南シナ海の生態系が破壊され、水産資源が枯渇しつつあります。海洋国家である日本も無関心ではいられません。
領有権あらそいや乱獲によって、世界屈指のゆたかな漁場が崩壊の危機に直面しています。『ナショナル ジオグラフィック日本版 2017.3号 』では、南シナ海の枯渇する水産資源について解説しています。




マグロやカジキといった高価な魚は、南シナ海では次第に見つけずらくなっている。世界屈指のこの漁場が崩壊することになれば、沿岸諸国の人々の食料や雇用が脅かされるだろう。

およそ8年前に中国がより強力な姿勢に転じ、他国の漁業者を威嚇するようになったこと、そしてついには係争中の島々に軍事施設を建設し始めた。

領有権を争っているのは、インドネシア、台湾、中国、フィリピン、ブルネイ、マーレシアという7つの国と地域だ。

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領有権あらそいが魚の争奪戦になり、魚の争奪戦が領有権あらそいを激化させるという悪循環が生じています。「比較的短時間のうちに、何百という種が絶滅するでしょう」という海洋学者もいます。

中国による人工島の建設によって生態系もこわれていきます。また中国によるシャコガイの乱獲も問題になっています。

近年、海の生態系がクローズアップされてきています。環境問題は陸だけのものではありません。海の環境保全のためには陸地のそれとはちがったアプローチが必要でしょう。日本も海洋国家です。南シナ海の問題に無関心ではいられません。


▼ 参考文献
『ナショナル ジオグラフィック日本版 2017.3号 』日経ナショナルジオグラフィック社、2017年2月28日