発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

カテゴリ: インプット

本多勝一著『実践・日本語の作文技術』の付録ではわかりやすい説明文の書き方について解説しています。ルポルタージュについておもにかたっていますが、説明文を書くときの参考になりますので以下に要約しておきます。

ルポルタージュができるまでには(1)企画、(2)取材、(3)構成、(4)執筆・発表 のプロセスがあります。

企画・取材では、それまでのたくさんな報道で欠けているものは何か。それをさぐるようにします。そして一つの世界にはいりこんで内側から一つの世界を見ていきます。

現場では底辺をくわしく取材すると結果を間違いません。間接情報をつかっていると判断をあやまります。「××村の太郎さん」というように個体識別をして具体的な事実をあつめるようにします。

こうして抽象的なものより具体的なものを書くようにします。

たとえばうつくしい風景があったとして、「きれいだ」といくら書いても相手にはつたわりません。うつくしいと風景が感じさせた材料をそのまま書かなければなりません

いくつもの事実があきらかになった場合、たとえばABCDEという5つの事実があるとすると、5つのなかでもっともおもしろい事実(たとえばD)をくわしく具体的にせまくふかく書くようにします。のこった4つについてはDを補強する形でつかいます。全体で100の説明をするとしたら、その内容の80は一つのことだけを書く。のこりの20で4つのものをかるく書きます。

書き出しについては、もっとも関心の度合いの強い部分にいきなり最初からはいってしまうのがよいです。

どんなものを書くにも立場があります。立場のない立場というものはありえません。

くわしくもっと説明したいということが生じたら本文とは独立に最後に注をつけるとよいです。こうすれば本文の流れを変えないですみます。

表現というものは相手あっての表現だということをわすれてはなりません。


本書ではふれられていませんが情報処理の観点からみると取材とは見たり聞いたりすることであり、インプットにあたたります。作文は書きだすことであり、アウトプットにあたります(図1)。

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 図1 取材はインプット、作文はアウトプット



▼ 文献
本多勝一著『実戦・日本語の作文技術』朝日新聞社、1994年
実戦・日本語の作文技術 (朝日文庫)


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わかりやすい日本語を書くために 〜 本多勝一著『日本語の作文技術』〜

本多勝一著『日本語の作文技術』をつかいこなす - まとめ -


『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』は、(3D眼鏡をつかわないで)多数の図と絵を立体視することをとおして「眼力」を高め、結果として視力も改善できる立体視訓練図版集です

本書では、見るということについてつぎのように解説しています。

目は最も優れた感覚器官です。周囲から受け取っている情報の8割が目から入ってきます。目はまさに情報の正面玄関と言えます。

その目の働きを通常は「視力」としてとらえますが、目の働きの重要な点は、目を通して入った情報を脳で解釈して、知的情報処理能力(略して知能)を発揮することです。

見るということは情報をインプットすることであり、本書をつかって訓練をすれば、このインプットとそれにつづく情報処理の能力を高めることができます。

具体的には、「眼球レベル」での改善と「脳のレベル」での改善がなされます。

立体視では、① 目線を調節して、画像を脳にきちんと届ける段階【=眼球レベル】と ② 脳に届いた画像が立体的に解釈される段階【=脳のレベル】の二段階があります。

第一段階目はインプットの段階、第二段階目はプロセシングの段階ととらえるとわかりやすいでしょう(図1)。
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図1 目で見て知的情報処理をする
(インプット→プロセシング→アウトプットは情報の流れ)


立体視には、交差法(クロス法)平行法(パラレル法)の2種類があります。本書の4-5ページでは、立体視のやり方についてとてもわかりやすく説明しています。

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写真1 立体視には、交差法と平行法の2種類がある

各図の上部に補助点がついていますので2つの補助点が3つに見えるように練習します。補助点が3つに見えたらその状態を保持するようにし、周辺視野をつかって図や絵の全体に意識をくばるようにします。立体視が成立するようになるまで根気よくつづけてみてください。

立体視は、できるようになるまでにはある程度の時間がかかる場合がありますが、一度できるようになると、あとはつぎつぎにできるようになり立体視の世界が大きくひろがっていきます。平面(2次元/2D)よりも立体視(3次元/3D)の方がはるかに情報量が多く、奥深い世界になっていることが体験できます。


▼ 文献
栗田昌裕監修『視力回復トレーニング ミラクル・アイ』辰巳出版、2013年8月25日
視力回復トレーニング ミラクル・アイ (タツミムック)


▼ 関連記事
立体視をして目をよくする 〜 栗田昌裕著『3D写真で目がどんどん良くなる本【動物編】』〜

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往時の姿に復元された東京駅丸の内駅舎

東京駅開業百年記念企画展「東京駅100年の記憶」を見ました(会場:東京ステーションギャラリー、会期:2015年3月1日まで)。

2014年12月、東京駅は開業100周年をむかえました。本展は、1世紀にわたる東京駅の歴史に光をあて、その文化的な意義を再検証しようという企画です。


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ドームの内部


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創建当時の煉瓦の壁


東京駅が開業した1914年、その50年後の1964年、そして2014年の3つの時代を、東京駅を中心とする丸の内地区のジオラマでたどり、あわせて、かつて丸の内に建っていた近代建築に関する資料などを見ることができました。


