自然環境保全のためには、「ヒトの領域 - 緩衝帯 - 保護区域」という地域構造、エコツアー、先進国の人々からの資金援助が必要です。
野生ゴリラのために戦ったダイアン=フォッシー。アフリカに単身でのりこみ、絶滅の危機に瀕しているマウンテンゴリラをすくおうとします。しかしそれは人間との激烈な戦いになっていきます。あまりにも残酷な事件、愛は霧のかなたに消えていきます。

映画『愛は霧のかなたに』(DVD)は、実在の女性ダイアン=フォッシーの生涯を映像化した作品です。



異変を知ってダイアンが現場にはしる。ダイアンがみたものは、首と手首をきりとられたデジットのかわりはてた姿だった。




ゴリラなどの類人猿は、霊長類のなかでもっともヒトにちかく、進化論的にはわたしたちの「隣人」あるいは「親戚」であり、わたしたちヒトの起源と進化そして未来をさぐるためにも欠かせない存在です。そのような隣人を絶滅においやってしまったらとりかえしのつかないことになります。

ゴリラをすくうためには、実際には、ゴリラが生息する生態系(自然環境)を全体的に保全しなければなりません。それぞれの生態系にはそれぞれの食物連鎖があります。そこは動物園ではありません。その生態系でいきるすべての生物と、土壌や地質・水系・地形などの非生物的環境の全体のバランスをたもたなければうまくいきません。

しかし一方で、とくに開発途上国では経済開発が優先されます。動物保護だの環境保全だの言ってられないというのです。両者のおりあいをどこでつければよいか? 大問題です。

たとえば動物保護と環境保全のために、その地域の政府が強制的に保護区域をつくり、ヒトの領域(経済開発の領域)と区別するという方法があります。

このときに、両者のあいだに厳密な一線をひくのではなく、緩衝帯をつくった方がよいです。「ヒトの領域 - 緩衝帯 - 保護区域」とするのです。あいまいなゾーンをあえてつくっておくということです。保護区域は原自然であるのに対して、緩衝帯はヒトの手のはいった自然、二次的自然になります。

あとはエコツアーを実施し、環境を保全しながら、保護資金をえながら、観光業をおこなうという方法があります。

また現地での保全活動に対して、先進国の人々が資金援助をするようにします。最近は、クラウドファンディングという手段があります。

前途多難ですがあきらめるわけにはいきません。

ダイアン=フォッシーの活動は、「ダイアン・フォッシー国際ゴリラ基金(The Dian Fossey Gorilla Fund)」(注)がひきついでいます。ドネーションもうけつけています。一帯は現在、世界有数のゴリラ研究のフィールドにもなっています。


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▼ 注
ダイアン・フォッシー国際ゴリラ基金
The Dian Fossey Gorilla Fund

▼ 追記
その人の環境がみだれているとその人の人生もみだれるように、地球環境がみだれれば人類の未来もみだれます。具体的にはバランスがくずれ、体系が崩壊していきます。