グラフィック・マガジンを活用するときには、イメージをまず見て、つぎにそのイメージ空間のなかに言語をうめこんで認識していくとよいです。

グラフィックサイエンスマガジン『Newton 2017.3 号』では、イメージ(画像やイラスト)をふんだんにつかって生命科学や地球科学・宇宙科学の最新の研究成果を紹介しています。



世界の絶景
 メテオラ
 アルボード砂漠

Newton Special
 アルツハイマー病 研究最前線 

シリーズ:驚異の地形 第1回
 大地が生みだす驚異の地形 
 - 地球に巨大な凹凸をつくりだすプレートの力 -

シリーズ:細胞分裂のふしぎ 第3回
 DNAを正確にコピーせよ!
 - 10億文字に1文字のミスしか残さないしくみ -

シリーズ:炭素の科学 第1回
 炭素とは,どのような物質か?
 - 黒鉛にもダイヤにもなる驚異の元素 -

Cosmic Wonder
 X線でとらえた“見えない”宇宙
 - NuSTARがあばく超高エネルギーの天文現象 -

Nature View
 氷上の子育て
 - タテゴトアザラシの親子を追う -

Topic
 探査機はどうやって惑星にたどり着くのか?

身近な“?”の科学
 せき・たん


世界の絶景」では、林立する奇岩とそのうえにたてられた修道院メテオラ(ギリシャ・世界遺産)と、アメリカ・オレゴン州にひろがるアルボード砂漠の絶景写真をみることができます。

アルツハイマー病 研究最前線」では、アルツハイマー病は記憶障害からはじまり、老化とともに誰にでも発症する可能性があることがわかります。発症をおくらせるために、わかいときから趣味にとりくむのがよいでしょう。
記憶の仕組みとアルツハイマー病 -「アルツハイマー病 研究最前線」 >>

大地が生みだす驚異の地形」では、さまざまな地形が、地球上の大規模なプレート運動によって生みだされることがわかります。大局的な見方と小局的な見方を同時にはたらかせて、ホロニックな理解ができるようになるとよいでしょう。
ホロニックな見方を身につける - シリーズ:驚異の地形(1)「大地が生みだす驚異の地形」 >>

DNAを正確にコピーせよ!」では、細胞分裂のときに、ほぼ完璧に DNA はコピーされますが、わずかにゆらぎがあることがわかります。ゆらぎが、生命の進化にも影響しています。
自然のゆらぎを知る - シリーズ:細胞分裂のふしぎ(3)「DNAを正確にコピーせよ!」 >>

炭素とは,どのような物質か?」では、おなじ炭素(C)でできていても黒煙とダイヤモンドのように結晶構造がちがうと性質がおおきくことなることを説明しています。

X線でとらえた “見えない” 宇宙」では、NASA がうちあげたX線望遠鏡がとらえた、人間の目には見えない宇宙の姿を迫力のある画像やイラストでたしかめることができます。目には見えないことがあるということは、わたしたちが普通に認知している宇宙は感覚世界でしかないということに気がつくことも重要です。

氷上の子育て」では、母親にまもられながら、流氷のうえですくすくと成長するタテゴトアザラシの赤ちゃんの写真をみることができます。

探査機はどうやって惑星にたどり着くのか?」では、物理法則をつかって目的の天体にたどりつく探査機の技術について説明しています。

せき・たん」では、気道が、細菌や異物を感知してアウトプットする仕組みについて説明しています。
せきが長引くときには受診する -「せき・たん」 >>




グラフィック・マガジンを活用するときには、まず、全ページのイメージ(画像やイラスト)を最後まで一気に見てしまうのがよいです。そのときには目で見るだけにして、解説文(言語)は黙読しないようにします。5〜10分で見おわるとおもいます。

目で見ただけでどこまで理解できるでしょうか? 

たとえば表紙のイメージ(イラスト)を見れば、左側は正常な脳、右側は病気の脳だということは素人でもわかるとおもいます。しかし一方で、「何だこれ?」というのもあるとおもいます。

そしてつぎに、言語による説明文を読んでいきます。このときに言語は、イメージのなかにうめこまれているととらえます。イメージをベースにして理解していくのです。 

グラフィック・マガジンのおもしろさは、イメージ空間に言語をうめこんで認識できるところにあります。『Newton』は、そのような方法を意図してそもそもつくられているのだとおもいます。最初から、黙読をしながらコツコツと言葉をおいかけない方がよいです。イメージ空間の情報処理の方がはるかに認識がすすみます(注)。


▼ 文献
『Newton 2017.3号』ニュートンプレス、2017年3月7日発行

▼ 注
このような方法は速読法に発展させることができます。