知りたいという感情が疑問文をうみだします。
今月の「NHK ラジオ英会話」では倒置・疑問文を練習しています。




Lesson 161:主語—助動詞倒置 ①「倒置は感情の高揚」

Am I glad to see you!

この文は疑問文ではありません。この並びは、疑問文以外にもしばしばみられる「主語―助動詞倒置」(疑問文の語順)とよばれる形です(be 動詞は一般の動詞とはことなり、疑問文・否定文では助動詞とおなじようにふるまいます)。「ああ、本当によかった」とここ一番、つよい感情がたかまり、あふれでるときにつかいます。



Lesson 162 :主語―助動詞倒置 ②「前置に伴う倒置」

Never have I tasted such delicious sushi!

この文の基本は現在完了経験用法です。I have never tasted . . . から、 never が強調のために前におかれ、それにつられるように have I と主語―助動詞倒置がおこなわれています。



Lesson 163:疑問文が主語―助動詞倒置を含む理由

Do you speak English?
May I ask what you’re eating?
Is it your first time in Japan?

2018-12-27 22.55.39

主語―助動詞倒置は「感情の高揚」をあらわす形です。だから疑問文がこの形になるのです。疑問文を発するときにわたしたちは例外なく感情をうごかします。「知りたい」「教えて」、こうした感情のゆれが安定した語順をこわして疑問文を形づくります。

外国にいくと、疑問文の連発になります。しょっちゅう疑問文を相手になげかけます。知りたいという気持ちが疑問文をうみだします。知りたい気持ちは問題意識の基本であり、問題意識から疑問文がアウトプットされ、そしてコミュニケーションがはじまります。

あなたの疑問文には、知りたいという気持ちが本当にやどっているでしょうか。相手にたずねたいという気持ちと主語―助動詞倒置とをしっかりシンクロさせることが大事です。



Lesson 164:否定疑問文

Don’t you love me?

否定をつかった疑問文は日本語でもよくつかわれます。通常の疑問文とくらべるとこの形は、意外・心外・同意をもとめる気持ちなど、感情的色彩がつよい表現となります。


Won’t you buy it for me, Dad?

否定疑問文 won’t you . . .? は丁寧な依頼としてついかうことができます。「ない」をふくんでいるため「だめかもしれないけど、お願い」という響きがあります。



Lesson 166:付加疑問文

It’s a beautiful day, isn’t it?
The Christmas illuminations look lovely, don’t they?

付加疑問文といわれる形です。「~ですよね?」と、かるい疑問や同意をもとめます。キーセンテンスのように前の文が肯定文の場合はかるい否定疑問を、否定文の場合はかるい肯定疑問をうしろにつけ鱒。プラスとマイナスを逆転させます。



Lesson 167:会話に勢いをつける

The first performance is on December 23rd, right?

このキーセンテンスはたいへん単純でありながらこちらへ相手をひきこみ、積極的に会話へ参加させるためのテクニックをふくんでいます。right? とあえてつけくえることによって発言の機会が相手にあたえられ、会話にはずみがつきます。


I can help you with some extra practice sessions.
Oh, can you?

日本語の「そうなの?」「へぇ」に相当する疑問文です。相手の発言を疑問文にしてかるくオウム返しするだけです。会話が躍動をはじめます。



Lesson 168:wh 疑問文 ①「基礎」

What do you need?

wh 疑問文は、「欠けている情報を尋ねる」タイプの疑問文です。文のなかにはかならず欠落した要素(空所:□)があります。「What do you need □?」wh 語は、空所にどういった内容がはいるべきなのかを指定します。この文では what ですから、必要とする「モノ」をたずねていることになります。「空所」「 wh 語」「疑問形」、この3点セットをしっかり心にとめておきましょう。この理解が、複雑な wh 疑問文をつくるおおきな助けとなります。



Lesson 169:wh 疑問文 ②「前置詞の後ろを尋ねる」

What did you do that for?

wh 疑問文は、「空所・wh 語・疑問形」の3点セットが重要です。この文は、前置詞の目的語の位置に空所があることに注意しましょう。for は「~に向かって」をあらわし、そこから「目的」の意味がうまれます。その後ろをたずねるのですから「何のためにそれをやったのか」という意味になります。



Lesson 171:wh 疑問文 ③「主語を尋ねる」

Who told you that?