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東京駅が開業した1914年の丸の内地区のジオラマ


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1964年の丸の内地区のジオラマ


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2014年の丸の内地区のジオラマ


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現在の東京駅の地下構造の模型


東京駅の歴史の概要は以下のとおりです。

1908 中央停車場(のちの東京駅)の基礎工事開始
1914 東京駅が開業
1915 東京ステーションホテルが開業
1923 関東大震災が発生したが東京駅はほとんど無傷
1929 八重洲口を開設
1945 空襲で駅舎が炎上
1947 丸の内駅舎(3階建て)を2階建てとして再建
1949 共同企業体「日本国有鉄道」が発足 
1964 東海道新幹線が開業
1965 みどりの窓口を設置
1972 総武快速線の東京地下駅が開業
1983 北口新自由通路が全面使用開始
1987 日本国有鉄道が民営化
1988 東京ステーションギャラリーが開館
1991 東北・上越新幹線が東京駅まで延伸
1995 中央線重層化新ホームを使用開始
1997 長野新幹線が開業
2003 丸の内駅舎が国の重要文化財に指定
2012 丸の内駅舎が復元(竣工)
2014 東京駅開業100周年

南北のドームが往時の姿でよみがえり、2階建てだった建物も3階建てにもどされ、欠損していた赤煉瓦も復元されました。現在、丸の内地区では、2017年春の完成をめざして「都市の広場」と交通広場の建設がすすんでいます。


東京ステーションギャラリー企画展「東京駅100年の記憶」 >>


このように、実際の物にむすびつけて歴史を理解し記憶することは、たのしく効率的に認識をふかめる方法としてつかえます。情報を言語としてとらえるだけでなく、実際の物にむすびつけて記憶するのがポイントです。


▼ 参考文献
『徹底解剖!東京駅100年 過去 現在 そして未来へ』(JTBの交通ムック) JTBパブリッシング 、2014年12月10日
本書は、東京駅の歴史などについて徹底的に解説していて、鉄道ファンにとって必読の書となっています。


▼「美の巨匠たち」(TV Tokyo)で「辰野金吾『東京駅』」が放送されます。
2015年2月28日(土)22:00-22:30
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/


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空間を大観し、局所をほりさげる - スカイツリーと東京駅 -

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国立科学博物館「「シアター36○」(リーフレットから引用)


東京・上野の国立科学博物館のなかにある「シアター36○」(シアター・サン・ロク・マル)に行きました。360度全方位の映像につつみこまれるおどろきの異空間を体験することができました。

「シアター36○」とは、直径12.8m(実際の地球の100万分の1の大きさ)のドームの内側がすべてスクリーンになっていて、その中のブリッジにたって、360度全方位にうつしだされる動画をたのしむ世界初のシアターです。

国立科学博物館・日本館地下1階にあり、博物館への入場料金(常設展料金:一般620円)のみで追加料金なしで見ることができます。 整理券などの配布はなく先着順です。



今回わたしが見たプログラムはつぎの2本でした。

(1)マントルと地球の変動 –驚異の地球内部–
(2)海の食物連鎖 –太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ–

上映時間はのべ約10分とみじかかったですが貴重な体験をしました。とくに、「マントルと地球の変動  –驚異の地球内部–」は印象にのこりました。内容はつぎのようでした。

  • 地球のなかから地球の表面を見ると大陸が移動しています。
  • 海溝では、「プレート」が、地震をおこしながら地球内部にもぐっています。
  • 地球内部のマントルでは「プルーム」とよばれる動きがあります。
  • アジア大陸の下では「コールドプルーム」がおちてきます。
  • 南太平洋やアフリカ大陸の下では「ホットプルーム」が上昇しています。
  • 「ホットプルーム」にのって上昇していくと、地表でマグマになり火山が噴火します。
  • マントルの動きは、大山脈・大断層・海嶺・海溝などのさまざまな地形を生みだします。

宇宙から見た地球や地球の断面図は書籍などでも見ることができますが、地球のなかから地球を見たのは初めてで、まるで自分が地球になったかのような気分になれました。

このシアターの特色は、認識する対象の中に自分が入ってしまうことにあるでしょう。

人間の目は顔の前面についていて前方しか見えないこともあって、わたしたちは何かを認識する場合、自分はこちら側にいて対象はむこう側にあると普通はおもってしまいます。しかし、このシアターではそうではなくて、認識する空間のなかに入りこみ、自分がその空間の一部になってしまいます。

そして、認識する空間が球形にひろがっているということは、自分の意識の場を球形にひろげるきっかけにすることができます。

何かを大観したり観察するとき(情報をインプットするとき)、このような360度全方位の大きな空間を意識することは重要なことです。そうすれば、より多くの情報をまるごとインプットすることができます。「シアター36○」での体験は、みずからの情報処理の仕方を深化させるために応用できるとおもいます。


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スカイツリーにのぼって首都を大観する

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国立科学博物館

博物館は、あるテーマに関して学習したり記憶したりするためにとても役にたちます。今回は、博物館をつかった空間学習法についてのべてみたいとおもいます。

わたしは先日、東京・上野の国立科学博物館の「ヒカリ展」に行き、次の手順で光について学習し記憶しました。 


1. 展示会場の全体構造を見る

まず、会場入り口で音声ガイドをかり、A4版の「音声ガイドリスト&フロアーマップ」(図1)をもらいました。このフロアーマップがとくに役にたちます。

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図1 音声ガイドリスト&フロアーマップ
 

このフロアーマップをよく見て、展示会場の空間的構造を自分の意識のなかにしっかりインプットします。会場全体は「家」、各展示室は「部屋」であるとイメージし、全体と部分をつかむようにします。

