本や資料は一気によんで、情報のひとまとまり、つまりファイルをつくるようにするとよいです。
本をよむときに、短時間で一気に読む人と、理解を優先しようとしてゆっくり読む人とがいるとおもいます。

情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点からいうとどちらの読み方がよいでしょうか? 

わたしは前者をおすすめします。とにかく一気に一冊をよみおえて、理解が不十分だったところは再度よみなおせばよいのです。

本を読むということは、本がしめす内容(情報)を内面にインプットするということです。短時間で連続してインプットすれば、ひとまとまりの情報がインプットされ、あとで内容を想起して文章化(アウトプット)をするときにも、そのひとまとまりがスムーズに想起できます。

これに対して、何日にもわけて時間をかけてインプットした場合は、本の情報が断片化されてインプットされ、いくつもの断片的情報が心のなかに記憶されることになります。想起するときにも情報の断片がばらばらにうかびあがってきて、その情報がどの本に記載されていたのかもわからなくなったりして混乱します。アウトプットもうまくいきません。

情報処理をすすめるためには情報のひとまとまりを自覚的につくりだしたほうがよいでしょう。情報のひとまとまりは情報用語ではファイルといいます。ファイルを形成し記憶するようにします。記憶するとは情報を内面にファイルすることです。速読法はこのためにつかえます。

情報処理は同時にファイル形成の問題です。ファイルをつくっておけば、たとえば本の題名をみただけで、その内容がまとまっておもいだせます。

170829 速読
図1 ファイルのモデル


読書とはかぎらず、情報を内面にインプットするときには、対象を大きくとらえて、ひとまとまりの情報を集中的に短時間でインプットしたほうがよいでしょう(注)。


▼ 参考文献
栗田昌裕著『頭がよくなる速読術』KADOKAWA/中経出版、2014年4月10日

▼ 注
読書などとはちがい、フィールドワークや取材では断片的情報しか入手できないことが多いです。その場合には別の処理法が必要になります。