うつくしい雲、奇妙な雲、レイヤーをなす雲。立体視をすると雲のかたちと空の階層構造がわかります。
村井昭夫著『雲のかたち立体的観察図鑑』(草思社)は飛行機の窓から気象予報士が撮影した雲の写真集です。普通の 2D 写真とともに 25 枚の 3D 写真(ステレオ写真)が掲載されています。




雲のできる高さと種類(雲の 10 種の基本形)
  • 上層雲(高度 5000m〜12000m):巻雲・巻積雲・巻層雲
  • 中層雲(高度 2000m〜7000m):高層雲・高積雲・乱層雲
  • 低層雲(高度 数十m〜2000m):層雲・積雲・層積雲
  • 積乱雲(雲底は下層にありますが、雲頂は上層に達する背の高い雲)

IMG_5178


なんといっても、3D 写真(ステレオ写真)がいいです。わたしは、雲の 3D 写真は見たことがほとんどありませんでした。立体視ができれば雲の形が一発でわかります。立体視をしてこそありありと雲の形がわかります。立体視の醍醐味をあらためて味わいました。できれば、すべての写真が 3D だったらもっとよかったとおもいます。今後の写真集に期待しましょう。

わたしたちは、地表から雲を見上げていただけで本当の雲の形はしりませんでした。見上げた雲は仮の姿でしかなく、一面的な見方でしかありませんでした。

この写真集をつかえば、普段は見ることのできない雲の側面や上面、空たかくあるいは水平にのびるおもしろい形を堪能することができます。

多くの場合、複数の雲がレイヤーをなしていることもわかります。空の世界は階層構造になっていました。雲の立体視は、階層的な見方をする訓練にもなります。
 

▼ 参考文献
村井昭夫著『雲のかたち立体的観察図鑑』草思社、 2013年7月25日