この空間(3Dイメージ)が情報の入れ物になります。


2. 展示室をイメージで記憶する

つぎに、フロアーマップを見ながら各展示室をあるいていきます。

それぞれの展示室において、その空間全体をよく見わたし、各展示物がそのなかのどこに置いてあるのか、その位置(場所)を確認します。そして、展示室の空間と展示物をイメージとしてインプットし記憶するようにします

さらに、それぞれの展示物に関する言語による解説をそれぞれのイメージにうめこむように、あるいはむすびつけるようにして記憶します。音声ガイドによる解説も同様に、それぞれのイメージにむすびつけて記憶するようにします。


3. まとめ:フロアーマップをみながら想起する

ひととおり見おわったら休憩所に行って、フロアーマップを見ながら、今あるいてきたルート上の各展示室と展示物をイメージとしておもいだします

さらに、その展示室あるいは展示物にむすびついていた言語による解説もおもいだします。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

もし余裕があれば、入り口でもらった「音声ガイドリスト」のリスト(タイトル/言語)だけを見て、それぞれの展示室と展示物さらに言語的解説をおもいだしてみます。

実際にやってみると、フロアーマップを見ながらの想起の方が、言語リストを見ながらの想起よりも簡単におもいだせることがわかります。つまり、記憶や想起は、言語よりも空間(あるいはイメージ)を第一に利用した方がやりやすいのです。


「音声ガイドリスト&フロアーマップ」はスキャニングして保管しておきます。折にふれてこれを見なおすことにより、そのときの体験や情報をいつでも想起することができます。今回の特別展のテーマに関して継続して学習をしたい場合は、図録を買っておけばいつでも復習ができます。

▼ なお、フロアーマップは下記サイトにもでていました。こちらの方がカラーでわかりやすいです。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/hikari/map.html


以上の手順をモデル化すると図2のようになります。

150216 会場展示室理解
図2 博物館を利用した学習法


展示室や展示物を空間的にとらえ、その空間に言語的解説をうめこんでいくのがポイントです。つまり、すべての情報を位置情報(場所情報)にしてしまい、視覚的に情報を処理するのです。


以上の要点をさらにまとめるとつぎのようになります。

第1に、大局を見ます。大所高所から見るということであり、大観するといってもよいです。今回は、フロアーマップをつかって大局を見ました。

第2に、展示室という局所に入りこみ、イメージングをします。これは歩行という運動がともなう実践的行為です。

第3に、全体をふりかえり想起します。このとき、これまで見てきた情報の統合作用がおこり、全体がまとまります。できればテーマに関する本質をつかみ、それを書きだしてみます(アウトプットします)。今回の場合だと、光の正体であるとか、電磁波の波長とその用途などについてまとめておきます。

以上の要点をまとめると次の三段階にモデル化することができます(図3)。

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図3 三段階モデル


博物館の空間を利用した学習法や記憶法は、あまり時間をかけずにしかもたのしく実践することができます。自分の興味のある博物館や企画展があったらすぐに出かけていくのがよいでしょう。


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光について理解をふかめる - 国立科学博物館「ヒカリ展」-




東京・上野の国立科学博物館で開催されている特別展「ヒカリ展」を見ました(会期:2015年2月22日まで)。光をテーマに、「宇宙と光」「光の科学」「地球と光」「人と光」の展示・解説があり、とてもたのしめました。

ヒカリ展 >> 

150206 ヒカリ展
音声ガイドリストとフロアーマップ 


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宇宙と光


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天文 光マップ


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光とは何か?〈光マップ〉(光の科学) 


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アイザック=ニュートン著『光学:反射、屈折、光の伝播と色について』
ロンドン、1704年(初版)


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アンモライト


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光の生命史年表


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光るシルク


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あかりとしての光


これらのなかで中核となる展示は「光の科学」でした。とくに「光マップ」はとてもわかりやすく、これを理解したうえで、ほかの展示を見ると一層理解がすすみます。

光とは何か? その正体をさぐる歴史はふるく、古代ギリシアの時代から議論されてきました。

光は粒子なのか、それとも波なのか、その正体がわかったのはつい100年ほどまえです。20世紀前半に、光は波であり、かつ粒子であることが確立し、あたらしい物理学の世界観がきずかれました。

光とは、通常は、わたしたちの目に見える光つまり可視光をさしますが、ひろい意味では、可視光よりも波長が長い赤外線や電波、反対に波長が短い紫外線やX線やγ(ガンマ)線をふくむ電磁波を総称します

すなわち、わたしたちの目には電磁波のなかの一部が見えているということです。


わたしたちは、光を目でうけて、非常に多くの情報をとりいれています(図1)。

150216 光
図1 光をとおして情報がインプットされる


光をとおしてつまり視覚によりインプットされる情報量は、ほかの感覚器によってえられる情報量よりも圧倒的に多いため、光をつかった情報処理は情報処理のなかででもとくに大きな役割をはたしています。光は、空間を認識することを可能にし、またイメージをえがくための基礎にもなっています。

