イメージで単語をとらえます。動詞の意味とつかわれる文の形は密接につながっています。まとめて類語をおぼえます。
先月にひきつづき基本動詞を練習しています。知覚系動詞、コミュニケーション系動詞など、もりだくさんです。






Lesson 101 聞く ①:hear

I’ve never heard of anyone by that name.

hear は、see と似ています。see は「見える」、自発的な動作ではなく「向こうからやってくる」感触をもった動詞でした。hear も、自発的・積極的に耳をかたむけるという動作ではありません。「聞こえる」、むこうから音がやってくる感触です。




Lesson 102 聞く ②:listen

Listen to me. This is a bad idea.

hear が「聞こえる」、音が「向こうからやってくる」感覚であるのに対し、listen は自発的・積極的な行為、「耳を傾ける」です。see(見える)と look(視線を向ける)にみられたつかいわけが聴覚をあらわす単語にもあります。




Lesson 103 感覚を表すそのほかの動詞:feel、smell、taste

I feel we need to do something about this problem.

feel は、「感じがする・感じる」、触覚をあらわす動詞です。そこから心で感じることもあらわします。




Lesson 104 発言に関わる動詞 ①:speak、talk

I hate to speak in front of people.

発言系の動詞はいろいろあり、speak のイメージは単に(口から)音声をだすことです。この種の動詞のなかでもっとも単純なイメージをもっています。

talk は、speak とはイメージがことなり、言葉によるコミュニケーションを意味する動詞です。




Lesson 106 発言に関わる動詞 ②:chat、argue、discuss、negotiate

We weren’t chatting. We were arguing!

chat は「おしゃべりをする」、フレンドリーで気軽な会話です。argue は「論争する・主張する」などと訳され、イメージは「白黒つける」です。argue の主張は、理路をおいながらことなった意見をもつ相手をくみふせるためにおこないます。




Lesson 107 発言に関わる動詞 ③:say

What did you say?

say のイメージは「(言葉)を言う」です。say の焦点は「言葉」にあります。




Lesson 108 発言に関わる動詞 ④:tell

Tell me why you cried.

tell は、「メッセージ」に焦点があります。メッセージを相手につたえるということです。占い師は fortune-teller といいます。




Lesson 109 頼む・尋ねる:ask

Let’s ask David to organize a party.

to 不定詞をつかった目的語説明型の文です。to 不定詞は「矢印(→)」のニュアンスです。ask は、ここでは「頼む」の意味でつかわれています。ask にはもうひとつ、「尋ねる」というつかいかたもあります。2つのつかいかたが ask に共存するのは、この動詞のイメージが「求める・お願いする」だからです。助力や行動をもとめれば「頼む」、答えや情報もとめれば「尋ねる」となります。




Lesson 111 「行動を起こさせる」レベル2動詞:persuade、force、order

Do you think you persuaded them to accept our conditions?

行動をおこさせる意味をもつ動詞のなかで「説得する」がこの persuade です。相手に行動をおこさせます。この動詞が過去形でつかわれると、説得に成功し、相手にやってもらったところまでを意味にふくみます。




Lesson 112 「教える」を表す動詞:teach、educate、instruct

She teaches physics at a university in Stockholm.

teach は、ある程度複雑な内容を、時間をかけて「教える」ことを意味します。駅への行き方や名前を聞くなら Can you tell 〜? で十分です。




Lesson 113 「説明する」を表す動詞:explain、show、demonstrate、illustrate

I can explain everything.

「~について説明する」と日本語ではいうため about をつけてしまいそうになりますが、(×) explain about everything とはいえないことに注意してください。それは、この動詞が「plain(平ら)にする」というイメージだからです。複雑な地形や森で道がみえない様子を想像してください。それらを、バシャッと「平ら」にして見渡せるようにするのが explain です。対象物に直接はたらきかける他動型がつかわれるのは自然なことです。




Lesson 114 「すすめる・提案する」を表す動詞:recommend、suggest、propose

What do you recommend?

recommend は「すすめる」を意味する標準的な単語です。何かを手でもちあげながら「これですよこれ」というイメージです。




Lesson 116 許す ①:let

Let me ask you a quick question.

let は「許す」の中心動詞です。let が得意とする文の型は目的語説明型であり、「…が~するのを許す・~させる」をあらわします。let は、allow(許す)のようなクッキリとしたつよい「許す」ではなく、非常にかるいタッチの単語です。




Lesson 117 許す ②:レベル2動詞 allow、permit

Allow me to get this.

allow(許す)は「受け入れる・許容する」 イメージです。allow は let のように気軽な単語ではなくカタい印象の単語です。この状況で Let me get this. ならカジュアルないいまわしになります。




Lesson 118 主張する:レベル2動詞 insist、claim、assert

I insisted that it was the right thing to do.

