160809 記憶力を高める
図1 睡眠法で記憶力を高める

質のたかい睡眠は、あなたの学習と記憶を確実に強化します。また朝おきてからすぐに「復習」をすることも大事です。

茂木健一郎さんの『脳が冴える快眠法』は、質の高い睡眠習慣によって人生がうまくいくということを主張したおもしろい本です。



今回は、本書のなかの「記憶力を高めるハイパフォーマンス睡眠法」について紹介します(90-93ページ)。


夢を見ているレム睡眠時には、脳がその日に得た情報や出来事、さらには学習した内容を整理しながら、有益な情報と無益な情報を選別しながら長期記憶するという作業が行われています。そこで、質の高い睡眠を取ることによって脳の情報処理が活性化されるというわけです。

このような脳の仕組みを理解しながら、さらに効果を求めるのであれば、記憶したいものについての「復習」を朝起きてからすぐに行うということです。


記憶を定着させたり、記憶力をたかめるためのベースとなるのが睡眠です。質のたかい睡眠は、あなたの学習と記憶を確実に強化します。睡眠をしっかりとったときととらなかったときとを比較して、睡眠をしっかりとったときのほうが記憶力がよりアップしたという実験データがあります。いくら優秀な人であっても、睡眠不足の状態では最高のパフォーマンスを発揮することはできません。

脳科学の研究によると、睡眠中のレム睡眠時に人は夢を見、このタイミングが記憶力をアップする重要なポイントになってくるそうです。そして朝おきてからすぐに「復習」をすることも大事です。




このように睡眠によって自動的に記憶はすすみます。したがって情報のインプットをしたらさっさと寝るのが一番です。とくに筆記試験・資格試験にそなえるのであれば睡眠は不可欠です。このようなことがかつては知られていなかったために、翌日の試験のために夜おそくまで勉強したり徹夜をしたりした人も多いとおもいますが、これからの時代は睡眠法をつかったほうがよいことはあきらかです。

いわゆる試験勉強という行為は、現代の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点からとらえなおすと、あなたの意識の内面に情報をインプットし、それらの情報を意識の中に記銘・保持し、筆記試験の当日にそれらの情報を想起し、答案用紙に書きだすという過程です(図1)。ここで〈記銘→保持→想起〉はいわゆる記憶法の過程でありプロセシングにあたります。このプロセシングが睡眠によって強化されるわけです。そして書きだすことはアウトプットするということです。

このような情報処理の体系のなかであらためて記憶をとらえなおし、そのために質の高い睡眠をもとめていくことがのぞましいといえるでしょう。


▼ 参考文献
茂木健一郎著『脳が冴える快眠法 人生がうまくいく「質の高い睡眠習慣」のつくり方』日本能率協会マネジメントセンター、2013年4月30日