大きな組織で昇進をつづければ、いつかかならず「無能レベル」に到達します。無能レベルの人間にならない工夫が必要です。
今回は、白鳥敬著『定理と法則 105』(学研プラス)でもとりあげている「ピーターの法則」についてかんがえてみたいとおもいます。


ピーターの法則:社員は出世するほど無能になる。


こんな症状のある人はいないでしょうか?
「慢性疲労・胃潰瘍・下痢・過食・食欲不振・不眠症・偏頭痛・むかつき・耳鳴り・めまい・アル中・性的不能・・・」
ピーターらは、これらを「終着駅症候群」と命名し、成功者に共通する自訴症状とみなしています。

あるいはこんな人はいないでしょうか?
「有能レベルにあった古きよき昔の追憶にふけり、現状をこぼす」
「机の上に無用の書類や図書をうず高く積みあげておく」
「本来の仕事や問題はそっちのけでやたらに冗談や洒落をとばす」
こんな徴候のある人は「無能レベル」にちかづいているか「無能レベル」に到達しているといっています。

階層構造をもつ大きな組織のなかで、たとえば平社員が課長に昇進したり、あるいは課長が部長に昇進したり、部長が支店長に昇進したりして、それまではたのしく仕事をしていた人が、急に、上記のような症状をしめすことがあります。

大きな組織のなかでは、地位があがればもとめられる能力もあがります。最初は、自分の能力の範囲内で仕事ができていても、地位があがったために、自分の能力がそのレベルにおよばなくなるということはごく普通にあります。

大きな組織で昇進をつづければ、このような「無能レベル」にいつかかならず到達します。そして上記のような症状がでてくるのです。

これは、上司にとっても部下にとっても組織にとっても不幸なことです。どうしてこんなことになるのか?「ピーターの法則」をすぐにまなぶべきです。


 

自分の能力を開発したり、より上の段階をめざすときの注意点は、自分の現在の実力よりもわずかに高いところをまずねらって訓練をするところにあります。現在の実力よりもかなり高いレベル(無能レベル)にいきなり行くと心身をこわしてしまいます(図1)。

170304 無能レベル

図1 無能レベルに行かないようにする


現在の実力よりもわずかに高い所をねらって訓練し、そこに到達したら、あらためて、そのレベルよりもわずかに高いところをねらって訓練し、ということをくりかえしていくべきなのです。




「ピーターの法則」は、大企業・大組織ではたらく人々に警鐘をならしています。日本のような、大組織中心で発展してきた社会では特に重要です。あたらしい情報産業社会に適応していくためにも「ピーターの法則」を理解すべきでしょう。


▼ 関連記事
ステップアップの山歩きを実践する -『山で元気に! 田部井淳子の登山入門』-

全体をまずとらえる - ゲシュタルト心理学 -

▼ 参考文献
白鳥敬著『定理と法則 105』(人に話したくなる教養雑学シリーズ)学研プラス、2013年9月11日
ローレンス=J=ピーター ・レイモンド=ハル著(渡辺伸也訳)『ピーターの法則』ダイヤモンド社、2003年12月11日
梅棹忠夫著『わたしの生きがい論 人生に目的があるか』(講談社文庫)講談社、1985年1月
※『わたしの生きがい論』のなかでも「ピーターの法則」について解説しています。生き方を変えるヒントもよみとることができます。