睡眠によってプロセシングがすすみます。しっかりと睡眠をとることが技能の習得やあたらしい発見につながります。

内山真著『睡眠のはなし』 は、睡眠と、技能の習得やあたらしい発見との関連について解説しています。



たとえば以下にしめすような事例があります。


野球のバッティングの練習をつづけていたがその最中は効果があがらなかった。しかし2〜3日たったらあるとき突然うまく打てるようになった。

ピアノを集中的に練習するがその最中はそれほど指がはこばなかった。しかしひと晩ねてつぎの日になったらうまく弾けるようになっていた。

イスラエルのワインマン研究所のチームが「視覚弁別課題」とよばれる技能テストをおこなったところ、集中的に練習すると成績は一定レベルまで向上するが、それ以上に、つぎの日になると成績が向上することを発見した。


このようなことがおこるのは、練習をおこなったあとの睡眠中にプロセシングがおこっているからだとかんがえられます。


ハーバード大学の研究チームは、キーボードのタイピング運動課題をもちいてテストをおこなったところ、くりかえしの練習である程度は成績は向上するが、睡眠後にはさらにいちじるしい向上がみとめられることを報告した。


あたらしい技法を身につけるためには、おぼえたその日の睡眠が欠かせないということです。練習後の十分な睡眠によって手続き記憶は強化され、練習した以上に技能がたくみになっていくことをしめしています。複雑な技能ほどあるいは苦手な動作ほど睡眠の効果は大きくなります。


ドイツのリューベック大学の研究チームは睡眠と法則性の関係についてのテストをおこなった。一生懸命に練習しているだけだと背景にある法則性に気がつくことができなかったが、練習のあとよく眠り、翌朝に再挑戦すると多くの人が法則性に気がついた。


ここでも睡眠が重要な役割をはたしていることがわかりました。わたしたちは覚醒しているときにさまざまなことをかんがえ努力しています。しかしこれだけではたりません。しっかりと睡眠をとることが技能の習得やあたらしい発見に不可欠です。プロセシングは睡眠によってすすむということです。

最近の研究では、「深いノンレム睡眠でしっかり脳がやすんでいるとき、つまり意識がなくなっているときにこうした技能の習得がおこるという報告が多くなっている」そうです。


▼ 引用文献
内山真著『睡眠のはなし - 快眠のためのヒント』 (中公新書)中央公論新社、 2014年1月25日 

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