質の高い睡眠をとると記憶が整理され、ひらめきがえられます。そのためには、起床から4時間以内に光を見て、6時間後に目を閉じ、11時間後に姿勢をよくするようにします。

菅原洋平著『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)は、睡眠は、一番手軽でしかも効果的にやる気を引き出す方法であるという立場から書かれた睡眠に関する実用書です。




睡眠中におこる記憶の整理とひらめきについてはつぎのように解説しています。


記憶をつかさどる脳の場所は、海馬と大脳にあります。(中略)

私たちが、目覚めている間に体験したことは、まず、覚えやすい海馬が記憶します。しかし、海馬はすぐに忘れてしまうので、覚えた記憶を大脳に移します。このプロセスを「2段階モデル」と呼びます。

この2段階目にあたる、海馬から大脳に記憶を移す作業が、睡眠中に行われています。(中略)

さらに睡眠中には、起きているときに解けなかった問題が解ける「ひらめき」の機能があります。「ひらめき」と「思いつき」は違います。知識を詰め込んで詰め込んで考えが詰まったときに、関係ない分野のヒントで、すべての知識がつながって解決するのが、ひらめきです。


このように睡眠は、脳の中の情報をフル活用して記憶を質的に変化させ、情報を統合し発想をうみだしているのです。つまり睡眠中に、無意識のうちに情報処理がすすむのであり、日中にインプットした情報がつかえる情報につくりかえられます。こうして昨日の経験は今日の仕事へ発展し、あたらしいことに挑戦するやる気もわいてきます。

このようなことがおこるのは、睡眠中に、問題解決のために有用な情報をもっている神経同士のマッチングがおこるからだとかんがえられています。一方で、不必要な情報は消去されます。記憶の整理と変換がおこなわれ、あらたな情報処理のための脳の空き容量も確保するという仕組みです。

著者の菅原洋平さんは、このような質の高い睡眠をとるために「睡眠のリズムを活用する3つの法則」を提唱しています。


起床から4時間以内に光を見て、6時間後に目を閉じ、11時間後に姿勢を良くする。


質の高い睡眠をとるためには、夜ではなく、昼間のすごしかたが重要だということです。

日々の生活と睡眠は、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の実践にほかなりません。昼間を充実させ、よく眠り、仕事を発展させていきたいものです。


▼ 引用文献
菅原洋平著『あなたの人生を変える睡眠の法則』自由国民社、2012年9月21日