記事
立体視訓練で眼力を高める -『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』-
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜

「日本語の作文技術」は、人がおこなう情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)におけるアウトプットのもっとも基本的な技術のひとつです(下図)。

151206 作文
図 作文技術はアウトプットの技術である


「日本語の作文技術」の基本的原則は「修飾の順序」と「読点のうちかた」です。

修飾の順序
  • 長い修飾語ほど先に
  • 句を先に

読点のうちかた
  • 長い修飾語:長い修飾語が二つ以上あるときその境界にうつ
  • 逆順:語順が原則の逆になったときにうつ


読む側にとってわかりやすい文章を書くためにそして達意の文章を書くために、これらの基本原則についてまずは練習してみるのがよいでしょう。
 


 

これまでに本ブログで書いてきた本多勝一さんの「日本語の作文技術」に関する記事を初級編・中級編・上級編に整理して、以下にまとめてリンクをはっておきます。


■ 初級編
日本語を書いてアウトプットする
「修飾の順序」と「読点のうちかた」の原則をまずは習得する - 『実戦・日本語の作文技術』-
まずは自由にたくさん書いてみる -『実戦・日本語の作文技術』-
わかりやすい日本語を書く - 『日本語の作文技術』-


■ 中級編
わかりやすい日本語を書くために -『日本語の作文技術』-
読点を完璧につかいこなす(前著の応用・実戦編) -『実戦・日本語の作文技術』-
かかる言葉と受ける言葉はできるだけ直結する(直結の原則)-『日本語の作文技術』第二章 -
語順の原則(修飾の順序)にしたがってわかりやすい文章を書く-『日本語の作文技術』第三章-
読点をつかいこなす - 『日本語の作文技術』第四章 -
漢字とカナを併用して視覚的にわかりやすくする -『日本語の作文技術』第五章 -
助詞をつかいこなす(1) - 題目を表す係助詞」(『日本語の作文技術』)-
助詞をつかいこなす(2) - 対照の係助詞」(『日本語の作文技術』)-
助詞をつかいこなす(3) - マデマデニ(『日本語の作文技術』)-
助詞をつかいこなす(4) - 接続助詞の「」(『日本語の作文技術』)-
助詞をつかいこなす(5) - 並列の助詞(『日本語の作文技術』)-


■ 上級編
情報のひとまとまりを段落にする -『日本語の作文技術』第七章 -
無神経な文章は書かない -『日本語の作文技術』第八章 -
リズムのよい文章を書く -『日本語の作文技術』第九章 -
取材をして文章を書く -『日本語の作文技術』第一〇章 -
取材し、メモし、原稿を書いて情報処理を実践する -『日本語の作文技術』〈付録〉-
わかりやすい説明文を書く -『実践・日本語の作文技術』-


初級編・中級編・上級編はわたしが分類したものです。参考にしてください。



▼ 文献
『本多勝一集 第19巻 日本語の作文技術』は『日本語の作文技術』と『実践・日本語の作文技術』ほかを収録しています。『実践・日本語の作文技術』を解体して関係各章に分配し、全体を再統一しています。


▼ 追記
2015年12月に、『〈新版〉日本語の作文技術』が刊行されました。文字が大きくなり読みやすくなりました。
ただし新版(2015年12月)では、旧版(1982年)の第10章「作文『技術』の次に」と付録「メモから原稿まで」は削除されていますので注意してください。これらに興味のある方は旧版をご覧ください。
・第10章「作文『技術』の次に」
 1 書き出しをどうするか
 2 具体的なことを
 3 原稿の長さと密度
 4 取材の態度と確認
・付録「メモから原稿まで」


▼ 関連記事
日本語の原則
三上章著 『象は鼻が長い - 日本文法入門 -』をよむ
日本語法を理解する - 三上章『続・現代語法序説 - 主語廃止論 -』-
「は」と「が」をつかいわける - 川本茂雄『ことばとこころ』-
記号とルール - 川本茂雄『ことばとイメージ』-
類比法をつかった作文技法 - ウメサオタダオ展「はっけんカード」から -


本多勝一著『実践・日本語の作文技術』の付録ではわかりやすい説明文の書き方について解説しています。ルポルタージュについておもにかたっていますが、説明文を書くときの参考になりますので以下に要約しておきます。

ルポルタージュができるまでには(1)企画、(2)取材、(3)構成、(4)執筆・発表 のプロセスがあります。

企画・取材では、それまでのたくさんな報道で欠けているものは何か。それをさぐるようにします。そして一つの世界にはいりこんで内側から一つの世界を見ていきます。

現場では底辺をくわしく取材すると結果を間違いません。間接情報をつかっていると判断をあやまります。「××村の太郎さん」というように個体識別をして具体的な事実をあつめるようにします。