光について注目し理解をふかめることは、情報処理をすすめるうえでも重要なことです。このようなことも自覚できる特別展でした。


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光をつかって情報処理をすすめる
博物館の空間をつかって学習し記憶する - 国立科学博物館の「ヒカリ展」-
光を知り、光をつかいこなす -『光の科学』(ニュートンプレス)-



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東京スカイツリー

東京スカイツリーに行ってきました。首都・東京を大観(鳥瞰)することができました。展望所は、下の展望デッキ(350メートル)と上の展望回廊(450メートル)の2ヵ所あって、最上階の展望回廊からのながめは特に格別でした。

大観とは、情報処理の観点にたつと、情報をまるごと一気にインプットすることにあたり、これは、インプットのなかでも特に基本的な方法です(図1)。情報をインプットしようとおもったら、まず大観をするのがよいです。

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図1 大観して情報をインプットする


わたしは、展望デッキと展望回廊を1周ずつまわって終わりにはせずに何回もぐるぐるまわって、360度の全方位から連続的に風景をながめ、周囲の空間全体をまるごと心のなかにきざみこむようにしました。大観するときには、中心視野だけでなく周辺視野も十分につかって視野全体で見ることが大切です。


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富士山〜新宿方面


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隅田川


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東京湾方面


展望回廊をぐるぐるまわりながら風景を連続的にみていると、空間情報として風景がとらえられ、空間そのものを体験することができます。このときに、東西南北の方位を確認し意識すると、心のなかにひとつの場がひろがりやすくなります

大観とは、全体をまるごとインプットしてしまう方法であり、それは、局所情報を蓄積して時間をかけて全体を知るという方法とはまったくことなります。わたしは今回、記念として写真をとりましたが、写真をとるのが目的ではありません。写真にうつっている範囲は全体のなかの部分であり、写真は、空間からある部分をきりだした断片でしかありません。


そして、帰宅してからは、Googleマップと Google Earth をつかって地名と位置を再確認しました。これで、心のなかに地図をもつことができるようになり、東京の見通しが一気によくなりました。


スカイツリーの展望デッキまでは大人(当日券)2060円です。その上の展望回廊までいくには、展望デッキまでまず行って、そこにあるチケット売り場で展望回廊の当日入場券(大人1030円)をあらためて買って上にのぼります。

スカイツリーに行ったら、是非、遠望デッキあるいは展望回廊をぐるぐるまわって、日本の首都を大観してみてください。


東京スカイツリー >>
展望台チケット >> 


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空間を大観し、局所をほりさげる - スカイツリーと東京駅 - 

Mac でも Kindle 電子書籍が読めるようになりました。

Amazon.co.jp は、Windows むけの「Kindle for PC」にひきつづいて、Mac むけの電子書籍リーダー「Kindle for Mac」(無料アプリ)を公開しました(注)。これで320万冊以上ある Kindle 電子書籍が Mac でも読めます。 

本文検索、辞書参照、ハイライト、ほかの端末との動機などさまざまな機能がつかえ便利です。

電子書籍の世界はこれから急速にひろがっていくでしょう。

本多勝一著『日本語の作文技術』の〈付録〉では「メモから原稿まで」と題して、取材とその記録、原稿用紙のつかい方などに関して補足説明をしています。

本多さんは、取材の記録をつけるメモ帳としては大学ノートをつかっているそうです。そして大学ノートから、原稿のために必要な部分をひろいだして整理するときにはカード(京大式カード)をつかっています。

こうした取材とその記録が、原稿の作成すなわち日本語の作文の基礎になります。作文の腕をあげるためには取材とその記録(メモ)の訓練も必要です

* 

本書ではのべられていませんが、取材をしてメモするという行為は人がおこなう情報処理の過程になっていることを本項では強調しておきたいとおもいます。情報処理とは<インプット→プロセシング→アウトプット>のことです。

まず、外界(環境)に存在するある対象に関心をはらうと、それに関する情報が自分の意識のなかにインプットされます。これが取材するということです。すると、その情報は、自分の意識のなかで処理(記憶や編集や加工など)されます(プロセシング)。そしてその結果をメモ(言葉)としてアウトプットします(書きだします)。以上の情報処理をモデル化すると図1のようになります。

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図1 情報処理の仕組み
 

本多さんの場合は、大学ノートにペンをつかってアウトプットしています。メモすることはアウトプットのひとつの様式であることに注目してください。メモもアウトプットの一種である以上、メモの訓練は日本語の作文の訓練にそのままつながります。作文(原稿を書くこと)もアウトプットの一種です。メモがよくできる人は作文もうまくなります。


本多さんは原稿用紙やペンについても説明していますが、現代では、原稿用紙とペンはパソコンにおきかわりました。原稿用紙とペンがパソコンにおきかわったという点に注意してください。本項での情報処理の観点にたつと、情報処理をおこなうのはあくまでも人であり、パソコンではありません。つまりパソコンの画面をみながらキーボードをうつ作業を、パソコンへのデータの入力としてとらえるのではなく、原稿用紙とペンをつかってするように、自分の内面から情報をアウトプットしているという意識をもってしなければなりません。

