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日本郵船 氷川丸(交差法で立体視ができます)
全体像をみて、部分をみて、構造をイメージするようにします。
横浜市の山下公園に係留されている日本郵船氷川丸(注1)をみました。ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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客室通路



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一等食堂



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一等食堂



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一等社交室



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氷川神社の神紋「八雲」
氷川丸の名称は、さいたま市大宮区にある氷川神社からつけられました。氷川神社の神紋「八雲」を中央階段の手すりにみることができます。



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船内郵便局



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一等客室



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操舵室



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船首



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機関室



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三等客室




横浜、山下公園にいったら氷川丸の黒い船体がみえてきました。船内にはいってみると、順路があるのでまようことはありませんが、自分がどこにいるのか、居場所を確認するようにしたほうがよいです。ぼうっとしていると空間が認知できません。ひととおり見おわったら、断面図やフロアーマップを参考にしながら氷川丸の構造をイメージしてみました。

この過程には、全体を見て、部分を見て、構造をイメージするという3段階がありました(図)。


171209 氷川丸
図 空間認知の3段階


まずは外観でよいので全体像を見ます。つぎに内部にはいってそれぞれの部分を見て、その位置を確認します。最後に全体の構造をイメージします。

このような3段階方式はあらゆる課題に応用できます。今回は船の構造をイメージしましたが、課題によっては地域の構造をイメージすることもできます。組織の構造、社会の構造、問題の構造をイメージしてもよいです(注2)。




氷川丸は、1930年(昭和5年)にシアトル航路用に建造された貨客船です。当時の最新鋭大型ディーゼル機関を搭載し、水密区画配置など先進の安全性をほこっていました。戦時中は、政府徴用船および海軍特設病院船となり、戦後も病院船として復員輸送に従事しました。1947年(昭和22年)に貨客船にもどり、1951年(昭和26年)からはシアトル・ニューヨークおよび欧州航路定期船に就航しました。1960年(昭和35年)、船齢 30 年に達し、最終航海となりました。太平洋横断 254 回、船客数は2万5千余名でした。

その後、解体の計画もありましたが、市や市民の保存をのぞむ声によって「宿泊施設を兼ねた観光船」に転用されました。現在は、宿泊施設は廃止し、日本の海運の歴史と貨客船についてまなぶ施設として一般に公開されています。2016年(平成28年)には重要文化財に指定されました。

じっくり船内を見学してみると、戦前・戦中・戦後の現代史をとらえなおすことができます。 氷川丸がたどった激動の歴史がよみとれ、まるで、氷川丸がひとつの大きな "生き物" であるかのように感じられてきます。


▼ 関連記事
自分の居場所を確認する - 姫路城(1)-
空間認知能力をたかめる - 姫路城(2)-

▼ 注1
日本郵船氷川丸



▼ 注2:追記
重要なことは、細部にはいるまえに外観でよいので全体像をよく見ておくことです。全体を見て細部にはいる。これはトップダウン的なやり方です。そうではなくていきなり細部にはいって、そして全体構造を理解しようとするとボトムアップ的な方式にたよらざるをえなくなり、困難をともないます。全体を見て細部にはいり、そして全体構造をイメージするという3段階方式をもちいれば、トップダウンもボトムアップもつかえます。もっとも自然なやり方です。

たとえば専門書などを理解するときにも、まずは、全ページを最後まで一気にめくってしまって全体像を見てしまったほうがよいです。この第1段階目では、かならずしも中身まではよくわからなくてもかまわないのです。全体像をふまえて、第2段階目でそれぞれのページを今度はくわしく読みます。そして最後に、理論の構造なり体系を理解します。最初から細部にはいりこむとウンウンとうなることになりくるしくなります。