鳥の目で見ることによって生態系が見えてきます。
国立科学博物館附属 自然教育園でミニ企画展「鳥の眼で見る自然」展がおこなわれています。鳥と植物のかかわりをとおして自然の姿を見てみようという企画です。

「鳥目」? 鳥は、くらいと目が見えないのでしょうか? ちがいます。鳥は、くらくても見えます。多くの小鳥類が夜に渡りをしています。

鳥はヒトよりも目がわるい? ちがいます。鳥は、網膜にある光を感じる物質が4種類あります。ヒトは3種類しかありません。鳥は、ヒトが見ることができない紫外線も感じることができます。つまりヒトよりも目がいいのです。

このいい目をつかって鳥たちは、木の実や草の実をみつけて食べます。植物のなかには、紫外線をよく反射する果実をもつものもたくさんあります。

多くの鳥たちは果実を丸のみにするので種子は糞とともに排泄されます。種子散布がおこります。また植物のなかには、鳥に食べられることによって果肉が消化され、種子が発芽できるものもあります。こうして鳥と植物は共生しています。

鳥は、見ること(目から情報をインプットすること)によって外界(環境)の大部分を認知しています。これはヒトもおなじです。目は、感覚器官(インプット器官)としてもっとも重要です。

しかし鳥の目とヒトの目は構造がちがうので、見えている世界もかなりことなるとかんがえられます。紫外線が見えると、インプットされる情報量は格段にふえます。鳥たちはどんな世界を見ているのでしょうか。

いいかえると外界(環境)の認知は、それぞれの動物特有の感覚器官に依存しているのであり、それぞれの環境は、それぞれの感覚のしくみがつくりだしたものであるともいえます。


 

ここ自然教育園では、約130種の鳥類が記録されています。鳥たちは、食物として住みかとして、さまざまな形で植物を利用して生きています。一方、植物にとっても鳥のいとなみが重要であり、鳥と植物は共生して生態系を形成しています。

わたしたちヒトは、鳥の目で実際に自然を見ることはできませんが、鳥にはどう見えているのかを想像することはできます。鳥の「目」で自然を見ることは個々の植物の理解をこえて、生態系という高次元の認識へ発展します。ヒトの目だけで見ているとかたよった見方になります。鳥の「目」でも見ることも重要です。


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▼ 注
鳥の眼で見る自然展
会期:2018年1月13日〜2月4日

 
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