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(交差法で立体視ができます)
観察・聞き込み、仮説立案、科学鑑定(検証)という推理法を体験できます。知識をえるということではなく、みずから推理することが大切です。(本記事はネタバレなし、方法の解説のみ)
企画展「名探偵コナン 科学捜査展  -真実への推理-」が東京・お台場にある日本科学未来館で開催されています(注1)。探偵手帳を片手に、証拠をあつめ、事件を解決していく体験型イベントです。知識をふやすというのではなく、実際に捜査をしながら推理をたのしむことができます。

ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -


■ 会場入口で探偵手帳をもらいます。つぎのいずれかからすきな方を選択します(注2)。

  • コナン&安室コース(証拠をつみかさねて、容疑者をしぼりこんでいきます)
  • コナン&蘭コース(いろんな手がかりから、容疑者の疑いをはらします)


■ 殺人事件が発生、いざ事件現場へ!

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現場をよく観察して、手がかりを採取します。小さな発見が犯人の特定にむすびつくかもしれません。


■ 聞き込み開始、自分の足で証拠にせまれ!

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事件に関係がありそうな場所にいって聞き込みをします。関係者や目撃者からの情報収集です。

証拠(事実)がかなりあつまってきました。「○○が犯人ではないだろうか?」。仮説がたてられます。


■ 科学捜査で、たしかな証拠をつかめ!

事件現場や聞き込みであつめた手がかりを科学の方法で分析してみます。さまざまな鑑定技術をくみあわせればたしかな証拠をつかめるかもしれません。

  • 文字鑑定
  • DNA鑑定
  • 歩容鑑定
  • 成分分析
  • 声紋鑑定
  • 指紋鑑定

決定的な証拠があがりました。犯人はやはり・・・。ついに真相解明!




名探偵は、現場の詳細な観察をします。人間主体の情報処理の観点からいうと、これは目から情報をインプットすることです。つぎに目撃者・関係者のところへいって聞き込みをします。これは耳からの情報のインプットです。

こうしてあるていど情報(事実)があつまってくると、「○○が犯人ではないだろうか?」となってきます。つまり仮説がたてられます。これは情報処理用語でいうとプロセシングです。

そして決定的な証拠をえるために科学鑑定(分析)を実施します。仮説がただしかったかどうかを確認(検証)します。これは、目標をしぼりこんで手をくだすことでありアウトプットに相当します。

こうして名探偵は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をみごとにやってのけます(図)。


180425 コナン
図 名探偵の情報処理


これが推理法です。この方法は、事件解決とはかぎらずあらゆる課題に応用できます。




「あれ? いつもとちがう」
とっかかりは通常との相違点です。普段とちがうことがおこれば、現場も何かが変わっているはず。まずはよく観察します。

そしてつぎに聞き込みをします。現場をとりまくもっと大きな状況がわかってきます。

そうしているうちに仮説がうかんできます。
「○○ではないだろうか?」

万人不同。人はみなちがいます。その人だと特定できる痕跡はかならずどこかにのこっています。その痕跡こそが確度のたかい証拠になります。あるいは、ありえないこと、不可能なものを除外していけば、最後にのこったものが真相です。

「真実はいつもひとつ!」
解けない謎はひとつもありません。大切なのは、他者がのべたことにしたがうのではなく、みずから推理すること、その方法を活用することです。


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▼ 注1
名探偵コナン 科学捜査展 ~真実への推理(アブダクション)~
会場:日本科学未来館(東京・お台場) ・企画展示ゾーン(1階)
会期:2018年4月18日~2018年7月8日

▼ 注2
「コナン&安室コース」は、科学捜査の専門的な用語をつかっています。「コナン&蘭コース」は、小学校中学年ぐらいでもときやすい内容になっていますが、低学年でも、保護者と一緒にかんがえながらたのしめます。
(例)コナン&安室コース:「血痕が付着している」、コナン&蘭コース:「血がついている」