現場写真と Google Earth をつかって土砂災害について検証しました。天気予報をみるだけでなく、居住地の地形と地質をあらかじめ確認しておきます。大雨警報が発令されたら安全な場所に避難します。
このたびの「西日本豪雨」(平成30年7月豪雨)は甚大な被害をもたらしました。広島県の例を、現場写真と Google Earth でみなおしてみたいとおもいます。



広島県
広島県熊野町の土砂災害現場(NHK NEWS WEB, 2018.7.8 より)


この場所の災害前の画像を Google Earth でみるとつぎのようになります(みる角度は若干ことまります)。土砂にまきこまれた家、間一髪のところでまぬがれた家があることがわかります。


Google 1
Google Earth (1)


もっと広範囲にこの場所を上空からみていくと以下のようになります。


Google 2
Google Earth (2)



Google 3
Google Earth (3)



Google 5
Google Earth (4)



Google 5
Google Earth (5)



Google 6
Google Earth (6)



以上をみればあきらかなように、山の斜面をきりひらいてつくった造成地は土砂災害がおこりやすい状況にあります。広島県だけでなく、このようなところは全国各地に多数あります。山の斜面でなくても山沿いは土砂災害がおこりやすく危険です。

土砂災害をひきおこしたもうひとつの原因として中国地方にひろく分布する「まさ土」があります。まさ土とは、花崗岩が風化してできた砂や土であり、脆弱であるため、大雨で水をふくむと一気にくずれて災害をひきおこします。

今回の大災害はこのように、大雨と地形的な要因と地質的な要因があわさってひきおこされたといってよいでしょう。この教訓を、全国各地の災害対策にいかしていかなければなりません。

土砂災害対策としては、天気予報をみるだけでなく、居住地の地形と地質(地盤)をあらかじめ確認しておく必要があります。まさ土がなくても土砂災害はおこります。地形については Google が役立ちます。居住地を大観してみるといろいろなことがわかってきます。地質については地元の役所にといあわせればおしえてくれます。

  • 大雨:天気予報
  • 地形:Google Map & Earth
  • 地質(地盤):役所にきく

今回の現場写真と Google Earth をみると、土砂にまきこまれた家と間一髪のところでまぬがれた家とがありますが、土砂災害がどこでどの範囲でおこって、どこまでをまきこむかを予測することはできません。また造成地や斜面の補強工事をあらためておこなうことはほとんど不可能でしょう。あるいは砂防ダムは、土石流をやわらげることはできてもふせぐことはできません。

したがって土砂災害がおこる可能性がすこしでもある地域にすんでいるならば、大雨警報が発令されたら安全な場所にすぐに避難するようにします。