感情がたかぶるとアドレナリンが分泌されます。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2019年5月号の「身近な "?" の科学」では「アドレナリン」を解説しています。




強烈な感情(情動)が生じると、脳内にある「視床下部」からの命令で、自律神経の一種である「交感神経」が活発になる。交感神経は、脊髄を伝わってさまざまな臓器や血管とつながっており、機能を調整するはたらきをもっている。

そして、アドレナリンは、交感神経からの刺激が腎臓の上部にある「副腎」に届いたときに、その中にある「髄質」から分泌される。


怒りや不安・ストレス・緊張・熱狂などの感情をいだいたときにアドレナリンが分泌されます。同時に、分泌されたアドレナリンは迷走神経に作用して、脳内で情動をつかさどる部位が活発になり、感情がさらにたかぶります。

アドレナリンは、ホルモンや神経伝達物質の一種であり、ホルモンは、脳やさまざまな器官から分泌され、血液を介して別の器官のはたらきに影響をあたえる物質です。神経伝達物質は神経細胞から分泌され、神経細胞どうしの情報伝達につかわれる物質です。

アドレナリンは血液のながれをうながしたり、エネルギー源となるグルコースの量をふやしたりして筋肉の能力を発揮しやすい状態にととのえ、いわば「戦闘」にそなえるために役立ちます。

しかしアドレナリンがですぎると、狭心症などの心臓病などになる可能性があり、過度な分泌は健康上さけたほうがよいです。




『Newton』の今回の記事をよめば、感情とアドレナリンの関係・仕組みがわかります。感情を、科学的・医学的にとらえなおすよい機会です。人間は、基本的には感情の動物だとおもわれます。しかし健康上は、感情的になりすぎるのはよくありません。感情のコントロールが必要でしょう。


▼ 参考文献
『Newton』(2019年5月号)、ニュートンプレス、2019年