メモであれ原稿であれ書くということは、自分自身の心のなかで処理された情報を外界にアウトプットしていることにほかならず、パソコンはそのための単なる道具にすぎません


このような情報処理の仕組みを理解する、本多さんのつぎの説明も理解できるのではないでしょうか。

いったんメモされたものは調査者の主観の結果であることをのがれられないのです。ということは、どんなに機械的な羅列でも、報告されたものは報告者自身の反映であり、報告者と報告されたものとの関係の告白にほかならない。

つまり、アウトプットされたメモ(言葉)はいかなる場合であっても、自分の意識(内面)を通りぬけて独自に処理された情報であるのであって、主観の結果であることをのがれることはできません。したがって、報告されたもの(アウトプットされたもの)は、自分の心の内面における独自の情報処理を反映したものであり、自分と対象との関係(反応)があらわれた結果にほかなりません(図2)。

150201 取材とメモ
図2 対象、情報処理、メモ


言葉で説明されるとむずかしいかもしれませんが、図2のような仕組みが要するにあるということです。<インプット→プロセシング→アウトプット>は情報の流れをあらわしています。取材の練習をするときにこのモデルが役立つとおもいます。



▼ 文献
本多勝一著『日本語の作文技術』(朝日文庫)1982年1月14日
日本語の作文技術 (朝日文庫)

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日本語を書いてアウトプットする
わかりやすい日本語を書く - 本多勝一著『日本語の作文技術』-
わかりやすい日本語を書くために 〜 本多勝一著『日本語の作文技術』〜
読点を完璧につかいこなす - 前著の応用・実戦編 - 〜『実戦・日本語の作文技術』〜
助詞をつかいこなす(1) - 題目を表す係助詞「ハ」(『日本語の作文技術』第六章)-
助詞をつかいこなす(2) - 対照の係助詞「ハ」(『日本語の作文技術』第六章)-
助詞をつかいこなす(3) - マデとマデニ(『日本語の作文技術』第六章)-
助詞をつかいこなす(4) - 接続助詞の「ガ」(『日本語の作文技術』第六章)-
助詞をつかいこなす(5) - 並列の助詞(日本語の作文技術』第六章)-
情報のひとまとまりを段落にする - 『日本語の作文技術』第七章 -
無神経な文章は書かない - 本多勝一著『日本語の作文技術』第八章 -

本多勝一著『日本語の作文技術』をつかいこなす - まとめ -


Amazon.co.jp は 2015年1月21日に、Windows 用 電子書籍閲覧ソフト「Kindle for PC」日本語版の提供を開始しました。これで、Kindle 電子書籍がPCでも読めるようになりました。ただし、Mac OS X にはまだ対応していません。

今までは、スマートフォンでは画面が小さくて読みにくかったり見にくかった電子書籍が、PCの大きな画面で読めるようになりました。今後は、スマートフォンとPCがあれば、タブレットはかならずしも必要はなくなるのではないでしょうか。


スマートフォンで読みはじめた本の続きをPCで読むなど、いつでもどの端末からでも、前回よみおえた箇所から読書を再開できます。

また、電子書籍の本文中にマークしたハイライト一覧などは、サインインすれば、下記ウェブサイトでも見ることができます。



電子書籍市場は着実に成長をつづけていて、2013年度には市場規模が1000億円をこえ、今後も伸び続けると予測されています(読売新聞)。現在、Kindle ストア 日本語版では約30万冊の和書をとりあつかっているそうです。

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写真1 国立民族学博物館のアメリカ展示

国立民族学博物館のアメリカ展示では、南北アメリカ大陸全体の多様性を、自然環境と民族の観点から展示していて、多様性を大観できる構成になっています。

アメリカといえばアメリカ合衆国(USA)をすぐにおもいうかべますが、ここは、USA の展示をしているのではありません。


まず、自然環境が多様です。 

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写真2 アメリカの多様な自然環境

砂漠、草原、熱帯雨林、氷雪地帯など、アメリカ大陸にはじつに多様な自然環境がみられる。その理由のひとつは、アメリカ大陸が赤道をはさんで、北は北極ちかくまで、南は南極ちかくまでひろがる広大な地域だからである。もうひとつの理由は、アメリカ大陸を南北に長大な山脈が走っているからである。その代表的な地域がアンデス山脈で、緯度の低い地域では山麓の熱帯雨林地帯から氷雪地帯まで高度によってさまざまな自然環境がみられるのである。


このような多様な環境に適応するために、各民族は、それぞれに衣服を開発しました。

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写真3 さまざまな民族の衣服

アメリカ大陸の北から南に至る広大な地域の異なる環境に適応するため、人びとはさまざまな種類の衣服を作り出してきた。環境の違いや利用できるもののちがいが衣服にも反映している。

たとえば、イヌイットは、野性トナカイの毛皮をつかって衣服をつくりました。毛皮は、防寒性と保温性にすぐれていて、零下30度以下の寒さから身をまもることができるそうです。その他、大平原地域にすむクローの革製の衣装、高地マヤの衣装、アンデス高地の衣装など、実にさまざまでした。衣装は、それぞれの自然環境を反映しています。


また、トーテムポールもありました。

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写真4 トーテムポール

これは、北アメリカの北西海岸先住民が巨木をつかってつくった木柱であり、祖先の功績をたたえる記念柱、死者を安置する墓柱、家の前に立てる入口柱、家のなかの家柱などです。

