イメージをつかって直観的に理解します。言葉や理屈だけにたよるのはよい方法ではありません。イメージを言葉にしてアウトプットします。
NHK ラジオ英会話、今月はイメージ学習の最終月です。限定詞・助動詞・時表現などを学習しています。





Lesson 181 限定詞 the のイメージ

You are the only girl I’ve ever loved.

the は「1つに決まる」 をあらわす限定詞です。「唯一の・最初の」なら「1つに決まる」はずです。1つに決まるのでなければ、only にも the はつきません。「Junko is an only child.」




Lesson 182 限定詞 the の「ピン!とくる共通のイメージ」

Do you prefer the city or the country?

the の「1つに決まる」は「ああアレかとわかる」にもつながります。それが、「誰もがああアレかとピン!とくる共通のイメージ」 をとらえるつかい方にひろがります。この文の the city からは、にぎやかな通りがあり、ビルが林立する典型的な「都会」が、the country からは、牧歌的で景色のひらけた誰もがおもいえがく「田舎」が想像されます。




Lesson 183 「別のモノ」をどう表現するか:another、the other、the others、others

Can you show me another?

2020-01-29 14.33.17 

ここでは、a(n) と other(ほかのもの)がむすびついた another がつかわれています。それは、複数あるうちの任意の(どれでもいい)ひとつを意味しています。




Lesson 184 some と any、several

Some are cheap, and others are expensive.

some のイメージは「ボンヤリとある」です。数量がさだかではないモノがあることが意識される表現です。 some are cheap からはボンヤリと「安いもの」がうかんでいます。そして others は限定詞がつかず、とりとめのないボンヤリとした「ほかの」です。「some ~ others . . .」は「こんなのもあるし、あんなのもある」というボンヤリ・コンビです。「any は some の疑問文・否定文での形」とおそわった人がいるかもしれませんがそれではつかいものになりません。




Lesson 186 all と every

You must attend all the meetings, and I mean every meeting.

all は、グループすべてをひっくるめて「全部」というおおらかな表現です。それに対して every は、グループを構成するメンバーひとつひとつに緻密に目をやる「すべて」です。この文では、「ミーティングは全部出席しなくてはなりません」とおおざっぱないい方をしたあと、「すべてのミーティングに漏れなくですよ」と緻密ないい方で念押しをしています。




Lesson 187 no の強い意味

Nobody came to my party!

no をつかったフレーズをうまくつかうには、この限定詞が、非常につよいイメージをもつことを理解しなくてはなりません。「ゼロ・まったくなし」という感じです。




Lesson 188 either、neither、both

You can have either blouse.

either、neither、both はどれも「2つ」のモノについてつかわれます。この文でつかわれている either は「ひとつひとつに目を向ける」意識でつかわれます。相手に選択をうながす文です。




Lesson 189 can の可能性・may の可能性

He can be wild at times.

can のイメージは「潜在」です。ある人の中に「潜在する力」から「能力(~できる)」の意味が、ある人が潜在的に持っている自由度に焦点を当てると「許可(~できますよ)」の意味がうまれます。




Lesson 191 may not、must not

You may not bring food or drink into the library.

may not は「権威による禁止」です。公的機関など、権威あるものによる禁止を意味します。ここでは、「図書館のルールであるため許可できません」というニュアンスです。このニュアンスは、may のイメージ「開かれたドア」からうまれています。目上の者が目下の者にドアを開いて許可をする、そこから、may の許可には権威が感じられます。




Lesson 192 should ①

We should be at Gate 18 by 10:25.

 2020-01-29 14.50.16 

should の基本的な意味は、「義務・アドバイス(~すべき)、確信(~のはず)」です。この文は「~すべき」です。must(~しなければならない)より義務をやわらかにあらわしています。should(~すべき・~のはず)は、 must(~しなければならない・~にちがいない)のマイルドバージョンです。should のイメージは「進むべき道」です。




Lesson 193 should ②:should の「プロセス」

I’m surprised that you should feel so upset.

should のイメージは「進むべき道」です。そこから、プロセスの感触が生まれます。should をつかわずに現在形をもちいた場合は「今腹を立てている」状況におどろいているだけですが、キーセンテンスは、「君が腹を立てることになるなんて」と、その状況にいたるプロセスまでがふくまれます。この文の should は、「感情・判断を表す語句とともに使われる should」などとよばれますがイメージすればその感覚がわかります。




Lesson 194 will の「法則」

Accidents will happen.

will のイメージは「見通す」です。まだみぬこれからの出来事を見通す意識でつかわれます。日本語訳を気にせず、まだ見ぬ出来事(たとえば未来)にチラッと目をやる気持ちで使うことがコツです。will には、これからを見通してある状況を実現する「意志(~するよ)」のつかい方と、これからを鮮明に見通す「予測(~だろう)」のつあい方があります。




Lesson 196 過去形のイメージ

Suddenly, it started pouring down.