こうして抽象的なものより具体的なものを書くようにします。

たとえばうつくしい風景があったとして、「きれいだ」といくら書いても相手にはつたわりません。うつくしいと風景が感じさせた材料をそのまま書かなければなりません

いくつもの事実があきらかになった場合、たとえばABCDEという5つの事実があるとすると、5つのなかでもっともおもしろい事実(たとえばD)をくわしく具体的にせまくふかく書くようにします。のこった4つについてはDを補強する形でつかいます。全体で100の説明をするとしたら、その内容の80は一つのことだけを書く。のこりの20で4つのものをかるく書きます。

書き出しについては、もっとも関心の度合いの強い部分にいきなり最初からはいってしまうのがよいです。

どんなものを書くにも立場があります。立場のない立場というものはありえません。

くわしくもっと説明したいということが生じたら本文とは独立に最後に注をつけるとよいです。こうすれば本文の流れを変えないですみます。

表現というものは相手あっての表現だということをわすれてはなりません。


本書ではふれられていませんが情報処理の観点からみると取材とは見たり聞いたりすることであり、インプットにあたたります。作文は書きだすことであり、アウトプットにあたります(図1)。

150302 取材と作文
 図1 取材はインプット、作文はアウトプット



▼ 文献
本多勝一著『実戦・日本語の作文技術』朝日新聞社、1994年
実戦・日本語の作文技術 (朝日文庫)


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わかりやすい日本語を書く - 本多勝一著『日本語の作文技術』-
わかりやすい日本語を書くために 〜 本多勝一著『日本語の作文技術』〜

本多勝一著『日本語の作文技術』をつかいこなす - まとめ -


『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』は、(3D眼鏡をつかわないで)多数の図と絵を立体視することをとおして「眼力」を高め、結果として視力も改善できる立体視訓練図版集です

本書では、見るということについてつぎのように解説しています。

目は最も優れた感覚器官です。周囲から受け取っている情報の8割が目から入ってきます。目はまさに情報の正面玄関と言えます。

その目の働きを通常は「視力」としてとらえますが、目の働きの重要な点は、目を通して入った情報を脳で解釈して、知的情報処理能力(略して知能)を発揮することです。

見るということは情報をインプットすることであり、本書をつかって訓練をすれば、このインプットとそれにつづく情報処理の能力を高めることができます。

具体的には、「眼球レベル」での改善と「脳のレベル」での改善がなされます。

立体視では、① 目線を調節して、画像を脳にきちんと届ける段階【=眼球レベル】と ② 脳に届いた画像が立体的に解釈される段階【=脳のレベル】の二段階があります。

第一段階目はインプットの段階、第二段階目はプロセシングの段階ととらえるとわかりやすいでしょう(図1)。
150228 眼力
図1 目で見て知的情報処理をする
(インプット→プロセシング→アウトプットは情報の流れ)


立体視には、交差法(クロス法)平行法(パラレル法)の2種類があります。本書の4-5ページでは、立体視のやり方についてとてもわかりやすく説明しています。

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写真1 立体視には、交差法と平行法の2種類がある

各図の上部に補助点がついていますので2つの補助点が3つに見えるように練習します。補助点が3つに見えたらその状態を保持するようにし、周辺視野をつかって図や絵の全体に意識をくばるようにします。立体視が成立するようになるまで根気よくつづけてみてください。

立体視は、できるようになるまでにはある程度の時間がかかる場合がありますが、一度できるようになると、あとはつぎつぎにできるようになり立体視の世界が大きくひろがっていきます。平面(2次元/2D)よりも立体視(3次元/3D)の方がはるかに情報量が多く、奥深い世界になっていることが体験できます。


▼ 文献
栗田昌裕監修『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』辰巳出版、2013年8月25日
視力回復トレーニング ミラクル・アイ (タツミムック)


▼ 関連記事
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜

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往時の姿に復元された東京駅丸の内駅舎

東京駅開業百年記念企画展「東京駅100年の記憶」を見ました(会場:東京ステーションギャラリー、会期:2015年3月1日まで)。

2014年12月、東京駅は開業100周年をむかえました。本展は、1世紀にわたる東京駅の歴史に光をあて、その文化的な意義を再検証しようという企画です。


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ドームの内部


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創建当時の煉瓦の壁


東京駅が開業した1914年、その50年後の1964年、そして2014年の3つの時代を、東京駅を中心とする丸の内地区のジオラマでたどり、あわせて、かつて丸の内に建っていた近代建築に関する資料などを見ることができました。


