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オンデンザメ(ツノザメ目オンデンザメ科)
深海は、わたしたちの想像を絶するスケールの大きな世界です。
国立科学博物館で、特別展「深海 2017 ~最深研究でせまる“生命”と“地球”~」が開催されています(注1)。

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オンデンザメ(ツノザメ目オンデンザメ科)は、水深 2000m 以浅に生息、巨大深海ザメを代表する種のひとつです。皮膚は柔軟で、背びれや胸びれは小さいです。小さな口と大きな口腔をつかって底生魚類や無脊椎動物をすいこんで捕食したり、海底に横たわる大型哺乳類の死骸などをたべます。



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ダイオウイカ(ツツイカ目ダイオウイカ科)
水深 200〜1000m に生息、世界最長の無脊椎動物であり、とくに、獲物をとらえる際につかう触腕がながいです。ほかの深海性イカ類と同様にアンモニアを体にもつことによって浮力をえています。巨体の重さを水中でゼロにちかづけ、エネルギーの浪費をおさえて活発におよぎます。



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ダイオウグソクムシ(ワラジムシ目スナホリムシ科)
水深 200〜1000m の砂泥底に生息、世界最大のワラジムシ類で、成長すると体重は1kg 以上になります。3500 個の個眼からなる大きな複眼をもち、海底にころがる魚類などの死骸を食べます。日本の水族館で飼育展示されたダイオウグソクムシでは5年以上も絶食したという記録もあります。




深海には巨大生物が生息しています。巨大なサメとしては、全長 20m にもなるジンベエザメがよく知られ、オンデンザメも全長7m になります。

また北大西洋に生息するニシオンデンザメは、2016年の調査・研究により 272〜512 歳であることがわかりました。脊椎動物でそれまでもっとも長生きしたとされたホッキョククジラの 211 歳をこえる結果となりました。

巨大なだけでなく、長寿な生物がいるのはおどろきです。深海は、わたしたちが知らないスケールの大きな世界です。


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特別展「深海 2017」(国立科学博物館)(まとめ)

▼ 注1
特別展「深海 2017 ~最深研究でせまる“生命”と“地球”~」(国立科学博物館)
公式ホームページ