過去形のイメージは「遠く離れた」です。現在と隔絶した感触を基調とします。「遠く離れた」は、丁寧表現、「控えめ」なニュアンス、仮定法という3つの表現をうみだします。




Lesson 197 現在完了形のイメージ

Oh, look. It’s stopped raining.

現在完了形のイメージは「迫ってくる」です。現在(手元)にむけて出来事がズームアップされる感覚をともないます。




Lesson 198 現在完了形と過去形

Where have I parked my car?
Where did I park my car?

現在完了形は「今に迫ってくる」形です。話し手は、過去に車をとめた出来事を、今にひきつけています。「車は今どこにあるのだろう?」。一方、過去形をつかえば、あくまで思考は過去の出来事の上にただよっています。「(あのとき)車をどこに止めたのだろう?」。




Lesson 199 時は心の中

Make sure you tell me how everything went tomorrow.

この文では、これからおこる出来事について「how everything went」と過去形がつかわれています。それは、話し手が tomorrow(明日)に身をおいてはなしているからです。明日に自分がいるとかんがえれば、すべてはおわってしまったあと、何があったのかは過去形であらわすことができます。話し手にとっての時間のながれによりそっています。時表現は、現実の時間にそってつねにつかわれるわけではありません。言葉は心の中にあります。表現は、客観的・物理的に決まるのではなく、心によりそうということです。

次のような「歴史的現在」とよばれる現在形のつかい方もおなじです。

I was quietly reading the paper in the café when suddenly this guy comes over and starts screaming at me.(カフェで静かに新聞を読んでいたら、突然男が近づいてきて僕に向かって叫び出すんだよ。)

過去の出来事にもかかわらず現在形がつかわれています。過去の話をしているあいだに、その状況に話し手がはいりこんでしまったからです。話し手の心理のなかでは、男がちかづいてさけびはじめたのが現在の出来事として感じられています。

時表現に限らず言葉は心の中にあります。私たちが表現のイメージを長い時間をかけて学んできたのは、表現は心の中に根を張っていなければ口から出てきてくれないからです。日本語訳や用法では、英語と心は結びつかない、だからイメージを学習してきたのです。









英語で表現をするためには、英語のイメージをつかむことが肝心です。表現を学習する最善の方法は日本語訳ではなくイメージ訓練です。日本語訳や用法分類などをおぼえても表現はできません。日本語訳のうえに英語力はなりたちません。英語には、英語の感性がながれています。日本語になりづらい微細な感覚もあります。

イメージをつかえば英語が直観的に理解でき、しかも理解がふかまります。繊細なニュアンスやさまざまな助動詞のニュアンスのちがいもわかります。またイメージで学習できるのは単語だけではなく、文法事項に属する事柄であっても表現であるかぎりイメージが役立ちます。

言葉は心から発せられるものですから、心のはたらきとつながっていなければなりません。イメージすることは心のはたらきの基本です。したがって心のなかにうかんだイメージを言葉にする練習が大事です。イメージすることはプロセシング、言葉にだしていうことはアウトプットといってもよいでしょう(聞いたり読んだりすることはインプットです)(図1)。

200129 ラジオ英会話
図1 イメージして言葉でアウトプットにする


このような情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)を自覚し、具体的な映像をおもいうかべて、声にだしていう(あるいは書きだす)練習をくりかえすとよいでしょう。この方法は、あらゆる分野の学習に応用できます。言葉(理屈)だけにたよって学習するのはよい方法ではありません。



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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2020年1月号』NHK出版、2019年


▼ CD:放送内容をコンパクトにまとめており、復習のために最適です。


▼ NHK ラジオ英会話はインターネットでもきくことができます。
NHK らじる★らじる
ラジオ英会話ストリーミング


▼ 今月のメッセージ
大西先生と番組パートナーのクリス&ろーざからのメッセージ動画をおたのしみください。


▼ 年間学習予定表
スクリーンショット 2019-11-28 19.19.05


▼ 関連教材
2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。

本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。