171007 病気予防
図1 病気予防の基本
病気予防の基本は、バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動であり、「インプット→プロセシング→アウトプット」の観点から生活習慣をみなおすことです。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』では、「現代人を悩ます五大疾病」を2017年7月号から5回にわたり連載し、糖尿病・がん・脳卒中・心臓病・うつ病の予防について解説してきました。どの医者・科学者も、病気予防の基本中の基本としてつぎの3点を強調していました。

  1. バランスのとれた食事をとる
  2. 十分な睡眠をとる
  3. 適度に運動する


食事はインプット、睡眠はプロセシング、運動はアウトプットととらえてもよいでしょう。

そもそもわたしたち生物は代謝により命を維持しています。細胞という一つの膜が、外界(環境)からいろんな栄養素をとりこんで、みずからのエネルギーとして増殖をし、そして不必要なものは外に出していく。これが代謝です。これも、いいかえれば「インプット→プロセシング→アウトプット」だといえます。

「五大疾病」のなかで「うつ病」は、これに情報処理がからんでくるので話がやっかいです。

わたしたちの感覚や思考は脳のニューロン(神経細胞)のはたらきによってうまれます。ニューロンとニューロンは「シナプス」という構造によって電気信号をうけわたししています。ニューロンどうしは密着しておらず、「シナプス間隙」とよばれる隙間があいています。ニューロンをつたわってきた電気信号がシナプスにとどくと、セロトニンなどの「神経伝達物質」が放出され、つぎのニューロンに信号をつたえます。

しかしうつ病の人のニューロンでは、シナプスに放出されるセロトニンの量がすくなくなっているため、神経間の信号伝達が十分におこらず、脳の活動(プロセシング)に支障が生じます。それで脳の活動を回復する治療が必要になってくるのです。

ややむずかしいことが『Newton』には書かれていますが、うつ病を理解することをとおして、人がおこなっている情報処理の仕組みについて理解をふかめることができます。

けっきょく、物質だけでなく、情報の「インプット→プロセシング→アウトプット」もおこっており、これもうまくはたらかないと病気になるということです。物質だけでなく情報のながれも改善する努力が必要です。 「インプット→プロセシング→アウトプット」の観点から生活習慣を今一度みなおしてみることが必要でしょう。


▼ 記事リンク
低カロリー食、野菜から食べる、適度な運動 -「忍び寄る糖尿病」(Newton 2017.7号)-
がんの仕組みと治療法 -「がん治療 最前線」(Newton 2017.8号)-
生活習慣を改善する - 「脳卒中」(Newton 2017.9号)-
AED のつかい方をおぼえておく -「心臓病から身を守ろう!」(Newton 2017年10月号)-
ストレスから解放される -「うつ病」(Newton 2017.11号)-

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内と外とのあいだのやりとりに注目する -『やさしくわかる生命の科学』(Newton別冊)-
生命と環境にとくに注目する - 池上彰著『はじめてのサイエンス』(2)-
情報処理のしくみを理解する - 湯村幸次郎著『図でわかる中学理科』-