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ドードーの模型(Dodo model)
(平行法で立体視ができます)

絶滅種を知ることによって、生物多様性と種の保全の重要性に気づかされます。
東京・上野の国立科学博物館で「大英自然史博物館」展が開催されています。その第4展示室「私たちの周りの多様な世界」では絶滅した生物をしめし、生物多様性と種の保全の重要性をうったえています。

写真は平行法で立体視ができます。
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ドードーの脚(右)、ドードーの頭部(左上)、ドードーの足(左下)
ドードーは、インド洋にうかぶ孤島・モーリシャスに生息していましたが、上陸したオランダ人の船乗りたちがネズミ・ネコ・ブタ・サルをもちこんだため、こららの餌食になりました。また侵入者たちは森林地帯を開拓したためにドードーは生息地をうしないました。そして90年後に絶滅しました。剥製は1体ものこっておらず、模型は、最近の鳥類解剖学の解釈にもとづいてつくられました。 



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オオツノジカ頭骨(Giant deer)
(アイルランド、更新世後期、約1万3000年前)
オオツノジカは、地球上にかつて生息したもっとも大きなシカでした。肩高は2メートルにまで成長したことがありました。最終氷期の後期におこった気候変動の影響をうけ、8000年前に絶滅しました。



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 サーベルタイガー(Sabre-toothed cat)
(アメリカ、更新世、1万2000年前)
サーベルタイガーは、約1万2000年前のアメリカに生息していました。大きさはライオンとおなじぐらいで、大きな歯をもっていました。バイソン・メガテリウム・ラクダ・ウマ、ときには小さなマンモスといった大型草食獣を食べていたのではないでしょうか。人間が遭遇しえたサーベルタイガーの一種です。最終氷期の末期に絶滅しました。


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地球の生物は、過去に5回の大絶滅を経験してきたとかんがえられています。そして現在、第6回目の大絶滅が進行中です。これは人間による大絶滅です。人間は、地球の資源をくいつぶしながら環境を破壊して生活空間を拡大しており、これによって大絶滅がひきおこされているのです。

大絶滅によって生物多様性がうしなわれると何がおこるのでしょうか? 大きな問題は生物界がバランスをくずすことでしょう。そしてシステムが崩壊していきます。


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▼ 注1
大英自然史博物館展(国立科学博物館) 
大英自然史博物館展(特設サイト) 
公式動画 

▼ 参考文献 
国立科学博物館・読売新聞社編集『大英自然史博物館展 図録』読売新聞社発行、2017年