心のなかでイメージをえがいたら、手・指をつかってアウトプットします。このような創造的な能力はホモ・サピエンス誰もがもっている能力です。

東京・上野の国立科学博物館で特別展「世界遺産 ラスコー展 -クロマニョン人が残した洞窟壁画-」が開催されています(注1)。約2万年前にえがかれた洞窟壁画の最高傑作を間近で体感するという企画です。

クロマニョン人はわたしたちとおなじホモ・サピエンス(ヒト)に属します。イメージをえがくことは、ホモ・サピエンスの本源的・基本的な能力として重要です。

ラスコー洞窟は、その3次元構造をとらえることによって「ギャラリー」としてとらえることができます。クロマニョン人は洞窟の構造をたくみにつかって壁画をえがきました。クロマニョン人は、観察力、記憶力・心象力・想像力、描画力といった高度な情報処理能力をもっていたことがわかります。

人類の進化により、ホモ・サピエンスには手・指が高度に発達しました。手・指はアウトプットのための基本的な「道具」として大きな役割をはたしています。

クロマニョン人が活動した後期旧石器時代、日本列島はどうだったのでしょうか。このころに日本列島でくらしていた人々は、手をつかいこなしてさまざまな道具をつくりだしていました。

創造的な能力は、すべてのホモ・サピエンスが本源的・潜在的にもっている能力であることがわかります。


▼ 注1
特別展「世界遺産 ラスコー展 -クロマニョン人が残した洞窟壁画-」
国立科学博物館のサイト

▼ 参考文献
海部陽介監修『世界遺産 ラスコー展』(図録)、毎日新聞社・TBSテレビ発行、2016年

▼ 記事リンク
イメージをえがく - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(1)-
洞窟の構造をとらえる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(2)-
クロマニョン人の情報処理能力をみる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(3)-
手・指をつかってアウトプットする - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(4)- 
手をつかいこなして道具をつくる - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(5)-
イメージをえがき、手をつかってアウトプットする - 特別展「世界遺産 ラスコー展」(まとめ)-

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