161013 目標
図1 問題解決の3段階モデル

問題解決の3段階モデルにおけるアウトプットでは、課題を書きだし、事実を書きだし、目標を書きだすようにするとよいです。

人間は基本的に、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)をする存在です。この情報処理は、漠然とおこなっているよりも、段階を意識して累積的におこなったほうが効果があがります。

たとえば、まず全体を見て、つぎに特定の課題のもとで個々のケースをしらべ、そして状況を判断をして行動していくといったやりかたが提案できます。〈1.大観→2.調査→3.判断〉ということです(図1)。それぞれの段階の内部で情報処理をくりかえします。

大観とは、関心のある領域全体を大きく広く見ることです。写真や画像・図面・図解などをつかってできるだけ短時間でまるごと一気に見てしまうのがポイントです(注1)。そしてうかんできた課題をとらえて書きだします(アウトプット)します。

調査では、課題を明確にして、課題を中心にして情報を収集します。必要に応じて写真撮影もしておくとよいでしょう。大観とはちがい狭く深く時間をかけておこなうようにします。そして今度は事実を書きだします(アウトプットします)。自分のかんがえとはちがう事柄があったとしても事実は事実としてみとめ、書きださなければなりません。

判断とは、記録や写真を見直したりしながら事実をふまえて状況を判断することです。第1段階で大観したことも参照しながらおこなえば判断が安定し確かなものになります。そして行動の目標を書きだします(アウトプットします)。

問題を解決するためには具体的に行動をおこしていかなければなりません。そのときに目標があればまよいなくすすんでいけますが、目標がさだまらないとさまようことになります。また目標は1つに決めなければなりません。たとえばのぼりたい山が3つあったとしても、3つの山に同時にのぼることは誰にもできません。目標はまず一つに決めて、それが達成できたらつぎの目標にむかっていくようにします。




以上のように、問題解決の各段階の内部で情報処理をおこない、課題を書きだし、事実を書きだし、目標を書きだすと効果的です。それぞれでアウトプットする内容を変えてみるということです。

  1. 大観:課題をアウトプット
  2. 調査:事実をアウトプット
  3. 判断:目標をアウトプット


▼ 関連記事
問題解決の方法(まとめ)

▼ 注1:大観と総合とはちがう
大観と混同されやすいのが総合という方法です。

大観は、写真や画像・図面・図解などをつかって全体を一度にまるごと見る方法です。たとえばグローバルに見るということです。最近では、どのような分野でも大観のためのイラストやイメージなどが用意されています。写真集や人工衛星の画像をつかってもよいでしょう。

それに対して総合とは、情報収集によってあつまったたくさんのデータ(情報)を組みあわせて統合して全体像を再構築するという方法です。たとえばフィールドワークを海外でおこなって膨大なデータがあつまった場合に、問題解決の第3段階目で総合の方法が必要になることがあります。「KJ法」とよばれる方法はこのための方法です。