火星移住計画がすすんでいます。2020 年代には人間は火星に到達します。新天地を火星にもとめている人々がいます。
火星が、15年ぶりに地球に大接近しています。火星と地球は十数年に1回 大接近をしていて、7月31日、その距離は、5759万キロメートルともっともちかづきました。およそ1か月前からあかるくかがやく様子がみられ、この状態は今年9月上旬までつづきます。

さて『Newton』(2018年9月号)の Newton Special では「火星移住計画」を紹介しています。アメリカの実業家イーロン=マスク氏は、「火星に 100 万人の都市をつくる」計画を発表し、世界に衝撃をあたえました。




2022年:2機の無人宇宙船を火星に送ります。火星上での水資源の確保にめどをつけ、どのような危険があるのかを確認します。また、発電や資源採掘をはじめとした生命維持のために設備を設置します。

2024年:2機の貨物船と2機の有人の宇宙船を火星に送り、基地の建設を進めるとしています。

40〜100年後までに、火星に人口100万人の自立した都市をつくりあげるのだというのです。

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火星へ、人や物資をおくる巨大ロケットは「BFR」とよばれ、それは、人や物資をのせる宇宙船部分と、それを宇宙へはこぶ部分とからなり、それらのどちらも再使用が可能な設計になっています。これによってロケット打ち上げにかかるコストをさげることができ、1人あたり 20 万ドル(約 2000 万円)程度で火星にいけるようになるといいます。

イーロン=マスクのこの計画以外にも火星へ人間をおくる計画があります。

オランダの民間団体「マーズ・ワン」
火星にむかった人は地球に帰還することなく火星に永住します。「片道切符」です。それでも参加希望者の募集には、なんと、世界中から 20 万人もの応募がありました。2031 年に4人が火星にむかいます。

NASA
月を周回する宇宙ステーションを建設する「深宇宙ゲートウェイ計画」をすすめています。あたらしい宇宙ステーションを起点に火星有人飛行をめざします。2023 年にも居住施設を月軌道に打ち上げるとしています。2030 年代半ばには人間を火星周回軌道におくり、帰還させるという計画です。火星有人探査計画もすすめます。深宇宙ゲートウェイ計画には日本も参加する方針をしめしています。

アラブ首長国連邦
100 年後までに、火星に都市を建設して人間が移住することを目指す「MARS 2117」を発表しました。地球の砂漠地帯に、火星上の都市を模擬する計画も発表しています。




火星に行くためには巨大な宇宙船をつくらなければならず、実際には、そうは簡単にはすすまないでしょう。しかし火星移住計画は着々とすすんでおり、そうとおくない将来、人間は火星に到達するでしょう。

人間は地球人でおわるのか、その一部は火星人として進化するのか? 岐路にたたされます。

これまでに探査機から地球におくられてきた火星の画像をみると、火星は、うるおいのない殺伐とした乾燥地であり、人間の住みやすそうなところではありません。科学探査以外に何かやることがあるのでしょうか。それでも火星に移住したいとおもう人がたくさんいるということは、地球上には居場所がないという人がふえているということでしょうか。火星移住計画がでてくるということは、地球と人間社会に問題(矛盾)があるということのあらわれでしょう。しかし火星にいったからといって問題が解決するとはおもえません。やはり、みずからの居場所を地球上で発見することの方が重要ではないでしょうか。


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身体と環境をセットにしてとらえる -「生命の惑星はみつけられるか」(Newton 2017.12号)-

▼ 参考文献
『Newton』2018年9月号、ニュートンプレス、2018年9月7日