その他、「出会う」「食べる」「祈る」「創る」などの展示でも多様性を見ることができました。 


このように、アメリカ展示は、アメリカの多様性を大観できる仕組みになっています。大観という方法は、全体(大局)を一気に見る方法であり、対象のすべてを大きくとらえる方法です。要点だけを見る「飛ばし見」や「拾い見」ではありません。要約あるいは分析ともちがう方法です。

多様性とは、大観することによってこそわかることです。国立民族学博物館のアメリカ展示は、大観し、多様性を知るために適した展示だとおもいました。


国立民族学博物館 >>

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ヨーロッパのパンの数々(国立民族学博物館、ヨーロッパ展示)

国立民族学博物館のヨーロッパ展示でパンを見つけました。とてもおいしそうでした。もちろん模型ですが。

パンは、麦作を生業の中心としてきたヨーロッパではもっとも基本的な食べ物の一つです。

* 


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酪農にかかわる道具の数々(国立民族学博物館、ヨーロッパ展示)

その裏側にまわってみたら、酪農に関係する道具の展示がありました。

酪農(牧畜)は、ヨーロッパの農業の重要な一部分をなしています。牛・羊・豚を中心に、その乳と肉が利用され、特に乳は、バターやチーズに加工され、人々の日常的な食物のひとつになっています。

* 

これらのパンと酪農の展示から、ヨーロッパの農業は〔麦作+牧畜〕つまり半農半牧であること、そして、麦作農業からパンが生まれ、牧畜(酪農)からバターとチーズが生まれることを、展示物にむすびつけて理解し記憶できました。

そして、パンに、バターをぬってたべているヨーロッパ人の姿を、リアルに想像することができました。

具体的な物にむすびつけて理解し記憶し、そして、そこでは見ることはできないことでも想像してみることは大切なことです。博物館のなかをあるくたのしみのひとつは、自由に、想像をふくらませることができる点にあります。

『地図と写真から見える! 日本の街道 歴史を巡る!』は、日本全国のほとんどの街道を、約100枚の現代地図や絵図で紹介した本です。街道別(ルート別)の国内旅行ガイドとしてつかえます。東海道・中山道・甲州街道がわかる 40cm×50cm の巨大マップもついています。

普通の旅行ガイドは地域別(エリア別)になっていますが、これは街道というルート別になっているのが最大の特色です。

ルートとは道であり、たどっていく線です。そこには流れがあり、物語が生まれ、歴史の想像がふくらみます。本書で、気にいったルートをたどってみるとおもしろいです。

たとえば、甲州街道は、「家康がつくった避難ルートであり、江戸城からの逃げ道」だったそうです。甲州街道は、江戸城の裏門といわれている半蔵門からはじまります。ルート上には、さまざまな安全策がとられていました。

また、長崎街道は、「江戸に大陸文化を運んだ街道であり、鎖国中に開かれた異文化交流の道」でした。別名「シュガーロード」とよばれ、江戸時代は大変貴重だった砂糖を運搬しました。街道沿いでは、カステラからはじまり、ヨウカン・丸ボーロ・千鳥饅頭・金平糖などの砂糖をつかったあまい菓子がつくられるようになりました。

第5章では、江戸時代の旅の持ち物も解説してあり、現代の旅行でも参考になります。

このように、本書は、従来の旅行ガイドとはちがう視点をおしえてくれる本です。興味のある街道があったら、実際に旅行してみるとあらたな発見がきっとあるとおもいます。

さらにおもしろいのは、本書を大観すると、たくさんのルートがあつまってネットワーク(街道網)をつくっていることが見えてきます。ネットワークがつくりだす日本列島の大きな空間がとらえらます。

線があつまりネットワークになると、その世界は空間になります。一次元が二次元・三次元になるのです。この次元が高くなるおもしろさも味わってみるとよいでしょう。


▼ 文献

スマートフォンが普及し、イヤホンで音楽をたのしんでいる方も多いとおもいます。たとえば、最近発売された iPhone 6 & 6 Plus は音質がとてもよく、よくできたイヤホンをつなぐだけで高品質な音楽をいつでもどこでもたのしむことができます。

今回、ご紹介するのは、オーディオテクニカのイヤホン“ATH-IM01”です。

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屋外で、あるいは旅行先でつかうのにベストなイヤホンのひとつです。iPhone 付属のイヤホンよりもはるかに音質がいいです。わたしは、出あるいたときにはいつもこのイヤホンをつかっています。

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このイヤホンは、低音から高音までの音のバランスがよく、聞きづかれしにくいのが最大の特色です。解像度も高く、明瞭な音をならしてくれます。曲によっては低音がたりないと感じることがあるかもしれませんが、その場合は、イヤピースをしっかり耳にフィットさせ、隙間がないようにすると低音がでます。

ケーブルは耳かけ式で、耳にかける部分にはワイヤーが入っています。ケーブル自体は、通常のイヤホンのものよりも太くて丈夫で、屋外でのハードな使用にたえられる設計になっています。ケーブルから生じるノイズ(タッチノイズ)はほとんどありません。イヤホン本体のR側のコネクター部分が赤くなっていて、左右の判別がしやすいのも便利です。

