何事においても、次元をあげると容易にできるようになることがよくあります。
わたしは先日、「ウサギの脱出」という話を友人にしました。


ある人がウサギを檻のなかにとじこめました。ところがちょっと目をはなしたすきに、ウサギは檻からにげだしてしまいました。鍵がかかっているのに変だなぁ。実はそのウサギは、4次元空間のウサギだったのです。檻は、3次元空間のなかにあったので、4次元空間をつかえば簡単に脱出できてしまいます。


その友人は常識的でまじめな人だったのであきれかえってわらっていましたが、この話には重要な教訓がふくまれています。何事も、次元をあげるだけで容易にできることがよくあるのです。

たとえば音楽を何曲か録音して、第7曲目をきいてみたいとおもったとき、テープだったら、早送りをして7曲目にたどりつかなければなりませんが、CDだったら7曲目に簡単にとぶことができます。テープは1次元ですがCDは2次元です。1次元でしたら順番にたどらなければならないところが、2次元でしたら"割り込み" ができます。したがってテープよりもCDをつかった方がよいのです。さらに3次元だったら、もっと複雑にファイルされた情報でも容易に検索できます。

あるいは何かを記憶するときにも、1次元的に順番に情報を記憶していくよりも、空間をつかって一気に記憶した方がよく記憶できるし、想起も容易になります。

筆記試験や受験勉強などで記憶で苦労している人がいるとおもいますが、記憶も、次元をあげるだけで容易にできるようになることはあきらかです。「空間記憶法」の活用です。学校の先生なども、教科の指導とともに、空間記憶法の指導ができるようになることがのぞましいです。

またイメージトレーニング(心象法)をおこなうときにも、3次元空間においてイメージをえがいた方が情報処理がすすみます。心のなかにも3次元空間を確立した方がよいです。ステレオ写真による立体視訓練も役立ちます。

問題解決でも、1次元ではむずかしかったことが2次元では簡単にでき、2次元ではむずかしかったことが3次元では簡単にできるということはよくあります。

このことを知らないで1次元のままでひたすら努力していても、苦労するだけで成果があがらないということになります。1次元にとどまってスピードをあげる苦労をしているよりも、2次元、3次元をつかって飛んでしまった方が目的地点にすばやく簡単にたどりつけるのです。


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情報処理の次元を高める 〜『次元とは何か 0次元の世界から高次元宇宙まで』(Newton別冊)〜

▼ 参考文献
『次元とは何か 0次元の世界から高次元宇宙まで』(改訂版)(Newton別冊)、ニュートンプレス、2012年5月15日