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東京駅が開業した1914年の丸の内地区のジオラマ


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1964年の丸の内地区のジオラマ


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2014年の丸の内地区のジオラマ


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現在の東京駅の地下構造の模型


東京駅の歴史の概要は以下のとおりです。

1908 中央停車場(のちの東京駅)の基礎工事開始
1914 東京駅が開業
1915 東京ステーションホテルが開業
1923 関東大震災が発生したが東京駅はほとんど無傷
1929 八重洲口を開設
1945 空襲で駅舎が炎上
1947 丸の内駅舎(3階建て)を2階建てとして再建
1949 共同企業体「日本国有鉄道」が発足 
1964 東海道新幹線が開業
1965 みどりの窓口を設置
1972 総武快速線の東京地下駅が開業
1983 北口新自由通路が全面使用開始
1987 日本国有鉄道が民営化
1988 東京ステーションギャラリーが開館
1991 東北・上越新幹線が東京駅まで延伸
1995 中央線重層化新ホームを使用開始
1997 長野新幹線が開業
2003 丸の内駅舎が国の重要文化財に指定
2012 丸の内駅舎が復元(竣工)
2014 東京駅開業100周年

南北のドームが往時の姿でよみがえり、2階建てだった建物も3階建てにもどされ、欠損していた赤煉瓦も復元されました。現在、丸の内地区では、2017年春の完成をめざして「都市の広場」と交通広場の建設がすすんでいます。


東京ステーションギャラリー企画展「東京駅100年の記憶」 >>


このように、実際の物にむすびつけて歴史を理解し記憶することは、たのしく効率的に認識をふかめる方法としてつかえます。情報を言語としてとらえるだけでなく、実際の物にむすびつけて記憶するのがポイントです。


▼ 参考文献
『徹底解剖!東京駅100年 過去 現在 そして未来へ』(JTBの交通ムック) JTBパブリッシング 、2014年12月10日
本書は、東京駅の歴史などについて徹底的に解説していて、鉄道ファンにとって必読の書となっています。


▼「美の巨匠たち」(TV Tokyo)で「辰野金吾『東京駅』」が放送されます。
2015年2月28日(土)22:00-22:30
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/


▼ 関連記事
空間を大観し、局所をほりさげる - スカイツリーと東京駅 -

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国立科学博物館「「シアター36○」(リーフレットから引用)


東京・上野の国立科学博物館のなかにある「シアター36○」(シアター・サン・ロク・マル)に行きました。360度全方位の映像につつみこまれるおどろきの異空間を体験することができました。

「シアター36○」とは、直径12.8m(実際の地球の100万分の1の大きさ)のドームの内側がすべてスクリーンになっていて、その中のブリッジにたって、360度全方位にうつしだされる動画をたのしむ世界初のシアターです。

国立科学博物館・日本館地下1階にあり、博物館への入場料金(常設展料金:一般620円)のみで追加料金なしで見ることができます。 整理券などの配布はなく先着順です。



今回わたしが見たプログラムはつぎの2本でした。

(1)マントルと地球の変動 –驚異の地球内部–
(2)海の食物連鎖 –太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ–

上映時間はのべ約10分とみじかかったですが貴重な体験をしました。とくに、「マントルと地球の変動  –驚異の地球内部–」は印象にのこりました。内容はつぎのようでした。

  • 地球のなかから地球の表面を見ると大陸が移動しています。
  • 海溝では、「プレート」が、地震をおこしながら地球内部にもぐっています。
  • 地球内部のマントルでは「プルーム」とよばれる動きがあります。
  • アジア大陸の下では「コールドプルーム」がおちてきます。
  • 南太平洋やアフリカ大陸の下では「ホットプルーム」が上昇しています。
  • 「ホットプルーム」にのって上昇していくと、地表でマグマになり火山が噴火します。
  • マントルの動きは、大山脈・大断層・海嶺・海溝などのさまざまな地形を生みだします。

宇宙から見た地球や地球の断面図は書籍などでも見ることができますが、地球のなかから地球を見たのは初めてで、まるで自分が地球になったかのような気分になれました。

このシアターの特色は、認識する対象の中に自分が入ってしまうことにあるでしょう。

人間の目は顔の前面についていて前方しか見えないこともあって、わたしたちは何かを認識する場合、自分はこちら側にいて対象はむこう側にあると普通はおもってしまいます。しかし、このシアターではそうではなくて、認識する空間のなかに入りこみ、自分がその空間の一部になってしまいます。