持ちはこび用の専用セミハード・ケースが付属しているのもよいです。普通のイヤホンは巾着袋のようなものがついているだけです。

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まとめ
  • 音のバランス、音質が非常によく、聞きづかれしにくい。
  • ケーブルからくるノイズがない。
  • 屋外での使用にベストなイヤホンのひとつ。

わたしは、これまで数々のイヤホンをためしてきましたが、このイヤホンは、あきらかに、スマートフォンを意識した設計になっています。iPhone などをつかって、屋外で音楽をたのしむ機会が多いのでしたらこのイヤホンがいいとおもいます。
 



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オーディオテクニカのイヤホンで音楽をたのしむ

地球の歩き方 A01 ヨーロッパ』は、最後のページまで一気に見てしまった方が大局がとらえられます。本書は、大局をとらえるためのトレーニング教材としても有用です。大局がとらえられると、各国情報はその大局のなかに配置されて理解されます。

もし、これを、長い時間をかけて、細部や局所を確認しながらゆっくり読んだとすると、それぞれの国についての詳細はわかるかもしれませんが、ヨーロッパの全体像をつかむのはむずかしくなります。全体像をつかもうとすると、ひととおり情報をえたのちに、頭の中でそれらをつみあげて全体をあらためて構築しなければなりません。

ゆっくり読むよりも、一気に見てしまい大局や構造をとらえて、そのうえで、行きたい国については、今度は、くわしく細部をしらべるという方法の方が効果的です。

これは、たとえてみるならば、ヨーロッパ全体を「家」とみなし、それぞれの国を「部屋」とかんがえて、まず「家」の全体構造をつかんでしまって、それから、どこかすきな「部屋」に入っていくという方法です。実際、ヨーロッパ世界はひとつの「家」のようなまとまりをもっています。


このように、短時間で一気に見ると大局がつかめます。一方で、時間をかけてゆっくり読むと詳細がわかります。短時間で大局をつかむことは、大きな「家」(大きな空間)の全体をとらえることであるのに対し、長い時間をかけて細部(局所)をとらえることは、小さな「部屋」(小さな空間)をくわしく知るということです。

したがって、つぎの対応関係がうかびあがってきます。

短時間:大局
長時間:局所

『地球の歩き方』で大局を見てから、旅行にでかけて、どこかの国に入っていくということは、局所に入りこんでいくことであり、これには実際に時間がかかります。

旅行とはかぎらずにどのような行為でも、短時間で大局をとらえたら、つぎに、どの部分に時間をかけてじっくりとりくむかということが問題になります。その部分(局所)を選択するためにも、大局をつかんでおくことが役立ちます。


ガイドブックを見たうえで、旅行をしながら実際に現地をあるいてみることは、それまでとはまったくちがったあらたな異質な理解をもたらすでしょう。ヨーロッパの大局的理解と現地での局所的理解という、ことなる情報処理の仕組みを併用することになるのです。



下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の67ページから引用したものです。大きな円と小さな点のならび方はどうでしょうか。

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大きな円も小さな点も、どちらもうねっているように見えないでしょうか。

実は、5つの点は、直線上にあります。これは、錯視の一種です。大きな円にひきずられて、点の位置をあやまって知覚したのであり、この錯視を「重力レンズ」というのだそうです。わたしは、「重力レンズ」を本書を見てはじめて知りました。おもしろいですね。

わたしたちは、知らず知らずのうちに、大きな情報にひっぱられて、個々の情報を位置づけてしまっているのかもしれません。

この錯視を修正するための方法としては、座標系をつかうことがかんがえられます。X軸、Y軸を設定し、それぞれの値を特定すれば、本当の配列をつかむことができます。これは、数学やサイエンスに通じていく話であり、空間を正確に把握するやり方です。

たとえば、情報処理のために地図を利用するということは、このような方法にあたります。

対象をパッと見るだけではなく、その空間配置を正確にとらえ確認することはとても大切なことです。


▼ 文献

下の写真は、杉原厚吉著『錯視図鑑』の29ページから引用したものです。上のバナナと下のバナナとで、どちらが大きいでしょうか。

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下の写真③の2本のバナナは、上の写真②の2本のバナナの上下を入れかえておいたものです。バナナの先っぽにある黒い筋に注目してください。

どちらの写真でも、下のバナナの方が大きく見えるのではないでしょうか。これは、 錯視の一種です。

わたしたちは普段は気がつきませんが、このような錯視あるいは錯覚を、意外にもしているのではないでしょうか。事実を、ありのままに観察することはむずかしい場合があります。

しかし、これを目視だけにたよらずに、それぞれのバナナの長さを計測したり、体積を計算したり、あるいは、重量をはかってみれば、このような錯覚を修正することができます。長さや体積や重量に関する情報を取得することは、より一歩ふみこんだ情報収集になります。これは、いわゆるサイエンス(科学)の方法に通じます。サイエンスには基本的に定量性を重視する姿勢があります。

目で見て観察したのちに、必要に応じて、定量的データを得るということはしばしば有用です。このことは、食料品などを買うときに役立つことは言うまでもありません。


▼ 文献

杉原厚吉著『錯視図鑑』は、たくさんの図や写真がでていて、錯視を実際に体験できるとてもおもしろい図鑑です。錯視とは、事実とはちがって見える現象であり、本当に不思議です。まずはたのしんでください。

