160829 霊長類
図1 眼で見て、3次元構造を認知し、行動して確認する

霊長類は眼と手足を進化させて3次元構造を認知できるようになりました。眼でみて認知したことを行動によって確認することが重要です。

岡山シティミュージアム(注1)で開催されている特別展「生命大躍進」は、霊長類の進化についても知ることができる貴重な機会になっています。

ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。岡山シティミュージアムで撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>



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プレシアダピスの下顎骨(暁新世後期)

プレシアダピスは偽霊長類であり、霊長類にふくまれるのか、あるいは霊長類の祖先にあたるのか、研究者によってさまざまな意見があります。

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プレシアダピスの復元想像図




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アーキケブス・アキレス(始新世/5500万年前)

現世メガネザルの祖先です。直接のヒトの祖先ではありませんが、真猿の起源を知るうえで重要な化石です。眼球がそれほど大きくなく、昼行性であったことを示唆します。

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アーキケブス・アキレスの復元想像図




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オレオピテクス・バンボリ(中新世後期/700〜600万年前)

オレオピテクス・バンボリは、ヨーロッパの類人猿であるドリオピテクスから進化したとの見方が有力です。歯の形は非常に特殊化しているのに、腕や脚の骨の形は現生の類人猿によく似た移動様式をしめします。

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オレオピテクス・バンボリの復元想像図




霊長類は、白亜紀後期(約8500万年前)に出現したとかんがえられています。

霊長類は左右の眼が前方をむき、両眼の視野がかさなり、左右の視差を検出することで立体視をすることができます。また手足が発達し、親指がほかの指とむきあっているので物をつかむことができます。
  • 立体視ができる
  • 手足が発達
こうした立体視能力と把握能力を獲得したことによってジャングルの樹上という3次元空間で生活することができ、ほそい枝先までにも行って花や果実・虫などを食料とすることができるようになりました。




霊長類の左右の眼にはいってきた光は電気信号に変換されて脳におくられ処理されて3次元像をつくります。これが立体視の基本的な仕組みであり、霊長類に特徴的な能力のひとつです。一方で霊長類は、手足が発達したためにジャングルという3次元空間(3次元構造)のなかを自在に移動することができす。

3次元構造を眼で見て認知して、移動・行動してそれを体で確認するということをくりかえしながら、3次元構造の認知能力がますます高まっていったとかんがえられます。このような能力は現代のヒト(人)にまでうけつがれています。

ここで、見ることをインプット、3次元を認知することをプロセシングととらえるならば、行動して確認することはアウトプットです(図1)。

両眼が前方をむいたことにより3次元構造を認知できるようになりましたが、一方で手足が発達したために3次元構造のなかを自在に移動できるようになったことも重要です。目でみること(インプット)と行動すること(アウトプット)は相互補強の関係にあったわけです。

このようにかんがえると、行動あるいはアウトプットには、インプットとプロセシングの結果を確認するという重要な役割もあることがわかります。この確認という行為があるからこそ見間違いや錯視(錯覚)にも気がつくことができ、間違いがおこったらそのつど修正して認知能力をさらに高めていくことができるのです。

情報処理が適切にすすんでいるかどうか、情報処理にエラーがおこっていないかどうかをアウトプットによって確認することはとても重要なことです。


▼ 注1
岡山シティミュージアム

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