insist のイメージは「ここから出ないよ」です。この動詞は、「 in(= upon)+ sist(立つ):上に立って動かない」という語源をもちます。「自分の考えは変えないよ」といった頑固なつよい主張がこの単語の持ち味です。

claim も「主張する」と訳される動詞です。日本語では、「クレームをつける」など、不満・文句の意味でつかわれていますが、英語にそうしたつかいかたはありません。注意してください。claim のイメージは「叫ぶ」です。




Lesson 119 要求する:レベル2動詞 require、demand

His job requires that he take an international English test.

require のイメージの中心には「必要(need)」があります。この文では、彼の仕事が試験をうけることを必要としているということです。requires のうしろの節の中で、動詞原形 take がつかわれていることに注意してください。現在形なら he が主語であるため takes となるはずです。現在形とは、現在の事実をあらわす形です。ここでは、require された内容が、現在の事実ではないため現在形が避けられています。









Lesson 111 では、「行動を起こさせる」レベル2動詞である persuade、force、order にとりくみました。

はなしあいをしたり理由をしめしたりして、説得して相手に行動をおこさせるのが persuade、いやがっているのに力ずくでやらせるのが force、権威や力の裏づけによって命じるのが order です。テキストには、それぞれの動詞のイメージ(絵)がでていますので、目をとじてもそれらがイメージできるように練習してください。

また単語をおぼえるときには、それがつかわれている例文全体をおぼえるようにします。単語の意味とつかわれる文型は密接につながっているので、単語(断片的情報)だけをとりだしておぼえようとするのはよい学習法ではありません。


Do you think you persuaded them to accept our conditions?
You don’t have to accept—nobody’s forcing you.
My boss has stopped ordering me to work late.


ここでとりあげた persuade、force、order はいずれも行動をおこさせる動詞であり、類語といってよいでしょう。

今年度の NHK ラジオ英会話でとりくんでいるように、効果的に学習をすすめるにはその時その場で類語を一気におぼえるのがよいです。

そもそも理解という現象は、すでにもっている情報と似たことをおもいついたときに生じ、同様に、記憶という現象も、類似な情報がむすびついたときに生じます。したがって類語を整理しながら一気におぼえる方法は理にかなったやりかたであるわけです。

今年度のラジオ英会話は、番組(放送)は、類語の学習プログラムとしてとりくめ、テキストは、一種の類語辞典としてつかうこともできます。これはおもしろい! 講師の大西先生の解説は単純明快でわかりやすく、テキストにはイメージ(絵)もたくさんでているので、プログラムにしたがって練習すれば単語力のみならず会話力が飛躍的に向上します。“迷子” になることはありません。あたらしいラジオ英会話がいかにすぐれた講座であるか。世界最高水準の番組、あらためておどろいています。

なお類語をおぼえるときには、区別と確認をおこたらないようにしてください。

似ている単語をまとめておぼえるとき、似ているからこそ混同してしまうということがおこります。類語をおぼえるときには、似ているけれども異なる点に注目しなければなりません。似ていることを認識しながら、異なることも理解しなければなりません。たとえば persuade、force、order はいずれも行動をおこさせる動詞であり、よく似た単語(類語)です。しかし はなしあいをしたり理由をしめしたりして、説得して相手に行動をおこさせるのが persuade、いやがっているのに力ずくでやらせるのが force、権威や力の裏づけによって命じるのが order であり、相異点が存在します。似ているということは同一ということではなく、同一ではないのですから異なる点があるのは当然のことです。

たとえば双子をみるとよく似ていいます。しかし決して同一ではありません。よく似ていますがやや異なります。やや異なる点があるからこそ、2人を区別(識別)することができます。まったくおなじ顔にみえてしまって区別できないのでしたら、観察力がよわいということになります。

したがって類語を一気におぼえるときには、たとえば行動をおこさせる動詞でしたら、persuade、force、order をしっかり区別しておぼえ、確認をおこたらないことが大切です。ラジオ英会話のテキストをあらためて確認してください。

けっきょく、似ていることを認識するということは、同時に、異なることを認識することでもあり、相似と相異の理解は同時におこります。このような認識能力は誰もがもっているのであり、人間のもつもっとも基本的な能力といってよいでしょう。このような能力をつかう方法は類比法とよばれ、これは、あらゆる言語の学習に活用できます。




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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2019年9月号』NHK出版、2019年
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2018年


▼ CD:放送内容をコンパクトにまとめており、復習のために最適です。

▼ NHK ラジオ英会話はインターネットでもきくことができます。
NHK らじる★らじる
ラジオ英会話ストリーミング


▼ 今月のメッセージ
大西先生と番組パートナーのクリス&ろーざからのメッセージ動画をお楽しみください。


▼ 年間学習予定表
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▼ 関連教材
2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。

本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。