格安スマホを検討して、大手通信会社から格安スマホにのりかえます。
〔2018.2.28 更新, 2017.7.1 更新〕
格安スマホがシェアをのばすなか、NTTドコモが、あらたな値下げプランを導入しました。格安スマホや大手の "第2ブランド" の値下げ競争からは一線を画してきたドコモの方針転換ともいえる今回の値下げです(注1)。

わたしはソフトバンクをつかっていて、現在(2017.6.14)、月額 7,130円(税込)を支払っています。スマホは、ソフトバンクで購入(契約)した iPhone 6 Plus であり、購入後2年以上たっている(2年縛りからは解放されている)のでスマホ代(月賦)はふくまれていません。

ソフトバンクドやドコモや au で契約した iPhone などをつかっている場合、毎月 6,500 円以上を支払っている人が多いとおもいます。しかし格安 SIM カード(格安スマホ通信会社)を利用すると多くの場合、月額 1,400円〜2,000円、平均 1,600円ぐらいですむことになります。




この価格差は非常に大きいです。格安スマホに移行するのが自然な流れといえるでしょう。基本的にはつぎのような手順で移行します。

  1. SIM フリー(SIM ロックがかかっていない)スマホを用意する(あるいは買う)
  2. 契約中の携帯電話会社から MNP(携帯電話番号ポータビリティー)予約番号をもらう
  3. 格安 SIM カードを買う(格安スマホ通信会社と契約する)
  4. スマホに SIM カードをセット、設定をして利用開始

SIM カードとは、電話番号を特定するための固有の ID 番号が記録された、スマホや携帯が通信するために必要な IC カードのことです。

従来の大手(ドコモや au やソフトバンク)で買ったスマホは、SIM にロックがかかっていて他社ではつかえないようになっていました。しかし今では、SIM ロックがかかっていない、どの通信会社でもつかえるスマホが売られています。iPhone も、アップルストアなどで SIM フリー iPhone が今では販売されています。

このような SIM フリースマホを用意すればよいのです。中古でも新品でもかまいません。

あるいは、大手で購入したスマホであっても、もうしこめば SIM ロックを解除してくれる機種「SIM ロック解除対応機種」があります。たとえば iPhone でしたら、2015年5月以降に発売されたもの、iPhone 6s からであれば SIM ロック解除が公式にできます(注1)。SIM ロック解除対応機種についてはそれぞれの大手のサイトを参照してください。


また、SIM ロックがかかったままでもつかえる格安 SIM カードもあります。この場合は、いま契約している通信回線と、のりかえたい格安 SIM カードの通信回線がおなじであれば SIM ロック解除が不要となります。たとえばドコモで契約したスマホであれば、ドコモの通信回線をつかう格安 SIM カードにのりかええた場合は SIM ロック解除は不要です。おなじように au で契約したスマホであれば、au の通信回線をつかう格安 SIM カードにのりかえた場合は SIM ロック解除は不要です。あるいは「 b-mobile S 」でしたら、ソフトバンクの SIM ロックがかかっている iPhone でもつかえる SIM を販売しています(注2)。

あるいは格安通信会社でもスマホ本体を販売していて、格安 SIM とスマホ本体をセットで購入することもできます。これは従来の大手の方式とおなじです。しかし対応機種がかぎられていたり、すきなときにすきな機種に変更することができないなど自由度はちいさくなりますので、SIM フリースマホを別途 用意した方がよいかもしれません。




■ 音声通話つき SIM の月額最低料金の比較(税抜)

  • b-mobile S :990ジャストフィットSIM(ソフトバンク回線利用)、990円(1GB付)
  • イオンモバイル:音声 500MB プラン 1,130円
  • ヤマダニューモバイル:シンプルプラン(低速通信)1,250円、3.3GB プラン 1,600円
  • b-mobile:おかわり SIM 音声付き(1GB)1,300円
  • mineo:デュアルタイプ 500MB 1,310円
  • U-mobile :通話プラス 3GB 1,580円
  • OCN モバイル ONE:110MB/日 コース 1,600円
  • BIGLOBE:3ギガプラン 1,600円
  • IIJmio(みおふぉん):ミニマムスタートプラン(3GB) 1,600円
  • LINE MOBILE:コミュニケーションフリープラン 3GB 1,690円
  • UQ mobile:データ高速+音声通話プラン(3GB)1.680円
  • 楽天モバイル :スーパーホーダイ(2GB)1,980円
  • Y! mobile:スマホプランS(2GB)2.980円
※ 期間限定のキャンペーンなどは各サイトをご覧ください。




