間違いやすい日本語について、分野別に解説したガイドブックです。文章化や口頭発表をするときに(アウトプットのために)とても役立ちます。

全体は19のセクションに分かれていて、 難読の漢字、誤用・誤読しがちな言葉3300語を収録しています。ユニークなレイアウトがとてもわかりやすいです。

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写真 「ラベル」形式のレイアウトがわかりやすい


情報処理の観点からは次の手順をふむとよいです。


1.間違いやすい日本語をチェックする
間違いやすい日本語をチェックしながら本書を一通り読みます。自分の興味のある分野については特に重点的にチェックをするとよいでしょう。
 

2.単語は、情報の「ラベル」であることを理解する
本書はレイアウトがとてもよくできていて、各ページの左側に「ラベル」形式で単語が掲載され、その右側にその説明が記載されています。

左側の単語は、情報のひとかたまりの「ラベル」(標識)であるとかんがえてください。

そもそも単語とは、あるひろがりをもった情報を単位化して、そのひとかたまりを圧縮・単純化して標識にしてあらわしたものです。

「ラベル」(単語=標識)は情報のひとかたまりの上部構造であり、その下に、情報の本体が下部構造として存在しています。

140515 ラベル

図 情報の基本構造


情報の基本構造を理解することは、情報処理の第一歩としてとても大事なことです。
 

3.想起の訓練(記憶法の訓練)をする
興味のあるセクションについては、本書の各ページ左側の「ラベル」(単語=標識)だけを見て、その右側にでている説明(情報の本体)をおもいだす訓練をします。「ラベル」だけをパッパッと見て、瞬時に、その内容を想起できるようにします

くりかえしくりかえし本書を読んでインプットだけをしているよりも、想起訓練をした方がはるかに効果があがり、記憶が定着します

このように、本書の「ラベル」形式のレイアウトをうまく利用して、日本語の間違いをチェックするだけでなく、情報の構造に関する理解をすすめたり、記憶法の訓練をおこなうとよいです。そのための教材(テキスト)として本書はすぐれているおもいます。


NHKアナウンス室編『NHK 間違いやすい日本語ハンドブック』NHK出版、2013年5月25日


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取材→情報を選択→単文につづる -「ラベルづくり」の方法(ラベル法)の解説-