心臓病の治療は一刻をあらそいます。AED のつかい方など、対処法を誰もがおぼえておく必要があります。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』(2017年10月号)の連載「現代人を悩ます五大疾病」(第4回)では「心臓病」を解説しています。



心臓病の約8割を占めるのが、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患です。(中略)

天野教授は、「心臓病の発症を防ぐために、日頃から生活習慣に気を配る必要があります」と語ります。脂肪分の少ない和食中心の食事を積極的に摂ることや、日常生活の中で早歩きをしたり、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を行ったりすることが効果的だといいます。(中略)

アメリカの調査によると、「やる以上は徹底的にやらないと気が済まない」といった几帳面な性格の人は、そうでない人に比べて2倍以上も虚血性心疾患を発症しやすいといいます。

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完全に心臓がとまってしまった場合、1分すぎるごとに救命率(蘇生率)が10%ずつさがっていくといいます。AED(自動体外式除細動器)などをつかって周囲の人々が応急処置をおこなうことが非常に重要です。また発症から6時間が "心臓治療のゴールデンタイム" といわれ、その時間をすぎると、重篤な後遺症がのこる可能性がたかくなるといいます。心臓病の治療は一刻をあらそいます。

AED は誰でも使用できるように設計されています。つかい方などについてはたとえば下記サイトを参照してください。動画による解説がありますので是非ご覧ください。
日本光電の AED 情報サイト >>

なお AED とは、異常な拍動をくりかえしてポンプとしての役割をはたしていない状態(心室細動)の心臓を、電気ショックによって一時静止させることによって正常な拍動の再開をうながすものであり、フィクションにおいてよくみられる、電気ショックで静止した心臓を再起動させるものではありません。誤解しないでください。

そのほか、具体的なことは上記のサイトをご覧ください。あらかじめそなえておくことが必要です。




酸素と栄養を心臓にとどける「冠動脈」がつまることでおきる病気が「狭心症」や「心筋梗塞」です。これらの心臓病による死亡数は年間約20万人にものぼり、日本人の死亡原因の第2位となっています。また年間7万件ほどおきる突然死の 70〜80% は心臓病によるものだといいます。

本項では、狭心症の薬としての「ニトログリセリン」、金属の網で血管を再構築する「冠動脈形成術」、つまった血管を迂回して血液をおくる「冠動脈バイパス手術」、iPS 細胞をもちいた最新の心臓治療などについても解説しています。


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▼ 参考文献
『Newton』(2017年10月号)ニュートンプレス、2017年10月7日