スマホの SIM がフリーになって本当によかったです。大手3社のいずれかに縛られていた状態から解放されました。

また外国にいったときも、SIM フリースマホであれば、現地の通信会社の SIM を買って手持ちのスマホがそのままつかえるようになりました。

これまでは、せっかく iPhone を滞在先にもっていってもつかえませんでした。最新の技術が、日本の特定の大企業による "縛り" によって外国ではつかえなかったのです。わたしは SIM フリー携帯電話を現地で別途 購入してつかっていました。日本で買ったスマホが外国ではつかえない。こんなバカなことはありませんでした。




十数年前にわたしは、ドコモからソフトバンクに携帯電話をかえました。当時、「携帯電話料金が高すぎる」といって携帯電話事業にソフトバンクが新規参入してきました。ドコモにくらべて格安だったので、電話番号が当時は変更になりましたが、ソフトバンクに変更しました。月額およそ1,400円になりました。

しかしその後、ソフトバンクの初心はどこかにいってしまい、料金は非常に高騰しました。携帯電話業界は寡占のよい例となりました。

規制緩和とともにようやく、格安事業者があらたに参入してきたことは健全なことです。ドコモも、あらたな値下げプランを導入しました。しかしソフトバンクは「スーパーフライデー」というサービスを現ユーザーむけに実施、コンビニのアイスを1個くれました。あまい物をあげればよろこぶとおもって。

しかしそんなことではなくて、何事も、人々のニーズにこたえることが必要なのです。


▼ 注1:SIM ロック解除

iPhone の場合でしたら、iPhone 6 とそれより前の機種では SIM ロック解除が公式にはできません。アダプター(SIM下駄)を別途 購入して自己責任でおこなうか、SIM フリー iPhone をあらたに買うことになります。

SIM ロック解除アダプタ(SIM下駄)としては、たとえば「SmartKing X」(docomo 系格安SIMをターゲットとした音声通話 /4G 対応 SIM ロック解除アダプタ)が amazon.co.jp で売られていますが、もし利用する場合は自己責任でおねがいします。


▼ 注2:ソフトバンクの iPhone・iPad でつかえる格安SIMサービス
 
b-mobile S 開幕SIM」(2017.3.22 発売):ソフトバンクの iPhone・iPad 向け格安 SIM です。ソフトバンクの iPhone・iPad を SIM ロック解除せずにつかえます。

b-mobile S」:2018年10月に、電話(音声通話)とデータ通信がつかえるプランが発売されました。

U-mobile S」もソフトバンクの iPhone・iPad を SIM ロック解除せずにつかえます。ただしこれはデータ通信のみです。報道によると、音声通話つき SIM は現在準備中だそうです。

ヤマダニューモバイル」(Y.U-mobile)がソフトバンクの iPhone・iPad をつかえるプランを準備中だそうです。

※ ソフトバンクの  iPhone・iPad であっても SIM ロック解除対応機種 であれば、ソフトバンクにもうしこめば SIM ロック解除ができ、あらゆる通信会社の SIM がつかえるようになります。


▼ 追記
MNP(携帯電話番号ポータビリティー)予約番号をもらうためにソフトバンクに電話したところ、「どこのサービスにうつりますか」ときかれましたが、そのようなことにこたえる必要はありません。その後、Y! mobile をつよくすすめてきて、「メールをおくるので、MNPはその後になります」といってくわしい説明をしてきましたが、Y! mobile は他社にくらべて割高なのでことわりました。それでもひつこくくいさがってきたので、「MNP をもらわないと移行できないんです。SIM は今では、アマゾンでも売っているんです」と説明したら、ようやく了解してもらえました。なおソフトバンクの場合、手数料として12,500円を徴収されます。

検討した結果わたしは、イオンモバイルの「音声 500MB プラン」にしました。申込みから3日目の朝に SIM が到着しました。わたしの iPhone 6 Plus は、ソフトバンクの SIM ロック解除対応機種ではないので、amazon.co.jp で購入した「SmartKing X」(docomo 系格安SIMをターゲットとした音声通話/4G対応SIMロック解除アダプタ)に SIM をかさねて挿入しました(こちらのサイトには動画説明もあります。SmartKing X をつかう場合は自己責任でおねがいします)。まったく問題なくつかえる状態にすぐになりました。

格安スマホが登場してきたことによって寡占が解消されました。これがもっとも重要なことです。経済社会が健全に発展するためには企業間の健全な競争が必要です。健全な競争があればおのずと価格は適正になります。独占・複占・寡占を防止するためには健全な競争が必要であることをあらためて認識させる今回の事例でした。
 
 
▼ 注1:参考サイト
格安か大手か どう選ぶ?スマホの契約先(NHK NEWS WEB)
電話の通信料が安くなる!『格安スマホはじめてガイド』(amazon.co.jp)