グラフィックサイエンスマガジン『Newton 2016.10 号』では、「超高速は実現可能か」「恒星や惑星の誕生を探る」「東北の森と水がつくる風景」「ウォンバット」「新たなダークマター理論」「ゲリラ豪雨は予測できるか?」「だしとうま味」などについても解説しています。



世界の絶景
 エアーズロック
 フライガイザー

Newton Soecial
 超高速は実現可能か

シリーズ :元素と周期表 第4回(終)
 「放射性物質」とは何か?

シリーズ:消化の旅 第2回
 胃酸の泉へ

シリーズ:海のすべて 第1回
 知られざる海の素顔

Cosmic Wonder
 恒星や惑星の誕生を探る

Nature View
 東北の森と水がつくる風景

Nature View
 ウォンバット

特別インタビュー
 新たなダークマター理論

Topic
 ゲリラ豪雨は予測できるか?

身近な"?"の科学
 だしとうま味


世界の絶景」では、エアーズロックフライガイザーをパノラマ写真でみることができます。エアーズロックは、オーストラリアの中央部にそびえる巨大な一枚岩です。先住民は「ウルル」とよびます。フライガイザーは、アメリカ・ネバダ州にある、熱水が噴出しつづけるドームです。

超高速は実現可能か」では、自然界の最高速度といわれる高速cをこえる可能性について検討しています。本書をみながら思考実験をあなたもすすめることができます。1964年、ヨーロッパ原子核研究機構の加速器において、光速の99.975%でとぶ「パイ中間子」から放出された光の速度が測定されました。その結果は秒速約30万キロメートルであり、パイ中間子の速さがプラスされて超高速になることはありませんでした。1967年、アメリカの物理学者のジェラルド=ファインバーグは、最初から超高速ですすむ粒子をかんがえ「タキオン」と名づけました。

恒星や惑星の誕生を探る」では、南半球チリ高地にあるヨーロッパ南天天文台がとらえた貴重な画像をみながら、星の誕生と進化について知ることができます。オリオン大星雲の最深部、カメレオン座の反射星雲、大マゼラン銀河のなかの散光星雲、矮小銀河 IC 1613、オリオン座 V883 星など。

東北の森と水がつくる風景」では、あざやかな色彩をまとった四季折々の東北の自然をうつくしい写真でみることができます。新緑のブナ林(青森県)、元滝(鳥海山のふもと)、秋の蔦沼(青森県)、立又渓谷の二ノ滝(秋田県)、奥入瀬渓流の銚子大滝(青森県)、残雪のブナ林(青森県)。

ウォンバット」は、オーストラリアにすむ有袋類です。植物性で、地中にほった巣穴で生活しています。

新たなダークマター理論」では、いまだ正体がつかめていない未知の物質「ダークマター」について解説しています。アメリカの理論物理学リサ=ランドールは、一部のダークマターどうしには重力以外の力がはたらき、地球に隕石がふりそそぎ、それが恐竜の絶滅にも関連しているのではないかと指摘しています。

ゲリラ豪雨は予測できるか?」では、大きな災害を突然おこす「ゲリラ豪雨」などを予測する技術について解説しています。気象庁では「ナウキャスト」とよばれる予報をしています。防災科学技術研究所では「ふるリポ!」というシステムの運用をはじめました。

だしとうま味」では、だしをうまくとり、うま味をひきたたせる方法についてのべています。このうま味を感じることも情報の重要なインプットです。うま味とは、塩見や苦味・甘味など、人の舌で感じることができる「基本味」のうちの一つです。たとえば昆布からだしをとる場合は、昆布を水にいれて加熱し、沸騰する前にとりだすようにします。


▼ 文献
『Newton 2016年10月号』ニュートンプレス、2016年10月7日

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