開発反対の運動をするよりも環境保護運動をした方がよいです。何事も、粗さがしと反対ではなく、もっと創造的にとりくむようにします。

NHK「日曜美術館」(2016年12月4日)で、「絵は歌うように生まれてくる ~画家・谷川晃一 森の生活~」を放送していました(注1)。画家の谷川晃一さんは伊豆高原にうつりすみ、ゆたかな自然の中で作品は大きく変わりました。

番組では、谷川晃一さんが実行委員長をつとめるアートイベント「伊豆高原アートフェスティバル」についても紹介していました(注2)。


伊豆高原アートフェスティバルの始まりは谷川晃一・宮迫千鶴夫妻が1988年、東京から移ってきた頃の出来事に遡ります。ふたりは、野鳥や幾多の昆虫が生息する伊豆高原の自然環境の豊かさに感動しました。ところが、折しもバブル経済真っ盛り。この辺りも開発にさらされ、ゴルフ場建設のための造成工事が進められていました。

乱開発を何とか止めたい。けれど、谷川さんたちが始めた反対運動には多くの賛同者は得られませんでした。(中略)谷川さんと宮迫さんは「地域の環境保全のためには反対運動を呼びかけるより、環境保護運動とリンクしたアートフェスティバルという形で、みんなで楽しみながら関係をつくっていくことが大事だ」と考え、始めたのだそうです。


すなわち開発に反対する運動をするよりも、環境保護運動をした方がよいということです。わたしも反開発、環境保護の立場ですので、このことには常日頃から留意しています。

開発か保全かといった問題にかぎらず、反対運動だけをやっていても世の中は変わりません。反対運動はけっきょく不毛です。

何かの議論をするときでも、原案の粗さがしをしてケチをつけて反対しているだけだと意味がありません。かならず対案を提出して議論をすすめなければなりません。何かの候補者がいる場合も、その人の粗さがしをして反対するのではなく、対立候補を応援するようにします。 

粗さがしと反対だけをしている人をみかけることがありますが一生を棒にふるだけです。不毛なだけでなく、かえって相手に力をあたえてしまうことがよくあります。

端的にいえばもっと創造的にとりくむということです。あらゆる場面でいえることです。国会もそうです。



 
番組では,伊豆高原のうつくしい自然のなかにとけこむ文化的な仕事・活動が紹介されていました。「自然のなかにとけこ文化」というのがいいです。

伊豆高原アートフェスティバル(注3)は毎年つづいて、今年(2017年)で25回になります。5月になると、プロアマ問わずたくさんの参加者でにぎわって、地域の文化としてすっかり根づいているそうです。



▼ 注1

▼ 注2