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「ラーメンの歴史」展示
(平行法で立体視ができます)
ラーメンの歴史から、日本人の重層的な創造スタイルがよみとれます。
新横浜ラーメン博物館の1階には「ラーメンの歴史」展示があります(注)。

日本の「ラーメン」の起源は中華麺にあり、中華麺の定義は かん水(アルカリ塩水溶液)をつかった麺ということです。かん水をつかわないと普通のうどんになります。

現存する資料によると、室町時代に中華麺をつくって食べたという記録があります。これが最古の記録です。また日本で最初に中華麺を食べたのは水戸黄門こと徳川光圀でした。水戸に招聘した明国の儒学者がつくったといわれています。

しかし中華麺が本格的に日本にひろがるのは、1859年に幕府が開港し、中国人が日本にうつりすむようになってからです。中華麺は、「南京そば」「支那そば」「中華そば」などといわれていました。

そして日本で最初のラーメン店は 1910 年創業の浅草「来々軒」だといわれています。タレは、それまでの塩味から醤油ベースに変え、具材は焼き豚とメンマ・ネギという日本風であり、中華麺とはちがう日本の「ラーメン」がこのときに誕生したとかんがえられています。 

そのご大正期からはラーメン屋台が増加し、ラーメンが一気に大衆化していきました。

戦後、1950年代にはいると、札幌で「ラーメン横丁」が誕生、「味噌ラーメン」がうまれます。

こうして、「塩ラーメン」「醤油ラーメン」「味噌ラーメン」という、ラーメンの定番メニューが確立していきました。

その後、1970年代からは「とんこつラーメン」ブーム、今世紀にはいると「つけ麺」ブームという大きなブームがおこり、質量ともにラーメン文化が拡充していきます。

現今は、「ご当地ラーメン」ブームがおこるとともに、世界各地でラーメンブームがまきおこっています。ラーメン文化は多様化とグローバル化の時代をむかえ、ますます発展しています。

このように中華麺は日本で「ラーメン」に生まれかわったのです。ラーメンとして再生され、それは日本の麺料理となりました。一杯のどんぶりにすべてがつまっているというラーメンは、日本の食文化の一翼をもはやになっています。ラーメンは、日本のオリジナルとは厳密にはいえませんが、日本の創造的な産物といってよいでしょう。

日本人は、外国からはいってきたものを日本風に改良して、オリジナルよりもいいものをつくってしまいます。これが「日本式」創造のスタイルです。「重層文化」方式といってもよいでしょう。ラーメンの歴史にも日本式がよみとれます。大陸のものは日本で生まれかわるのです。


▼ 注
新横浜ラーメン博物館
入場料
 大人 (中学生以上)310円
 小人 (小学生)100円
 シニア (60歳以上)100円
※ ラーメン代とは別に入場券が必要です。