身体と環境はセットにしてとらえなければならず、身体と環境があわさって「生命のシステム」をつくっています。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2017.12号の連載「宇宙にあふれる系外惑星」第2回では、「生命の惑星はみつけられるか」について解説しています。




中心星(恒星)からの距離がちょうどよく、惑星の表面に液体の水が存在できる範囲を「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」といいます。(中略)

惑星上に液体の水が存在できるかどうかは、惑星のもつ大気の成分によっても大きくかわります。二酸化炭素や水蒸気、メタンなどの「温室効果ガス」が多くあれば、中心星から遠い場所でも惑星を暖かく保つことができます。逆に近い場所では温暖化がすすみすぎて、金星のような生命に適さない熱い惑星となってしまうかもしれません。



「ハビタブルゾーン」にその惑星がはいっていれば、生命がいる可能性は否定はできない(もしかしたらいるかもしれない)ということです。実際には、その惑星の大気、その他の環境も観測する必要があります。

惑星科学者たちは、環境の要素として水(H2O)をもっとも重視しています。水が存在するかどうかは、生命存在の基本的な条件であるとかんがえられますが、ここでは、水をきっかけにして、生命の環境をとらえなおすようにしたほうがよいです。

環境というと、居住環境、社会環境、地域の環境、さらにその外側に自然環境がありますが、ここでは話がもっと大きくなり、恒星からの距離も問題にしています。つまり、惑星をとりまく宇宙の環境も視野にいれなければなりません。

生命というとその身体にのみ関心があつまりがちですが、身体をとりまく環境にも注目すべきです。身体と環境は、つねに一体になってひとつのシステムをつくっています。身体は環境の内側にあって代謝をおこない、「インプット→プロセシング→アウトプット」の主体として機能しています(図1)。


171104 身体と環境
図1 身体-環境システム


わたしたち人間は地球の環境がなくてはいきていけません。たとえば人間が火星に移住しようとした場合、火星の環境では生きていけないので、"地球環境" を火星にもちこまなければなりません。それは、条件をそろえれば何とかなるといったなまぬるいものではありません。

火星までいかなくても、たとえば日本人が、開発途上国のような低開発地域に移住した場合、その地域の食べ物だけでは生きていけないので、梅干しや味噌を定期的に日本からとりよせたりしています。これなども、環境の観点からとらえなおすと、日本の "環境" を現地にもちこんでいるということになります。

このように、身体と環境はつねにセットにして理解しなければならなず、これこそが「生命のシステム」といえるでしょう。

惑星の探査は、身体と環境についてあらためてかんがえなおすきっけをあたえてくれます。


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地球の宿命を類推する -「想像を絶する惑星たち!」(Newton 2017.11号)-

▼ 参考文献
『Newton』(2017年12月号)、ニュートンプレス、2017年12月7日発行