この wh 疑問文は疑問形をともなっていません。それは「主語」をたずねているからであり、主語をたずねるのですからそこが空所で、who はその空所が「人」であることを指定しています。この文にはそもそも主語がありません。主語―助動詞倒置をしようとおもってもひっくりかえす主語がないので倒置の形をとれません。



Lesson 172:wh 疑問文 ④「大きな」 wh 語

What kind of music do you like?

wh 語は、「What do you like?」と単体でつかうこともできますが、この文の「what kind of music」(どんな種類の音楽)のように「大きな wh 語」をつくることもできます。



Lesson 173:wh 疑問文 ⑤「複雑な wh 疑問文(1)」

What do you think was the cause?

この文で空所は、think の内容を説明する節の主語の位置にあります。「What do you think □ was the cause?」be 動詞 was の前に何もありませんからここが疑問のターゲットです。「何が原因だと思いますか」となります。



Lesson 174:wh 疑問文 ⑥「複雑な wh 疑問文(2)」

What time do you want me to come?

複雑な wh 疑問文を理解し作るためには、空所を意識することが大切です。「What time do you want me to come □?」この文では come の後ろ、 come を説明する時をあらわすフレーズが空所であり「何時に来るのか」となります。文全体は「 want +目的語+ to~」と to 不定詞を用いた目的語説明型です。



Lesson 176:wh 疑問文 ⑦「複雑な wh 疑問文(3)」

Who did you say Cindy called?

say の内容を説明する節で call の目的語が欠けています。「Who did you say Cindy called □?」 call の目的語が欠けているわけですから「 シンディが電話を誰にかけたと言いましたか?」となります。



Lesson 177:wh 疑問文 ⑧「wh 語を使って聞き返す」

I bought a loofah.
— You bought a what?

wh 語をつかってききかえすテクニックです。ききとれなかった単語の箇所に wh 語をおいてききかえします。外国にいったら、こんな簡単なことをきかえすなんてなどと気恥ずかしくおもっている余裕はありません。臆せず即座にききかえしてください。あいまいな内容把握で会話をつづけていてはいけません。



Lesson 178:疑問の意図のない疑問文 ①

Why don’t you stay longer?

文字どおりの意味は「なぜ、あなたはもう少しとどまらないのですか?」ですが、その理由をききたいわけではありません。「もう少しいたらどうかな」と相手にすすめる文となっています。



Lesson 179:疑問の意図のない疑問文 ②

Who do you think you are?

直訳は「あなたは自分が誰だと思っていますか?」ですが疑問の意図がないことは明らかです。この文は、「自分がどれくらいえらいと思っているの?」=「あなた何様のつもり?」という批判です。




みしらぬ外国をあるいていたり、外国人と一緒に仕事をしたりしていれば、みたりきいたりしたことのないことに数多くでくわします。「知りたい」という感情が自然にわきあがってきます。すると疑問文が必要になります。知りたいという感情から疑問文がアウトプットされます(図1)。

181227 知りたい
図1 知りたい感情が疑問文をうみだす
 

外国にいったら、質問するのがはずかしいなどとおもっている余裕はありません。疑問文の連発になります。しかしこれが外国語の能力を確実にアップさせていきます。このような意味では、なるべくわかいときに、できればながい期間、1人で外国に滞在するのがよいです。

何を知りたいのかをはっきり相手につたえると相手は真摯にこたえてくれます。相手も、必死になってわからせようおしえようとしてくれます。しかし日本人社会のなかにいたときのように曖昧にしているとコミュニケーションはすすみません。

知りたいという感情は問題意識をそだてます。何をやりたいのかがはっきりしてきます。課題が明確になります。主題が選択できます。いいかえると知りたいという感情は問題意識のもっとも素朴な原初の状態だといってもよいでしょう。

一般論として、「問題意識をとぎすませ!」「本当は何をやりたいのか?」などと “教育者” がいいますが、具体的には、〈知りたい→疑問文〉の実践によって問題提起や課題設定がすすみ、それが、趣味や仕事や人生あるいは問題解決へつながっていくのでしょう。


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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2018年12月号』(NHKテキスト)、NHK出版、2018年

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2018-12-28 2.39.15