しりたい、つたえたいという気持ちが大事です。情報の流れを重視します。すぐに反応します。
NHK ラジオ英会話、今月のテーマは「会話の重要な流れ(フロー)」です。





Lesson 21 理由・原因のフロー①  due to、 because of、 thanks to ほか

She had to leave work early due to a family emergency.

due は「借りがある」ということです。「借りがある」は、お金を支払う義務を「負っている」ということであり、due の「原因」のつかいかたはこの「負っている」からうまれます。




Lesson 22 理由・原因のフロー②  That’s because ~、 That’s why ~、 reason のフレーズ

It’s because it’s not plugged in.

ある事態をさしてその理由・原因をつたえる意識です。




Lesson 23 結果のフロー①  so、 therefore など

I didn’t use sunscreen, so I got burned.

so(だから)は「結果」をあらわす重要な接続詞です。イメージは「矢印(→)」です。




Lesson 24 結果のフロー②  as a result of、 consequently、 accordingly

As a result of our hard work, we finished the project ahead of schedule.

「結果のフロー」は、result(結果)を使って直接あらわすこともできます。




Lesson 26 結果のフロー③  to 不定詞が表す結果

I got to the check-in counter only to find out that French citizens need a visa.

「結局こうしたことになりました」──出来事の結果を文にそえます。




Lesson 27 目的のフロー①  so、 in order that

Last night, she stayed at work late so she could complete the report.

so のイメージは「矢印(→)」です。




Lesson 28 目的のフロー②  to 不定詞で目的を表す

I’m going to London to buy some suits.

「目的のフロー」は to 不定詞であらわすこともできます。




Lesson 29 譲歩のフロー① 引いて押せ

It may look easy, but it’s really difficult to make the omelet soft.

譲歩の表現は「引いて押す」呼吸です。自分がやってしまったことや一般的な印象などを一度ひいてみとめ、そのあとで持論を展開する流れです。自分の意見を直接のべるよりも公正さを感じさせ、信憑性が意見にやどります。




Lesson 31 譲歩のフロー② 変わらないよ

I understand it’s a holiday. All the same, we need you to come to work.

「変わらないよ」 が意味の中心にあります。




Lesson 32 譲歩のフロー③ 逆向きの力

We went there in spite of the bad weather.

spite は「悪意」です。何か・誰かを傷つけようとする意志のことであり、そこから、「事の成就を妨げる逆向きの力=逆境」を感じさせる表現となります。




Lesson 33 譲歩のフロー④  wh 語を使った譲歩

However hard I tried, I couldn’t open it.

ever は「どれをとってもいい」と選択を最大限に開く単語であり、程度をあらす how とむすびつけば however(どれほど~しても)となります。




Lesson 34 譲歩のフロー⑤  whether、 if を使った譲歩

Whether you like it or not, you have to do it.

譲歩のフローには、おなじみの接続詞をつかうこともできます。この文の whether ~( or not)は二択をあらわします。




Lesson 36 条件設定のフロー①  if の価値

If you carry on like this, I’ll have to kick you off the team.

この文で、 if の意図は「圧力(プレッシャー)」です。




Lesson 37 条件設定のフロー② 否定的条件設定

If she doesn’t get down here in time, I’m leaving.

「もし~なら」には なれていても、「もし~しなかったら」と否定的な条件には なれていない学習者は多いです。




Lesson 38 条件設定のフロー③ 条件の周りにある表現  just in case、 as long as

I’ll go with you just in case.

何かこのましくないことがおこる可能性を見すえ、それに「備えて」 ということです。




Lesson 39 条件設定のフロー④ さもないと

Otherwise, we’ll probably both catch a cold.

-wise は way(道)を表す語尾です。otherwise の意味は「別の方向」ということであり、そこから「そうでなければ」となります。










ラジオ英会話の今年度の目標は会話のフロー(流れ)をつくりだすことです。会話とは、相手からメッセージをうけとり、みずからのメッセージを相手へわたす一連の流れです。その過程で、どういった意図でその言葉がつかわれているのかまでを理解することで、その会話における価値を手にいれることができます。

たとえば「譲歩の表現」では、「引いて押す」呼吸を練習します。相手からの情報をまずうけとめ、そしてみずからの情報を相手につたえます。実際に会話をするときには大事なことです。

実際の会話をしている最中は、自分の言葉が文法的にただしいかどうかをかんがえている余裕はほとんどありません。要するに相手は何をいいたいのか、要するに何をつたえたいのか、しりたい、つたえたいという気持ちのほうが重要です。

今年度から、テキストで、「大西泰斗のよくわかる中学英文法」の連載がはじまりました。今月号には、つぎの説明もありました。


ちなみに「三単現 -s」をつけなかったら何が起こるの?  何も起こりません(^-^)。意味を誤解されることも、たぶん訂正されることもありません。三単現の -s は意味には関係ないクセの問題だから。でも、あんまり間違っていると「基本的な文法をわかってないんだな」と思われるので、 練習しておいたほうがいいですよ。


まったくそのとおりであり、実際には、「三単現の-s」をつけわすれても通じます。このような、学校ではおしえられない本当のことを説明しているのも NHK ラジオ英会話のおもしろいところです。

英語にはかぎらず何語でも、現地の人とはなしてみると、文法的に多少まちがっていても結構つうじてしまいます。おそれることはありません。むしろ、「文法が・・・」などとむずかしくかんがえていると会話ができません。あまりこまかいところにはとらわれずに流れを大事にします。文法は、帰宅してから確認すればよいでしょう。

流れをたやさないためには、とにかく反応することです。反応がよいほど情報が流れます。そのためにはやはり、単語やフレーズをたくさんおぼえておいたほうがよいです。今月の講座が役立ちます。

相手の言葉をうけとることをインプットとすると、反応とはプロセシングの問題です。反応のよい人ほど情報の処理速度がはやく、処理能力がたかいといえます。処理速度は情報処理における重要なポイントです。いわゆる仕事ができる人は例外なく反応がいいです。最初はゆっくりでよいですが、練習をしながら加速をこころがけるとよいでしょう。情報の流れがよくなると心のなかがすっきりするという効果もあります。



▼ 関連記事
場面を想像する - 会話の流れを作る「基本接続詞」(NHK ラジオ英会話, 2020.04)-
イメージをつかって練習する -「イメージガイダンス」(NHK ラジオ英会話, 2020.05)-


▼ 参考文献

▼ 関連教材
2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。

本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。

▼ 関連教材
2019年度の復習をしたい人、2019年度の番組をきけなかった人のために!