そして、認識する空間が球形にひろがっているということは、自分の意識の場を球形にひろげるきっかけにすることができます。

何かを大観したり観察するとき(情報をインプットするとき)、このような360度全方位の大きな空間を意識することは重要なことです。そうすれば、より多くの情報をまるごとインプットすることができます。「シアター36○」での体験は、みずからの情報処理の仕方を深化させるために応用できるとおもいます。


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スカイツリーにのぼって首都を大観する

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国立科学博物館

博物館は、あるテーマに関して学習したり記憶したりするためにとても役にたちます。今回は、博物館をつかった空間学習法についてのべてみたいとおもいます。

わたしは先日、東京・上野の国立科学博物館の「ヒカリ展」に行き、次の手順で光について学習し記憶しました。 


1. 展示会場の全体構造を見る

まず、会場入り口で音声ガイドをかり、A4版の「音声ガイドリスト&フロアーマップ」(図1)をもらいました。このフロアーマップがとくに役にたちます。

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図1 音声ガイドリスト&フロアーマップ
 

このフロアーマップをよく見て、展示会場の空間的構造を自分の意識のなかにしっかりインプットします。会場全体は「家」、各展示室は「部屋」であるとイメージし、全体と部分をつかむようにします。

この空間(3Dイメージ)が情報の入れ物になります。


2. 展示室をイメージで記憶する

つぎに、フロアーマップを見ながら各展示室をあるいていきます。

それぞれの展示室において、その空間全体をよく見わたし、各展示物がそのなかのどこに置いてあるのか、その位置(場所)を確認します。そして、展示室の空間と展示物をイメージとしてインプットし記憶するようにします

さらに、それぞれの展示物に関する言語による解説をそれぞれのイメージにうめこむように、あるいはむすびつけるようにして記憶します。音声ガイドによる解説も同様に、それぞれのイメージにむすびつけて記憶するようにします。


3. まとめ:フロアーマップをみながら想起する

ひととおり見おわったら休憩所に行って、フロアーマップを見ながら、今あるいてきたルート上の各展示室と展示物をイメージとしておもいだします

さらに、その展示室あるいは展示物にむすびついていた言語による解説もおもいだします。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

もし余裕があれば、入り口でもらった「音声ガイドリスト」のリスト(タイトル/言語)だけを見て、それぞれの展示室と展示物さらに言語的解説をおもいだしてみます。

実際にやってみると、フロアーマップを見ながらの想起の方が、言語リストを見ながらの想起よりも簡単におもいだせることがわかります。つまり、記憶や想起は、言語よりも空間(あるいはイメージ)を第一に利用した方がやりやすいのです。


「音声ガイドリスト&フロアーマップ」はスキャニングして保管しておきます。折にふれてこれを見なおすことにより、そのときの体験や情報をいつでも想起することができます。今回の特別展のテーマに関して継続して学習をしたい場合は、図録を買っておけばいつでも復習ができます。

▼ なお、フロアーマップは下記サイトにもでていました。こちらの方がカラーでわかりやすいです。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/hikari/map.html


以上の手順をモデル化すると図2のようになります。

150216 会場展示室理解
図2 博物館を利用した学習法


展示室や展示物を空間的にとらえ、その空間に言語的解説をうめこんでいくのがポイントです。つまり、すべての情報を位置情報(場所情報)にしてしまい、視覚的に情報を処理するのです。


以上の要点をさらにまとめるとつぎのようになります。

第1に、大局を見ます。大所高所から見るということであり、大観するといってもよいです。今回は、フロアーマップをつかって大局を見ました。

第2に、展示室という局所に入りこみ、イメージングをします。これは歩行という運動がともなう実践的行為です。

第3に、全体をふりかえり想起します。このとき、これまで見てきた情報の統合作用がおこり、全体がまとまります。できればテーマに関する本質をつかみ、それを書きだしてみます(アウトプットします)。今回の場合だと、光の正体であるとか、電磁波の波長とその用途などについてまとめておきます。

以上の要点をまとめると次の三段階にモデル化することができます(図3)。

150116 問題解決の3段階
図3 三段階モデル


博物館の空間を利用した学習法や記憶法は、あまり時間をかけずにしかもたのしく実践することができます。自分の興味のある博物館や企画展があったらすぐに出かけていくのがよいでしょう。


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光について理解をふかめる - 国立科学博物館「ヒカリ展」-




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