第1章「錯視とは」では、わたしたち人間の視覚と錯視についてわかりやすく説明しています。

私たちの目に外から届く光は、網膜で画像としてとらえられる。(中略)眼は光の分布を検出するセンサーであり、網膜像はその検出結果である。

次に、この画像は脳へ送られる。そして、脳で、その画像が解釈されて、目の前の世界がどういう状況なのかが判断される。

外の世界は三次元の広がりをもっているのに対して、画像は二次元であるから、情報が欠落しており、解釈の可能性は一つとは限らない。(中略)ここで解釈を間違えると、事実とは違ったように見える。これが錯視である。だから、錯視は脳が作り出していると言ってよい。

この説明を、情報処理の観点から整理すると、わたしたちの目に光がとどき、網膜でそれを、二次元画像としてとらえることは、インプットにあたります。

次に、脳で、画像を解釈することは、プロセシングです。

わたしたちは、このような、インプットとプロセシングにもとづいて、はなしたり書いたりといったアウトプットをしています。

インプット→プロセシング→アウトプット

したがって、錯視や錯覚がおこるということは、プロセシングで、情報処理のエラーがおこるということであり、プロセシングにエラーがおこると、おのずと、アウトプットも間違ってしまうことになります。事実とはことなる間違ったアウトプットはさまざまな誤解や混乱を生みだします。

もうひとつ重要な点は、目の網膜にうつる画像は二次元ですが、脳の情報処理によって、それを三次元にしているということです。脳は、たりない情報をおぎなって全体像をつくりだしているのです。具体的には奥行きをつくりだします。

このような情報処理については、へたな理論書を読むよりも、このような図鑑をつかって、みずから実体験した方がわかりやすいです。本書をつかって、実際に錯視を体験していると、自分の意識のなかで情報処理がおこっていることを自覚することができます。正確な情報処理をおこなうためには、錯視の問題をさけて通ることはできないこともわかってきます。


▼ 文献
杉原厚吉著『錯視図鑑』誠文堂新光社、2012年7月31日
錯視図鑑―脳がだまされる錯覚の世界


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東京国立博物館(庭園より撮影)


東京・上野の東京国立博物館で開催された「日本国宝展」を先日みました。

東京国立博物館「日本国宝展」 >> 

仏足石からはじまり、仏像、土偶、文学など、日本美術の圧縮体験をすることができました。日本美術を短時間で概観してみると、やはり日本は仏教文化を基軸にした国だということがよくわかりました。

141204 日本国宝展


個人的に印象にのこったのは、平安時代(12世紀)にえがかれた掛け軸装の絵画作品「虚空蔵菩薩像」(こくうぞうぼさつぞう)(東京国立博物館蔵)でした。奥行き20センチメートルの薄型ケース内に、また、通常よりもひくい位置に展示されてあったため、繊細精緻な文様や微妙でうつくしい色づかい、金箔の線などを細部まで間近で見ることができました。

「金箔のみ、銀箔のみ、金と金の間に銀を挟み込んだもの、というように色味の違う截金を、全体の描写の中でかなり意識的に使い分けたり、組み合わせたりしている」とのことでした。

この、東京国立博物館蔵の虚空蔵菩薩像を撮影した写真は Wikipedia にでていました。
東京国立博物館蔵の虚空蔵菩薩像 >>

虚空蔵菩薩とは、広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲を持った菩薩であり、記憶力をさずける菩薩として信仰されてきました。

わたしは、今回は、この虚空蔵菩薩を中核にして、展示品リスト・フロアーマップ・音声ガイドを利用して、空間記憶法を実践しました。

各展示品を、おいてあった場所で記憶するのがポイントです。展示品リストとフロアーマップは、インデックス(体験想起のための手段)としてファイルしておきます。 


▼ 参考文献
Amazon:仏像の事典

『梅棹忠夫 語る』の第三章「メモ/スケッチと写真を使い分ける」では、つぎのようにかたっています。

フィールド・ワークの補助手段としては、写真よりも絵のほうがずっといい。その場でシューッと線をひいて、欄外にメモが書きこめるから 。

説明するのに図示というのは非常に大事なこと。絵で描いてわかるように示す。 

絵(スケッチ)の意義についてのべています。絵やスケッチは、イメージと言葉をむすびつけた記録法です。言葉で書いているよりも、スケッチの方がはやいことはしばしばあります。

スケッチは、現在では、紙のノートをつかわなくても、iPhone や iPad でできます。いいタッチペン(スタイラスペン)も発売されています。

「最速メモ」(App Store/無料)のような、スケッチができるアプリが何種類もあります。iPad でしたら、“Paper by Fifty Three” というアプリをおすすめします。とても便利で、わたしはいつもつかっています。基本機能だけでしたら無料です。App Store からダウンロードできます。

Paper by Fifty Three >>

つぎに、写真のとり方についてのべています。

写真の秘訣は一歩踏み込め、だ

急ぐときと、おおまかな全体的印象をつかむのは、写真がええ。それに対して細部の構造を見るのはスケッチやないとあかん。

写真とスケッチとをつかいわけることをおしえています。現代でしたら、スマートフォンあるいはタブレットをもちあるいていれば、写真にもスケッチにも自在に対応でき、記録がファイルとして保存され、すぐにつかえる状態になります。便利な時代になりました。



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