160808 睡眠法
図1 アイデアや発想を睡眠法によりうみだす
 
睡眠に入る5分前に脳に命題をあたえ、夢活動の準備をすると発想力がたかまります。

茂木健一郎さんの『脳が冴える快眠法』は、質の高い睡眠習慣によって人生がうまくいくということを主張したおもしろい本です。



今回は、本書のなかの「発想力を高めるハイパフォーマンス睡眠法」について紹介します(94-97ページ)。


発想力を高めるための睡眠法とはいったい何なのか?

それは、睡眠に入る5分前に脳に命題を与え、夢活動の準備をするとういうことです。(中略)

例えば、新しい企画のテーマやキャッチコピーなどでもいいでしょう。眠りに落ちる瞬間までその命題を少し思考しながら睡眠に入り、眠ったあとは無意識の脳に任せて情報整理を脳が行っているうちに、その命題と脳内の情報や記憶の断片が結びつき、上手くいけば目が覚めると何らかのアイデアが浮かんでくるのです。


アイデアや発想について「sleep on it」(それを一晩ねてかんがえる)という英語の言葉もあります。アイデアや発想についてある程度につまったら寝てしまい、目覚めで脳がすっきりした状態になることで解決できるということです。

この方法を実際に実践している人は漫画家や演出家にもいるし、茂木健一郎さんのまわりにもたくさんいるそうです。




命題と、脳内の情報や記憶の断片が寝ているあいだに自動的にむすびついてアイデアが生じるというのはおどろきです。これは従来の学校教育などでおこなわれてきた努力や苦学、頑張るというやりかたとは基本的にちがいます。

このような睡眠法は今日から誰でもすぐにできることなので、さっさとはじめた方がよいでしょう。

ただしあなたにとっての命題(課題)は何なのか? 常日頃から問題意識をとぎすませて命題(課題)を明確にしておく努力は必要でしょう。たとえば家庭・職場・地域・趣味・人生などについてそれぞれに課題が設定できるとおもいます。

また寝ているあいだに、脳内の情報や記憶の断片が自動的にむすびつくといっても、そもそも脳内への情報のインプットや重要事項の記憶がなかったらむすびつきようがありません。あらかじめ寝る前に、情報のインプットや記憶法を実践しておく必要があります。

情報のインプットとは、本や資料を読んだり、現地や現場を見たり、相手の話を聞いたりして、あなたの意識の内面に外部から情報をとりいれることです。そして大事な事柄については記憶法を活用して記憶しておくとよいでしょう。

以上を整理すると、命題(課題)を明確にして、情報のインプットをし、睡眠によってプロセシングをすすめて発想(アイデア)をうみだし、目覚めてからのアウトプットにむすびつけるということになります(図1)。


▼ 参考文献
茂木健一郎著『脳が冴える快眠法 人生がうまくいく「質の高い睡眠習慣」のつくり方』日本能率協会マネジメントセンター、2013年4月30日