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国立民族学博物館(交差法で立体視ができます)
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世界中のどの言語にも規則性や構造性があります。それぞれの言語の原則を身につけることが大切です。

大阪・千里にある国立民族学博物館には「言語展示」(常設展示)があります。世界各地で発達した言語の数々を紹介しています。

言語は、情報をアウトプットし伝達するために世界でもっともよくつかわれている手段です。

6000とも7000ともいわれる言葉が世界にはあります。「言語展示」室にある「世界の言語」地図や「世界のことば」装置では、世界中の言語を実際にたしかめることができます。

世界の文字」地図では、約5000年前に生まれた文字を系統図をもちいて歴史的にしめしています。

語順」装置では、世界の約150言語の語順についてしらべることができます。それぞれの言語は特定の語順をもっています。




このような展示をみて装置を操作していると、世界中のどの言語にも規則性や構造性があることがわかってきます。文法のない言語などありえません。言語は、それぞれの法則にしたがって規則ただしく変化します。音変化にも規則性があります。今日では、科学的な言語研究によりこれらのことがあきらかになっています。言語に対する非科学的な誤解をしないことが大切です。

たとえば「日本語は曖昧模糊としていて非論理的だ」という人がいます。しかし「言語展示」に接してみると、このような指摘はまちがっていることがわかります。実際には、そういっているご本人が曖昧模糊とした性格をもち、論理的な思考ができないので非論理的な文章しか書けないのです。論理的な思考ができる人ならばどの言語をつかっても論理的な文章が書けます。

あるいは「日本語はとくにむずかしい言語である」という人もいます。しかしどの言語でも、一定の年齢をこえるとまなぶのががむずかしくなります。どの言語でも、母語ではなく外国語である場合は習得はむずかしいのです。

あるいはわたしは中学生のときに、「英語には敬語はありません。欧米人は表情で表現します」とおそわりましたが、これもまちがっています。英語にもどの言語にも敬語(丁寧な表現)があります。

このような誤解におちいることなく言語の原則を身につけることが大切です。日本語の場合でしたら、「修飾の順序」と「読点」の原則をまずは身につければよいでしょう。
 



▼ 参考資料
国立民族学博物館編『国立民族学博物館展示ガイド』2014年7月10日 第2版発行