みずから主体的に情報を「咀嚼」することがもとめられます。
如来寺住職・相愛大学教授の釈徹宗さんはつぎのようにのべています(注1)。


学生たちの中には、多くの知識をもっているのに、じっくりとお話しすると魅力を感じない人もいれば、言葉が流暢に出てくるわけではないけれど魅力的な人もいます。魅力的な学生に共通している点は、どんなことであれ一度自分の中で咀嚼しようとしている態度です。


「一度自分のなかで咀嚼」するとは、自分の心のなか(内面)でいったん情報を処理するということです。

今日では、インターネットから簡単に情報が入手できます。しかしえられた情報をそのまま SNS にアップしたりしゃべったりしているだけでしたら、それは情報をコピーしているだけであって、情報の処理(プロセシング)がおこっていません。

インターネットや書籍その他の資料から情報を入手するのは内面への情報のインプットです。それはそれで重要なことです。問題はそのあとです。心のなかでプロセシングをすすめる姿勢が必要です。そして自分の言葉をつかってアウトプットするようにします。

情報があふれかえる時代であるからこそ、このような主体的な情報処理がもとめられます。


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▼ 注1:参考文献
釈徹宗著・NHK編『NHK 100 de 名著 維摩経』 (NHKテキスト)NHK出版、2017年5月25日