見開き2ページを1枚の絵として記憶し、構造のなかで、個々のイラストをとらえて記憶するようにします。

大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)はイラスト(イメージ)をつかって 英文法を理解し、つかえる英語を身につけるためのすぐれた解説書です。


本書にでているイメージ(イラスト)をみながらネイティブのもつイメージをつかんで記憶することが大切です。たとえば、SEE、WATCH、LISTEN、HEARのイメージはおもいだせるでしょうか?

ネイティブのもつイメージをつかむ - 大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法(3)- >>




今回は、さらにややすすんだ記憶法としてつぎの方法を紹介します。

本書の122-123ページをひらくとつぎのようになっています。


IMG_5990
1枚の絵として記銘する(122-123ページ)


この見開き2ページを全体的にじっくり見て、1枚の絵として記憶します(記銘し保持するようにします)。カメラで絵をうつしとるようにして心のなかに記銘するといってもよいでしょう。

そして目を閉じて、いま見た絵をおもいおこしてみます(想起してみます)。<記銘→保持→想起>の一連のプロセスは記憶法の実践になります。

細部のこまかいところまではおもいだせなくてもかまいません。まずは、下図のような絵の構造(枠組み)をつかみおぼえるようにします。


160929 構造
絵の構造(枠組み)


このような構造のなかに、SEE・WATCH・LISTEN・HEAR のそれぞれのイラストがうめこまれている、あるいは空間配置されているわけです。それぞれのイラストは構造のなかの要素あるいは点的情報といえます(注1)。

たとえば SEE のイラストをおもいだすときには、そういえば、構造(見開き2ページの絵)のなかの左上にあったということもあわせて想起するようにします。

LISTEN のイラストをおもいだすときには、構造のなかの中央のやや右下にあったということもおもいだします。

あるいは構造をまずおもいだして、そういえば、右上に、 HEAR のイラストがあったというように想起してもよいです。

構造(見開き2ページ)と要素(個々のイラスト)の両者をとらえたほうが、記銘しやすく保持もすすみ想起もできるようになります(注2)。つまり記憶法がすすみ、アウトプットに直結できます。

本書のすべてについてこのようなことをやる必要はありませんが、自分の気にっいた重要なページについてはやってみる価値があるでしょう。




この記憶法は、ひとたびコツをマスターしてしまえばあらゆる分野でつかえます。よくできたイラスト(イメージ)が多用されている参考書をさがしだしてやってみるとよいでしょう。


▼ 注1:構造と要素
構造(見開き2ページの絵)は、「入れ物」あるいは「うつわ」「空間」といってもよいです。あるいはひとつの「部屋」があり、そのなかに4人の「人物」がいると見なしてもよいです。構造と要素の両者をつかむことが大切です。構造と要素は、つぎのようにいいかえてもかまいません。

構造:枠組み、構図、入れ物、うつわ、部屋、システム、空間
要素:個々のイラスト、個物、個体、人物、展示品、点的情報

▼ 注2
構造のなかで要素をとらえ記憶するということは個々の要素の場所(位置)を記憶するということです。個々のイメージ記憶とともに場所記憶(位置記憶)も生じると記憶はいっそう強化され、想起そしてアウトプットがしやすくなります。

▼ 文献
大西泰斗・ポール=マクベイ著『一億人の英文法』(東進ブックス)ナガセ、2011年9月30日 第2版発行

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