わたしたちが認識している世界のほかに無数の並行世界があり、それぞれの世界に別の運命をたどる自分が生きています。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2018年4月号の連載「量子の世界」第2回では「パラレルワールドは実在するか?」と題して、無数の並行世界の存在を予言する多世界解釈を紹介しています。




量子論の解釈の一つである「多世界解釈」では、私たちが暮らす世界はただ一つではなく、無数の並行世界(パラレルワールド)が存在しているのだと考えます。ちがう人生を送るあなたが、並行世界で暮らしているというわけです。


わたしたちが認識しているこの世界のほかに、無数の並行世界が実際にはあり、それらの並行世界には別の人生をおくる “自分” がいるというのです。

量子論によると、世界(宇宙)は、誕生直後から分岐をはじめ、現在にいたるまで世界は枝分かれをくりかえし、ことなる無数の宇宙が存在するようになりました。枝分かれする際には、世界のあらゆるものが一緒になって枝分かれするので、複数の世界に分かれてあなた自身も存在するということになります。

別の世界でくらす自分がどういうくらしをしているのか、どのような運命をたどっているのか、とても興味ぶかいです。幸福な人生をあゆんでいるでしょうか、それとも?

多世界解釈によると、おこりうる可能性はすべておきます。運悪く死んでしまう世界もあれば、死をまぬかれて大金持ちになれる世界もあります。

しかし枝分かれした別の世界を認識することはできません。分かれたしまったあとの世界はたがいに干渉することなく、それぞれの歴史を独立してきざみこんでいるからです。

このように、枝分かれしたあとの世界はそれぞれ別の運命をたどります。それぞれの「あなた」はそれぞれの運命のもとで生きています。したがってあたなが感じているその運命はひとつの運命でしかありません。それをうけいれることはできるでしょうか?

パラレルワールドを非常識だとおもってあきれる人がいるかもしれません。しかしこのようなことを真剣にかんがえている人々もおり、常識にとらわれずに創造的になろうとしている人間もいます。常識にとらわれない人生のほうがおもしろいです。


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▼ 参考文献
『Newton』(2018年4月号)ニュートンプレス、2018年4月7日発行